東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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幽香がどうしてロード・バロンのを手に入れたかは、時間を遡る。


閑章~バロンと幽香の出会い~

時期は少し遡り、紅魔異変が解決されて翌日になる。

 

風見幽香はいつも通り起きた時、自分の手元に見慣れない物、ロックシードとドライバーがあった。

 

幽香「…何かしらこれ」

 

寝ぼけ眼でそれを見ていた幽香は裏返したりしながら確認してる中で続けて見慣れないスペルカードもある事に気づく。

 

幽香「何かしらこのスペルカード…」

 

訝しげに幽香はスペルカードの名前を見る。

 

幽香「ええっと…強者『強さを求めた誇り高き者』?」

 

名前を言うと幽香の前に光が集まり…ロード・バロンが出現する。

 

目をパチクリさせる幽香をロード・バロンはみつえる。

 

ロード・バロン「俺を呼んだのは貴様か」

 

幽香「…誰よアンタ」

 

問うロード・バロンに幽香は寝間着のまま呟く。

 

これが、ロード・バロンと幽香のファーストコンタクトであった。

 

…その時のを幽香は自分的に恥ずかしい思い出であった。

 

なぜなら寝間着の姿を怪人とはいえ男性に見られたのだから…

 

 

閑話休題

 

 

少しして部屋の外に追い出して着替えた幽香は改めてロード・バロンと向き合っていた。

 

幽香「オーバーロードねぇ…」

 

ロード・バロン「ああ、そうだ」

 

お互いに自己紹介した後に彼の事を聞いた事に幽香は半信半疑な感じで呟く中でロード・バロンは頷く。

 

しかも元々人間だったと言うのだから幽香的に驚きである。

 

幽香「んでこれがロックシードと戦極ドライバーっていうヤツなのね」

 

ロード・バロン「ああ、そうだ。ロックシードのはちょっと違うようだがな」

 

その後に置かれていたのを手に取って見ながら聞いた事を言う幽香にロード・バロンも自分の顔が描かれたロックシードを見てそう返す。

 

ロード・バロン「本来はフルーツなんだが…俺の顔になっているな」

 

幽香「なんでアンタの顔になっているのよ…」

 

呆れた顔で聞く幽香に俺が知るかとロード・バロンはそう返したがしかし…と続ける。

 

ロード・バロン「このロックシードからは俺と同じ力を感じるな…」

 

幽香「は?」

 

どう言う事?と訝しげな幽香からだから知るかとロックシードを見ながらロード・バロンは再び返す。

 

幽香「まあ取りあえず使ってみようかしら」

 

ロード・バロン「ふん、貴様に俺の力を扱えるのか?」

 

ロックシードを見ながらそう言った幽香にロード・バロンは腕を組んで言う。

 

挑発的なロード・バロンのに幽香は眉を吊り上げる。

 

幽香「あら、言うじゃないの…ホントに凄いのかまだわからないのに」

 

ロード・バロン「ほう…」

 

返しのにロード・バロンは試してみるか?と闘気を放しながら返したのに幽香もええと頷いて外に出る。

 

ロード・バロン「さて、折角だ。そいつを使って俺にかかってこい」

 

幽香「えっと、こうかしら?」

 

ロード・バロン!

 

そう言うロード・バロンのを聞きながら幽香はロックシードを弄ると音声が鳴り響いた後に先ほど聞いたのを思い出しながらドライバーにセットする。

 

ロード・バロン「セットしたら剣を倒せ」

 

幽香「こう?」

 

カモン!

 

言われた通りに倒すと音声の後に幽香の服がロード・バロンを模したのに変わる。

 

幽香「へえ、こんな感じになるのね」

 

ロード・バロン「ふむ、そうみたいだな…」

 

自身の変わった姿に幽香は珍しそうに見て、ロード・バロンはそう呟いた後…

 

ブォン!!

 

刹那、幽香はギリギリ、ロード・バロンが振るった斬撃を避けて距離を取る。

 

ロード・バロン「では始めるか」

 

幽香「いきなりとはやるじゃないの」

 

何時の間にか剣を持って構えるロード・バロンに幽香は好戦的な笑みを浮かばせた後に手から光弾を放つ。

 

ロード・バロン「フンッ!」

 

バシュッ!

 

幽香「やっぱり篭手比べじゃダメね」

 

あっさりと切り裂かれるのに幽香は呟いた後に試しに自分もと右手を翳すとその手にロード・バロンの持ってるのと同じ剣が現れる。

 

幽香「この剣、なんていう名前なの?」

 

ロード・バロン「グロンバリャムだ」

 

聞いた幽香は名前に良いじゃないと言った後に何回か試しに振ってからロード・バロンをみつえて駆け出す。

 

幽香「フンッ!」

 

ガキィン!

 

力強く振るったのを防がれた後に幽香は豪快に、だけど力任せではなく調整して斬撃を放っていく。

 

ガキンガキンガキン!!

 

ロード・バロン「扱い方は一応心得てる様だな」

 

グロンバリャム同士ぶつかり合いながらので、幽香の剣術にロード・バロンはそう呟いた後に押し返す。

 

ぶつかり合いで力勝負では不利と感じた幽香はスペルカードを手に取る。

 

幽香「花符【幻想郷の開花】」

 

スペルカードを宣言し、弾幕を展開する幽香にロード・バロンはほうと感心した様に言葉を漏らす。

 

ロード・バロン「これが弾幕か」

 

幽香「ええそうよ。これがスペルカードっていうこの幻想郷での対戦ルールよ」

 

ルールと言うのに再びほう…とロード・バロンは避けながらまた言葉を漏らす。

 

ロード・バロン「成程な、面白い」

 

感嘆してるロード・バロンを見ながら先ほどのぶつかり合いもあって流石に剣だけでは不利と感じた幽香は花びら型の弾幕を展開する。

 

ロードバロン「花の弾幕か……」

 

幽香「続けてこれよ。【ツインスパーク】」

 

その言葉と共に幽香は2人に分身すると光線を同時に放つ。

 

ロードバロン「今度は分身か」

 

向かって来るのを横跳びで避けながら呟いた後に向かって来たのを防いでいく。

 

幽香「まあそんな感じね」

 

幽香2「だけど、実態もあるのよね」

 

ロードバロン「みたいだな」

 

だが、それだけだ!と同時に来たのを防いだ後にロードバロンは勢いよく振り切って2人の幽香を吹き飛ばす。

 

幽香「ぐっ!」

 

幽香2「このっ!」

 

同時に弾幕を展開して放つがロードバロンは先ほどより激しくなろうとも植物や己の武器で防いでいく。

 

幽香「(チッ、手数も増やしても防がれるか…それなら大技で押し通してやるわ!)」

 

それに舌打ちしながら幽香は剣の切っ先をロードバロンに向ける。

 

もう1つ大技があるが確認的なのも含めて1人で放つ。

 

幽香「これでも……ん……?」

 

宣言しようとして頭に浮かんだのに成程と笑った後にロード・バロンへと向けていた切っ先を天に向け、左手に白紙のスペルカードを取り出すとそれに新たな絵柄が刻まれる。

 

幽香「【元祖マスタースパーク・剣】」

 

すると剣から光が放出された後に放出された光が形状を剣へと変え、横なぎに振るう。

 

ロードバロン「やるな」

 

それに感嘆しながら転がって避ける。

 

幽香「マスタースパークを濃縮させて作った剣よ。使える場所が限定されるけど、その威力は受けてみる?」

 

ロードバロン「ふん、わざわざ当たる間抜けがいる訳ないだろう」

 

でしょうねと言いながらもう1人の幽香も構える。

 

幽香2「それならこれでどう?幻想【花鳥風月、嘯風弄月】」

 

宣言と共に様々な自然を体現した様な弾幕と共に風が吹き、それと共に歌が聞こえる。

 

ロードバロン「また変わったのを出すな」

 

幽香「私のとっておきのスペルカードよ。さあ行くわよ!」

 

その言葉と共に襲い掛かる弾幕をロードバロンは避けて行く。

 

幽香「はあッ!」

 

接近して元祖マスタースパーク・剣を振るう幽香にロードバロンは同じ様に剣にエネルギーを収束させて迎え撃つ。

 

ガガガガガガ!!!

 

幽香「はぁああ!」

 

押し切ると力を籠める幽香だが……

 

ロードバロン「ふん!」

 

逆に押し返されると共に吹き飛ばされ、空中で立て直しながら着地すると分身の幽香と合流して警戒する。

 

幽香「(やっぱり凄い力ね…だけど、だからこそ越えたくなるわ!)」

 

幽香は興奮していた。

 

今目の前にいる存在はまさしく超える壁。

 

美鈴の様に強くなると言う自分にとってまさに相応しい相手。

 

幽香「(この男の強さを超えればまた美鈴様に一歩近づける…!)」

 

だからこそ自分の全力を出し切って地に伏せて見せると考えながら幽香は分身の幽香と共に今出せる最大のを出す。

 

W幽香「【ツインマスタースパーク】!!」

 

宣言と共に放たれた2つの熱線。

 

自身へと迫るそれを見ながらロードバロンは戦意を滾らせる。

 

ロードバロン「(死んだと思ったらどこも付かない場所、あの戦国を思い出させる。だからこそ……俺にとってなかなか飽きない世界だな!)どぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

剣に力を収束させてロードバロンは振り下ろすと熱線を両断する。

 

W幽香「なっ…!?」

 

決めの一撃と放ったのが両断されたのに驚いている間にロードバロンが接近する。

 

ロードバロン「でやぁぁぁぁ!!」

 

W幽香「!」

 

油断していた所に振るわれた一撃に防御するが完全に防げず、吹っ飛ばされてしまい、もう1人の幽香は消え、本体の幽香は地面を転がり続けてから止まる。

 

幽香「(まさかあの攻撃を斬るなんて…とんでもない男ね……だけど、だからこそその実力を越えたくなる!)」

 

倒れた体制のままロード・バロンを見て幽香は興奮する。

 

越えたいと思う相手がいる興奮、美鈴へと近づけると言うもの。

 

だからこそ幽香は笑ってから起き上がって弾幕を放つ。

 

ロード・バロン「まだやる気か……」

 

そう呟いた後に弾幕を避けたロード・バロンは地面に手を付け…

 

ロード・バロン「フンッ!」

 

シュルルルルルル!

 

手を付けていた地面から植物が生えだして幽香へと向かって行く。

 

幽香「あら?何かしらその植物」

 

見た事もない植物に幽香は驚いたがすぐさま避けようとすると植物は幽香を攻撃しようとその体を振るう。

 

幽香「!」

 

慌てて植物の攻撃を防ぐが勢いもあって幽香は吹き飛んで地面を転がる。

 

幽香「くっ!」

 

ロード・バロン「なかなかの判断力。だが、まだまだだな…」

 

そう言って背を向けるロード・バロンに幽香はちょっと!とすぐさま起き上がる。

 

幽香「もう終わったつもりでいるの?私はまだ…」

 

ロード・バロン「しばらく特訓だな。俺の力の持ち主なんだ。強くなって貰うぞ」

 

聞く気とないとばかりにそう言って歩いて行くロード・バロンにもう!と幽香は顔を顰めながらロックシードを外して元の姿に戻る。

 

突然現れた力とロード・バロンに色々と思う事があるが幽香にとっては丁度良いと思ったからだ。

 

幽香「でも美鈴様に追いつくには丁度いいかもね…絶対に打ち負かす!」

 

自分の尊敬する者の領域に行く為にぐっ!と気合を入れる幽香を後目にロード・バロンは空を見上げる。

 

召喚されてからロード・バロンは微弱ではあるが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

どこにいるか分からないが、それでも認めた強者がいると言う事をロード・バロンは嬉しそうに笑う。

 

ロード・バロン「(どうやらこの世界にもいるそうだな…貴様とまた相まみえる事、楽しみにしているぞ…葛葉紘汰!)」

 

そう広がる青空を見ながら先の未来での再戦に思いを果てると共に闘気を滾らせるのであった。

 

これがロード・バロンと幽香の出会いであった。




紫「次回は『四季彩の花が咲く現象』、どうなるかしら」

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