友達の様子がおかしい 作:瓦版
「チェックメイト。」
「く、また負けたか。」
ゲンは、アロケルとボードゲームしていた。
「やっぱ学年一位は、伊達じゃないな。」
「俺にとって知識(これ)は、問題児クラスのなかで誇れる武器だ。そうやすやすと、負けるか。」
「それもそうか。」
「しかし珍しい。お前からボードゲームを誘って来るなんて。」
「いやなに、単なる頭の体操とちょっとした交流だ。アロケル。」
「確かに俺らは、あんまり関わりが薄い。」
「よし!もう一戦。」
「望むところ。」
こうして、ボードゲームでアロケルに挑むゲン。数分後、決着がついてまたゲンの敗北であった。そのあと、二人で休憩する。
「いやあ!疲れた!」
「俺も流石に疲れた。」
「……。」
「……ゲン。」
「あん?どうした?」
「お前は、どうしてそんなに強いんだ。」
「どうしてと言われてもな……。」
「俺、正直みんなが羨ましい。」
「!?どうした急に。」
ゲンは、体勢を変えてアロケルに向く。
「この間のお前らの喧嘩や心臓破りを見ていて思ったんだ。俺は、みんなみたいに強くなれないのでは?とな。」
「自分が、戦闘向けの能力を持ってないからだと……。」
「そうだ。確かに俺は、知識のおかげで沢山の種類の術を使える。だが、どれも実用性は、低いものばかりだ。」
「だから、おれに戦うことを教えてほしいと?」
「ああ。ゲンの戦闘は、群を抜いていると入学当時から思っていた。」
「フルフル将軍に見てもらうじゃダメなのか?」
「あの人は、……その……。」
「ああ、なんとなくわかった。」
「だからゲンに教えてもらおうかなと……。」
「良いぜ。」
「ありがたい。」
「よし!次の休日にじっちゃいやサリバン様の屋敷前に来てくれ。」
「ん?わかった。」
その日は、お互いに解散した。次の休日、屋敷に来たアロケルにゲンは、出迎える。
「よし!来たな!」
「今日は、よろしく頼む。ところでどこに向かうんだ?」
「それは、着いてからのお楽しみだ。飛ぶぞ!」バサッ
「?わかった。」バサッ
二人は、翼を広げて飛び立つ。そして、ある場所に到着する。
「ここで、やるぞ。」
「ゲン……ここは?」
「お前の力が試される場所だ。」
そこは、孤児院であった。アロケルは、なぜこの場所に連れて来られたのか分からなかった。すると、孤児院の扉が開いて一斉に子供たちがでてきた。
「あ、ゲンにぃちゃんだ!」
「ほんとだ!!」
「ゲンにぃちゃん遊ぼ!!」
「ズルい!!わたしも!!」
「ハハハ!おまえらも元気そうだな。」
小さい子供に囲まれるゲン。そこに、年老いた職員がやってきた。
「これこれ。あまりゲンくんを困らせるんじゃないよ。少しお話をしたいから広場で時間を潰してきな。」
「「「はーい!」」」
そうして、子供たちは、一斉に移動していった。
「ひさしぶりだね。また一段とたくましくなって。」
「ばあさんこそ、元気そうだね。」
「ゲン、この方は?」
「ああ、紹介遅れたな。こちらこの孤児院の院長のヘレンさん。昔からよくお世話になっている。」
「初めまして院長のヘレンです。」
「こちらこそ初めましてアロケルです。」
「ゲン君に聞いてた通りいい子そうだね。今日は、よろしくね。」
「?ゲン、おれは、ここで何をするんだ?」
「ああ、言ってなかったな。お前には、ここであのちびっ子たちの勉強を見てもらう。」
「はあ!?」
突然告げられる講師依頼に戸惑うアロケル。そして、学校に通いながらの放課後デイサービスが始まるのだった。