友達の様子がおかしい 作:瓦版
イルマの持ってきた多耳人参。その甘さに一同は、驚愕。そのうまさにすぐに商品化の話が出来上がる。集落の皆が、新しい可能性を大いに期待する。そして、生まれたのが多耳族による多耳人参の農場その名も。
「多耳族農場(たみみファーム)」
皆が、人参の栽培に携わる。その顔は、笑顔に溢れていた。
♪多耳のたは、逞しく♪
♪多耳のみは、魅力的♪
♪土の音 水の音 聴き分けて♪
♪育てた野菜は、最高だ♪
「何だろうこれ。」
またもなにも分からないメフィストは、イルマに事情を聴く。
「イルマ先生。」「イルマ人参大臣だよ。」
「イルマ人参大臣。」
「はい。」
「これは、なんだろうか。」
「これ……。」
「この状況。」
「多耳ファームです。」
「そうじゃなくてね。」
「おや!メフィスト様!ここにおられましたか。」
「?何か用かい?」
「?イルマ様から聞いておられてないのですか?」
「何も。」
ムンムは、相談が遅れたことを謝罪し本題に入る。
「いやあ、デザイン会議が、大変盛り上がりまして。良い物が出来たと思います。」
「?」
メフィストは、なにも理解できなかった。そして、ムンムの広げられたものに驚愕することになる。
「どうですかな?このデザイン!」
「?!」
多耳族農場の旗が、広げられていた。そして、怒涛の商品化までの計画の発表。またしても何も理解できないメフィストは、取り残される。そして、今回の商品である多耳人参を試食しその味に納得する。ムンムは、改めてノヴァという新しい者の考えに怯えていたことへの恥ずかしさとこれからの可能性にとても心を踊らされたことをイルマに感謝した。
「私は、思っても見ませんでした。こんな近くにこれほど眩しく輝く可能性が広がっていたことなどと。こんなに胸が躍る景色なんて見たことありません。イルマ様、ノヴァの声を届けてくれて本当にありがとうございました。」
ムンムの目から涙があふれていた。その状況にメフィストは、改めてイルマに問う。
「これは、全部君の思惑通りなのか?」
「僕は、ただ多耳族の未来もノヴァ君の夢も全部拾いたい。全部諦めたくないだけです。」
「全部、拾う?」
「はい!僕は、何も捨てたりしません!」
「!」
イルマから発せられた正直な思い。それにメフィストは、歓喜しかつてデルキラにキングメイカーとしての自分を否定されたことを思い出した。そして、目の前の小さな悪魔に道案内することを心に誓った。
「そうか、まいったまいった。イルマ君、旅する時は、道案内欲しい?」
「はい!いっぱいあちこち行きたいです!道案内してほしい!」
「ははは、わかったよ。」
「おーい!お二方!暇ならこっち手伝ってくれ!!」
「おい、フレア!お二方を顎に使うんじゃない!」
「イルマッちはやくはやく!」
「「ハハハハハ!!」」
「今行くよ!」
こうして、ついに動き出すイルマ達と多耳族。だが、その裏では、更なる試練も待ち構える。