橋の上で、俺はそのままスケーティングの俊敏な動きと共に、目の前にいるケミカルの武器である槍と打ち合う。
手に持ったガッチャートルネードの刃で、眼前にある槍を受け流し、そのまま流れるように、斬撃を繰り出す。 「ッ!?」 だがその攻撃は空を切るだけで終わる。ケミカルも素早く後退し、俺の攻撃を避けたのだ。
「.」
しかしそれでも、相手の槍がこちらに向いていた事に違いはない。
それは、ケミカルの身体には、今は忍者の力であるサスケマルが宿っており、その素早さは、こちらを遙かに上回っている。
「ふぅ」
俺は一旦、息を整えながらも、その手にあるガッチャートルネードを握り直す。 相手は忍者の力を手に入れた事で、今までとは比べ物にならないほどの速さを手に入れている。
(.やっぱり、こっちから仕掛けないと駄目か)
今のスピードに対抗する手段がない訳ではない。
けれどそれを使う事は、この場において得策ではないと判断した。 先程までの戦いの中で、一つ気になる事があった。 それはケミカルが持つ三又の槍だ。 あの槍には何かある気がする。それがなんなのかは分からないが、あの槍を持っている時のケミカルからは、ただならぬ気配を感じるのだ。 だからまずは、奴の動きを止める事が重要だろう。
(よしっ!)
そう判断した俺は、再び相手に攻撃を仕掛ける為に、一歩を踏み出した。
「!」
するとそこで、相手が俺に向かってくるのではなく、後ろに下がっている事に気づく。
それに対して、俺はすぐにガッチャートルネードの後部のレバーを引き、真っ直ぐと光の矢をケミカルに放つ。
放たれた矢に対して、ケミカルは横に飛ぶ事で回避するが、俺はそのまま前に駆け出し、距離を詰めていく。 そして相手の横を通り過ぎた瞬間、ガッチャートルネードを勢いよく振り上げ、斬り上げる。
「ッ!!」
しかしそんな俺の行動を読んでいたのか、ケミカルはすぐに後ろへと下がり、斬撃を避ける。 そしてその体勢のまま、今度は俺に向けて槍を突き出す。
だが、それは、俺にとってはありがたい行動であった。
俺は瞬時に、ガッチャードライバーから、スケボーズを取りだし、そのままガッチャートルネードに装填する。
『ケミースラッシュ!』
俺はそのまま、ガッチャートルネードをまるで手裏剣のように、大きく振りかぶって、投げる。
「なっ!」
その行動に対して、ケミカルは驚いた声を出す。 それも当然の事だった。 なぜなら今投げたガッチャートルネードには、先程の矢と同じように、スケボーズの力を纏わせてあったからだ。
そのガッチャートルネードは、スケボーズの力により、高速回転をしながら飛んでいく。 その速度はまさに、目に見えない程。
「だがっ甘い!」
それと共にケミカルはすぐにその場を避ける。それによって、ガチャートルネードは空を切るだけに終わるかと思われた。だが、そのガッチャートルネードの真の狙いはそこではない。
「はぁ!」
向かった先。その先にいたのは風鳴さんだった。風鳴さんは、そのままガッチャートルネードをまるでスケボーのように乗りながら、眼前で戦っているマリアに向かって、斬り裂く。
「なっ、まさか、これが狙いで「これを使え! 仮面ライダー!」なっ」
そのまま、風鳴さんが、こちらに向けて、投げられた刀を受け取る。
「行くぜぇ!!」
同時に俺はその手の持った刀で、ケミカルへと攻撃を仕掛ける。 それを相手も、槍で防ぐが、それにより、一瞬動きを止める事となる。
そこを狙って、刀を振るう。 だが、それは簡単に避けられてしまう。 そして距離を取る為に後ろに下がる。
だが。
「はぁ!!」
両手に構えた刀から火炎を放出、自身を青い火の鳥と化して突進する。
ケミカルは、その攻撃を、受け止める事は出来たが、それでも完全に止める事は出来ず、吹き飛ばされる。
「ぐっ、しまった」
「おっと」
俺はそのまま手を前に翳すと、そこには。
「ホークスター!」「俺のケミーがっ」
すると、俺の手元にあるホークスターは、何かを訴えている様子だった。
「……」
他の所で、戦っている奴らも見る。
そこには、以前までのグレイムとも、あのエメラルダンとも違う。
ケミーから、確かに信頼されている様子がある。
それは、悪意のある人間では決して無理な事だ。
「お前達の目的はなんだ、ケミーが、力を貸してくれるという事は、お前達だって、良い奴のはずだろ」
「……言えない事もある」
それと共に、こちらまで迫ってきた飛行機に気づく。
「ここまでか」『ビーマル! フィーバー!』
それと同時に、ケミカルの身体は、無数の蜂となって、俺達に襲う。
「ぐっ」
それによって、目眩ましとなって、奴に逃走を許してしまう。
「逃げられたか」
そのまま、俺はすぐにスチームホッパーへと変わり、アッパレブシドーを見る。
「今日はサンキューな」
そのまま、アッパレブシドーは、すぐに風鳴さんの元へと向かう。
同時にジャスティファイに近づくと。
「あの、良かったら、サインを「おい、帰るから、さっさとワイルドモードになれ」えぇ、それはないだろ、仮面ライダー!」
「だったら、ゴルドダッシュとバーニングネロだけでも、返して貰うぞ」
「うぐっ、さすがに徒歩じゃ、無理か」
その言葉に渋々と従うジャスティファイ。
「仮面ライダー、あなたの正体は」
「……こればかりは、俺の相棒が許さない限りは、駄目だからな」
それと共に、俺達はすぐに離れる事になった。
今回は、まさしく、痛み分けの結果に終わってしまった。