友達の様子がおかしい 作:瓦版
入学を迎えたイルマ。ゲンに正体を明かして距離を縮めることができた。だが、イルマの中のゲンに対する恐怖は、まだ少し残っていた。そこで、本人が少し席を離れている際に祖父であるサリバンに聞いてみた。
「おじいちゃん少し良いかな。」
「何かなイルマくん。」
「ゲンくんのことだけど。あの人のやさしい雰囲気が、出会ってから少し不気味で。」
「……イルマくん。彼が、今まで何してきたのか。もう聞いてるよね。」
「うん。」
「彼は、死神の名に相応しい殺し屋だった。だが、普通の殺し屋と違い報酬を自分だけでなく貧しい者たちに分け与えていた。」
「!」
「だから、イルマくんが心配することは、ないよ。」
「そうなんだ。ありがとうおじいちゃん!」
部屋を後にするイルマ。迷いが消えた様子だった。そんな孫の後ろ姿を見てサリバンは、そっと微笑むのだった。数日が過ぎ、遂に悪魔学校 バビルスの入学の日を迎える。入学式で新入生は、体育館に集められる。その中でイルマは、目立たないように必死でおとなしくしている。サリバンの孫になった日に「人間は、悪魔の食糧。もし、正体がバレたら……わかるよね。」と言われて完全に委縮していた。さらに、入学式に向かう前に匂い消しをかけてもらった。だが、周りの悪魔が匂いを嗅ぐようなあまり効果がないようす。そんなイルマにゲンは、耳打ちする。
「大丈夫かイルマ。」
「……ゲンくん……。」
「安心しろ。もし、何かあればこの場の全員爆破してやる。」
「爆!?いや、ありがとう少し楽になったよ。」
二人で会話をしていると、式は、理事長挨拶に入る。そこでイルマは、自身の祖父の仕事が理事長でありことを知る。さらに、そこで祖父 サリバンは、イルマの気持ちとは裏腹に全校生徒の前で孫自慢を始めた。早くも顔バレし困惑している。そうしていると、新入生代表の挨拶になる。名前を呼ばれたのは、その年の試験で主席だったアスモデウスという悪魔。皆もそちらに注目してくれるだろうとイルマは、思った。だが、サリバンは、ここでも理事長の権限を使用する。新入生代表挨拶が、イルマに変更されていた。イルマは、さらに絶望の表情を浮かべ壇上に上がる。完全に注目の的となる。もう全てが一杯一杯により困っているとサリバンが、何かを指差ししているのがわかった。見ると、先ほどの孫自慢に使用されたポスターに何やらメモ書きがあった。そこには、読めるが意味不明な文字が並んでいた。イルマは、意味も分からずに読み上げる。すると、一斉に歓声があがる。その後、読んでいたものが禁忌の呪文であると近くの教師に知らされる。そして、禁忌の呪文に失敗すると四肢が破裂することとこの禁忌呪文の効果がその日限定で一回も転ばなくなるというしょぼい効果であることを知った。入学式が終わり、ゲンと帰るイルマ。その後ろから火の玉をぶつけられた。ゲンが魔力の壁を張って防ぐ。火の玉の犯人は、主席のアスモデウスだった。
「何か用か主席くん。」
「貴様ではない!そっちの代表挨拶したものに用がある。」
「な、何かな。」
「私は、貴様が本当に特待生としての実力があるのか。確認してやる!」
「おいおい、勝手すぎないか。悪いがイルマ。この喧嘩俺に任せてくれないか。」
「だ、大丈夫?」
「なに、悪魔は、力がなんぼ。なら、力でねじ伏せるしかないだろ。」
アスモデウスの前に出るゲン。それに観客が沸く。
「悪いな主席くん。イルマの代わりに俺が相手する。」
「貴様は、関係ないだろ!邪魔だ!」
ゲンに魔力を放つ。だが、魔力は一つの玉になる。
「一応俺も特待で入ってる。主席くんの力見せてみな。」
「この!」
激しい弾幕戦になる。だが、実力は、明らかにゲンが勝っている。そんな様子にイルマは、心配になり止めたくていてもたってもいられなくなり二人ぶつかる。すると、禁忌の呪文効果により二人まとめて地面に沈めた。それは、見事なジャーマン・スープレックスであった。