状況が飲み込めない。
それが、ファイクが一番に思った出来事だった。
突然現れたロイミュードと呼ばれる謎のロボット集団。
そのロイミュードという存在を知っている車から突然現れた男。
目の前で幼くなったマリア。
冷静になろうとしているファイクは、それらの情報で頭が混乱していた。
そんな時だ。
「ぐっ!」
突如起きた爆発。
そこから現れたのは1人の男。
ファイクよりも年上であるのは、見るだけで分かる。
「ほぅ、まさか、ここまで追ってくるとはな」
「観念しなさいと言っても、すぐに投降するつもりはないんでしょう」
その人物は、幼くなったマリアの事を知っている様子であり、男もまた、マリアの事を知っている様子だった。
「ふっ、投降? その必要はない」
それと共に、男が懐から取り出したのは、一つのベルト。
「あれは、マッハドライバー!? なんで」
「何故、泊進ノ介がここにいるのか、分からないが」
そう、男は呟きながらも、その腰にマッハドライバーを回すと共に。
「丁度良い、ここで実戦をしてみるか」『シグナルバイク! ライダー!』
それと共にマッハドライバーに装填したのは、奇妙な形をしたバイク。
「変身」『ブースト!』
それと共に、男の身体は新たな装甲が身に纏う。
バイクのパーツがバラバラにくっついたような骸骨のようにみえる外見で白い炎を纏いながら男の身体を守るように装着されていく。その姿はまさしく戦士の姿だった。
「仮面ライダーっ」
「仮面ライダーブースト。完璧な平和をもたらす戦士だ」
そう、ブーストと名乗った人物はゆっくりと構える。
「さて、この世界の仮面ライダーの1人であるお前の力を試させて貰おうか」
そう、ブーストは呟くと共に、そのままファイクに接近する。
そのスピードは凄まじく、一瞬でファイクに接近する。
同時にファイクは吹き飛ばされる。
「なっ」
殴られた事に気づくのが遅れる程の一撃を受けたファイクはそのまま壁に叩きつけられる。
それでもどうにか立ち上がろうとした時に、目の前には既に拳を振りかざした状態のブーストの姿が映った。
それに対して咄嗟に腕を上げてガードしようとするも間に合わない事は明白であった。だからこそファイクはその攻撃を受け止めようとした瞬間。横から飛び込んできた蹴りによって攻撃は中断される。
「マリアっ」
幼いマリアは、その手の巨大な槍で、防御する。
「誰だか分からないけど、とりあえずは今はこいつをなんとかするのが先決よ」
そう言って襲い掛かろうとする相手に向かって小さな体で立ち塞がっていた。
その様子を見て思わず笑みを浮かべてしまうファイクだったが、即座に気を引き締め直すと目の前にいる相手に視線を向ける。
そこには既に戦闘態勢に入っている相手の姿があったからだ。
だが、未だにブーストの能力は分からない。
「あいつは、おそらくは重加速を使っている」
「重加速?」
泊の言葉に、ファイクは疑問に思う。
「俺の世界にある技術だ。あいつは、それを応用しているんだ」
「そうだ。そして、お前の世界で起きた永遠のグローバルフリーズ。
私は、あれを再現するつもりだ」
「なっ?!」
それと共に、出てきた単語に、泊は驚きを隠せなかった。
「永遠のグローバルフリーズ?」
「お前、なんでそんな事を!?」
「それを起こせば、どのような事でも私は完璧に対応する事が出来る。世界は永遠の平和が約束されるからだ」
「あれは、そんなんじゃない!!」
「だが」
それと共に、ファイクとマリア。
2人にブーストが攻撃を仕掛けてくる。それはまさに一瞬の出来事だった。
目にも止まらない速度で繰り出された攻撃を防いだ後に続く連撃に対して、避ける事も出来ない状況だった。
だからだろう。咄嗟の判断として取った行動は一つしかなかった。それは受け止める事だ。それによってダメージを減らす為の行動だったのだがその判断はすぐに間違いだったと思い知らされる事になる。何故なら受け止めても衝撃を殺しきれなかったのだから。
その結果としては何とか倒れずに済んだ程度だった。だけどそれだけでもかなり辛い状態なのは言うまでもなかった。
「どうすれば」
そう考えていた時だった。
泊が乗っていた車のライトが光り始める。
「えっ、また!?」
すると、車の車体前体部から、機関銃が現れた。
「「「えっ?!」」」
それには、その場にいた全員が驚きを隠せない中で、機関銃はブーストに向かってに銃弾を放った。
銃弾の嵐は、そのままブーストに襲い掛かるが、ブーストは、その攻撃を避けた。
「なんだ、それはっ」
そうしている間にも車は、その場にいた3人を無理矢理乗せる。
「なっなに!?」「なんなのよぉ!?」「うわあぁぁ?!」
そうしている間にも、三人を乗せた車は、そのまま走り出した。
眼前には、再び穴が開き、3人を乗せたまま、走る。
「さっきのは一体、いやっ待て」
3人が去った事で、ブーストは、その場で留まっていると、すぐに何かのデータを探る。
「奴らが向かったのはっまさか!」
すると、ブーストもゲートを開いて、その場から消えた。