「ギーツキラー」
その名前を聞く限りでも、目の前にいるフィーネの身体を乗っ取った人物は、間違いなく英寿さんに関係している事が分かる。
「お前は一体、何者だ」
「まぁ、良いだろう、これから消えるおまえ達への冥土の土産だ」
それと共にギーツキラーは、自らの事を話し始めた。
2000年前のデザイアグランプリでかつての英寿さんと戦った事。
2000年前の英寿さんに敗北し、当時のデザグラでは敗者は止めを刺されることが勝者のしきたりであったが、「命を奪う価値もない」と吐き捨てられたことを屈辱に思い、彼への復讐を決意。
長きに渡って錬金術を学び、転生を繰り返す英寿さんの行方を追い続けていた。
そして、この世界が誕生する前の、転生前の俺と英寿さんに敗れた。
「まさか、お前の狙いは」
「お前の中にある浮世英寿。その力を使い、奴を今度こそ復讐する事だ!」
そう言った奴の言葉に嘘偽りはないだろう。
だからこそ、理解できた。
「フィーネは、何度も転生しても、変わらない目的の為に動いていた。だからこそ、同じ人物を気の遠くなる程に求めてきた奴と、相性は良かった」
その理由が愛か復讐か。
そこからの違いはあるが、長い時間、同じ相手を思っていた。
「それで、俺を狙ったのか」
「あぁ、貴様がギーツの力を使う事が出来る。ならば、その力で奴を呼び出す事が出来るはずだ」
それに対して、俺は答えれない。
未だに、俺は、あの人の背中に追いつけない存在でしかないんだ。
だからこそ、ギーツという存在は、俺の目指す強さの象徴でもあった。
そんな俺が。
そう考えていた時だった。
「今だったら、分かるかもしれないな」
「えっ」
すると、俺を支えてくれたのは、クリスだった。
クリスは、倒れそうになっている俺の横に立った。
「フィーネに、利用された時は、ムカついた。けど、1人の相手を愛して、振り向いて貰う為に頑張っている姿は、凄いと思ったよ。……だから、あたしも、お前の頑張りを見ていたから」
そう言って、クリスは俺の手を握った。
「正直、まだフィーネのように何千年と一途に出来るか分からないよ。お前だって、ギーツの背中を追い抜く事が出来るか分からないだろ」
「……あぁ」
それはそうだ。
例え、英寿さんと同じ道を歩んだとしても、俺は英寿さんと同じようになれるのか分からない。
けど、それでも。
「何時かは、英寿さんを越えられるように努力しないと、英寿さんに失礼だからな」
俺が目指す理想の仮面ライダー。それを越える為にも。
「憎しみにしか、考えられない奴には負けられないよな、クリス!」
「あぁ」
そう、クリスは横で声をかけてくれた。
思えば、俺は多くの人に支えられていた。
響は一緒に前に進んでくれる。キャロルは、俺の背中を押してくれる。そして、クリスは横で一緒にいてくれる。
恋愛では、未だに分からない。
だけど。
「この俺を軽く見ているつもりか」
「少なくとも、憎しみ続けるよりも、愛の為に生きていた人よりもな」
そう考えてみると、英寿さんとフィーネは似ているかもしれない。
たった1人の為に、何千年と戦い続けた。
それが、正義か、悪かの違いだけで。
そう考えている時だった。
「おい、無事か!」
聞こえた声。見ると、そこには飛渡瀬、六道、泉の3人がいた。
「おぉ、この面々だったら、やるしかないな」
「えっ、どういう事?」
そう疑問に思っている間に、俺はニジゴンを呼ぶ。
「ニジゴン、頼めるか?」
「おぉ、もしかして、あれをやるのか?」
ニジゴンの言葉に、俺は頷く。
「行くぜ、変身!」『レインボーガッチャード!』
それと共に、俺はレインボーガッチャードに変身する。
同時に取り出したのは8枚のケミーカードを取り出し、そのままレインボーブレスを吹かせると共に。
『ガッチャーンコ! プロージョンオーガ! ヒアウィーゴーン!』『ガッチャーンコ! ブジンコプター! ヒアウィーゴーン!』『ガッチャーンコ! グランドファンタジー! ヒアウィーゴーン!』
その内の三枚。
それは、かつて力を貸してくれた仮面ライダーバッファ、タイクーン、ナーゴ。
その3人の仮面ライダー達の力を最大限に発揮した姿に、レインボーブレスによって、再現された。
よって。
「これは、あの時の再現なのか」「いや、むしろあの時よりも凄まじい力を感じるな」「あぁ、これだったら」
「なっ」
その光景に、向こうは驚きを隠せない様子。
そして。
「それじゃ、行くぜ、クリス!」
『ガッチャーンコ! ツインフォックス! ヒアウィーゴーン!』
鳴り響いた音声。
それと共にクリスの姿は変わる。
それは、XDの時の姿に似ている。
だけど、所々に、ギーツⅨの要素が入っている。
元々、銃を使っているクリスは、その両手にあるマグナムシューター40XとギーツバスターQB9と両手に持っている。
「ギーツっ」
それと共に、ギーツキラーがこちらを睨む。
先程まで、確かに巨大に見えた。
けど、なぜだろうな。
今の状況で、俺はまるで恐怖を感じない。
同時に、俺はそのまま構える。
「さぁ、ここからが、ハイライトだ」
そう宣言した。