居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織 作:エドモンド橋本
俺の身体に触れる柔らかい何か。これは、これは。
「オッパイ!!」
「ボス!!無事か!!」
「ボス!!あまり動かないで!!」
「やり直せ」
何で?何で俺が何かしら目を覚ます時はお前らなんだよ。んでオッパイちゃうやん。ホムラの腹やん。あ〜損したわ〜。てかここは、Nの城の前か。
「ブラッ!!」
「おげっ!?」
「ボス!!?」
腹に勢い良く乗っかって来たのは愛しき相棒。俺の胸に顔を擦り付けてくる。何だよ。珍しく可愛いじゃないの。
「がるー」
「シ、シャ」
「ふる」
俺から少し離れた場所で座り込んでるポケモン達。その姿に笑みが溢れる。良かった、無事なんだな。俺は皆んなに手招きすると、笑顔で寄ってくる。一体ずつ撫でてやるが、まだ木の影に隠れて俺の元に来てくれない子がいる。
「ハニー」
「ル、ルー」
「おいで」
俺が優しく声をかけると、ちょこちょこと近づいて来るハニー。いつもの様な元気は無いが、正気には戻っている。俺は側に来たハニーの手を握る。
「首、痕残ってない?ごめんね、無理矢理引きちぎって、痛かったよね」
「ルー!!」
激しく首を振るハニー。やっぱりこの子は優しい子だ。ずっと気にしていたのだろう。大丈夫だよ、と微笑むと、ハニーは目から大粒の涙をこぼし始めた。
「ル〜、ルル〜、ロッ、ロップ」
「言ったでしょ、俺は君達を愛してる。何も心配しなくて良い」
ハニーをギュッと抱きしめる。ああ、情けないなあ。こんなに不安にさせちゃうとは。
「ルー、ロップ♡」
「うん、ハニーはやっぱ笑顔が似合うよ」
「ブラッ」
相棒にも、辛い思いをさせたかもしれない。本当は皆んなを俺の手で助けてあげたかったのに。若干ファイアロー達から受けた傷がある相棒の背を撫でる。
「あ、そうだ、ゲーチスは?」
「あちらです」
ホムラが指差した先には、パンイチで縛られているゲーチス?顔が変形しすぎてて分からん。だが、その姿を見ても俺の怒りは収まらない。
「ホムラ」
「はい」
「カガリちゃんが、壊れても良い実験体が欲しいって言ってたろ?」
「……はい」
「あいつ使え」
俺のポケモンに汚ねえ首輪嵌めた事を後悔させてやる。そう簡単に楽にはしねえ。
「ボス!!コイツどうするよ?」
バカデカい声で呼ぶウシオ。そしてその足元にいるのは紫色のメカっぽいけど虫っぽいポケモン。可哀想なくらいボコボコにされた痕がある。そして、あのポケモンを見て唸るハニーやガチゴラス。さては、ハニー達に首輪嵌めたのコイツか。中々やるな。
「ボス、あちらは、ゲノセクトと言う人工ポケモンです」
人工ポケモン。その言葉に苛立ちが募る。しかもその後、ホムラから聞かされたのは古代のむしポケモンが、甦らされて更に戦闘兵器として改造されたという事。ああ、腹が立つ。本当に歴史を何だと思ってんだ。まあ、ガチゴラスの件があるから偉そうには言えないが。
「保護しろ」
「承知しました。ウシオ」
「おう!」
ゲノセクトを担ぎ上げるウシオ。すげえな。あれ何キロあんだよ。
「では、ボスはもう1度お休み下さい。流石に身体が持たないでしょうし」
「え?ああ、そうだな」
「ロップ♡」
再び眠気が襲って来た。俺の顔を撫でるハニーの手が心地良い。今は寝かせてもらうか。ああ、本当に、皆んな無事でよかった。
俺の手を握る優しい手。しかし、もう騙されない。俺が眠りから覚める時はいつも饅頭とみずタイプのゴリランダーだ。分かってる。目を開いて真っ先に言ってやる。
「やりな……」
「ああ、おはよう。Mr.K」
ホムラ、ウシオ。悪かった。謝るから戻って来てくれ。寝覚めにイケメンはキツい。