居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

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さらばカロス

 

 

 「ボス、準備は出来てますか?」

 

 出航準備の整った移動式アジト《ノア》。その前で、ホムラからの問いかけに対して、俺は胸を張って答える。

 

 「おう、ビオラさん、バトルシャトレーヌの4姉妹、ビキニのお姉さん、振り袖のトレーナーちゃん、うん、みんなに別れの挨拶は済んだぞ」

 

 「貴方が挨拶すべき相手ではないんですよ」

 

 カロス地方は素晴らしい。美しい地には美しい人がいる。さらばカロスよ。必ずまた来る。

 

 「カイ、ボス。今良いですか?」

 

 聞き慣れた綺麗な声。いつもホロキャスター越しに聞いていたその声は、前の様に俺の名前を呼んではくれない。

 

 「……パキラさん、名前で呼んでよ」

 

 「今はもう、貴方の部下ですから」

 

 大人びたその姿にいつも見惚れていた。でも今は、俺に少し怯えた様な顔をしている。俺なんかしたか?気になってホムラの方を向くが、居なくなっていた。あいつ逃げたな。

 

 「すみませんでした。騙す様な真似をして」

 

 「ん?ああ、気にしてませんよ。パキラさんと久々に会えて楽しかったし、そもそも俺は正義の味方じゃない。騙される方が悪いっていう世界を生きてるんだ」

 

 「……ボス」

 

 女性に騙されるのはご褒美みたいなもんでしょ?良いじゃんか、今こうして話せてるんだし。どっちかが死んだわけでもない。

 

 「酒の席の肴が出来た。これでまたしばらく酒が進みますね」

 

 当分はこれで笑えるな。ウシオやホムラはいいリアクションしてくれそうだ。

 

 「やっぱり、貴方は何も変わってなかった」

 

 冷たく笑うパキラさん。儚げなその姿も美しいが、やはり美女には笑っていて欲しい。

 

 「私は、貴方に対して罪悪感がある。でも、計画を邪魔された恨みが拭いきれていない。私は危険因子のはず、今ここで、消してしま」

 

 「嫌だね」

 

 なんて事言ってくれてんのよこの美女は。俺がパキラさんを消す?有り得なさ過ぎて笑えない。

 

 「パキラさん、俺ってさ、欲張りなんだよ。綺麗な女性には側にいて欲しいし、優秀な人財は引き抜いてでもウチに入れたい、バカな奴でも一緒にいて楽しかったら置いておく。貴女は綺麗で優秀な貴重な人財。危険因子だからって捨てる様な勿体無い事しないよ」

 

 カグラ団は俺の好きな様にして良いってサカキが言ってたからな。やりたい様にやらせて貰う。例え大好きな人が俺を恨んでいても、自分の手で消すようなバカにはならない。

 

 「カイト君」

 

 「お、名前呼んでくれたね。まあ、恨みが勝った時は、背後からブスッと刺してよ。受け入れるからさ」

 

 世界の王になった男の最後が、女性に刺されて終わり。呆気なさ過ぎてそれはそれで面白い。

 

 「物騒な事言わないで」

 

 「ははっ、すみません。じゃあ、俺はそろそろ行くよ」

 

 「ええ、行ってらっしゃい。カイト君」

 

 ここ最近目を覚ました野郎に会うというホラー現象が続いているが、見送りをしてくれるのは美女ばかり。そう考えると、バランス取れてんのかな?いや、目を覚ます回数と見送りの回数が合ってねえよな。

 

 「また一杯付き合ってよ」

 

 「喜んで」

 

 パキラさんに手を振り、俺は船へと向かう。やっぱカロスは良いな。飯も美味いし、酒も美味い。何より美女ばかり、世界征服したら本部はカロスに建てようかな?

 

 「準備は整った。出航しよう」

 

 「ああ」

 

 船に入って直ぐ、俺を迎えたおっさん。居酒屋で会ってから今日まで、コイツの中の俺はどんな姿に映ってんのかな?最初の方はこのおっさんに振り回されていたけど、なんだかんだ、コイツに助けられながらここまで来たし。礼の1つでも言っとくか。

 

 「なあ、サカキ」

 

 「どうした?」

 

 「お前に会えて良かったよ」

 

 実際コイツに会えたおかげで美女揃いの組織にいるしな。シロナさんに抱きしめられたり、キスされたり、カミツレやフウロちゃんにも会えた。ヒガナちゃんに、カガリちゃん、イズミさんに囲まれて過ごしている。美人秘書が2人もいるし、最高の環境だよな。はあ〜感謝感謝。

 

 「俺も今なら思うよ。お前との出会いは運命だったなって。まあ、これからも頼むわ」

 

 なんか知らんが固まったサカキを放っておいて、俺は一眠りする為に寝室へ足を向けた。

 

 

 

 

 

 




本編未登場のキャラでカイトさんと仲のいい人pickup

1.キョウ(忍者好きのカイトから慕われている)
2.テッセン(明るい性格で一切嫌味の無い話し方をする為カイトから慕われている)
3.ヒョウタ(泥臭い性格と探究心からカイトに気に入られた)
4.メリッサ(お友達になりましょう!と言われてカイトがはい!!と即答した)
5.ギーマ(バーや居酒屋のセンスが良いのと、良い感じに金に困ってるのが見てて面白いから)
6.グリーン(レッドとのバトルに巻き込まれた後、謝りに来た際に苦労してんだなと思い、何となく交友関係が出来た)
7.ネズ(ひん曲がった様でまっすぐな性格が好き)
8.アオキ(発言が全て的を得ているとこと、地味な感じにシンパシーを感じた)
9.チリ(幼馴染)

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