友達の様子がおかしい   作:瓦版

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引く手

ある日、ゲンは、一つの椅子に座っていた。目の前には、くろむのいるデビムスとDJベアで活動させて貰っている事務所がゲンを挟んでにらみ合っていた。

 

「まいったな。」

 

時間を巻き戻し数時間前、日課の使い魔の世話をしているゲンにイルマから電話が入る。

 

「どうした?」

「ゲン君、今から送る場所に来れる?」

 

イルマから送られてきた場所に向かうゲン。そこは、前にイルマ達とゲームを体験したスタジオであった。着いたことを報告すると、「入ってきて。」と返信が来た。

 

「なんか嫌な予感がするな。最近、あいつと関わるとろくなこと無いからな。とりあえず入るか。」

 

スタジオの会場の扉を開けると、見知った顔が揃っていた。さらに、以前のゲームの司会者や観客がいた。

 

「皆さま、主役の登場です!!」

「「「わあー!!」」」

「……すいませんまちがえま。ガッ「逃がさないよ。DJさん」人違いです。」

「手荒な真似は、したくないんですが。」パチンッ

「!」

 

ゲンは、直ぐにゴツイ黒服や手練れそうなスタッフに囲まれる。

 

「おい、イルミにリンディ。これは、どういうことだ?返答次第じゃわかってるよな?」ビキビキ

「こ、これは、君に本当のことを決めてもらわないと。」

「本当のこと?」

「そうよ。あなたには、この際にハッキリさせてもらわないと。」

「うちの看板のDJ大福になるか。」

「うちのメインのDJベアになるのか。」

「はあ。」

「そもそも、彼を最初にデビューさせたなのは、デビムスですよ。それをあとからぬけぬけと。」

「あら、デビューって言ってもそちらのイルミさんの助っ人として、呼ばれて仕事をしただけですよね。それなら、仮契約をしているうちのライブがデビューと言っても過言ではないのでは?」

 

そんなこんなで互いに両者の意見でぶつかり合う。くろむや他のアクドル達も一緒に乗っかる。その熱き討論は、見に来ているそれぞれの親衛隊も加わり、長時間に渡る。このままでは、らちが明かないと感じた司会者の悪魔が眠りかけているゲンに今の状況を終わらせる質問をぶつけた。

 

「あの~フレアハートさん。あなたは、結局どちらで活動?」

「ん?」

「そうです。決めて下さい!」

「うちかデビムスか!」

「あー、そうだなぁ。」

「「「ゴクンッ」」」

「別に決めなくてよくね。」

「「「はああああ!?」」」

「だって、今まで大福でもベアでもやってたし、今更片方に決めなくてよくね?」

「それは……。」

「そうですけど。」

「まあ、確かに二人の人物で活動するのは、流石にやめる。結構しんどいし。」

「じゃあ、どうするの?」

「DJ大福の名前を残して着ぐるみのまま出る。」

「でもそれって解決してるの?」

「これは、両事務所の看板を下ろさなくて済むだろ。」

「そうだけど、出演割合とかどうするの?」

「確かに、片方に寄ってしまうのでは?」

「そこは、合同ライブだけにする。」

「つまり、単独ライブに出ないと?」

「そういうことだな。」

 

その瞬間、ファンや関係者から悲しい声や怒りの声などが混じりながら出る。だが、ゲンの考えは、確固たる物があり、さっきまで口論していた両事務所もそれを認めた。

 

「それでいいの?あなたは。」

「これまで、二人のDJを応援してくれたファンや関係者に申しわないことをしたが、これが今の俺が出来る解決策だ。どうかこの願いを受け入れてほしい。」

 

しっかりと会場やテレビの前のファン、関係者に見えるように頭を下げる。その覚悟は、多くの悪魔たちの心を動かし割れんばかり拍手が送られた。この契約後、ホントに合同ライブだけしか顔を出さないゲン。だが、それでもDJ大福をみたいと多くの観客が会場に足を運ぶようになった。

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