「ぐっ」
ファイクは、すぐにケミカルに変身すると共にブーストに攻撃を仕掛ける。しかし、ブーストはその攻撃を簡単に受け止める。
その事に驚くファイク。
ブーストは、そのまま、蹴り飛ばす。
そして、すぐにファイクに近づき、殴りつける。
それに何とかガードするが、吹き飛ばされてしまう。
そこにマリアも攻撃を仕掛ける。
身の丈を遥かに越えるその槍はブーストに向けて、突く。
「シンフォギアも既に私の敵ではない!」
そう言いながらブーストは避ける事なく、真正面から受けようとする。しかしその瞬間にブーストはマリアの攻撃に対して何かを感じ取ったのか、その場から離れる。
同時にマリアが放った槍は空を切る。
「……なるほど、少しはやるようだな」
ブーストの言葉を聞きながらもマリアはすぐに追撃を行う。
しかし、ブーストはそれを容易にかわす。
そんな2人の攻防を見ながらファイクは考える。
(これは……どう考えても不利だ)
マリアの槍による攻撃が避けられたという時点でブーストの強さはかなりのものだろう。ならばこちらの攻撃も当たるかどうか分からない。
しかし、このままでは確実に負けるという事。それは間違いないだろう。
そんな中でファイクは考えた。
この状況を覆す方法を……。
「俺には、何も出来ないのか」
その状況で、ただ1人、泊は何も出来なかった。
その手の中には、AIも何もないドライブドライバーだけだった。
それでも、彼は、何か出来ない事はないか必死に考える。
「そもそも、なんで俺はここにいるんだ?あの時の車、どこかで」
同時に、泊の脳裏にはこれまでの出来事を思い浮かんでいく。
その出来事の最中で、泊はとあるキーワードに疑問に思う。
「歴史改変マシン、俺はこれを知っている?けど、一体」
『それは、歴史が元に戻ったからだ』
「っ」
聞こえた声。
それと共に、見つめた先には、見覚えのない人物。
ここにはいない誰か。
「お前は」
『俺の事なんて、どうでも良いだろ、それよりも泊、お前はどうしたいんだ?』
「俺が?」
その人物からの言葉に、泊は一瞬止まる。
だが、次の瞬間。
「俺は警察官として、そして仮面ライダーとして戦う」
『・・・やはり、お前は、変わらないようだな』
その答えに、その人物は笑みを浮かべる。
その次の瞬間、泊の手元に何かが迫る。
驚きながらも、泊が手にしたのは。
「これはシフトカー、それにこの形は」
泊を、ここまで連れてきた車だった。
それが一体何なのか分からないが。
「力を貸してくれ」
それと共にシフトカーをセットする。
「変身!」『ドライブ!タイプスペシャル!』
鳴り響く音声。
「なっ、今のは」「もしかして」「嘘でしょ」
それと共に、泊の身体は変化する。
本来ならば、起動する事がなかったドライブドライバー。
だが、そのドライブドライバーは起動し、泊を仮面ライダードライブへと蘇らせた。
その色は、かつてロイミュード108がドライブドライバーで変身したドライブ、ダークドライブと同じ色。
しかし、僅かに違う点としては、タイプスピードと同じ姿であり、首元にはマフラーがあった。
「馬鹿な、そのドライブドライバーには、変身する機能はあっても、それを制御するAIはなかったはず!?」
「さぁな、俺にも分からない、けど」
それと共に、泊はゆっくりと構える。
「ひとっ走り、付き合えよ!」
それと同時に泊は、ドライブは真っ直ぐとブーストに接近する。
ブーストはそれに対して驚きながらも、すぐに拳で殴る。
だが、ドライブは、その攻撃を紙一重で避けると同時に、まるで稲妻のように素早いパンチをブーストに叩き込む。
「っ!」
ブーストは吹き飛ばされる。
だが、ドライブはそれを回り込むと同時に蹴り上げる。
「なっ」「悪いが、そんなスピードでは、俺には勝てないぞ」
ブーストは、すぐに体勢を立て直してドライブに攻撃するが、その攻撃を全て避け、そしてカウンターを決める。
「ぐっ……」
ブーストは、すぐにドライブから距離を取る。
だが、ドライブはそんなブーストに対して接近する。
次々と攻撃を放っていく。
それらの攻撃をドライブは避ける。
「凄い」
「そうね、本当に」
「けど、なんでここまで」
『それは、当然かもしれない』
そう通信しているもう1人のファイクが答える。
『元々、泊さんは、数多く存在する仮面ライダーの中でもレジェンドと呼ばれる程の実力を持っている。そんな彼と似たような力を持っていたとしても、全てにおいて上である泊さんにアドルフ博士は勝てるはずはない』
「能力が同じであれば、性能に差があったとしても、戦闘経験が豊富であり、現役で警察官として戦い続けた彼と、研究で能力しか頼っていないアドルフでは勝ち目はないわ」
そう、マリアはファイクの言葉を引き継ぐように答えた。
その言葉を聞いて、ブーストは驚くが、すぐに納得した表情を浮かべる。
しかし、それは決して諦めたようなものではなかった。
「なるほど、さすがは伝説の仮面ライダーと言うべきだろう、だが」
それと同時だった。
歴史改変マシンに封印されていた108のコアが、アドルフに宿る。
「なっ」
それと共にブーストの姿は変わる。
それは、108の、パラドックスロイミュードの黄金と黒の2色が追加させられていた。
「っ!」
それと共にドライブに向かって、ブーストが襲い掛かる。
「先程、言ったな!確かに私には決定的に戦士としての実力はない。だが、究極のロイミュードと究極のシステム。この二つがある私に、勝てるか」
そうブーストは攻め込んでくる。それに対して、ドライブは冷静に対処して、攻撃を避け続ける。
そして、反撃とばかりにカウンター気味に攻撃を決めるが、それは受け止められてしまう。
それでも、ドライブの攻撃はブーストを追い詰めていく。
「このままじゃ」「さっきまで逆転していたのに」
その言葉と共に、何も出来ないのか。
ファイクが呟いた時だった。
『手はある』
「本当か!?」
それは、平行世界のファイクからのメッセージ。
『先程の泊さんが変身した際に観測したデータから、本来ならばあり得ない存在同士が融合するデータを得られた。そのデータを応用して、そっちの俺にあるライダーシステムの強化を行えると思う』
「強化ね、けど、どういう風に」
『それは、相性次第としか』
「・・・ならば」
それと共に、ファイクは自分自身のライドケミーカードを取り出す。
「・・・」「なに?」
すると、そのままマリアを見つめる。
それは、一ノ瀬が変身したライトニングジャングル。
シンフォギアと最も相性の良いケミーの力を借りる事で変化した銀色のガッチャード。
それは、まさしくアガートラームの力を宿していた。
そして、その際に使われたケミーが、ファイクが今、変身で使用しているライデンチ。
「強く思う」
それと同時だった。
ライデンチが光輝く。
それに合わせるようにバクオンゼミもまた共鳴する。
「これは、上手く行ったの?」『分からない、だが』
それと共にライデンチとバクオンゼミは姿が変わる。
『バクオンゼミ』と『ライデンジ』が再錬成し、銀色でマリアのアガートラームのような装甲を身に纏った感じの『ビートゼミ』と乾電池のような姿から大きめのバッテリーのような姿になった『ライバッテリー』。
「再錬成したのか、ならば!」
それと共に、新たな姿となったビートゼミとライバッテリーを装填する。
「変身!」『ガッチャーンコ!ライトニングシケーダ』
鳴り響く音声。
それに合わせて、ケミカルは、新たな姿へと変わる。
背中には蝉の羽のようなマント、より強固に強化された姿へと変わる。