居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

90 / 133
設定書いたり、閑話の続き書いたり、本編進めたり、めちゃくちゃですみません。


アローラに向けて

 

 

 Mr.K。何度見てもその文字がWPC追加参加者リストから消えてくれない。え?何でよ?

 

 「ヒカリとNが登録したみてえだな」

 

 「Nはともかく、ヒカリ嬢には我々も強く出れない部分がありまして。申し訳ございません」

 

 腕を組んで楽しそうな顔をするアオギリと、深く頭を下げるマツブサ。相変わらず真逆な性格の2人。有能さが増したが、2人の性格や関係性に変化はない。

 

 「まあお前らが悪いとは言わないけど、ヒカリちゃんねえ〜」

 

 あの子最近サカキ以上に発言力増して来てんな。恐ろしいよ。

 

 「てかよおダンナ。アローラ、ちとマズくねえか?」

 

 「そうだよねえ〜」

 

 アオギリの言う通り、アローラでの俺達の活動は正直難しい。アローラの伝承について調べる事自体は難しくないが、集まる面子がマズイ。

 

 「各地方のチャンピオンに、フロンティアブレーン、四天王に腕利きのジムリーダー、名の通ったトレーナーもいる。国際規模だから警備も厳重。指名手配犯もチェックしてるだろうな」

 

 つまりマツブサやアオギリはアローラで行動する事が難しい。いくらシロナさんの協力や、カロスでのパキラさんの情報操作があっても、流石に厳しい。ならば、一切顔の割れていない安全なメンバーで行動するしかない。

 

 「サファイアとルビー、それから念の為プラチナも今回は待機にしよう」

 

 「それが良い」

 

 「承知しました」

 

 「……」

 

 納得した様子の2人。しかし、部屋の隅にいるサカキは追加参加者リストを見たまま動かない。どうした?生き別れの兄弟でもいたか?

 

 「む、すまない。よく知る名前があってな。今回は私も待機した方が良いようだ」

 

 「そうか、ならゆっくり休んでな」

 

 ロケット団よりも昔の過去に触れるつもりはない。アイツが俺の過去を詮索しない様に、俺も下手に関わろうとは思わない。俺とサカキは今のままで充分だ。無駄な干渉は亀裂を生む。アイツが俺を信頼しているならそれで良い。俺もサカキに背中を任せるだけだ。

 

 「それじゃあ、俺はウシオとイズミに伝えておくぜ」

 

 「私もホムラとカガリに今回の件について説明しておきます」

 

 「ああ、よろしく」

 

 アオギリとマツブサが部屋から出ていく。その後を追う様に、いつも以上に顔付きが険しいサカキが出口に向かう。

 

 「無理すんなよ」

 

 「……ああ、すまないが少し休ませてもらう」

 

 「ごゆっくりどーぞ」

 

 何とも言えないサカキの背中を見送り、俺は椅子の背もたれに寄り掛かる。アイツ大丈夫かね?まあ、それよりも。

 

 「アローラか」

 

 今回のWPCよりも俺が気になるのはとある男についてだ。俺がバトルで敗北したのは10人もいない。姉ちゃん、シジマさん、ヤナギさん。この3人には既にもう勝利している。まだ再戦していないが勝てる自信があるのは父親とオーキド博士。今考えれば、勝てたけど次勝てるか分からないのはレッドにダンデ。俺の目的の邪魔になるのはレッドだけだと思っている。ただ、一切手も足も出ず、完膚なきまでに敗北したのは1人だけ。アローラで出会ったフードの男。どこか俺に似た雰囲気を持ったその男のデスバーンに、ポリゴンZ、ハニー、相棒が蹂躙された。今なら勝てるのだろうか?分からない。ただ、あの男は俺の邪魔をする様には思えなかった。なら放っておいて良いのではないか。

 

 「でもなあ〜」

 

 気になる。あの男が何者で、何の為に俺にバトルを仕掛けて来たのか、何で勝利したのに、あんなに悲しげな雰囲気だったのか。

 

 「マジで」

 

 誰なんだよお前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「俺の方が強い。なのに、何で俺は1人なんだよ」

 

 フードを被ったその男の声は、震えていた。

 

 「同じ、俺なのに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アローラ編は長くなりそうです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。