居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

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謎のオーナー

 

 

 「取引?」

 

 「はい。と言うのも、実は私先日、パルデアから西に行った辺りにある島を1つ購入しまして」

 

 「はい?」

 

 島を買った?話のスケールがデカすぎねえか?富豪かよ。

 

 「私の昔からの夢であるバトルリゾート施設を建てたんです!その名もバトルキングダム!!あ、失礼しました」

 

 興奮した様子で話すアズマさん。直ぐに元の状態に戻るが、恥ずかしかったのか若干頬が赤い。可愛い。

 

 「しかし、施設を建設した時点で貯金が底を付きました。まだ施設職員もバトルトレーナーも居ないこの状況で、運営資金が無いとどうなるかなんて、考えたくもありません」

 

 計画性無いのかなこの人。

 

 「そこで!カイト様にお願いがあり参りました」

 

 「金を貸せと?」

 

 「う、速い話がそうなのですが、カイト様にとってもメリットはあると思います」

 

 「メリット?」

 

 「はい、それがですね」

 

 アズマさんの話を纏めると、バトルキングダムの島を俺達の拠点にして良いと言う事らしい。確かに悪い話では無い。物資の補給もバレない様にするのには流石に限界がある。拠点があるのはありがたい。各地にアジトを建てるつもりではいるが、怪しまれない様にアジトを建てるのは厳しい。その点、表向きは楽しいバトルリゾート施設の島、そこが拠点となれば俺達に向けられる怪しい目は少ないだろう。仮に怪しまれても、オーナーのアズマさんが払い除けてくれる筈。他にも島で各地の情報を得ることが出来るし、アクロマの傷薬を合法的に売ることが出来る。宣伝ならパキラさんに任せれば1発だろう。

 

 「うん、悪くない」

 

 そしてアズマさんからのお願いは以下の通りだ。

 

 1.資金提供

 2.人材派遣

 3.Mr.Kによる宣伝

 

 まあ上2つは難しい事でも無いけどさ。うん、最後の何?

 

 「バトルキングダムにMr.Kが登場すれば大きな宣伝効果が見込めます!是非お願い致します!」

 

 勢い良く頭を下げるアズマさん。どんだけ必死なんだよ。てか何でMr.Kの正体が俺だって知ってんの?いや、それよりまだ聞いてないことがあるよな。 

 

 「俺の事、誰から聞いたんすか?」

 

 カグラ団について、どこから話が出たのか。何故俺の居場所が分かったのか。アズマさんの素性が分からない以上、おいそれと話に乗るわけにもいかない。この人どタイプだが、普通の人とは違う何かを感じる。

 

 「それについてはこちらを」

 

 俺の目の前に差し出された一通の封筒。中には綺麗に折り畳まれた便箋が入っていた。

 

 「……なる程」

 

 便箋に綴られた内容を読んでよく分かった。アズマさんが何者で、何故俺の居場所が分かったのかも。これなら協力関係を結べそうだ。俺は笑顔でアズマさんへ手を差し伸べる。また1人俺の癒しが出来た。一先ずあのゲキダサコンビは置いといて、アズマさんと食事でもしてお互いをよく知るとしよう。

 

 

 

 

 

 場所は変わり、カフェ。では無く、雑草生い茂る平地。

 

 「バトルキングダムオーナー、アズマ!お相手させていただきます!」

 

 バトルリゾート施設を運営する器に値するかどうか測って欲しいと言われたが、そんな直ぐにバトルするとは思わないじゃん。

 

 「アズマさん?まず一度食事に」

 

 「行きますよ!特攻隊長!」

 

 これは無視されたわけじゃない。興奮して聞こえてなかっただけだろうな。そうさ、涙よ流れるな。待てよ。このバトルで男らしいとこを見せればまだ大丈夫!

 

 「グソクムシャ!張り切って、ん?」

 

 ボールから飛び出したグソクムシャに対峙するアズマさんのポケモン。生気を感じない抜け殻の様な存在。変わったポケモンはこの世に多く存在するが、その中でも飛び抜けて異質な存在。

 

 ヌケニン。

 

 俺が取るべき選択は一つしかない。しかし、既に先手を打たれてしまっていた。

 

 「ヌケニン、かげうち」

 

 ゆらゆらと揺れるヌケニンの影が、グソクムシャに向かって伸びる。慌ててグソクムシャのボールを手に取るものの、背後から音もなく姿を現したヌケニンによって攻撃を受けていた。

 

 「サシャッ!?」

 

 「すまない、交代だグソクムシャ」

 

 ボールに戻す瞬間、グソクムシャは申し訳なさそうな目を見せた。背後を取られた屈辱、何も出来ない不甲斐なさ、責任感の強い彼は自己嫌悪に陥って居るのだろう。彼は何も悪くない。相性が悪い場合はポケモンを交代させる。トレーナーの基本だ。直ぐにそうしなかった俺が悪い。しかし、トレーナーにはそれぞれバトルスタイルがある。俺の場合グソクムシャの先発がそれに当たる。そして、相手のスタイルをいかにして崩すかが、勝利を左右する。一手目からこうも簡単に崩されるとは。俺と目が合うとニヤリと笑うアズマさん。舐めてたわけじゃないが、これはちょっと冷や汗もんだな。焦っちゃうじゃないの。

 

 「頼むぞ、ファイアロー」

 

 「ふるほあ!!」

 

 「反動を受けるがしょうがない。フレアドライブ!」

 

 全身に炎を纏い、ヌケニンに突っ込んでいくファイアロー。激しい突撃により砂煙が辺りを包み込む。取り敢えず一体だ。ここから立て直そう。そう思い、砂煙が晴れるのを待った。

 

 「ふるあ!?」

 

 「ファイアロー!?」

 

 砂煙が立ち込める中からファイアローの悲鳴が聞こえた。中で何が起きて居るのか分からないが、とにかく状況を見極める為にファイアローに砂煙を吹き飛ばす様指示する。

 

 「ふるあ!」

 

 「よし、これで見え、は?」

 

 視界が広がり、ようやく辺りが見える様になった。しかし、俺の目に映ったのは、傷を負ったファイアローと、何食わぬ顔でフワフワと浮かぶヌケニンだった。

 

 「よく、こらえた(・・・・)ね、ヌケニン」

 

 「ッ!!!」

 

 ああ、この人ガチじゃん。

 

 「それじゃあ、ヌケニン。ゴーストダイブ」

 

 これは、マズイかもな。

 

 

 

 






 ヌケニン良いですよね。闇が深そうな感じや最弱に見えて唯一無二の存在感が半端じゃ無くて好きです。



 
 《謝罪》
 カイトさんのポケモンが増える事をお許し下さい。(数体)

ネクロズマの行き先

  • カイトさん
  • ルザミーネ
  • リラ
  • ウルトラホール(実家)
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