居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

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迷子の迷子のチャンピオン

 

 

 今までの俺の旅をアブソルに話す時、ファイアローやポリゴンZ達が身振り手振りで表現してくれた。全て話し終え、道中買った花をみんなに供えてもらい、手を合わせた。このワイルドエリアで墓石を破壊されていなかったのにはきっと理由がある。彼が、守ってくれたのだろう。今度は彼に会わないといけない。と、意気込んでいると、フーパのお腹が鳴った。アブソルへの墓参りを終えた俺達は一度昼食を取ることにした。

 

 「ブラァ♡」

 

 「ふるほぉ!!」

 

 「&75@42:17!!!」

 

 「うん!美味い美味い!!」

 

 「ロップ♡♡♡♡」

 

 「シャァ〜」

 

 「ガルゴラァ♡♡」

 

 「フパ!フパ!!」

 

 俺の作ったカレーを美味しそうに食べる愛ポケ達と、最近ご活躍のフーパ大先生。そして迷子のチャンピオン。

 

 「……え、何してんの?」

 

 「ご馳走様でした。いやあ〜、まさか君とここで会えるとは!久しぶりだなカイト!」

 

 「えっと、うん。久しぶり。それは良いんだけどさ、何してんの?」

 

 俺のカレーが完成したと同時にコイツはやってきた。色々聞きたかったが、腹を空かせていた様子なのでまずは飯を食わせてやったが、本当にどうしたんだ?

 

 「実はもう直ぐファイナルトーナメントの決勝戦なんだが、試合前にトイレに行こうと思ってな。そして用を足して、控え室に帰ろうとしたのだが、気付いたらここにいた!」

 

 「そうはならんやろ」

 

 どこの世界にトイレから控え室に戻ろうとしてワイルドエリアに遭難する奴がいるんだよ。自動ドアを出るな。中にいろ。

 

 「全くさあ、変わってねえなお前」

 

 「ははは!君も元気そうで良かったよ!」

 

 良い奴ってのは分かってんだよなあ。もしもの時、自分を犠牲に出来る男だ。モテる事以外に悪い点はない。

 

 「カイト、君には感謝したい」

 

 「は?」

 

 何か急に真剣な表情で話し始めたダンデ。キリッとした瞳。それはチャンピオンタイムに見せるものではありませんか。

 

 「俺は、君に負けるまでは、無敗だった」

 

 「言ってたな、そんな事」

 

 「ああ、あの時はそれが当たり前だった。しかし、君に敗れて、高みを知った。手を伸ばす場所を見つけた」

 

 真剣なのに、子供っぽい瞳。あの頃に戻った様なチャンピオンダンデ。

 

 「俺達はいつまでもチャレンジャーだ。高みに挑み続ける。手を伸ばし続ける。愛するポケモン達と、成長し続ける。今日俺は、若き夢に全力をぶつける。勝っても、負けても、俺は歩みを止めない。だからいつか、改めて君に挑ませてくれ。カイ、いや、Mr.K」

 

 「んなっ、お前ぇ」

 

 コイツ最後にふざけやがった。てか気付いてたのか。天然なくせして鋭い奴だ。それも当たり前だが、何かムカつく。

 

 「はは、カイト。助けてくれてありがとう。それと美味しいカレーをご馳走様。それでは俺は行くよ」

 

 背中を向けて去ろうとするダンデ。言うだけ言って帰る気かコイツ。俺はダンデのマントを掴む。俺より広い背中がぐいっと戻ってくる。

 

 「俺からも、あん時、ありがとな」

 

 俺の心から溢れた2つのピース。ガラルで俺は完全に折れた。それでも、ダンデとキバナはいつも俺の前に現れた。少しは人の気持ちを考えろとか、罵声を浴びせてやりたかったが、何故か俺よりも泣きそうな顔で勝負を挑んでくるコイツらに、今思うと俺は救われてた。

 

 「……きっと、あの時の俺達の対応は間違っていた。傷の痛みを分からないまま、土足で君の心に踏み込んだ。それでも君は礼を言うのか?」

 

 「助けてくれた相手に礼を言うのは、常識じゃないのか?」

 

 あの時ちゃんと言えなかった俺が今更言うのは違うけど、それでも言わないわけにはいかなかった。

 

 「……君はそういう人間だよな。いや!どういたしまして!お礼は君とのバトルで良い!」

 

 「ああ、WPCでやるはずだったバトルは、いつかやろう」

 

 「楽しみにしているよ」

 

 軽く腕を上げて、背中を向けたまま去っていったダンデ。カッケェけどアイツどこ行く気だ?

 

 「フパ?」

 

 「はは、変な奴だったろ?あれでもチャンピオンだぜ」

 

 不思議そうにダンデの後ろ姿を見つめるフーパ。まあ急に現れて飯食ったら帰っていく男はそう見られてもしょうがないか。

 

 「じゃあみんな、次は、彼を探そうか」

 

 俺は食器を片付けてくれているみんなに声をかける。今度は、臆病なエースを探しに行く番だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ちょっとダンデ君!!どこ行ってたの!?もう始まるよ!!」

 

 「随分スッキリした顔してるな。何か良いことでもあったか?」

 

 「ああ、俺の原点に会ってきた」

 

 「「はあ?」」

 

 「ははは!気にしないでくれ!さあ行こう!!チャンピオンタイムだ!!」

 

 

 

 

 「ダンデ君には悪いけど、チャンピオンタイムは、訪れないよ」

 

 ブラックナイト計画始動まで、後5分。

 

 

 

 

 「おいおいガラルにも巨人伝説があるのか?」

 

 「なら、我々が調査しないわけにはいかない。そうだなアオギリ?」

 

 「はっはっは!その通りだぜマツブサ!」

 

 アオギリ、マツブサ、部下数名を連れて巨人伝説調査開始。

 

 

 

 

 

 「いぇーい! 勝負の 準備は オーケイ?」

 

 「うん!!いつでも良いよ!!」

 

 ヒガナ、マスタード道場にて特訓開始。

 

 

  

 

 「ウシオ」

 

 「おう、分かってる。嫌な予感がするな」

 

 「これは、ガラル本土に戻った方が良いかもしれませんね」

 

 「アニイには俺から連絡しておく」

 

 「後は予備戦力ですが」

 

 「どうかしたの?」

 

 「「……」」

 

 ウシオ、ホムラ、N、ガラル本土に出発。

 

 

 

 「サザ、ドルア」

 

 「ふふ、強くなったんだね。ヌメちゃん。なら良いよ。運命に会いに行こう」

 

 サザンドラ、かつての主人と共に行動開始。

 

 

 

 

 「……ッ……ィ……ブイッ!ィ〜?ブイ、ブイブイ!」

 

 ワイルドエリアの草むらにて、ポツンと置かれたタマゴからポケモンが産まれた。そのポケモンは何かを探す様に、よたよたと歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




小話《巨大こたつを設置した日》

カイト「いやあ〜、ぬくい。ぬくくて出られない」
ファイアロー「ふるほぉ(俺ここに住む)」
ミミロップ「ル〜♡(あっ、ダーリンの足が♡)」
ガチゴラス「ガルゴラァ♡(これがあれば死なねえなあ♡)」
ポリゴンZ「7@:5@4(アッタカイ〜、ボクココスキ〜)」
グソクムシャ「サ、シャ(これは、ダメになる)」
ブラッキー「ブラァ(ふ〜ん、まあまあね)」

撤去日
カイト「ちょちょ!離せよ相棒!!」
ブラッキー「ブラァ!!ブラア!!(何で取っちゃうのよ!!そんな話聞いてないわよ!!)」
ファイアロー「ふるほあ(気に入ってんじゃん)」
ミミロップ「ル〜、ロップ!!(まあ、そんな気してたけどね。てかくっつきすぎよ!!)」
ガチゴラス「ガル!ゴラ!!(いけ!頑張れ!!)」
ポリゴンZ「ji@t'ma@'qjw(ソコダ!ウバッチャエ!)」
グソクムシャ「ムシャ(煽るな)」
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