戦いは、終わりを迎えた。
その時には、既に俺達の身体には、各々の仮面ライダー達の力は既に消えかけていた。
それは、先程までの戦いが終えたのも関係していたんだろう。
「ありがとうございます」
そんな俺の言葉に対して、俺の身体から離れたギーツさんは、そのまま手を振りながら、その姿を消した。
俺の手元には、まだ、確かにあのケミーカードはある。
これが、また、何時、覚醒するか分からない。
「考えれば、一番のイレギュラーは貴様だったな、ガッチャード」
「俺?」
戦いを終えたフィーネは、そのまま、俺を見る。
「ケミーの中でも、私は特に強力な存在を見つけたはずだ。
だが、お前の持つ、そのケミーカードだけは、まるで分からない」
その視線は、俺の手に持っているギーツのケミーカードだ。
「・・・結局、あなたの力は一体何だったのかしらね」
「俺の?」
「えぇ、他の3人へと力を渡したその力。最後まで、分からなかった」
「簡単な答えだよ、それは」
俺はそう言いながら、その手に持つカードを見せる。
そこには、ギーツさん以外にも、この戦いで力を貸してくれたバッファ、タイクーン、ナーゴ。それにここにはいないが、確かに存在するケイローンにロボ。
これらのライダー達が力を貸してくれた大きな源は。
「俺の力じゃない。ここで、歌を歌ってくれた人達。そして、応援してくれた人達の力。それが、あなたの言っていた力の正体だ」
「まさか、あの時の歌が」
「人々の想いを力に変える能力。それが、俺の今の力の正体だ」
「・・・まさか、仮面ライダーの力が、それだとはな。だがっ」
同時に見つめた先。
そこには、月の欠片。
「なっ」
「あの瞬間、私が放ったあの光線は、確かに月へと届いた!」
「っ」
それは、つまり、こちらに月の欠片が迫っている事。
「ガッチャージキャノンはっ」
すぐに俺はそこを見つめる。
だが、その砲身は、途切れていた。
「くそっ、これじゃ」
「私の悲願を邪魔する禍根は!ここでまとめて叩いて砕く!!」
勝ち誇ったように叫ぶフィーネ。しかし、その身から鎧がボロボロと砕けて崩れていく。
「この身はここで果てようと、魂までは絶えやしないのだからなぁッ!聖遺物の発するアウフヴァッヘン波形がある限り、私は何度だって世界に蘇る!!どこかの場所!いつかの時代!今度こそ世界を束ねるために!!フハハハッ!!私は永遠の刹那に存在し続ける巫女、フィーネなのだぁぁぁぁッ!!」
狂ったように叫び続けるフィーネ。そんな彼女の胸に響がコツンと拳をぶつける。
「うん、そうですよね……」
そんなフィーネに対して立花さんは穏やかに言いながら拳を当てた姿勢から体を直立へと起こす。
「どこかの場所、いつかの時代、蘇るたびに何度でも、私の代わりにみんなに伝えて下さい。世界を一つにするのに、力なんて必要ないってこと。言葉を超えて、私たちは一つになれるってこと。私たちはきっと未来に手を繋げるってこと。私には伝えられないから。了子さんにしか、できないから」
「ッ!お前……まさか……」
立花さんの言葉にフィーネは目を見開き
「了子さんに未来を託すためにも私が今を守って見せますね」
「立花さん」
「仮面ライダーさん、どうか、お願いします。これから先の事を」
その言葉を最後に、立花さんは、そのまま空へと旅立った。
「ぐっ」
既に俺には、向かうだけの力はない。
その手には、何もない。
「まったく、あの馬鹿だけやらせる訳にはいかないな」
「あぁ、そうだな」
同時に雪音さんも、風鳴さんも、そのまま飛ぶ。
「ぐっ、こんな時にっ」
「俺達はっもぅ」
「今のケミー達じゃっ」
他の3人もすぐに向かおうとする。
だが、さすがに宇宙を越えるだけの力は、今の俺達にはない。
どうすれば。
「・・・どうやら、まだ、お前は運に見放されていないようだぞ」
「えっ?」
キャロルの言葉。
それと共に、ホッパー1が見つめた。
その先には、一体のケミーカードがあった。
「ゲンゲンチョウチョ」『ゲンゲン!』
新しいケミー、その番号は。
「やってみるしかないかっ」
俺は同時に、その手にあるケミーカードを装填する。
『フォルテドラゴン!ゲンゲンチョウチョ!』
「変身!」
『ガッチャーンコ!ゲンゲンドラゴン!』
それと共に、俺はそのまま飛ぶ。
同時に、身体は、幻影を纏い、まさしく幻の中の龍。
「綺麗」
そんな声を聞きながらも、俺は向かった。
既に、月の欠片は破壊された。
同時に、宇宙から、地球へと落ちる3人が見えた。
俺はそのまま、3人を受け止める。
「えっとこれって、ドラゴン?」
「これは、ガッチャードライバー、まさか」
「お前なのか、仮面ライダーなのかっ」
「さすがに、任せっぱなしは嫌だからね、下まで、運ばせて貰うよ」
そう言い、俺達は、そのまま地上へと向かって、降りていく。