居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織 作:エドモンド橋本
俺の目の前に立つサカキはゆっくりと膝をついた。いやまあ、この部屋から出てくるのは俺しかいないし、俺の手持ちにイーブイはいないけどさ。そんな簡単に納得するかね?まあ、それはさておき。
「ブイ、ブイブイ(サカキよ、その手に持ったモンスターボールはなんぞや)」
「その体では不便だろう。このボールに入ると良い」
「ブイ!(逃げろ!)」
サカキの側から全力ダッシュで逃げ出す。アイツ目がマジだったぞ。俺だと分かっててモンスターボール差し出してくるとかイカれてんのか。
「ティニ!?ティーニティニ!?(何あれ!?何であんな変なおっさんが君の右腕名乗ってんの!?)」
「ブブイィ(こっちが聞きてえよ)」
「ジー(どうするのご主人?)」
「フパパ!(何か変な感じしたよ!)」
サカキが変なのは別に今に始まった事じゃねえが、怖い。何か今日のアイツは怖い。とりあえずがむしゃらに逃げると、大っ嫌いな奴が現れた。
「おはようMr.K、とりあえずこの中に入りなよ」
「ブブイ!ブイ!!(コイツは救いようの無いバカだ!無視して進め!!)」
サカキと同じように俺に向けてモンスターボールを差し出すNの横をチビスケ達と素通りする。何でアイツも俺の事分かんだよ。サカキはまだ部屋から出てきたとこだから納得も出来るけど、コイツは今会ったばっかだぞ。え?俺の部屋監視カメラ付いてる?
「ブイ!(取り敢えずリラさんのところに行こう!)」
「ティニティニ!!(このスケベ野郎!!)」
「ジー(リラさん、あ、いつも撫でてくれるお姉さんだ)」
「フッパー?(お菓子分けてくれるお姉さん?)」
「ジー(それはヘレナさん)」
ジガルデとフーパの会話は癒されるな。チビスケの罵倒を無視して俺はリラさんの部屋に走り出す。いける。この姿なら、リラさんの部屋に入れる。さあいけ!真っ直ぐ!リラさんの部屋へと!!桃源郷へと!!
「あれ?イーブイ?何故こんな所に」
「あ、本当ですね」
リラさんの部屋の扉が開き、中からリラさんと共にホムラが出て来た。脳よりも先に体が動く。
「シャアアア!!!(天誅!!この饅頭を地獄に叩き落とせ!!)」
「ジー(ご主人に続け!)」
「フパ!(リングの怖さ見せてやる)」
「ティニ(アホくさ)」
俺はホムラに飛びかかり、腕に噛み付く。足に頭突きするジガルデと、頭を輪っかで叩くフーパ。そしてそれを呆れた様子で見つめるチビスケ。やはり役に立たない。
「痛あっ!!何だ!?何で噛み付くんだこのイーブイ!!お前らも離れろ!」
「あ、こらダメですよ。噛み付いてはいけません」
「きゅうぅ(うん分かった)」
リラさんに抱えられて抱きしめられる。あ、ここ天国だ。俺の頭は今リラさんのお胸の上にある。俺このままイーブイとして生きようかしら。
「何か腹立つなこのイーブイ。ん?誰かに似てるな」
「ふふ、大人しくて可愛い子ですね」
「きゅう!(うん僕可愛いの!)」
「ティニ(きしょ)」
「あ、ボスに似てる。鼻の下伸ばしてる感じがダメな時のボスそっくりだ」
メガシンカしたハニーのサンドバッグが2つ増えたな。まあそれよりも今のうちにリラさんの胸に顔を埋めよう。おほ〜!!ここが本当の桃源郷だぞアルセウス!!あれ?何か体浮いた。何で?
「親分!どうしてイーブイになったんですか?」
楽しそうな笑顔のヒカリちゃん。何で君ここにいるの?てか何で俺って分かるの?
「ヒカリちゃん?親分って?」
「親分は親分です!匂いで分かります!このイーブイは親分です!」
ギュッとヒカリちゃんに抱きしめられる。うん、固い。
「へへへ、親分可愛いです。私のポケモンになりますか?」
あ、やばい。逃げなきゃ。ワオ!ヒカリちゃん力強い!全然抜け出せない!助けろチビスケえ!!!
「ティニ〜、ティ、ティニ(仕方ないな〜、あ、やば)」
チビスケが、ヒカリちゃんの背後に目を向ける。ええ〜、何?変な空気漂ってんじゃん。すると頭上に影が差し、嫌いな声と聞き慣れた声が聞こえる。
「やあヒカリちゃん、そのイーブイを僕に渡してくれるかな?」
「N、何を考えている。そのイーブイは我々のボスだ。変な真似は許さんぞ。さあヒカリ、ボスを私に」
「嫌です!親分は私のポケモンになるんです!!」
「ブイイイイイ!!!(助けてええ!!!)」
俺はリラさんと女風呂に入るんだああああああ!!!
「ティニ(死ね)」
ホムラの名誉の為に書いておきますが、ホムラはリラの部屋の照明の交換を頼まれただけです。