居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

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カイトさんの1日③

 

 

 

 PM1:30

 

 「ルチャブル!剣の舞からのブレイブバード!!」

 

 「フーディン!サイコキネシス!!」

 

 バトルコートでは、セレナちゃんのルチャブルとハルカちゃんのフーディンがバトル中だった。審判はヒガナちゃんで、周りにはヒカリちゃんやトウヤ君はもちろん。8歳の俺、サナちゃん達カロス組、ヨウ君達アローラ組が声ひとつ上げずに見つめていた。その目は純粋な子供のものとはかけ離れた、戦士の目だった。

 

 「子供達の成長って早いですよね」

 

 「リラさん」

 

 後ろから聞こえた美声の持ち主は、リラさんだった。子供達を見つめるリラさんの目は優しく、幸せそうだった。

 

 「カロスの時よりもセレナちゃんは強くなっています。ヒカリちゃんやトウヤ君もそうですが、最近出会ったヨウ君やハルカちゃんも、アドバイスを素直に受け取って、どんどん強くなっていくんです。本当に不思議なくらい」

 

 「あの子達は可能性の塊ですからね。大人になると、目標までの距離で自分の道を選んでしまう。でも子供達は、目的地にあるキラキラした輝きだけを見て、その道の辛さや痛みなんて関係なく、純粋な感情だけで走れるんです。あの子達もきっとそうなんでしょうね」

 

 俺は時々彼らを羨ましいと感じる。俺は姉ちゃんやウツギ博士に背中を押されて旅に出た。愛するポケモン達に出会い、別れ、挫折や絶望、感動も経験した。でも、俺の旅には、ライバルが居なかった。旅の途中に出会い、共に歩き、何度もぶつかり合い、高みを目指せる存在。俺は、そんな奴が欲しかった。

 

 「そこまで!ルチャブル戦闘不能!勝者はハルカちゃん!」

 

 ヒガナちゃんの大きな声が響くと、今まで黙って見ていた子供達からワッと声が上がる。

 

 「すっごーーい!!」

 

 「……フッ、やはり俺の目に狂いはなかったか」

 

 「あーー!!悔しい!!」

 

 「流石だなあ!!よしっ!!次は俺だ!!相手してくれよユウキ!!」

 

 「もちろん!!」

 

 「ちょっと!!次は私とミヅキちゃんの番だよ!!」

 

 「僕も!僕もバトルする!!」

 

 彼らはまだまだ強くなる。この環境はきっと彼らの糧になる。いつか、俺みたいに、耐え難い現実にぶち当たった時、ライバル達がきっと助けてくれるだろう。

 

 「ここは本当に良い環境ですね」

 

 「はい、全く。っていや!ここ悪の組織のアジトだから!!」

 

 なんかしんみりした感じで忘れてたけど本当はあの子達はいちゃダメなのよ。

 

 

 PM2:20

 

 「ボス、今宜しいでしょうか」

 

 物陰からスッと現れたサギリ。やっぱカッケェなあ。忍者っぽくて良いね。

 

 「サギリ、なんかあった?」

 

 サギリは今、フーパの力でホウエンからカロスにて情報収集を行っていた。ギンガ団やフレア団などの組織がなくなってから、各地の裏社会はどうなっているのか調べてもらっている。

 

 「プラズマ団の傘下にいた組織が、我々を潰そうと動いています。如何いたしましょう」

 

 あ〜、確かNが傘下組織がいるとか言ってたな。ゲーチスの儲け話に騙された連中だったとか。俺らを消そうとするのは、その儲け話を潰されたとかいう逆恨みか?まあ、何にせよ。

 

 「ほっとけ、どうせ相手にならねえ」

 

 「承知しました」

 

 他の地方の弱小組織と手を組んだりしたら面白いかもな。あ、でもなんか調子乗って変なことし始めたら嫌だな。

 

 「もし、そいつらが民間人の生活を脅かす様ならすぐに始末しろ。原因が俺達じゃ寝覚が悪い」

 

 「はっ」

 

 サギリもそうだけど、フーパの頑張りが凄いな。サファイアとかもフーパの力で各地で遺跡の調査してるし。このままガラルにワープさせてもらっても良かったけど、流石に申し訳ない。ヘレナちゃんに皿いっぱいのお菓子作ってもらおう。

 

 

 PM3:00

 

 「ボス!お疲れ様です!!」

 

 「「「「「「「お疲れ様です!!」」」」」」」 

 

 「あ、うん」

 

 元エーテル財団数名と、グズマが率いていたっていうスカル団のメンバー、計75名の教育をフラダリとAZに任せてはいたが、これは怖いよ。75人が全員後ろに手を組んで90度頭下げる姿は本当に恐ろしい。何かマジで危ない組織みたいなんだけど。いやまあ実際危ない組織なんだけどね。

 

 「カグラ団の組織目的、各隊の業務内容、船内のルール、幹部メンバーの顔と名前、ボスの偉業、全て教育済みです」

 

 「どの隊にでも配属可能です」

 

 「あ、うん」

 

 色々ツッコミたいけど、もう良いや。とりあえず俺は輪ゴムで縛った75枚の辞令をポケットから取り出す。

 

 「え〜と、あ、君、ムース君ね」

 

 「自分の名前覚えて下さったんですか!?光栄です!!」

 

 「あ、も、もちろん」

 

 そう。ギンガ団、プラズマ団、フレア団と、みんな同じ顔してるからもう段々わかって来た。ちょっと眉毛の上がり具合が違ったりするのよ。

 

 「君はサファイアに配属します。頑張ってね」

 

 「はい!!精一杯やらせて頂きます!!」

 

 「うん、じゃあ、次は、マミちゃん。君だね」

 

 「は、はい!!」

 

 こうして大体の新入り達への辞令交付が終わり、俺は最後の2人に目を向けた。

 

 「プルメリちゃんとグズマ君」

 

 「は、はい!」

 

 「はい!」

 

 俺が2人を同時に呼んだ事で、少し戸惑いを見せるものの直ぐに前に出て来た。田舎のヤンキー感はまだ抜けてないが、最初に会った時よりもしっかりした目付きに変わってる。

 

 「2人は、幹部候補として俺直轄の隊員として動いてもらう」

 

 「え?」

 

 「は?」

 

 俺の言葉にポカンとした顔をする2人。まあ、そうでしょう。俺も結構考えた。この2人は、サファイアかエメラルドでしっかりトレーニングを積ませようとも思ったけど、それよりも、隊長や最高幹部達の仕事を間近で見る方が良いと考えた。なら、俺と行動した方が良いよな。

 

 「返事」

 

 「「ッはい!!」」

 

 放心状態の2人にAZが声をかける。いや怖いよ。低くて重い声に2人ともビクッてしてんじゃん。急にこんな事言われたら放心状態になるでしょ普通。

 

 「2人には明日から俺の指示に従って動いて貰うからそのつもりで。じゃあみんな、無理しない程度に頑張ってね。では」

 

 そのまま研修ルームを出て行こうとしたら、またあの危ない組織の挨拶された。

 

 

 PM4:20

 

 「そっち終わったら次テーブル並べて!」

 

 「看板の位置もうちょっと右じゃない?」

 

 「ごめんグラス持って来て!」

 

 既に準備に追われている歓迎パーティーの会場。こういうのって見てても楽しいよね。まあ、俺ももちろん手伝うけど。

 

 「あれ?椅子ってないの?」

 

 「は、はい!ホムラ副隊長から、今回は立食形式に変更と言われましたので!!」

 

 あの饅頭勝手なことしやがったな。まあ、でもよく考えると、そっちの方がいろんな人と会話が出来て良いのかもしれない。ホムラは無意味な事しないし、別に問題ないか。でも何か腹立つから、クセロシキと2人で即興コントやらせてやる。コンビ名はどうしようかな?コレステロールブラザーズで良いか。

 

 「カイト様、お酒はこちらに並べても宜しいでしょうか?」

 

 「ん?ああ、そうね。ここで良いよっておおお!!!」

 

 ヘレナちゃんが押しているカートの中にはたくさんのお酒があった。俺はその中にある1本のボトルに目を奪われた。

 

 「へ、へ、ヘレナちゃん!これ、ジョウトの芋焼酎へびにらみだよね!!?」

 

 「はい。カイト様がお好きだとサカキ様がおっしゃっていましたので、今回用意しました」

 

 マジかよ。サカキ分かってんじゃん。この酒があれば今日の俺は無敵よ。テンションマックスで歓迎会盛り上げたるわ。

 

 「喜んでもらえた様で良かったです。サカキ様のお好きなお酒も一緒に並べておきますね」

 

 「いや別に一緒に並べなくても良いけど。あ、ヘレナちゃん、モモン酒ある?」

 

 「はい、用意はしてありますが、カイト様もサカキ様も辛口のお酒がお好きな筈では?」

 

 「そうなんだけどね、サカキは途中、甘口の酒挟むからさ。用意してあげて」

 

 「そうでしたか、かしこまりました」

 

 いやあ〜、それにしてもまさかへびにらみが飲めるとは予想外だった。マジで最高の夜だぜ。今日は野郎に囲まれても文句言わない!!

 

 

 PM7:00

 

 「ボス、注がせて貰おう」

 

 「ダンナ!!一緒にカラオケ歌おうぜ!!」

 

 「ボス、料理は何をお持ちしましょう」

 

 「今から裸踊りするぜ!!見ててくれよボス!!」

 

 「あ、このローストビーフ美味しいですね」

 

 「ふむ、確かにこのお酒はなかなかイケるねMr.K」

 

 散れ。そして、女性陣を呼べ。

 

 




カイトさんのどこが好き?

「歴史に対する愛情。自分に嘘を吐かないとこ。真剣な時の横顔。笑う時に目が垂れるところ、ふふ、挙げた出したらキリがないわね」
「おバカなワンパチみたいなとこ。でも、私を助けてくれたところも、ちょっとは好き」
「とにかく優しいんです。カイトさんはいつも、欲しい時に欲しい言葉をちゃんと言ってくれるんです」
「ない。ホンマや。嘘は言うてへん。(心の声:たまに女扱いするとこ)」
 
一方その頃カイトさん
「おらあ!!新入りの野郎連中1人ずつオッパイ派か尻派か言ってけ!!」
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