歌姫と錬金術とライダー   作:ボルメテウスさん

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デイブレイク

「黒いニジゴン」

「そう、この世界にある悪意を集め、造り出された存在」

 

グリオンは、そのまま笑みを浮かべる。

 

「お前達のこれまでの戦いでも見たはずだ、ノイズによって人間は、その悪意が表面に出る事を。そして、多くの人々は、その悪意に支配される事を。悪意程、人間が簡単に生み出せる物はない」

 

そのまま、黒いニジゴンこと、エルドラゴンを、再度ドライバーに装填すると共に。

 

「そして、これこそが、私のケミストリー」『ジェネシス!イース・トン・エオーナ! エル・ドラード……!』

 

グリオンは、そのまま腰にあるベルト中央の部分を展開する。

それと共に、その姿は変わる。

先程までの赤い血を思わせる装甲の上に黄金の鎧が身に纏う。

 

「新たな姿」

「そう、そして」

 

同時にグリオンが、その手を翳す。

それと共に、周囲に変化が起きる。

 

「なっ」

 

それは、俺の立っている大地の、黄金が大きく広がっている。

 

「グリオンっ何をした!」

 

俺は、そのまま走り出し、グリオンに向かって、拳を振るう。

 

「決まっている、黄金を広げている。当初の目的通りにね」

 

グリオンは、まるで気にした様子もなく、俺の拳をその手に錬成した黄金の剣で、それを受け止めた。

それと共に、反撃するように蹴るが、俺はその場を跳び、瞬時にエクスガッチャリバーを手に取り、構える。

 

「一ノ瀬悠仁、確かにそのミラクルガッチャードは強い。だが、お前は負ける」

「そう、言われて、お前に負けるつもりはない」

 

俺は、さらに加速するように走り出し、エクスガッチャリバーを振るう。

グリオンもまた、その手にある剣でエクスガッチャリバーに対抗する。

同時に、仮面の奥からでも分かる気味の悪い笑みと共に笑い声を響かせる。

 

「それが勘違いなのだ!確かに私はお前との戦いに負けても良い!結果、黄金の世界が造り出す事が出来ればなぁ!」

「どういう事だっ!」

 

俺は叫びながら、エクスガッチャリバーを振るう力を止めない。

 

「既に私の意思は、世界蛇と一つとなっている!悪意がある限り、蘇る事が出来る私には、この戦いに負けたとしても、また復活出来るっ!」

「っ」

 

そう、グリオンは周囲の黄金を操り、俺を拘束するように襲い掛かる。

だが、ゴギゲンメテオの隕石によって、全てを破壊していく。

 

「この黄金の大地で、君が1人を残し、全てを黄金に変える。私よりも先に、黄金郷を堪能してくれ」

 

その言葉に、俺は迷う。

どうすれば良い。

グリオンを倒したとしても、俺1人で元に戻す事なんて出来るのか。

ケミーと力を合わせても、果たして。

 

「迷いが見えるぞ、一ノ瀬悠仁!」

「っ」

 

それと共に、グリオンが構えると共に、そこから現れた黄金の龍が、俺に攻撃を仕掛ける。

すぐにエクスガッチャリバーを構え、その一撃を耐えながら、後ろに飛ぶ。

 

「ぐっ」

 

そのまま地面に着地すると共に、グリオンはゆっくりと歩む。

 

「あと少しで、黄金郷は完成する。そして、私が死んだとしても、君が再び絶望した時、私は君となる。あぁなんて楽しみなんだろうか」

「グリオンっ」

 

状況の打開はもう出来ないのか。

焦りを、感じるその最中だった。

 

『諦めるな』

「えっ」

 

聞こえた声。

それには聞き覚えがあった。

周囲を見ても、その声はどこにあるのか分からなかった。

 

「ミナト先生!」

 

困惑を隠せなかった。

 

「何を言っているんだ、貴様は、ミナトなど、どこにも」

 

その声は、グリオンも聞こえなかった。

だけど、俺は確かに聞こえた。

前世の、一ノ瀬宝太郎にとっての恩人である先生。

 

『諦めたら駄目だ』『そうやで、お宝ちゃんには、この世界の仲間やうちらがいるんや』

「錆丸先輩!蓮華お姉さん!」

 

そして、次に聞こえて来たのは先輩達の声。

俺は周囲を見渡す。

だけど、その姿は見えない。

 

「ついに、頭が可笑しくなったのか」

『お前は見つけたんだろ、お前のガッチャを』『何よりも、お前だけじゃないんだからな』

「スパナ、加治木も」

 

それと共に、俺は、自然と立ち上がる。

 

『私達も、一緒に戦うよ。今度こそ、この世界を守る為に』

「九堂!」

 

その言葉と同時だった。

ユグドラシルが突然、爆発した。

その事に、グリオンも驚きを隠せなかった。

 

「何が起きたっ」

 

その言葉と同時に、空を見上げる。

そこには、赤い光。

先程までのグリオンが変身していた姿が血のような真っ赤に染まっていた物だとすれば、それは、まるで炎。

その数は凄まじく、炎は、そのまま周囲に散っていく。

 

「何がっ」

 

それと同時だった。

 

『ライジングソウル!シャイニングデイブレイク!』

「っ」

 

その音声に、俺とグリオンは、空を見上げる。

同時に、その内の一つが、降り注ぐ。

そこに立っていたのは、紫とオレンジのグラデーションがかかったマントを身に纏い、腰にはガッチャードライバーがある。

そして。

 

「遅くなって、ごめんね、悠仁!」「響!」

 

そこには響が、立っていた。

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