研究所を進める事になった3人。
何の手掛かりもない状況でも、僅かな情報を手に入れていく。
「何か分かったかしら?」
そう通信している向こう側の、平行世界にいるもう1人のファイクに対して、問いかけるマリア。
『送られたデータからの信号を解析してみると、どうやらアドルフ博士が使用していたブーストと似た反応がある。たぶんだけど、ここはアドルフ博士が研究に行っていた基地だと思うよ』
「そう、どういう事か分からないけど、あの車は私達をこの場所に導いたのは何か訳がありそうね」
『とにかく、データの解析を進めておくよ』
「ありがとう」
そう、マリアはそのまま通信を終わらせる。
その様子を見ていたファイクは。
「・・・どうしたんだ?」
「・・・いや、その平行世界の俺は、なんというか凄いなと思って」
「そうなのか?」
ファイクの言葉に対して、泊は首を傾げる。
「・・・俺は、そういう技術はないから。やれる事は一緒に戦う事だけ。だけど、それは他の奴らにも出来る事だから」
ファイクは思わず呟く。
それは、これまで多くの戦いをくり広げる最中、自分自身の無力を感じる事がある。
そんな最中で、危機的状況を逆転する人物。
それは、一ノ瀬悠仁や立花響のように、どこか特別な力を持つ者達。
それか、多くの情報を集め、そこから逆転の道を示す者達。
ファイクは、そのどちらでもない。
そして、平行世界の自分は、その中で逆転の道を示す者だ。
「・・・俺は、そうは思わないけどな」
「えっ?」
すると、泊はふと、そんな事を呟く。
「お前が特別に見えている人達はな、きっと多くの人の助けがあって、戦って来られたと思う。その小さな事を気づいているかどうかだよ」
「小さな事を」
それに対して、泊は頷く。
「俺は警察だからな、仮面ライダーと言われているけど、永遠のグローバルフリーズを止める時、俺1人じゃ絶対に出来なかったからな」
「・・・」
それと共にファイクもまた、それと共に、自身の中を見つめ返すようにしていた。
すると、何やら通信が来た。
『えっと』
「俺なのか?」
『あぁ、その、急に通信して、悪かった』
それは、自分自身からの言葉。
それに対して、ファイクはゆっくりとその耳を傾ける。
『その、正直な話、今でも平行世界の俺が、まさか仮面ライダーになっているなんて、お驚きを隠せないんだ』
「そうなのか?」
『当たり前だ、シンフォギア装者は、平行世界でも、その多くが同じ人物である可能性はある。俺がマリアと一緒にいる世界はほとんどいないし、その、一緒に戦って支えている俺がいると思ったら、正直に言うと羨ましい』
「えっ」
それには、ファイク自身も驚きを隠せなかった。
『だからこそ、頼むぞ、俺。マリアを守ってやってくれ、こんな情けない事を言って、申し訳ないけど』
それと共に、通信が切れた。
「・・・隣の芝生は青く見えるか」
そう、思わず呟く。
だが、同時に、自分自身だからこそ、実感していた。
そうしている間にも、彼らは、その奥に見えたのは。
「これは一体」
見えたのは、巨大な何かの機械。
疑問に思う最中、マリアが疑問に思ったのは、その機械の中央にある何か。
「これは、番号?108?」
そう、何かがあった。
まるでタイマーのように動いているそれに、マリアは首を傾げる。
「108だって!?うっ」
「泊さん!?」
同時に泊は、頭を抑える。
「これは、なんだっこれはっ」
「まさか、ここに来ていたとはな」
「その声は」
泊の変化に戸惑っている間に、聞こえた声。
見つめた先にいたのはアドルフだった。
「アドルフ、これは一体」
「さぁね、私にも正直に言って、未だに分からない」
「なに?」
それに対して、アドルフは笑みを浮かべる。
「だが、その技術がどのような事が出来るのかはある程度分かる。
あえて、名付けるならば、歴史改変マシン」
「っ」
その言葉に、驚きを隠せなかった。
「この歴史改変マシン、これを使い、かつて永遠のグローバルフリーズを行ったロイミュード108のコアを復元させた」
「お前は、永遠のグローバルフリーズがどういうのか知っているのか!第一、なんでそんな事を!」
「言っただろ、完璧に救うと」
そう、アドルフは言う。
「歴史改変によって、悲劇を回避する方法を知る。同時に永遠のグローバルフリーズで、その原因を完全に消し去る。人類は、いや、全ての世界は、この方法で悲劇は回避される」
そう高らかに宣言する。
「まぁ、最も、こんな失敗作に手を出すのも問題だがな」
「ドライブドライバー!?」
そう、アドルフが手に持っていたのは、ドライブドライバーだった。
「あれは一体」
「・・・俺が仮面ライダーに変身した時に使っていたドライバーだ」
「試しに開発したが、やはりこれは役に立たずだったよ、これならばマッハドライバーの方がまだ使えたからね」
そう、ドライブドライバーを泊達に投げる。
「なっ」
「AIも何もない役立たずの処分と同時に、行わせて貰おうか」
そう、アドルフはブーストに変身する。
「させるかよ」
それに対して、ファイクは、前に出る。
「あなたのやろうとしている事を阻止してみせる!」
「出来るかな、お前達程度で!」
それと共に戦いは始まる。