友達の様子がおかしい 作:瓦版
「これは、どういうことだ!!ナルニア!」
「何のことだ?アンリ」
「この指令についてだ。」
アンリが、持ってきた紙には、多耳族の独立を妨げる内容であった。表向きの理由は、多耳のような低ランク悪魔の独立による魔界の高ランク悪魔の不満からの暴動を防ぐというものであった。
「しかし、わざわざ牙隊を送るのいささか大げさすぎないか?しかも、私の許可なく」
「なぜ相談する必要がある?今の私は、きみと同等の地位にいるんだぞ。」
「!?何を言って」
「それに、牙隊は、すでに出発した。そろそろ向こうに着くだろう。」
「!!」
魔関署の一件をつゆしらず、イルマ達は、ノヴァたちと人参栽培に勤しんでいた。
「良いペースだね。無事に出荷できそう。」
「そうですね。母に連絡してみますね。」
「お願い。」
「ねえ、イルマ人参大臣。」
「ハイ、なんですか。」
「このパッケージなんだけど、変更しない?」
「なに言ってるんですか!とても良いデザインですよ!」
「そうです。メフィスト様あっての我らなのですから。」
「自信持ってください!」
「う、うん」
そんな順調な空気になっていた。奴ら来るまで。ノヴァ以外の多耳族が、ある一方を向く。
「誰か来る。」
「「「「「?」」」」」
それは、すぐに来た。軍服に身を纏ったナルニア直属部隊 牙。
「気を付け!!」
「「「「「!?」」」」
「倣え!!」
一言で多耳族は、委縮する。ムンムは、長老として今回の件を問う。
「今回は、どういったご要件ですか?」
「貴様、ランクは?」
「2【べと】でございます。」
「いつから低ランク悪魔が、我々と対等に話すことを許した。」
「申し訳ございません。」
「なんだ!偉そうに!!」
「小僧、偉そうではなく偉いんだ。捜査指令だ。速やかに栽培を止めて我々に協力しろ。不審物は、没収だ。」
「な!ふざけんな!」
「貴様は、頭も耳も悪いのか?低ランクは、地面に頭を擦り付けるのが得意と聞いた。試してみるか?」グッ
「!」
ドンッ
「いきなり蹴りつけるなんて、ひどすぎます!!」
「お前は、スカーラ中のサリバン様の御令孫のイルマか。残念だが、今回は、不合格だな。」
「なにを……。」
「今この瞬間を持って全権この牙隊大佐アミィ・アザミが取り持つ。この場全員不審物の提出を命じる!受け付けなかった場合、全員連行する!!」
「「「「「!?」」」」
そこから牙隊の無慈悲な捜査が、始まる。せっかくの人参も全てめちゃくちゃに。ノヴァは、止める突っ込むが、魔障壁に阻まれる。
「くそ。」
「やはり、頭を地面につけるのが、上手いな。」
「!」
この言葉をきっかけに悪周期に落ちかけるノヴァ。だが、イルマ達が彼の前に立つ。イルマの構えた弓にアスモデウスが魔力を込め、ノヴァをクララがかばう。
「貴様、なにしようとしているのかわかっているのか?」
「刺され……刺され……刺され……。」
「!(こいつ、)」
イルマは、弓にイメージを吹き込む。分厚い壁を貫くために、ノヴァと多耳族の夢をぶつけるために。そして、質の高まった矢を形成し放つ。
「ばっちこーん!!!」
ドオオンッ
イルマの矢は、魔障壁に突き刺さり、アミィの帽子を吹き飛ばす。それを開戦とアミィは、悪い笑みを浮かべに隊員に指令を出す。
「全員、連行「血の気が多いな最近の若者は。」!?」
「ダメじゃないかイルマ君。もっと考えて行動しなきゃ。安易に自らの立場を危うくするのは、良くない。ただ、自らの非力を知りながらも種族の誇りとして立ち上がるのは紛れもなく何物にも代えがたい『王』の資質だ。君の光は、淡い。だから、導いてあげよう。このキングメイカーが。」
すると、メフィストの頭上に穴が開く。皆が驚愕する。さらに、イルマには、まだ最高の仲間がいた。
「そうそう。」
「「「「「!?」」」」
「なんでも首突っ込むなよ。何のために、護衛してるんだと思ってんだよ。」
「貴様。」
「おや、大佐どの。この顔をお忘れかい?」
暗殺者にして魔関署直属の男。
「あんまりお痛すんなよ。消されたい?」