居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

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運命って待ってくれないんだなあ

 

 

 

 フーパと飛び込んだ先はただひたすらに暗かった。でも、この先に何かがあるっていう確信があった。進んでいくにつれて、徐々に何か聴こえてくる。ヒンバスに会った時の様に、寂しげな啜り泣く声が聴こえた。

 

 「う、ひっぐ、何で、僕は」

 

 「……」

 

 歩き続けた先にいたのは、ガキの頃の俺だった。アクジキングに食われたのは俺と同じ歳の奴だった。でも、目の前にいるのは、8歳くらいの時の俺だ。

 

 「ひぐ、う、うう」

 

 「どっか痛いのか?」

 

 「うあ!お、お兄さん、誰?」

 

 俺に気付いてなかったのか、やけに驚いた顔をする推定2号。オドオドしてる感じも、ガキの頃の俺、いやもっと酷えかな?親父から逃げた俺は姉ちゃんやイーブイ、チリのおかげでストレスは緩和出来てたからな。

 

 「俺はカイト。お前は?」

 

 「わかんない」

 

 「は?」

 

 「お父さんが、名前呼んでくれないから、弱い僕には、名前なんていらないって言うから」

 

 「……」

 

 俺は何も言わずにそっと推定2号の後頭部に手を回し、ゆっくりと抱きしめる。

 

 「うわっ!お兄さん?」

 

 ビクッと推定2号の体が跳ねる。小さくて、腕や首も細い。この状態であのクソ親父からの教育に耐えて来たんだ。やっぱり俺は、コイツを助けたい。俺を、助けたい。

 

 「お前の名前はカイトだ」

 

 「え?」

 

 「みんなそう呼んでる」

 

 「カイト、それが、僕の名前?カイト、カイト」

 

 思い出す様に、噛み締める様に名前を繰り返す。もう無くさない様に、忘れてしまわない様に何度も。

 

 「お前の名前を、呼んでくれる人は沢山いる。お前を褒めてくれる人も沢山いる。あんなクソ親父のとこに、もう閉じ込められてる必要ねえ。一緒に行こう」

 

 「でも、逃げるのは、弱い奴のする事だって」

 

 「逃げるんじゃねえ。こっちから見捨ててやんのさ。テメェの教育には付き合いきれねえってな。くだらねえプライドで固められて年季だけ入った家に囚われるより、自由に世界を歩いた方が面白えもんだぜ」

 

 「世界を、うん、僕、世界見たい」

 

 8歳の俺は初めて笑顔を見せた。希望に満ちた目、それは、始まりに必要な目だ。

 

 「そうか、なあカイト、お前の夢は何だ?」

 

 「夢、僕の夢は」

 

 「まだ難しいか?なら、やりたい事でも良い」

 

 「やりたい事、いっぱいあるよ!色んなポケモンに会いたい!友達も沢山作りたい!ポケモンコンテストも出てみたい!それから、強い、トレーナーになりたい!!」

 

 最後のは、言わされているわけじゃないな。親父に認めて欲しいんじゃなくて、自分で自分を認められる様に、強くなりたいんだ。

 

 「俺と来れば全部叶えられる。おいで、一緒に世界を見よう」

 

 俺が差し出した手を、笑顔で掴んだ8歳の俺。

 

 「うん!あ、あとね」

 

 「ん?」

 

 「お姉ちゃんに読んで貰った本を、また読んで欲しい」

 

 ああ、やっぱりコイツは俺だ。間違いない。俺の原点には、必ずと言って良い程姉ちゃんがいる。正直姉ちゃんが居なかったらって思うとゾッとするわ。全部終わったら、何かプレゼントでもするか。

 

 「帰ろうか、フーパ」

 

 「フパ!」

 

 「うわ!」

 

 俺の背後でずっと待っていた気も使えるフーパ。文句も言わず、出口用のリングを出してくれる。そのリングを通ると先程いた場所出た。

 

 「バーン!」

 

 「ゼラッ!!」

 

 「うわっ!!な、何!?」

 

 チビカイトくんを見つけたデスバーンとゼラオラはすごい勢いで飛びついた。やはり姿が変わっても、分かるもんなんだな。2号も多分、ポケモンに対してちゃんと愛情を与えてたんじゃねえのかな?ピンチになった時、どうして良いかわからなくて、あんな言葉を吐き捨てたのかもしれない。まあにしたって許される事ではないが。しかし参った、これでは何で警察に俺の事を売ったか聞けねえな。

 

 「ミロ〜」

 

 「ルー!ロップ!」

 

 「うお!ミロカロス、ハニー!大丈夫?無事だっ、え?」

 

 俺に抱きついて来たミロカロスとハニー。全然傷はなさそうだが、アクジキングはどうしたのかと目を向けると、ボッコボコにされ、全身凍傷まみれの状態で倒れていた。やっぱりミロカロス加わるだけでも戦力は上がるもんだね。取り敢えずチビカイトくんにアクジキングは捕獲してもらい、俺達は次の場所へ向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アオギリ!マツブサ!何でお前達がここに!」

 

 「おいマツブサ、何でバレた?バンダナ変えたぞ?」

 

 「さあな?私も昨日とは違うメガネに変えたのだが、何故だ?」

 

 「貴方達またここで悪さしようとしてるの!?」

 

 「うっせえなあ!今はともかくあの脱色したドククラゲ捕まえんのが先だろ!!」

 

 「うっ」

 

 「ハルカちゃん、確かに今はアオギリの言う通りだ」

 

 「悔しい!!何で悪い奴らに論破されるの!?」

 

 「とにかく、今はあれを何とかしよう。おい!これが終わったら説明してもらうからな!逃げるなよ!」

 

 「説明は良いですが、あなた方にとって辛い内容になるかもしれませんねえ」

 

 「え?」

 

 「おい!来るぞ!!」

 

 マツブサ、アオギリ、ハルカ、ユウキ、協力開始。

 

 

 

 

 「お前には、言いたい事が山ほどあるんだ」

 

 「ああ、いくらでも聞こう」

 

 「でも、今はそんなの後回しだ。友達が、ゴールドが、アローラを助けるって言ってた。だから俺も、ゴールドの為にここを守る!」

 

 「素晴らしい。私も、敬愛するボスの命により、この謎のポケモンを捕獲する」

 

 「足引っ張んなよ」

 

 「誰に言っている?」

 

 サカキ、シルバー、協力開始。

 

 

 

 

 「どこだよカイトさん!!せっかく会えると思ったのに!!はあ、どうすりゃ良いんだよ」

 

 「バッ!」

 

 「ん?ああ、そうだよな。諦めちゃいけねえ。俺はカイトさんを絶対見つける。そして、カイトさんをジョウト地方のチャンピオンにする!いくぞバクフーン!」

 

 「バッ!!」

 

 ゴールド、再度カイトの捜索を開始。現時点でウツロイド64体討伐済。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




え?ゴールドとカイトに何があったの?
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