河合荘のラブコメ狂い   作:2期

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前回のあらすじ!


主人公が呼び出されて地球がやばい(大嘘)



ラブコメ狂いの作り方 後編

 

 

「で、なんで雫と話したいんだ?」

 

と恐らく今年一の笑顔で木下さんに話しかける俺。

正直こうなるまでの状況がまったく分からんが、聞いたところ木下さんが雫と話したいと思っていることは事実だ。

 

もしかすると……雫のやつも案外ヘタレじゃないのかもしれないな。

俺が見てる所では話しかけに行かなかっただけで、見てないところではグッポリズッポリ関わりに行ってたのかもしれん。

……ちなみに今の擬音に深い意味はないです。まぁ、思春期って意味ない事したがる時期だしね。うん、仕方ないね。

 

そんなことを考えていると黙っていた木下さんが話しだした。

 

「実は…多分なんだけど私ね、雫くんに嫌われてると思うの」

 

 

 

 

はい。雫くん極刑決定。

 

一瞬でもアイツを見直した自分が悪かった…

よく考えたら雫と木下さんが学校外で接点がある可能性なんて0に等しいし、学校で話しかけに行ってるなら俺が見てるはずだ。

 

そもそも、なんで木下さんの中では嫌われてるなんて結論になったんだ?

そんなに関わりに行ってないはずだし。

雫なんてこの1年間プラスになることもマイナスになることも両方してないはずだ…………多分。

関わった事といえば俺に言われてブルブルしながら何回か話にいったり、授業中にチラチラ見て、目があったらすぐそっぽ向くとかいうヘタレの具現化みたいな事しか…

 

まてよ?

 

ブルブルしながら話に来る男子 + 目を合わせたらすぐ逸らされる

 

この式を解くと……

 

=目が合ったらすぐ逸らしてくる私の事が話すのも苦手な男の子

 

単純明快!世界一簡単な計算の完成。

ちなみにこの答えを約分すると=雫である。

学生のみんなも約分は忘れないように!

今度の夏の定期テストはこれぐらいのレベルがいいなぁ……なんて………

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………詰んだ?

 

 

もしかしなくても詰んでない?これ。

この1年間で印象マイナスじゃない事だけが唯一の収穫だと思ってたのに、それすら無くなったぞ?

これなら雫が木下さんに一目惚れする前の方がいい状況の可能性すら…

 

いや待て。

すっかり忘れてたが、木下さんは今俺に雫と話せるように手伝ってほしいと言ってきたんだ………言ったよな?

今の状況的に全部が嘘に思えてきてしまった…軽い人間不信かもしれん。

…精神科って今の時間空いてるかな?

 

そんな馬鹿な事を思っていると木下さんが不安そうにこちらを覗き込んできた。

しまった。つい考えこんでしまった。

まだ考えはまったくまとまってないが…。

しかし、ここで俺の印象を落とす訳にはいかない!色んな意味で。

 

「すまん。ちょっと世界の真理についてな」

 

「世界の…真理?」

 

怪訝そうな顔をしている木下さん。

よし。これで一旦の誤魔化しは聞いたはずだ。

それよりも、なんで雫が木下さんの事を嫌ってるなんて思ったのかを確かめないと。…ほぼ確実に俺の推測と同じだろうが…

絶望に浸りながら木下さんに質問する。

 

「で、なんでそう思ったんだ?」

 

「じつは……」

 

木下さんの話を聞いた所……

 

思っていた通り。どころか…ちょっと原因が増えていた。

なんだよ後ろから話しかけられた瞬間逃げるって。

全国の背後にすらたって貰えない男に謝れ。

頭が痛い…

 

「はぁ……実はあいつ…じゃなくて雫は別に木下さんの事嫌いじゃないと思うよ」

 

「え?でも…」

 

「分かる!今までの情報全部まとめたら間違いなく嫌いなやつの行動だけどn 「やっぱり…」ちっがぁぁぁぁぁう!!!!ほんとに!!!絶対嫌いじゃないです!!!いやまじで!!!」

 

誤解をとくために、俺は焦って否定の言葉をまくしたてることしか出来なかった。

すまん雫…俺の語彙と論破力があればもっと簡単に誤解を…

あっ、よく考えたらあいつがまともに対応したらこんな状況無かったよな? じゃあ雫が悪い!ヨシ!

 

全責任を雫に押し付けた所で木下さんに話を振る。

 

「とりあえず一旦話を戻すぞ。嫌われてるのは誤解として!!そもそもなんで雫と話したいんだ? あいつなんかちょっと顔が良いだけだぞ?」

 

「あの…その…」

 

木下さんは照れたようにうつむく。

 

「え?もしかして雫の事好きとか? なーーんて言ってみt「///」………………え?マジで?」

 

いやいやさすがにそんなご都合ラブコメみたいなことが現実であるはずが…

 

「うん…実は私、、、雫くんのことが好きなの…」

 

あったわ。意味わからん。

ちょっと一旦整理して……やっぱ意味分かんないや!ははは!!

 

…いや、良いことだけどね?いかんせん意味が分かんないの。口調完璧に崩れるレベルで。

だってこの1年間あんな行動した雫だぞ?そんなの一目惚れでもない限り……

 

「去年の始業式の時に一目見て好きになっちゃって…」

 

一目惚れでしたか〜いやお熱いことで!

羨ましい限りですよほんとに、ハハッ…。

なんか急に疲れてきた…

 

にしても木下さん。時々雫と目が合ってたのって…

 

「授業中に横目で見ちゃったりとか…」

 

Wow…what the fuck!

 

ついに言語までバグっちゃった。

え?何?コイツらジレッジレのラブコメ1年間してたの??

しかも俺それに挟まれかけてたの?

今までの作戦全部無意味??

 

てか、見られてるなら雫も気づけよ!

気づけてたらヘタレやってないか!ごめん!

 

などと脳内の雫と喧嘩していると、木下さんが話しかけてきた。

 

「そういうわけなんだけど…手伝ってくれる…?」

 

…どうしよう?正直この話を両方にするだけで俺の手伝いなんて必要無くなりそうなんだが…なんなら伝えなくてもすむかもしれない。

 

だがなぁ、、、、コイツら1年間両想いでコレなんだよな…ろくでもない方向に進みそうだ。具体的には10年ぐらいお互いに引きずりそうな凄みがある。

めんどくさいが…手伝うか。

まぁ、今までの雫片方だけの手伝いより希望はあるか。

 

「分かったよ、手伝う。」

 

そう答えると木下さんは少し跳ねて喜ぶ。

あんた意外とあざといっすね。

雫辺りに見せたら発狂しそうだな。

 

「ありがとう海くん!」

 

おっと、名前呼びか…まずいかもしれん。

昔読んだ恋愛漫画と同じような状況の匂いがする。

俺との仲を怪しまれてまたジレジレラブコメ開始だなんて冗談じゃない。

どうにかして名前呼びを回避……よし、これなら自然に回避できるな。

 

「ごめんね、木下さん。実は俺ちょっと自分の名前嫌いで…その…」

 

大嘘である。

ちなみに小学校の時は自分のサインを考えてたレベルで好きだった。

思い出したくもない………

 

今となっては黒歴史だが、そういう点ではある意味嘘じゃないかも。

 

すると木下さんは慌てたように言ってくる。

 

「え?!そうなんだ、ごめんね。……なんて呼べばいい?」

 

「普通に木槌でいいよ。ありがとう。」

 

…なんか罪悪感あるな。

しかし、ラブコメ定番の勘違いイベントを回避するためだしな、仕方ない。

 

「分かったよ。よろしくね!木槌くん。」

 

「あぁ、話せるどころかもうワンステップ進ませるぐらいの気概でやるぞ。」

 

「えぇ?! それはちょっと……頑張るけど…」

 

少し尻込みしたように言う木下さん。

…まだ誤解が完璧にとけたかすら分からないし、仕方ないか。

まぁ、木下さん明るいし。案外ちょっとした助言で一気に進むかもな。

明日からは雫と木下さんの両方か…

なんか楽しくなってきたな。

 

 

ちなみに木下さんの放課後喋っていたことはカラオケに着いたらすぐ雫に報告した。

今後も雫関連で関わることはあるだろうし、その度に勘違いされたらめんどくさいしな。

 

…別にからかいの意図はないぞ?いや、マジで。

 

 

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

 

 

 

 

 

 

やぁみんな!みんな大好き海くんだよ!

 

 

……………え?

 

 

 

 

木下さんとの約束から1年たった今、また桜の咲かない春がやってきた。

ついに卒業式である。

にしても、3年も過ごすと卒業には感慨深いものがあるな!

ボロッボロの校舎も思い出補正で新築に見えてくるよ!

 

1人で頷きながらそんなことを考える俺に人が2人近づいてきた。

俺は近づいてきた2人を見てニヤリと笑う。

 

「お!雫に木下さんじゃん!腕なんか組んじゃってー!冬場のストーブぐらいアッツアツゥ!!!」

 

「お前……ほんと変わったよな。」

 

そう言って笑う雫と木下さん。

いや、正直変わった原因はお前ら2人にあるんだけどね?

 

まぁ良いや。

 

そう、何を隠そう、この2人は、今いっっちばん熱いカップルである。

そして俺の性格を変えた諸悪の根源…………いや。

 

 

 

 

俺にラブコメの素晴らしさを教えてくれた神様達である。

 

 

 

 

何言ってるかよく分からない?

大丈夫。俺も1年前聞いたら意味分からなかったと思うし。

 

にしてもこの1年間…色々あったなぁ。

そう思いつつ、この2人が付き合うまでの日々を思いだす。

 

 

 

✿ ✿ ✿

 

…木下さん始めた話した日の次の日

 

「よし、木下さん。まず挨拶だ。」

 

「分かった! おーーーい!雫くーん!」

 

「エエ!! キノシタサンナンデ!!!」

 

あ、逃げた。

 

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

…席替えの日

 

「よろしくね。雫くん。」

 

「アッ、ハイ、ヨロシク」

 

(なんであいつカタコトなんだ?)

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

 

…校外学習の前日

 

 

「よし雫。木下さんと同じ班になれたわけだ。どうする?」

 

「手を繋ぎたい!!!!!」

 

「早すぎんだろうがバカ!!」

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

…校外学習の当日

 

 

「あのっ!木下さん!はぐれないように俺の服とか、どっか掴んで歩きませんか?」

 

「じゃあ………手、繋がない?」

 

「ヒェッ!! エエ…オレデヨケレバ……」

 

「ありがと!雫くん!」

 

(えぇ、、、ほんとに手を繋げてる…何アイツら?また周りに花あるし。)

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

…1学期の終業式の日

 

 

「なぁ海。どうやってら水夏さんと夏休み出かけられるかな?」

 

「……祭りとか王道じゃないか?」

 

「祭りか。確かに!サンキュ!……………

水夏さん行けるらしいけど、お前も来る?」

 

「行くわけないだろ!!」

 

(てかしれっと名前呼びなんだが…)

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

…祭り当日

 

 

(ついつい見に来てしまった……あの2人は、、、)

 

「待ってって水夏さん!あの娘は!」

 

「今日はもう帰るから、追いかけてこないで!」

 

なんか変なのが目の前を通り過ぎていった。

 

「なんだあの2人?」

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

 

…2学期の初日

 

 

「で?木下さんと祭りどうだった?」

 

「楽しかった!」

 

「それは良かった。すれ違いで鬼ごっこなんて起こってないよな?」

 

「えっなんで知っt……

そんな事リアルであるわけないだろ…ははは!」

 

(あったんだな…)

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

…3学期最初の日

 

「ちなみにどんな感じ?木下さんと」

 

「……バレンタインに告白する。」

 

「うぉぉぉぉ!!!良いぞ!その意気だ!……えっ?ほんとに?」

 

 

✿ ✿ ✿

 

…告白の日

 

(申し訳ないが告白を見逃すつもりはない。にしても屋上…またベタな。)

俺は現在、屋上にあった変な塔に無理矢理登って2人をみている。

(2人の距離が近づいた、これは…ついに…。)

 

木下さんが雫の手をとった。

 

その瞬間俺の視界一面に広がる大量の花。もう驚きすらしない。

この2年、俺はよくこの現象を見てきた。

その結果これは……ラブコメった時に出てくる花だとわかった。

 

うん、意味わかんない。でももうなんでもいいや!

この花は今までのラブコメった時の花よりも圧倒的に綺麗だ。

 

…狂いそうなぐらいに。

 

こんなに綺麗な花が咲いたんだ。

告白は成功したんだろう。

 

俺は呟く。

 

「おめでと。2人とも」

 

 

 

✿ ✿ ✿

 

「いや〜懐かしいなぁ。」

 

 

ちなみに告白を覗き見てたことは2人には全然バレてた。

なにか言われるかと思ってたけど、俺の今までの行いで不問になった。

優しいカップルでなによりだよ。感謝感謝。

 

「そういえばお前が変になったのもその辺のだよな。」

 

空を見上げていると雫がそう言ってきた。

まぁそれは当然なんだがな。

あんな鮮度のいいラブコメを目の前で見せられたらもっとラブコメを見たくなるのは必然だろう。

ラブコメ見たさでギャルゲーとかによくいるアドバイスキャラみたいな性格になってしまった。…後悔はしていない!

 

「俺はその時にラブコメの良さに気づいたからな。いやぁ!素晴らしい告白でした!」

 

そう言うと照れたように言い返してくる雫。

 

「うっせ!」

 

 

✿ ✿ ✿

 

 

そんなたわいのない話をしていると、周りの人影が少なくなってきた。

 

「そろそろ解散しないか?他の奴らも帰りだして来たしな。」

 

「ありがとな、海。」

「私からもありがとう。木下くん。」

 

「どした、急に?」

 

 

「いや、俺らが付き合えたのってお前のおかげでもあるしさ。」

 

「ちゃんとお礼しようって昨日雫くんと話してたんだよ」

 

 

なんだ…そういうことか…

なら俺の答えは決まっている。

 

「そっか!なら…」

 

俺にラブコメの楽しさを教えてくれた奴らだ。

それに2人とも人間として良い奴、俺の友達なのが勿体ないぐらいに。

だからこそ…

 

「幸せになれ!あと結婚式呼べよ!!じゃあまたな!!!」

 

そう言って俺は駆けだした。

あとは2人の時間を作ってやろうという最後の手伝いだ。

 

後ろからなんか聞こえてくるがそんなの知らん。

 

…やっぱ気になるかも…ダメだダメだ!我慢我慢。

そんなことを考えながら、桜の木の下を走り抜ける。

 

…あれ?朝は咲いてなかったはずだが…。

 

 

 

そうか…これ告白の時と同じ…

 

 

 

やっぱりラブコメって良いな!!最高!!

 

 

 

 

 




主人公のサインのセンスは宇佐君と同レベルです。
察してください。

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