居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織 作:エドモンド橋本
これからもよろしくお願いします。
「おい〜す、サカキ〜、飲もうぜ〜」
「勿論喜んで付き合うが、既に飲んでそうだな」
シンオウ地方を出てから既にかなり時間が経ち、短針と長針が重なり合っている真夜中。良い子のヒカリちゃんはもう寝ている時間帯。女性メンバーも夜更かしは良く無いので既に休ませてある。野郎は知らん。
「しかし、私の部屋で良いのか?」
「良いよ良いよ。俺の部屋まだ整理出来てないし」
船に乗って直ぐヒカリちゃん騒動や、元ギンガ団のしたっぱ連中からの挨拶やらで全然自分の事が出来ていない。だが、それでもサカキには伝えないといけないことがあった。
「さて、どうぞボス」
綺麗に整理された広い部屋。その中央に置かれたテーブルと豪華な椅子が2脚。そして奥の方の椅子を引き、俺を誘導する仕草はまさに高級レストランのウェイターの様。
「元組織のトップとは思えない程決まってるな」
「忠誠心は簡単に人を変えるのさ」
そう言うもんかね?俺には分からん。引かれた椅子に座るとサカキがワイングラスを用意しようしたのでそれを止める。
「ちょいタンマ」
「ん?どうかしたか?今日はワインの気分では」
「ああ違う違う。そう言う事じゃなくて、まあ、取り敢えずサカキも座ってくれよ」
俺の言葉に素直に従い、椅子に座るサカキ。そして反対に立ち上がった俺は、サカキの目をしっかり見てから、頭を下げる。
「なっ!?何を!!」
「サカキ、すまなかった」
俺はサカキに謝らないといけない。俺は、約束を守れなかった。
「何の事か分からんが取り敢えず頭を上げてくれ!!私は君に謝られる事など無い!!」
「俺はお前にアルセウスを配下に置けば世界征服が可能だと言った。お前はホウエンでレジ3体を捕獲して、シンオウでもレジギガスを蘇らせた。でも、俺は結果的にアルセウスを配下には置けなかった。これは俺の失態だ」
シンオウでアルセウスを捕まえる。そして、世界征服をする。それが俺達の目標だった。サカキは一切失敗していない。でも俺は、サカキが整えてくれた舞台で、結局失敗した。それが次に繋がろうが、失敗は失敗だ。それを謝罪出来ないボスでは居たくない。
「ッ何が失態だ!私は君の見せてくれる景色全てに心踊らされ、満足している!!今回の件も失敗などでは無い!!君がアルセウスに猶予を与えただけだ!!神と言う席から降りる準備をさせる為の!!」
とんでもねえ解釈してんなコイツ。
「君に失望などありえん。まだまだこれからだ!カグラ団は、これからだろう?」
「まあ、そうだな」
謝罪を受け取らないのなら、やっぱり評価してやるのが1番か。コイツが素直に俺の謝罪を受け取る奴だとは思わなかったが、まさかここまでとは。
「座ってくれ、飲むのだろう?」
「うん、でも待ってくれ。あ、普通にグラスある?」
「勿論だ」
サカキは2つのグラスを棚から取り出して、テーブルに置く。俺は持ってきた酒瓶を取り出してテーブルに置く。
「ん?これは」
「お?気付いた?」
俺が用意した酒瓶を見てサカキは反応した。まさか覚えているとは思ってなかったから中々驚くね。
「これは、君と出会った居酒屋で飲み交わした酒だろう?」
「そうそう、ほら、世界征服したらまず最初にあの居酒屋で飲もうって言ったけど、失敗」
「失敗ではない」
「……まあ取り敢えず今回はあの時の酒で、乾杯しようぜ」
サカキはロック、俺はソーダ割り、あの時と同じ酒の入ったグラスを掲げる。
「これからも頼む、副司令官殿」
「ああ、君の未来に栄光を」
「ふはっ、なにそれ?まあ、乾杯」
「ふっ、乾杯」
グラス同士がぶつかる音だけが部屋に響く。出会ったあの日の様な騒がしい音は聞こえない。しかし、この空間が非常に心地良い。面白いけど、冗談の通じないおっさん。でも、頼れる右腕で、一緒にいて安心するおっさん。もう少し頑張ろう。このおっさんに見せてやらないといけない景色があるからな。あ、そうだ。
「サカキ、これ」
「む、これは?」
「ホウエン、シンオウと大活躍のサカキ君へのご褒美です!」
「そんな事気にせずとも」
活躍した部下を評価する。これは正しい組織の在り方だ。それをNo.2に否定させてはいけない。レジロック捕獲。レジギガス復活。そして、ギラティナのいた場所から俺を見つけてくれたし、大活躍ですよ。勿論マツブサやアオギリ、ヒガナちゃん達もしっかり評価するつもりだ。
「まあまあ、受け取りなさいよ」
「……それでは、有り難く頂戴します。ボス」
「おう」
手渡した箱を受け取るサカキ。開けてみろ、と目で訴えると丁寧に開け始める。コイツまさか箱とかちゃんと保存したりしねえだろうな。捨てろよ。何か嫌だから捨ててくれよ。
「ッ!これは」
「キーストーンリングと、ガルーラナイトね。キーストーンのリングは俺と同じとこで加工してもらった。指のサイズは何とかしてよ。ガルーラナイトはシロナさんからの貰い物。お前ガルーラ手持ちにいただろ?その力でこれからも頼むぞ」
「約束しよう」
大切そうにリングとガルーラナイトを握りしめたサカキは、リングを右手の中指にはめ込む。
「おお〜ピッタリじゃん。良かったな」
さて、渡すもん渡したし、後は楽しく飲みましょうよ。あ、そうだもう一個こコイツに言うことあったわ。
「サカキ、俺、世界支配した後、何するか決めてないって言ってたろ?」
「ああ」
「俺は、神話になる事にした」
「ッ!!」
「ま、軽く頭の片隅にでも置いといて」
そっからは楽しかった。俺が話したい事話したり、何故か泣き上戸になったサカキをケタケタ笑ったり、最高の夜だった。これなら俺はもう、サカキが俺よりモテようが寛大な心で許すだろうな。
翌日
「あ、あの、サカキ副司令官!お、お疲れ様です」
「ああ、昨日はよく眠れたか?」
「は、はい!あの、こちら栄養ドリンクです。もし良かったら」
「有り難く頂こう」
「あ、え、ありがとうございます!!」
……減給してやろ。
誰とのサシ飲みが見たい?(書くかは分からない)
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アオギリ
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マツブサ
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ヒガナ
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アカギ
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ウシオ
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ホムラ
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イズミ
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カガリ