「どうにかって、どうするんだよ」
「この範囲の敵を倒すとしても、広範囲の攻撃を行えば、それこそ被害が」
「あぁ、だから、ドレッドだけを倒す。というよりも浄化するというやり方が正しいな」
ライブ会場へと辿り着いた俺が周囲を見渡しても、その数え切れない程のドレッド。
奴らを全て倒す事は、難しい。
ならば、倒すのではなく、浄化させれば良い。
俺はその言葉と共に、懐から二枚のケミーカードを取り出し、ユウゴッドとケミカルに投げ渡す。
「彼らの力を借りる」
「これは、そういう事か」
「まさか、俺達で似たような事をするとはな」
俺の言葉の意味を理解したように、各々のケミーもまた渡していく。
これらの攻撃を行うには、ケミーの条件もあるからな。
「彼らは一体」
「信じるしかないわね、私達は少しでも被害を少なくしないと」
「えぇ」
それと同時に謎の白いパワードスーツを身に纏った人達と翼さんとマリアさん。
彼らに、なるべく被害を少なくさせるように頼む。
それと共に、俺達は各々が新たなケミーカードを装填し、構える。
「「「「変身!!!」」」」
『ガッチャーンコ!アニバーサリータイム!』
鳴り響く音声。
それと同時に俺の姿は変わる。
その姿は、世界の破壊者ディケイドと、魔王と呼ばれるジオウ。
2人のライダーの力を借りた姿であり、その最大の特徴は、他のライダーの力を使う事。
そして、俺がアニバーサリータイムへと変身するのと同時だった。
「さて、こっちも盛り上がって行くぞ!」『ガッチャーンコ!グランドビート!』
ジャスティファイは、その身体に最も縁のあるナーゴの新たな姿となる。全身が土の鎧のナーゴへと変わると共に、その手に持った巨大なビートアックスを地面に突き刺した。
「あぁ、このライブを悲劇だけにはさせない」『ガッチャーンコ!ブリザードイブキ!』
それと共にケミカルもまた、全身に氷を。流れる風のような鬼の姿へと変わる。
威吹鬼の武器である音撃鳴·鳴風の弾丸を空に飛ばす。
それは、空で一つの中継地点のように留まっている。
「あぁ、絶対に成功させよう」『ガッチャーンコ!ライデンヒビキ!』
そして、最後にユウゴッドが、その身体を雷を纏った鬼へと変わる。
だが、すぐにその身体は、ワイルドモードへと変わる。
その姿はまるで鳥。
そのまま真っ直ぐと、天高く舞い上がる。
向かった先は、未だにドレッドを召喚する召喚陣。
全ての準備が出来た。
ユウゴッドは、その身体を巨大な太鼓のようになり、留まる。
同時に、俺はそのまま、手には、ユウゴッドの武装であった音撃棒·雷電を手に持ちながら、そのままガッチャードライバーを操作する。
『ガッチャーンコ!仮面ライダーフィーバー!』
それと共に、俺は跳び、そのまま太鼓となったユウゴッドに音撃棒·雷電を叩きつける。
それが合図となった。
動いていた全てのドレッドの動きが止まった。
「これは一体」
困惑を隠せない様子だが、まだ終わっていない。
俺はそのまま流れるように音撃棒·雷電を叩く。リズムに合わせるように。
「ふんっ」
それと共に、地面に突き刺したジャスティファイもまた、ギターを鳴らす。
ギターは地面を通じて、会場内にいるドレッドにも伝える。
「これは、まさかフォニックゲインをっ、一体っ」
「仮面ライダー響鬼の清めの音」
「響鬼?」「清めの音?」
疑問に感じている一同に対して、翼さんは言葉を続ける。
その最中で、ケミカルはまた音撃鳴·鳴風を吹き始める。
3つの音楽が重なり合う。
「自然の力であり、浄化の力を持つとされている。私も詳しくは知らないけど、つまりは」
「彼らは、ここでその清めの音による合唱を行っているのか」
空が、氷が、地面が。
この場所にある全てが音で溢れかえっている。
実際の清めの音が、効果があるか分からない。
だが、確かに効果はある。
先程まで、逃げ惑っていた人達も、脚を止めた。
「これは」
不安に怯えていた彼らも。
ドレッドが動きが止まった事で落ち着き始める。
それと同時にドレッドもまたその場を動かない。
「今のうちに!」「動ける人は、動けない人を助けて一緒に!」
「おっおぅ」
清めの音。それは、ドレッドの浄化だけではない。
パニックを起こしていた人々の心を落ち着かせる事にも成功していた。
同時に、翼さん達も警戒しながらも、俺達を見守り続ける。
そして。
「「「「ハァァァ!!」」」」
俺達が、最後の言葉。
それを合図に、ドレッド達はそのまま爆散する。
「よっと」
俺達は、そのまま地面に着地すると共に、周囲を見る。
「終わったのか」
「あぁ」
それと共に、俺達はドレッドライバーに近づく。
見ると、ドレッドライバーは既に破壊されている。
そして、その中にあるレプリケミー達は。
「・・・」
また、こんな事を繰り返してしまうのか。
そう、嫌に思いながらも、そのまま俺は白いパワードスーツの人達の所へと向かう。
「本当に助かりました!えっと、そう言えば名前は?」
「・・・」
そのまま、黙って行ってしまった。
「待ちなさい」
そうマリアさんは言うが、何時の間にか煙で周囲が見えなくなった。
「くっ、逃がしてしまったか」
「どうすれば」
そう喋っている最中。
「キャロル、届いているか?」
「あぁ、一応はな、それにしても、お前、大胆過ぎるだろ」
「えっ?」
通信で、俺の言葉に疑問に思う。
「それじゃ、泉、手伝ってくれ」
「手伝うって、一体何を?」
「何って、さっきの人達を追うんだよ」
「追うって、どうやってだよ、通信はどういう訳か届かなかったのに」
「ふふっ、ケミーの力を使ったんだよ」
「ケミー?」
そう言いながら、俺はウツボッチャマを見せる。
「ウツボッチャマを?」
「こいつは甘い香りで誘い込み、中に落ちたものをなんでも取り込んでしまう。
そして、さっき、ウツボッチャマの甘い香りをつけたんだ」
「そういう事か!」
それと共にジャスティスドッグを召喚する。
そして、ジャスティスドッグは、ウツボッチャマの臭いを嗅ぐ。
「それじゃ、行くとするか」