友達の様子がおかしい 作:瓦版
本祭では、親御さんも参加する。前夜祭とは、一段と盛り上がりを見せていた。ゲンは、相変わらずサリバンを探していた。すると、魔具研の出し物から見知った顔を見つける。向こうもゲンに気づいた。
「おや、これはこれは。」
「ん、貴様か。うちの子らが世話になってるな。」
「いや、大したことじゃない。それより、娘さんの絵は、どうだった。サブザン。」
サブノック・サブザン。サブロとシルビアの実父。ゲンとは、何度か交流がある。
「実に良かった。そして、今まで本当に娘の事を見て来なかったことが、はっきりとわかった。」
「良かったな、家族の事を知れて。」
「今回ばっかりは、愚息の言う通りであった。フレアハート、今回の娘の出し物に貴様も絡んでいたのだろう。」
「さあな。あれは、シルビアとその周りの頑張った成果。おれは、ただ鑑賞していたすぎんよ。」
「そうか。」
「それじゃ、よい祭りを。」
ゲンは、サブザンとSDのヤマンダを残して、歩み始める。だが、サブザンに呼び止められる。
「フレアハート。貴様、愚息の夢に応援しているらしいな。」
「それが、何か?」
「あいつは、私に似てどこか頭が固いところがある。だから、敵を多く作ることになるだろう。その時は、うちのバカ息子をよろしく頼む。」
「!」
「……。」
「難しい相談だな。」
「それは、どういうことだ。」
「分かるだろ。俺がどういう悪魔かを。」
「!」
「ご主人様!お下がりください!やはり、この男は、危険です!」
ヤマンダが、2人の間に割って入る。ゲンも攻撃に備えようと身構えるが、サブザンは、ヤマンダの肩に手を置いた。
「落ち着け、ことを荒げるな。奴は、争うことを考えていない。」
「失礼しました。」
「それじゃ、またどこかで。」
「ああ。」
ゲンは、その場を後にした。
「良かったのですか。」
「うむ。奴は、『できない』ではなく『難しい』と言ったのだ。なら、大丈夫だろう。」
サブザンは、息子の周りに頼もしい仲間が揃っていることに親としての喜びを得るのだった。祭りは、終幕を迎えていく。学生たちは、優秀師団の発表に移る。努力賞を魔獣師団、凄いで賞を魔術開発師団が受賞した。
「そして、今年度の特賞を受賞師団は、……美術師団!!」
ワァー!!!
バトラパーティで裏方としての活躍が評価され見事選ばれた美術師団は、なんと辞退を申し出たのだった。
「我々は、他の師団の支えとして師団です。なので、他の師団を押しのけていただくことはできません。ですが、ビーム・R・ジュダインとヴィネ・マーニーの二人には、特賞の授与を認めてほしいです。」
師団長の願いは、全生徒に受け入れられた。よって、ビームとヴィネは、ランクを上げることが出来た。そして、トリッキー賞を獲得したのは、
「魔具研究師団!!」
ワァー!!!
圧倒的人気で魔具研が、選ばれた。そして、中でもシルビアの活躍が目立ちランクの昇格が決まった。そんな盛り上がっている会場の裏でサリバンは、賑やかな様子を学園長室で見ていた。
「フフフ、やっぱりイルマくんは、面白いね。色んな悪魔をみんな仲間にしていくんだから。さて、そろそろ残りの仕事を仕上げるかな。」
ドドドドドドドドドッ
「ん?」
バーンッ
「学園長を捕らえよ!!」
「「「おお!!」」」
「な、ちょ、わー!!!」
生徒の軍勢が、学園長室に押し寄せてサリバンを捕縛。そして、広場に連れてきたのだった。
「痛たた。一体、なにする」
ポンッ
「ウェルカーム。」
「!げ、ゲンくん。なぜ!?」
「やくそくだもんな。」
「まさか!」
「「「すみません。」」」
時間が巻き戻って発表を終えた会場にゲンが姿を現す。
「全バトラー、師団披露お疲れさん。」
ざわざわ……ざわざわ……
「さて、お前ら散々人をこき使ったんだ。まさか、約束忘れてねーよな。」
「「「!!」」」
「もし、忘れてるならしょうがない。今日は、各々好きすれば良い。お疲れ会等開催しろ。」
「「「(ほっ)」」」
「ただ、明日に師団が何個残ってるかな。」
「「「!!」」」
「あ、一つも残ってないかもし」
「お前ら!!目標、学園長室!!進め!!!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
自らの師団の明日を賭けた生徒たちの気合は、まさに業火に勝る勢いで使命を果たしたのだった。
「さて、じっちゃん。ケジメ取ろうか。」ポキポキッ
「そ、そんな……イルマくん!」
「ごめん、おじいちゃん!!」
「うそ……。」
「さあ、始めようか。悪魔の仕置きを。」
「優しくして。」
「大丈夫……明日には何の記憶にも残らんようにしてやるから。」
「や、やめ。」
ああああああああ!
そこからは、とても口にすることが出来ない内容の罰が広がっていた。そして、これを機にゲンに対する要望にはしっかりと対価が見合うようにするのだった。