「ファイク」
ケミカルの、新たな姿。
それを見つめながら、マリアは問いかける。
「やれるわね」
その一言。
それに対して、ケミカルは無言で頷く。
「だったら、持って行きなさい。役に立つか分からないけど」
そう、マリアが渡したのは、アームドギアである槍をケミカルは受け取る。
「いいや、助かるよ」
それと共にケミカルもまた構える。
その身体から音と電気。
二つの力で、ケミカルは再現させた。
重加速を。
「さぁ、行くか」
すぐにブーストとドライブの戦いへと向かって走り出す。
同時に、そのままドライブに向かって、放たれようとした攻撃を、槍で防いだ。
「まさか、ファイクか」
ドライブは、すぐに受け止めた人物の姿を見る。
「行きましょう」
同時に、ファイクはドライブの方へと目を向ける。
ファイクの言葉に対して、ドライブも頷く。
ファイクとドライブ、2人はそのまま並び立ち、真っ直ぐとブーストに向って行く。
その様子を見て、ブーストは笑う。
「無駄な事を!」
そうして、ブーストは受けて立つ。
ファイクは、その手に持つ槍をブーストに向けて突く。
その一撃を、紙一重で避けながら、すぐに蹴り上げようとする。
だが、槍から発している電撃と超音波。それをまともに受けてしまう。
しかし、それで動きを止める事はない。
ブーストは、その攻撃を利用して距離を取る。
「ふぅ、さすがに速い」
その様子を見て、ブーストは笑みを浮かべる。
だが、そんなブーストに向けて、既にドライブが追いつき、殴る。
「っ」
先程と同じ攻防。
だからこそ、ブーストはすぐに反撃しようとした。
だが。
「なっ」
ドライブの方へと目を向けていた為、ファイクの持つ槍先が、展開し、巨大な雷の刃が形成されていた事に気づくのが遅かった。
ドライブは、そのまま下へと潜り込むように身体を倒し、ファイクはそのままブーストに向けて、薙ぎ払う。
「ぐっ?!」
ブーストは、致命傷になる可能性が高いファイクの攻撃を避ける事を優先し、そのまま倒れ込む。
だが、その倒れ込んだ先で、避けられない連打をドライブが放った。それをブーストは避けようとして、体勢が崩れた状態で攻撃を受けてしまう。
「くっ」
「ふぅ……」
ファイクは、その場でブーストに対して構え直す。
その一方で、ブーストは立ち上がると、ドライブから距離を取る。
そんなブーストに対して、ファイクはそのまま接近する。
「ぐっ」
一方に視線を向けたらもう一方から攻撃される。
それに気付いたブーストはすぐにファイクに向かって攻撃するが、その攻撃をあっさりと避けられる。
そして、ブーストは、ドライブの連続攻撃を喰らう。
「なぜだっなぜ、完璧なはずのブーストが、不完全であるお前達に負けている!!」
そんな叫び声を上げるブーストに対して、ドライブは言う。
「それは簡単だ」
そう、ドライブは叫ぶ。
「俺達は確かに不完全かもしれない、だからこそ」
ファイクはそれに続くように、走る。
「「俺達は、力を合わせて、進めるんだ!!」
それと同時に、各々のドライバーを操作する。
『ヒッサツ! フルスロットル! スペシャル! スペシャル!』『ガッチャーンコ! ライトニングシケーダ! フィーバー!』
鳴り響く音声と同時に、ケミカルはその手に持つ槍を投げる。
それに合わせるように、ドライブの後ろから車が迫る。
「なっ」
それと共に、槍も電撃と音。
それによって、ブーストは完全に閉じ込められた。
「「はぁぁ!!」」
そのまま、ファイクとドライブ。
2人は車の壁面を蹴って、ブーストに向かって、その速度の加わった飛び蹴りをピンボール台のバンパーの如くぶちかまされ続ける。
「私は、完全に」
その一言と共にブーストは倒れ、同時に爆発する。
それは、2人の勝利の合図だった。