居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

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思い出して欲しかった

 

 

 「ティニ〜」

 

 「ジ〜」

 

 「フッパ!フパフパ!」

 

 「UBも特殊なポケモンですけど、この子達も見た事ないポケモンですね」

 

 リラさんに抱き付くチビスケ。ぴょんぴょん飛び跳ねるスライム。俺の周りをクルクル回る輪っか小僧。マジでデートの邪魔すんなや。何やねんコイツら。

 

 「変なヤツらだな」

 

 「そうですか?みんな可愛いですよ」

 

 「はい、俺もそう思います」

 

 「ティニ!」

 

 痛っ!?このチビスケ飛び蹴りして来やがった。こんちきしょうめ。何が気に食わねえってんだよこら。

 

 「ふふ、仲が良いんですね」

 

 「え?ああ、はい。そうなんです」

 

 ここでタコ殴りにしたらポケモン虐待になるもんな。でも取り敢えず腹立つからウザいほど撫でくりまわしておく。

 

 「フッパ!フパ!」

 

 「ジ〜」

 

 「んで、君達は誰よ?」

 

 なんかついてくるスライムと輪っか小僧。謎だわ〜、まあ、小せえから気にならねえけど。バケモンみたいにデカけりゃ困るが、そんなこともねえし。チビスケも友達出来たから良いか。大人しくなるだろこれで。

 

 「取り敢えず、船に戻りましょう。今後の事を他のメンバーにも相談したいので」

 

 「はい、分かりました」

 

 「ティニ!」

 

 「ジー!」

 

 「フパ!フッパ!」

 

 いや〜、素晴らしい。隣に美女、周りにチビ共。うん、カオス。

 

 

 

 

 

 「親分!!パーティしよう!!」

 

 船に戻って直ぐ、ヒカリちゃんから発せられたその一言で、船内にて新メンバー歓迎会が行われた。

 

 「カンパーイ!!」

 

 俺の乾杯の音頭を合図に、楽しい夜が始まった。

 

 「ボス、こちら、カロスで非常に人気の葡萄酒です。どうぞ」

 

 「ダンナ!!このビールうめぇぞ!!一緒にどうだ?」

 

 「カイトさん!このカクテル甘くて飲みやすいよ!」

 

 「じゃあそのカクテル貰う!」

 

 散れおっさん共!俺はカクテル飲むんじゃ。お?カガリちゃんとイズミさんが来た。

 

 「ボス……一緒に飲もう……」

 

 「あ!ずるいわよカガリ!アタシが先に声かけようと思ったのに!!」

 

 「ダメだよ!カイトさんは私とカクテル飲むの!」

 

 「おし!皆んなで飲もうか!」

 

 「うん、そうだねMr.K。皆んなで飲もう」

 

 お前は泥水でも1人で飲んどけ。来んな!距離を詰めんな!

 

 「うわ〜!このお肉美味しい!」

 

 「セレナ!ハンバーグも美味しいんだよ!あ、でも人参も食べなきゃダメなんだよ!」

 

 「う、わ、分かった食べるよ」

 

 料理が並べられたテーブルでは、セレナちゃんとヒカリちゃんが楽しそうに食事している。子供達のああいう姿は見ていて気持ちが良いな。直ぐ近くでカルム君とトウヤ君が話してる。あの2人も性格は真逆だが、どこか馬が合うみたいだ。

 

 「トウヤ君は強いね。ポケモン達と意思疎通が良く出来てる」

 

 「おう!つっても、出来る様になったのは、この船に乗って色んな人達とトレーニングしてからだけどな。そうだ!カルム!明日一緒にトレーニングしねえか?」

 

 「うん、やりたい」

 

 「よっしゃ!じゃあ決まりだな!」

 

 あの2人はきっとこれからも強くなる。それは良い事だ。ただ、不安なのは、絶対彼らはイケメンに育つ。そうすると俺はあの2人から離れなければいけない。頼むからそれなりの、ちょうど良い男前になってくれ。

 

 「アカギ殿、隣良いかな?」

 

 「ああ、構わない」

 

 意外に相性が良いのか、アカギとフラダリがサシで飲んでる。その近くではホムラとウシオが部下達と飲んでるし、クセロシキはアクロマと、サカキが連れて来たマチエールちゃんは、サナちゃん達と楽しそうに話してる。モミジさん達はカガリちゃんの給仕に徹してる。皆んな楽しんでるのが分かるが、1人、見当たらないな。俺はヒガナちゃん達に謝って、外に出る。甲板の方に向かうと、デカい図体の男が見えた。

 

 「楽しめなかったか?」

 

 寂しげな背中のAZに声をかける。ゆっくりと振り返った彼の顔が暗くてよく見えない。

 

 「いや、そういう訳ではない。ずっと1人だった故に、こういう場がどうも慣れなくてな」

 

 「慣れてくれよ、ウチはあの騒がしさが良いとこなんだ」

 

 「ああ、分かっているよ。幹部の者達に挨拶を済ましたが、皆個性的だが、悪い者達では無かった」

 

 いや悪の組織なんよ。皆んな悪い人達なんよ。まあ、否定出来ないところはあるが。

 

 「なあAZ、お前ポケモン好きか?」

 

 今の彼なら、きっと満足出来る答えが返ってくるだろう。そう思って突如聞いてしまった。いや、聞かなきゃいけない気がした。

 

 「愛しているよ。私にとって、かけがえのない存在だ。この世界を生きるポケモン達全てに言える」

 

 思わず笑みが溢れた。本心だ。全てを失った彼が3000年かけて出した答えだ。きっと、納得するだろう。

 

 「うん、そうだろうな」

 

 俺はふと空を見上げた。真っ暗な中に小さな光が降って来た。その光を見て固まるAZ。まるでAZを呼ぶかの様に、小さな光から鈴が鳴る様な美しい声が聞こえた。

 

 「フラ、エッ、テ」

 

 「フラ〜」

 

 AZは自分の中にいた優しさを思い出した。フラエッテは、それをずっと待っていた。例え自分が戦争に使われようと、大切な人が、大好きな人が、自分を利用した奴らと同じ道を歩んで欲しくなかった。ましてや変わってしまった原因が自分なのだとしたら、それは大きな傷を残すだろう。2人とも、辛かったんだ。

 

 「済まなかった、フラエ、ッテ」

 

 「フラ、フラ〜」

 

 もう俺は邪魔なだけだろうな。静かに俺は会場に戻る。しかし今は、気分が良い。サカキと飲もうかな。

 

 「副司令官!お隣よろしいでしょうか!」

 

 「いえ、私とお願いします!」

 

 「ダメよ!私が」

 

 「いや済まない。ボスの元に向かいたいのだが」

 

 「……」

 

 嫌いだわ〜。

 

 

 

 

 





 前回の後書きで、カイトに勝てる可能性があるのは4人と言うネタバレをしましたね。

 では今回は、カイトが過去に負けた事のあるトレーナーを名指しで紹介しましょう。

 1.タンバジムジムリーダーシジマ
 2.チョウジジムジムリーダーヤナギ
 3.オーキド博士
 4.現ジョウト四天王カリン(フリートレーナー時代)
 
 前半2人はまだバトルの才能が開花する前ですね。オーキド博士は、カイトが人生で初めてぶち当たった壁になります。カリンさんは、既にこの作品内にも登場している、カイトにとってとんでもなく大きな存在です。


 


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