「新たなるさまになりき。されど、未だにえ使ひこなさぬ内ならば」
それと共にグレイムは構える。
確かに、この姿になるのは、初めてだ。
グレイムは、そのまま俺に向かって、竜巻を放つ。
だけど。
「初めてだとしても、ケミー達が、俺に教えてくれる」
その言葉と共に、足に装着されている車輪が回り始める。
同時に、こちらに迫る竜巻を、素早く回避しながらも、手を前に出す。
すると、ガッチャードライバーから弓形武器、ガッチャートルネードを生成し、そのまま俺は構える。
「狙いは、そこ!」
「っ!」
放たれた矢は、そのままこちらに向けていた竜巻を発生する手に放った。
それによって、グレイムは、強制的に軌道を変えられる。
「ぐっ」
「よっと、そのまま大人しくな」
同時に、俺はそのまま急接近すると共に、足払い。
そのまま流れるように、グレイムを抑えつける。
「そのさまは初めてなべき。なのに、など、そこまで!」
「言っただろ、ケミーが教えてくれたって。
それよりも、別に戦う必要はないだろ」
「ケミーを集める事。それが望み!」
同時にグレイムの姿が大きく変わる。
それは一言で言えば、異形。
まるでクワガタが飛行機を思わせる姿へと変形する。
「ワイルドモードかっ」「さらば!」
それと共に、グレイムはそのまま去って行った。
とりあえずは、戦いは少しだけど、終わった。
『あっぱれ』
「そうか、ありがとう、アッパレブシドー。
戻ってきて、ホッパー1!スチームライナー!」
それと共に、俺は再びアッパレスケボーから、スチームホッパーへと姿が戻る。
そして、そのまま翼さんの元に、戻っていった。
「これは、どういう事だ」
「アッパレブシドーが、翼さんを助けたから、そのお礼に力を貸してくれたんだ」
「・・・どちらにしても、ここであなたを連れて行く」
「まぁ、少しは落ち着け」
同時に俺は聞こえて来た声に見つめる。
そこには、赤いスーツを着た男性がいた。
「えっと、あなたは?」
「まぁ自己紹介からだな。
俺は風鳴弦十郎。特異災害対策機動部二課に所属している」
「二課?」
聞いた事もない単語に、俺は思わず首を傾げる。
「あぁ、だが、まずは翼が君に刀を向けた事への謝罪、そして同時に助けた事への礼をさせてくれ」
「えっいや、俺は別に、そんな。
それに、俺はただ、目の前にいる誰かを助けたいだけだったなので」
「それでもだ」
そういった、弦十郎さんは、そのまま頭を下げてくれた。
「君には、これまで多くの事で助けてもらった。できれば、一緒に行動して欲しい所だが」
「すいません、それはできないんです。あいつが嫌がるから」
「あいつとは?」
「俺と一緒に行動してくれている奴です。
口は悪いけど、色々とぐえぇ!?」
そう、俺が言っていると共に、蹴り上げる影。
振り返ると、そこには、キャロルがいた。
ただし、普段とは異なり、大人の姿で。
「お前は馬鹿か。こういう情報を遮断する為に、わざわざガッチャードライバーにすぐに転移するようにしていたのに」
「えっ、いやぁ、でも、親切そうな人だし、別に話しても「何か言ったか」なんでもありません」
そのまま、俺は思わず口を閉ざしてしまう。
「君は一体」
「俺はこの馬鹿の保護者のよう立場で、錬金術師だ」
「錬金術師?」
それに対して、首を傾げる少女。
「なぜ、その情報を?」
「お前らに情報を渡しておけば、お前達経由で、他の奴らの牽制になる。
だから、必要最低限の情報だけを渡すだけだ」
「他の奴らの牽制?」
「そう、既にお前達も知っている通り、この馬鹿を含め、ガッチャードライバーは全てが9つ。そして、各々が変身する奴と、そいつと一緒にいる錬金術師がいる」
「予想していたとはいえ、まさか9人もいるとは」
「つまり、9人の仮面ライダーさんという事ですか?」
「仮面ライダーと名乗っているのは、この馬鹿だけだ。ガッチャードライバーに備わっている名前があり、こいつは一番始めに造られたからガッチャードだ」
「随分と情報を教えるのね」
「言っただろ、他の奴らの牽制だって。それにわざわざケミーを引き寄せてくれる餌への対価も支払わないとな」
「餌だとっ」
そのキャロルの言葉に対して、翼さんはさすがに怒った様子。
「ちょっ、さすがにそれは駄目だろ」
「お前は相変わらず、馬鹿だな。という事で、気をつけた方が良いぞ。ケミーを引き寄せる。それだけで、お前達は十分に狙われるからな」
そう言い、キャロルはそのまま俺の転移装置を起動させる。
「あの、仮面ライダーさん!!」
「んっ」
そう、転移する直前、彼女が俺に声をかける。
「私は、立花響!仮面ライダーさんにだけ、名前を知られていないのも、嫌なので!」
「立花響、あぁ、また会おう!!」
それだけ言い、俺はそのまま転移をする。
そうして、転移した後、そこは自宅だった。
「まったく、貴様は面倒な事をする」
そのままキャロルは、これまでの大人の姿から、一瞬で子供の姿へと戻る。
「それも、錬金術なの?」
「肉体の再構成だ。
それに常識を持っている奴には、大人の姿の方が印象は強いだろうからな」
「・・・キャロルって、本当は幾つなの」
「さぁな、記憶喪失で忘れた」
そう、キャロルは、言葉を濁した。
「とにかく、お前には、今後もケミーを回収を最優先して貰うぞ。
今回は収穫があって、良かったがな」
「あっ、お前はこっちに来てくれたのか、スケボーズ!」
そうして、スケボーズは、楽しそうに跳ねてくれる。
「・・・」
「えっと、どうしたの?」
「なんでもない」
その視線の意味がどのような意味は分からない。
「あっ、そう言えば、キャロル、今日の晩ご飯は今、話題のお好み焼きなんだ!ホッパー1も絶賛していたんだよ!」
「そうか、それで、そのお好み焼きは」
「ふふんっ、それは勿論、ゴルドダッシュが、あっ」
それと共に、俺はゴルドダッシュを見る。
ゴルドダッシュは、カードの中から、お好み焼きが入ったと思われる袋を見せる。
だが、そこには透明ではなく、かなりエグい色をしていた。
どうやら、走っている最中に崩れてしまったらしい。
「・・・やっちまったぜ」
「よし、オシオキだ、覚悟しろ」
俺の一言に対してキャロルは完全にキレた様子で、オシオキをしてきた。