居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

64 / 133
アホみたいに長くなりました。
すみません。


閑話③カイトの1日

 

 

 AM6:00

 

 やけに広い部屋に鳴り響くアラーム。それを止めて、取り敢えず呟く。

 

 「後5分」

 

 誰も止めないので基本的に後何時間寝ようが怒られない。しかし、この船で1番偉い人間がそれでは組織として成り立たない。頑張って何とか起きる。

 

 「ティニ〜ティニ〜」

 

 何故か図々しく人のベッドで寝ているチビスケを蹴り落とす。

 

 「ティニッ!?」

 

 「俺が起きるなら、お前も起きろ」

 

 「ティニ!」

 

 俺の頭に乗っかってがむしゃらにポカポカ叩き始めたチビ。まあ好きにさせとこう。どうせ女の子見つけたらそのうちどっか行くし。チビと一緒にシャワーを浴びてから、歯を磨いて、着替える。組織や動かす金は前よりも大きくなったが、俺の生活スタイルは前とそんなに変わらない。俺よりも周りが変化している。

 

 「ティニ〜」

 

 「ドライヤー当てたくらいで楽しそうだな」

 

 髪もしっかり整える。女性メンバーと話す時は身だしなみを整えるのが常識だからな。

 

 AM6:40

 

 ある程度準備が出来たので、部屋を出る。すると、必ずある男が待っている。

 

 「おはようボス。気分はどうかな?」

 

 「おはようサカキ。ああ、悪くないよ」

 

 今まで一度も朝部屋を出た時にサカキが居なかった事はない。俺が早く起きる理由の1つがこれだ。俺が起きてこなかったらこいつずっと待ってんのかな?とか思ってしまう。本当何時に起きてんだよ。

 

 「今日はこれという報告事項はないが、元プラズマ団の者達が既に配属された部隊に慣れ始めているようだ」

 

 「あ〜そう、そいつは良い事だ」

 

 「君の読み通りだ。流石だな」

 

 サカキの中で俺が過大評価されてるのは知ってるが、どこまでデカく見られてるのかはもう考えないようにした。2分程、軽く話しながら歩くと執務室に着いた。

 

 「「カイト様、おはようございます」」

 

 サカキが開けてくれた執務室の中で、バーベナちゃんとヘレナちゃんが既に待機していた。彼女達もちゃんと寝ているのかな?心配になるわ。

 

 「バーベナちゃん、ヘレナちゃん。おはよう」

 

 「ティニー!!」

 

 案の定チビが直ぐに飛びつく。ギュッとバーベナちゃんに抱きしめられる。ああ、この上なく幸せそうな顔していやがる。羨ましい。

 

 「カイト様、コーヒーです」

 

 「お!ありがとう!」

 

 椅子に座った俺に、直ぐコーヒーを出してくれるヘレナちゃん。ああ、これだけでも充分幸せだ。朝一に美人秘書がコーヒー淹れてくれる。こんなんもう勝ち組だろ。

 

 「もう直ぐ朝食をお持ちします」

 

 「まあ、そんなに焦らなくてもいいから」

 

 俺は基本的に朝食を食べないのだが、やけに皆んなが心配するのでおにぎり2個だけ食べるようにした。だってヘレナちゃんが握ってくれるんだぜ?食うよな?

 

 「では、先に朝礼を行おう」

 

 AM7:00

 

 隊長達最高幹部のみで朝礼を行う。早いよな。俺もうちょっと遅くていいと思う。

 

 「おうダンナ!今日は波が落ち着いているから結構先までいけると思うぜ!」

 

 「先日頂きました文献から、カロス地方の神話や伝承について調べて見ます。それから、イッシュで入手した化石の解析も同時に進めます」

 

 「伝説のポケモン達が持つエネルギーの研究が少し滞っています。アクロマをこちらに回して、幾つか意見を取り入れたいのですが、宜しいでしょうか?」

 

 「う〜ん、今日も、皆んなでトレーニング、頑張る〜」

 

 「特に報告事項はございません」

 

 ほら、ヒガナちゃん眠そうじゃん。おっさん共は元気だけど、ヒガナちゃん眠そうじゃん。時間考えろよ。俺は良いけど、お前らの健康管理しっかりさせろ。特に女の子達の。

 

 「ああ、アオギリは、カロスで戦闘になった場合の事も考えて、地形とか確認しといて。マツブサ、化石に関してはアクロマにも話聞いてみて。あ、プラチナの研究の方を優先して欲しいかな。アカギもそれで宜しく。ヒガナちゃんは無理せずね。眠たかったら休んでも良いから。サギリは、また用があったら呼ぶから、ケロマツの育成に集中してて」

 

 こんだけ言えば優秀な部下達は後は自分達で考えて動いてくれるのだ。助かるわあ〜。ホンマ楽だわあ〜。でも時間は俺に合わせなくて良いのよ。ブラック企業じゃねえから。やってる内容がブラックなだけで。

 

 「おう!了解したぜ!」

 

 「承知致しました。では、進捗は随時ご報告致します」

 

 「ありがとうございます。また何かあれば連絡します」

 

 「う〜ん大丈夫!カイトさんと話したら元気出た!今日も頑張る!」

 

 「承知致しました」

 

 ヒガナちゃん可愛いなあ。癒しだわあ〜。しがみついてるチビを殴り飛ばしてやりたい。

 

 AM8:00

 

 朝食を済ませて、ホムラが用意した書類に目を通す。カロス地方のニュースや、流行、ジムリーダーやチャンピオンの公表している情報と、噂されている真偽不明の情報。へ〜、ビオラさん写真集発売してんだ。水着カットとか、あ、ビオラさんが撮った写真なのね。

 

 「親分!おはようございます!」

 

 「師匠!!オザーッス!!」

 

 「はい、おはようさん」

 

 元気な子供達がやって来た。まあ、子供が元気なのは良い事か。俺も笑顔で返す。2人はソファーに座り、ヘレナちゃんが用意したジュースを飲んでいる。

 

 「さて、第1秘書さん、俺の今日の予定を教えてくれませんか?」

 

 「あ、え、えと」

 

 「ふふ、どうぞ」

 

 「あ、11時まで、あの、組織のデータ整理をして、それから」

 

 バーベナちゃんから渡された紙を手に取り、ゆっくりと読み上げ始める。たまには秘書っぽい仕事もやらせてあげないと、この間みたいに脅されかねない。一体どこから俺の写真撮ってんのか。

 

 「以上です!」

 

 「はい、ありがとう」

 

 「師匠!!俺今日は昼からサカキのおっさんに特訓してもらうんだ!!」

 

 おっさん言われとるやん。まあおっさんだけど。俺も初対面の時おっさんって言ってたし。

 

 「そっか、まあしっかり鍛えてもらいな」

 

 「はい!!師匠に届くように頑張ります!!」

 

 元気の良い子供達は、直ぐに去っていった。ある意味気持ちを落ち着かせる為には必要な存在なのかもな。おっさん達だけでは疲れるからな。

 

 AM10:00

 

 「ふう〜、中々大変だな。データまとめんのも」

 

 まあ情報整理ってのは大切な事だし、手を抜くわけにもいかないからな。とは言え一息つきたい。今までなら水飲んでたくらいだけど、もう違う。なにせ俺は勝ち組なのだ。手を止めた瞬間優秀な秘書が動く。

 

 「カイト様、休憩なさいますか?」

 

 「はい、なさいます」

 

 トレーにカップとお菓子を乗せて運ぶヘレナさん。うわあ〜幸せ〜。頑張って働くよこんなの。

 

 「今日はクッキーを焼いてみました。お昼の休憩ではフィナンシェを用意します」

 

 「すごいね!楽しみにしてるよ」

 

 最高の秘書だな。バーベナちゃんも事務処理がスムーズでミスがないし、ヘレナちゃんはお菓子作りが上手いし、ファッションセンスあるよね。平隊員達のファッションセンス皆無過ぎて困ってたから助かるわ。

 

 「あ、そうだ、シグレ!」

 

 「お呼びですか?」

 

 「クッキー、一緒に食べよ」

 

 「……宜しいのですか?」

 

 「甘いもん好きでしょ?それに一緒に食べたらもっと美味いしさ。あ、ちゃんと食べたらヘレナちゃんに礼言えよ」

 

 最近分かったが、シグレは甘いものが好き。美味しそうに食べるから見てて気持ちが良い。俺が作ったわけじゃないけど。ちゃんと残さず食べて、2人でヘレナちゃんにご馳走様をした。

 

 AM11:00

 

 「終わったあ〜」

 

 「お疲れ様でした」

 

 データ整理が何とか時間内に終わり、椅子の背もたれに寄りかかる。バーベナちゃんの労いの言葉が身に染みる。

 

 「失礼します。ボス、今宜しいですか?」

 

 「ダメって言ったら帰んのか?」

 

 「カガリからの報告書をお持ちしました」

 

 「よし、受け取ろう」

 

 カガリちゃんから、ってだけで受け取ったが、内容は中々グロテスクなのよね〜。まあ本人が楽しそうだから良いか。

 

 「私からもお話があるのですが」

 

 「ん?」

 

 「各地方の裏組織は、恐らく地方毎の伝説のポケモンや神話に何かしら関係してる傾向にあります」

 

 まあ、マグマ団、アクア団、ギンガ団、プラズマ団と確かにその傾向はあるよね。後、統一して格好がダサい。て事は格好がダサい奴探せば伝説のポケモンに辿り着くんかな?

 

 「カロスでは裏組織に積極的に関わるのも1つの手かと思いますのでご検討下さい」

 

 そう言って出ていったホムラ。まあ言ってる事は理解出来るし正しいけど、ダサい奴に積極的に関わりたくない。

 

 PM0:00

 

 「君と昼食を共にすると、いつもよりも美味しく感じるよ」

 

 「俺はテメェの顔を見たせいで最悪だよ」

 

 何故か執務室で昼食を取るN。帰れよ。そんでお前とっととどっかの部隊に入れや。協調性ないから無理かな?でもコイツを隊長にしたくないしな。

 

 「この組織に入って良かったと本当に思うよ」

 

 「そいつあーよーござんしたねー」

 

 「君に会えて良かった」

 

 俺は会いたくなかった。こんなイケメンが居るなんて知りたくなかった。神様は何故、俺をもう少しだけイケメンにしてくれなかったのですか?答えろよアルセウス。

 

 「ま、今が楽しけりゃ良いじゃねえか。トウヤ君と一緒に、しっかりこの世界を見て回れよ。俺が支配するこの世界をな」

 

 「ああ、Mr.Kの夢を共に見たいからね」

 

 イケメンのスマイルは破壊光線よりも高い威力でした、まる。

 

 PM1:00

 

 昼一は眠くなるので執務室から出て歩く。そして、俺はウシオのいる操縦室に向かう。

 

 「おう!!ボス!!何か用事か?」

 

 「ああ、船について気になる事はないか?小さな異変はいずれ大きな事故に繋がるからな。お前を信用してないわけじゃ無いけど、それでも一応聞いとくよ」

 

 「おう!今はあまり気になる事はないが、細かいとこでも気が付いたら連絡するぜ!!」

 

 この辺しっかりしてるよなこの筋肉ダルマ。船渡してから有能として育ちつつある。アオギリも部下与えてからは頼れる存在だし、やっぱ適材適所って大事よな。

 

 PM2:00

 

 「あーー!!オノノクスー!!」

 

 空高く飛ぶオノノクス。サカキのレジロックによってぶん投げられた。大きな音と砂埃を上げて地面に落下。当然目を回していてもう戦う事は出来ない。

 

 「指示を出すタイミングが悪い。ある程度ポケモンが余裕のある状況じゃないと困惑するだけだ。一度間合いを取らせるべきだったな」

 

 「クッソー!!アザッス!!もう一回お願いします!!」

 

 何よサカキ。中々良い師匠やれてんじゃん。俺より適任だな。

 

 「へへ!見て見て親分!!メロちゃんダンスも得意なんですよ!!」

 

 「メッ!ロッ!メロッ!」

 

 バトルコートの端っこで2人を見ていた俺に声をかけてくるヒカリちゃん。そして姿が変わっている謎のポケモン。もうわからん。その子は一体何なのさ。

 

 「ねえ!スズさんのヒコザルも見せてよ!」

 

 「勿論です。おいで、ヒコザル」

 

 「ヒコッ!」

 

 「わ〜、可愛いね!最初の3匹に居たんだけど、私ポッチャマを選んだから、こうして触れ合えるのは嬉しいなあ」

 

 「ヒカリさんのポケモン達も可愛らしい子達が多いですね」

 

 レントラーを撫でるスズ。スズは可愛らしいポケモンが大好きだと言ってたな。まあ、リラックスは大事だし触れ合いも楽しんでほしい。けどね、ヒカリちゃんのポケモンの内二体は決して可愛くはない。

 

 PM3:00

 

 「ボス、お疲れ様です!」

 

 「お疲れ様です」

 

 「マーズちゃん!ジュピターさん!お疲れ様」

 

 この組織の未来とも言える美人コンビと遭遇。目の癒しだ、しっかり見ておこう。どこをとは言わないがしっかりとな。

 

 「どう?イッシュを出たけど、カグラ団には慣れたかな?」

 

 「正直、レベルが高過ぎて戸惑ってしまいますが、毎日が新鮮で楽しいです!」

 

 「私も同意見です。しかし、ボスのお役に立てますよう、これからも精進いたします」

 

 真面目だな。しかし、それが良い。今後も俺の癒しとして頑張ってもらおう。何かあったら俺が助ければ良いし。

 

 「肩の力を抜いて、自由にやろう。俺の為にと言わず、自分が楽しめるようにやるのが1番だからね」

 

 気楽に行こう。いざって時に体に力が入ってたら良くないしね。そういう意味も込めて俺は2人を見る。何かポカンとしてる、まあ大丈夫でしょ。

 

 PM5:00

 

 軽く昼寝したら、5時になった。さて、正直もうやる事はないが、取り敢えずみんなの様子を見て回る。

 

 「あ、カガリちゃん」

 

 「……ボス……今日の実験終わった……」

 

 「うん!お疲れ様!」

 

 プラチナの研究室から出て来たカガリちゃん。所属はルビーなのだが、まあ、可愛いから良いか。

 

 「今の……研究が上手くいけば……きっと……ボスの役に立つ……」

 

 「うん、ありがとね」

 

 「……上手くいったら……褒めてくれる?」

 

 「もちろん!!てかいつでも褒めるよ!!カガリちゃんが居てくれてこそのカグラ団だからね!!」

 

 「うん……ふふ……嬉しいな」

 

 天使だ。天使おる。こんな可愛い子の実験体になれて幸せだなゲーチス。感謝しろよ。

 

 PM6:00

 

 皆んな大体仕事を終えて夕食に向かった。俺も食堂で食おうかな〜、と歩いていると、イズミさんの背中が見えた。

 

 「イズミさん!」

 

 「え、あ、ボス。お疲れ様です」

 

 疲れた様子のイズミさん。何かあれだな。これはちゃんと話聞いてあげないとな。どうしたものかと悩んでいると、イズミさんがポツリポツリと話し始めた。

 

 「何か、すみません、私だけ役立たずで」

 

 「はあ?」

 

 「え、あの、ボス?」

 

 この人は何と言った?役立たず?イズミさんが?

 

 「ボス、あの」

 

 「良い?イズミさん。貴女はまず人をまとめる才能がある。バトルのセンスもある。俺の指示も完璧にこなすし、自分でも考えて動ける。報告、連絡、相談もしっかりしてる」

 

 「ボ、ボス、もう、その。ヒアッ!」

 

 俺はイズミさんの肩を両手で掴む。少し涙目のイズミさんを見つめて言葉をかける。

 

 「誰より凄い才能がなくても、何でも出来るは充分な才能だ。そんなイズミさんが役立たずな訳ない。何より俺には貴女が必要なんだ」

 

 そう、初期からセクシー担当のイズミさんは必要なのだ。大切な存在なんだよ。

 

 「分かった?」

 

 「は、はひ!」

 

 よし!これで部下の悩みも解決した!

 

 PM7:00

 

 「サカキー!飲もうぜえー!」

 

 「ああ、勿論」

 

 慣れた手つきで準備をするサカキ。コイツも大変なのによくやるなあ。

 

 「ワインで良いかな?イッシュで良いものが買えたんだ」

 

 「お!それは楽しみ!ぜひお願いしよう!」

 

 グラスに注がれる白ワイン。良いねえ。隣に美女がいたらもっと良いのに。

 

 「よし!カロスでの健闘を願って乾杯!」

 

 「乾杯」

 

 サカキと飲む酒はいつも美味い。きっと、コイツほど俺と酒を飲み交わした奴は居ないだろうな。

 

 AM0:00

 

 今日は早めに上がった。中々良い感じに酔いも回って来て気分が良い。後は寝るだけ。明日も頑張ろう。そう意気込んでいたのに。

 

 「ティニ〜」

 

 「……」

 

 散々女遊びしといて人のベッドのど真ん中で寝るチビスケ。掴み上げて壁に投げつける。

 

 「ティニ!?」

 

 「よし、空いたな。それじゃ、って痛あ!何すんじゃ!!チビ!!」

 

 「ティニ!!!」

 

 「そもそも俺の部屋の俺のベッドじゃボケ!!」

 

 「ティニティニ!!」

 

 「やってやらあ!!こんちきしょう!!」

 

 最終的に殴り合いになったが、2人揃って疲れて寝落ちする事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。