「グリオン」
俺は、そう、目の前にいるグリオンを睨みながら言う。
「一ノ瀬宝太郎、いやこの場合は、一ノ瀬悠仁と言っておこうか。久し振りじゃないか」
「前世の俺には、相当世話になったな」
そうしながらも、俺はそのまま構える。
だが、その構える俺に対して、グリオンは変わらず不気味な笑みを浮かべながらも、周囲を見る。
「あぁ、だが皮肉にも、以前の世界の証拠というのが、ケミー以外は、私と君しかいないとはね」
「ほぅ、それはつまりは私達はいないという事か」
キャロルがそう呟くと、グリオンもそちらを見つめる。
「あぁ、そうだね、それにしても皮肉だな、まさか君のような子供がマジェードになるとは」
「マジェードも、いたのか」
「あぁ、いたさ、そして、子供というのもアトロポスを思い出すよ」
「アトロポス?」
キャロルは首を傾げる。
「・・・グリオンに従っていた冥黒の三姉妹。その1人の名前だ」
「そう、彼女は用済みになったが、くくっ、今では笑い話になるな」
「どういう人物か分からないが、どうやらお前を気に入らないのは変わらないようだな」
そうして、キャロルもまたグリオンに対して視線を向ける。
「だが、私達にとって、最も脅威となるのは、一ノ瀬悠仁でも、キャロルでもない。君だよ、立花響」
「私?」
そう、グリオンは、まさしく響に向かって、見つめる。
「この世界ではない、平行世界の君というべきだろう。だが、その君によって、幾度となく、野望を砕かれた」
「私も、この子の欠片を追って来てみたら、本当に厄介な人物がいたと思ったよ」
「だから、ここで君を確実に潰せるのは、本当に運が良い」
その言葉と同時にグリオンが取り出したのは、見た事のないドライバー。
『エルドラドライバー!』
グリオンは、そう、これまで見た事のないドライバーを腰に回す。
同時に。
「さて、それではやるとしようか」「えぇ」
同時に、グリオンがその手を翳す。
それと同時にベアトリーチェの身体が黒い靄となって、グリオンの手にあるブランクカードに吸い込まれる。
「これはっ悪意」
「えぇ、そうよ、貴方達にとっては、苦手なのね」
それと同時に、そのブランクカードには、漆黒の正八面体を思わせるシルエットが刻印されている。
「さぁ、見せましょう」
その言葉と共に、グリオンは、その手にあるケミーカードをエルドラドライバーに装填する。
『DARK ETHER!』「変身」『イーヴィルクリューソス!ドラド!』
鳴り響いた音声。
それと共にグリオンの姿は変わる。
真っ赤な血を思わせる鎧と共に、それはどこか魔王を思わせる。
そんなグリオンの新たな姿に対して、俺達は構える。
「そうだな、あえて名乗ろう。私達の字」
同時にそのままグリオンは、構える。
「ドラド」