居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織 作:エドモンド橋本
「さあ、消しなさい!!私の邪魔をする愚か者を!!!」
痛いもんだなあ。愛するポケモン達を気持ち悪いおっさんの好きな様にされるのは。心が痛えよ。
「ファイアロー」
「ふるほおー」
強がりで、プライドが高くて、それでも俺を助けてくれる愛すべきバカ。まだまだお前の力が必要だ。
「ガチゴラス」
「ガルゴラー」
何度だって謝るよ。お前を起こしてしまったのは俺だ。知らない世界に呼び起こしてしまった俺を、許してくれたお前を、俺は一生大切にするよ。
「グソクムシャ」
「シャー」
あの日、ポケモンハンターに捕まってたお前は、泣き虫だった。でも、俺についてくる様になってから、強くなったよな。俺の行く道を、これからも切り拓いてくれよ、切り込み隊長。
「ポリゴンZ」
「????????」
人間に勝手に期待されて作られて、勝手に失望して捨てられたお前に、どこかシンパシーを感じた。人間を嫌っても不思議じゃないお前が、付いて来てくれた事に、今でも感謝してるよ。
「ミミロップ」
「るー、ロップ」
女の子らしくて可愛いハニー。いつも俺の為に戦ってくれる君は、ずっと俺の側に居てくれると勝手に思ってた。まだ、デートの約束があるじゃん。とっとと、アイツぶっ飛ばして、行こうぜ。
「相棒、下がっててくれ」
「ブラッ!?ラッ!!!」
「大丈夫だから」
俺は相棒の前に出て、近づいて来るポケモン達に歩み寄る。
「ハニー」
「ルー、ロップ!!!」
「ぐぼはあっ!!!」
横に払われたハニーの綺麗な脚。嫌な音が身体から聞こえ、俺は壁に叩き付けられた。
「ブラッ!!!!」
初めてだわ。ハニーに蹴られたのは。肋何本折れた?口から出てくるこの赤いのは、体から出て大丈夫なもんか?まあ、そんな事どうでも良い。朦朧とする意識のまま、立ち上がり、再びハニーに近づく。
「ブラッ!!ラッ!!!」
「ダメ、だぜ相棒。まだ、話が終わっ、てねえんだ」
「フハハハハハハハ!!!!馬鹿な男だ!!!さあミミロップ!!もう一度蹴り飛ばしなさい!!!」
「ルー、ロッ!?」
ハニーが蹴るよりも先に、俺は身体を抱きしめる。何だよ、その顔は?いつもなら嬉しそうにしてくれんじゃねえか。俺は必死に手を伸ばし、ハニーの首につけられたダッセエ首輪を掴む。
「なあ、ハニー、誰にこんなもん付けられた?ダッセエよ。こんなの君には似合わないぜ?俺がちゃんとしたの選んでやるから、こんなもん、捨てちまおうぜ!!!!」
俺は首輪を力強く握りしめる。潰れちまえよこんなもん。俺のポケモンに何してくれてんだよ。
「な、何をしている!!その男を全員で潰しなさい!!」
「ふるほおー」
「シャー」
「ブラアッ!!!」
俺に近づくファイアロー達に向かい合う相棒。ああ、違うんだよ。俺はお前達が戦ってるところを見たくねえんだ。こんな首輪で、縛られてしまう程、俺は頼りなかったのか?教えてくれよ。
「こんなもんがああ!!」
「なっ!?そんな馬鹿な!?」
やっぱ人間辞めてんのかなあ俺も?引きちぎった首輪を見てそう思う。目の色が見慣れたものに変わったハニーを離し、代わりに手を握る。
「ルー、ロップ、ロップ!?」
「何も謝らなくて良い。ただ、ごめんよ。頼りなくて、俺はいつまでも、君達を愛してる」
やばい。もっと伝えなきゃいけないことがあるけど、流石に身体が限界だ。他の子達も、俺の手で助けたいのに。そう思ってファイアロー達に目を向けると、既に相棒が首輪を噛みちぎっていた。流石、付き合いが長いだけあるな。正気に戻りつつあるポケモン達に目を向けると、皆今にも泣き出しそうな顔をしてる。気にしなくて良い。でも、ごめん。
「あと、頼む」
柔らかい優しいハニーの腕に抱かれ、気を失う中、ゲーチスの断末魔だけが聞こえた。
Q.誰がハニー達に首輪を着けたの?
A.人工ポケモン