日本VS日本   作:もちうさ

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2週間ぶりの投稿ですので、文字数を多めにしています。


第7話「水上打撃群VS漆黒の艦隊」1/3

 

 

 

 トモチカの命令を聞いたナカサワと軍務補佐は王国軍総司令部へと向かい、王国軍長官や王国軍参謀長ら幹部にその旨を伝えた。

 

 その夜…

 

 コンコンコン。

 

?「ナカサワ。ちょっとだけいいか?」

 

 ナカサワの部屋を誰かが訪れた。

 

ナカサワ「これはこれは皇太子様。いかがなさいましたか?」

 

 ナカサワの部屋を訪れたのは、先代の国王の「公式」の一人息子で皇太子の「セイジ・トモチカ」だ。

 

セイジ「今日、王様が漆黒の艦隊を派遣するって聞いてから、ちょっとだけ心配になったんだ。」

 

ナカサワ「皇太子様は何の心配をしなくても構いません。しかし、普段から政に携わっている皇太子様が王国の行く末を案じられているのは非常にありがたいことです。何かご質問はございませんか?」

 

セイジ「いくつか聞きたいことがあるんだが、いいか?」

 

ナカサワ「はい。何でございましょう?」

 

セイジ「単刀直入に聞きたい。漆黒の艦隊は本当に勝てるのか?」

 

ナカサワ「本当でございます。今や漆黒の艦隊は世界最強の艦隊として名を馳せておりますから。相手がどうであれ、漆黒の艦隊なら何の心配は要りません。」

 

セイジ「しかし、俺は心配なんだ。どれだけ漆黒の艦隊が強くても、それが相手にどのように通用するかはわからない。相手も同じ2020年代だけあって技術力も同じレベルである可能性もあるし、それなりに頭を使うだろう… それに相手だって時代時代ごとに新しい武器はある。下手をすれば我々の想定を超える兵器や戦闘能力を持っている可能性すらある。」

 

ナカサワ「それについても心配は要りません。全てこのナカサワと軍務補佐にお任せください。王様のご期待に最大限お応えするのが最側近であるわたくしの使命でありますので。」

 

セイジ「その言葉が聞けたら安心した。では、最後の質問だが…」

 

ナカサワ「何でございましょう?」

 

セイジ「王国は… トモチカ家は、この先大丈夫なのか?」

 

ナカサワ「そ、それは… どういう意味合いで…」

 

セイジ「最近、王様が権力をさらに強めている。先代である父上から王位を継いで更に地盤を固め、この王国を後世に残していくという意味ではいいと思うが… 今の王様の出生が全くの謎なんだ。父上は王位を俺に継がせると言ったのだが… それに王様は父上の思想を色濃く継いでいるから、かなりの強硬派で、少なからず補佐たちに迷惑や負担をかけさせているらしい。そういう王様に、既についていけない補佐もいるという噂もある…」

 

ナカサワ「皇太子様…」

 

セイジ「すまなかった。俺が考え過ぎていたようだ。話を聞いてくれてありがとう。」

 

 セイジはナカサワの部屋を後にした。

 

ナカサワ「相手も頭を使ってくる、ですか… 皇太子様… 王様とトモチカ家の身をあれほど案じられておられたとは…」

 

 ナカサワは部屋の中で1人、物思いにふけていた。

 

 

 

 

 

 その頃、王様は…

 

トモチカ「うぅぅん… 寝られん…」

 

 ベッドで横になっていたが、ずっと寝られずにいた。

 何度も何度も寝返りを打つも、頭が興奮してるのか、なかなか寝付けない。

 

 その理由はもちろんーー明日の出撃式のことでいっぱいだったからだ。

 

 トモチカはベッドの脇にある呼び鈴を鳴らし、ナカサワを呼ぶことにした。

 

 ナカサワの部屋の呼び鈴が鳴り、気づいたナカサワは自室を出て、王様の部屋へと向かう。

 

 コンコンコン。

 

ナカサワ「王様? お呼びですか? 入っても宜しいですか?」

 

トモチカ「よろしい。入って参れ。」

 

 トモチカの快諾を得たナカサワは王様の部屋へと入る。

 

トモチカ「ナカサワ。」

 

ナカサワ「はい。いかがなさいましたか?」

 

トモチカ「頭の中が明日の出撃式でいっぱいになってな、興奮して寝られないのだ。何か持ってきてくれないか?」

 

ナカサワ「かしこまりました。只今持って来ますので、今暫しお待ちください。」

 

 ナカサワは偶々部屋の前を通りかけたメイドにワインを持って来るよう指示。

そして…

 

ナカサワ「さぁ王様。お待たせしました。」

 

 ナカサワはメイドが持ってきたセットを机の上に置き、氷に満たされたボトルに入れられた、冷えたワインを開けて特注のグラスへと注ぎ、王様に渡す。

 

 トモチカはワインを一口飲むと、

 

トモチカ「うぅん… 良く冷えておる。これで安堵して寝られる。ありがとう。」

 

ナカサワ「ありがたき幸せ。メイドにもそう伝えておきます。」

 

 ナカサワはセットを持ち、静かにトモチカの部屋を出た。

 

トモチカ「明日が楽しみだ…」

 

 トモチカはそれを呟くと、深い眠りについた。

 ナカサワはセットを持って、自室へと戻っていた途中ーー

 

内務補佐「ナカサワ、ちょっとだけいいか?」

 

 ナカサワを呼び止めたのは、内務補佐である「ムネサダ・トモチカ」だった。

 

ナカサワ「これはこれは内務補佐。いかがなされましたか?」

 

内務補佐「ナカサワ… 今までの葛藤や鬱憤をずっと心の中に留めていたのだが、もう抑えられない…」

 

 内務補佐はかなり思い詰めた表情をしている。

 

ナカサワ「何か… 悩み事でしょうか?」

 

内務補佐「実は… もう王様にこれ以上忠誠を誓えきれないのだ。この王国は初代が建国され、1400年以来トモチカ家を中心に統治されてきたのだが… 例え同じ親族と言えど、中には王様のような方が王座に着くこともある。我々補佐は常に王様に忠誠を誓うが、今の王様にはどうしても誓えないのだ。わたくしはそういう自分が不憫でならないのだ…」

 

ナカサワ「内務補佐… 余り自分を責めてはいけませぬ。最側近であるわたくしも王様への進言や補佐の皆の日々の執務や努力を見守っております。それについてはわたくしが王様へお伝えしておきますので、内務補佐は自責せず、明日からも、変わらず執務を行なってください。」

 

内務補佐「済まなかった…だがこれで、少し心が軽くなった。礼を言おう。」

 

 内務補佐はナカサワに礼を言うと、自室へと戻っていった。

 

 

……………………

 

 

 

 翌朝…

 

ナカサワ「王様、おはようございます。今日は漆黒の艦隊の出撃式がございますので、ご朝食の準備を早めております。」

 

トモチカ「ナカサワ。昨夜はワインのおかげでぐっすり寝られた。礼を言おう。」

 

メイド「ご朝食の準備ができました。」

 

 メイドの合図でトモチカやナカサワを始めとする補佐に、セイジに妃のトモカ、王子であるセイタや王女のアヤネを始めとする王族がダイニングへと向かう。

 

トモチカ「それでは、行くとしよう。」

 

 トモチカはナカサワと側近らと共に受注生産のロールスロイスへと乗り込み王宮を出発。

 

 一路、東京湾基地へと向かった。

 

 

 

 

 

 鉄条網や鉄壁の上を超高解像度の監視カメラやサーモグラフィーカメラ、暗視カメラやセンサーを始めとするセキュリティシステムが周囲に睨みを利かす東京湾基地では王宮や軍の演奏隊による豪勢な演奏により漆黒の艦隊の出撃式が幕を開けた。

 

「続きまして、神聖日本王国国王、ムネタカ・トモチカよりお言葉を頂戴いたします。」

 

 司会の言葉で、特別に作られた壇上へとトモチカが上がり、側近や軍の幹部、漆黒の艦隊の乗組員らが注目する中、トモチカは第一声を発した。

 

トモチカ「神聖なる我が王国が産業革命を迎え、富国強兵を強く推し進めていた我が国王の先祖たる当時の国王と、王国海軍長官が世界最強の艦隊を目指して生み出された世界最強の漆黒の艦隊がついにその秘めたる力を出す時が来た。今回の聖戦で我が王国こそ、正なる日本だということを世界に示してやろうではないか。最側近や軍によると、相手は同じ2020年代、しかし砲弾や大砲を使うという古い術を引きずる古風な艦隊だ。そのような相手は我が漆黒の艦隊には到底敵わないだろう。この漆黒の艦隊がある限り、我が神聖日本王国の未来は安泰であり、どのような脅威にも必ずや撃破できることだろう。では、無傷で戻って来たまえ。」

 

 トモチカは壇上へ上がった漆黒の艦隊の最高司令官と堅い握手を交わし、壇上を降りた。

 

 その後も、軍務補佐や王国軍長官、王国軍参謀長、王国海軍長官の演説が続き、次はいよいよ出撃の儀だ。

 艦隊の乗組員がそれぞれの艦艇に乗り込み、再び壇上に上がったトモチカが出撃を命ずると、漆黒の艦隊は一斉に汽笛を鳴らしながら東京湾基地を出港。

 

ナカサワ「いよいよでごさいます。」

 

トモチカ「あぁ。結果が楽しみだ…」

 

 トモチカはそれを言うと、マントを翻し、ロールスロイスに乗り込み東京湾基地を後にした。

 

 

 

………………………

 

 

 

 横須賀を出港してから3日目。

 「おおなみ」と「やまと」が率いる水上打撃群は日本の経済水域と公海との接続水域へと来た。

 

川瀬「レーダーやソナーにも敵影は無し…」

 

田中「ヤツめ、どこから現れる気だ。」

 

久保田「おい、あの塔。あれじゃないか?」

 

 久保田が指差した先には…

 神聖日本王国が設置した時空歪曲装置があった。

 

 空高くアンテナが伸びており、その先端は今にも電力を流れそうな程電力が溜まっており、接続限界までの残り時間が迫っていることを伺える。そして、その周りにはパルスレーザー砲やミサイルランチャーが睨みを利かせている。

 

川瀬「ヤツら… 何を企んでやがる…」

 

 と…

 

CIC「レーダーに反応。1000km先に艦隊らしき敵影を捉えました。」

 

 「おおなみ」の水上打撃群から前方に1000km、漆黒の艦隊が並行世界の2020年代へとテレポーテーション。

 そして、一斉に海中から姿を現した。

 

 全ての艦艇が漆黒の如きブラックに塗装されているその姿は圧巻だ。

 

『1000km前方に敵の艦隊を確認。』

 

『司令部、こちらムネサダ・トモチカ。これより漆黒の艦隊への援護へと着く。」

 

司令官「ムネサダ・トモチカ。了解した。』

 

『司令部、敵艦の情報を求む。』

 

司令部『11000トン級と12000トン級、8870トン級、4800トン級が2隻だ。あとは補給艦と観られる。』

 

『思ったよりは小さいな。これならすぐに沈められる。』

 

艦隊司令官『KOAMを撃て。KFA-10とKFU-11の発艦・発射準備を。』

 

『了解。KOAM第1陣、発射!』

 

 大型巡洋艦「コレチカ・ハラダ」「ムネタカ・トモチカ」「ハヤト・トモチカ」から巡航ミサイルのKOAMが1発ずつ発射。

 

 

CIC「敵艦隊からの巡航ミサイル発射を確認しました。」

 

井上「4発向かってるぞ。どうするんだ?」

 

久保田「川瀬君。君のお手並み拝見だ。」

 

川瀬「了解です。艦長。」

 

井上「巡航ミサイルが向かっているぞ。時間はない。急げよ。」

 

川瀬「あぁ。SM-6で仕留めるぞ。」

 

井上「了解。」

 

川瀬「旗艦より全艦。対空戦闘用意。お客さんだ。早速だがもてなしてやれ。」

 

「了解。目標の座標を取得。」

 

「SM-6発射用意!」

 

「スタンダード第1陣、全艦の一斉発射準備完了!」

 

「第1陣、撃て!」

 

 「おおなみ」と「あさかぜ」からSM-6を発射。

 空高く撃ち上がり、順調に飛翔するSM-6は見事にKOAMを迎撃。

 

「スタンダードによる敵ミサイル迎撃を確認。」

 

川瀬「残りもまとめて迎撃しろ。」

 

「スタンダード第2陣、発射用意!撃て!」

 

「撃て!」

 

 同じタイミングで「おおなみ」・「やまと」・「けらま」・「あさかぜ」・「はやぶさ」からSM-6を発射。

 

「スタンダード第2陣の一斉発射を確認。」

 

 4発のSM-6は1発ずつ、KOAMを仕留めた。

 

井上「巡航ミサイル迎撃完了。オールクリア。」

 

川瀬「CIC、敵の艦艇は何隻だ。」

 

井上「ゴロゴロいる。先にデカいやつを狙うのか?」

 

川瀬「そのつもりだ。」

 

井上「了解。巡航ミサイルを発射だな。」

 

川瀬「旗艦からやまとへ。共に巡航ミサイルを発射する。」

 

「こちらやまと。巡航ミサイルを発射します。」

 

井上「座標を取得。LRASM発射。」

 

 「おおなみ」と「やまと」から3発のLRASMを発射。

 

川瀬「まだ敵との距離は遠い。むやみに撃つなよ。」

 

 LRASMはロケットブースターを切り離し、主翼を展開して自由飛行を開始。

 3発のLRASMは終末段階で高度を下げて、海面スレスレを飛行。

 そして、漆黒の艦隊を捉え、ターゲットを定めた。

 

 

『敵艦隊から巡航ミサイル接近中!』

 

『パルスレーザーで迎撃する。』

 

 5隻の大型巡洋艦がTPLSでパルスレーザーを発射。しかし、超音速の巡航ミサイルは海面スレスレを飛行しながらパルスレーザーの攻撃を躱し、大型巡洋艦「ハヤト・トモチカ」と「ムネタカ・トモチカ」の甲板に命中。

 

CIC「3発全ての着弾を確認。」

 

井上「2隻とも仕留めた。しかも艦橋と甲板にピンポイントだぞ。」

 

『こちらタツヤ・トモチカ。艦橋に巡航ミサイルが命中!』

 

『こちらムネタカ・トモチカ。TPLSに巡航ミサイルが命中した!』

 

司令部『こちら司令部。状況を報告せよ。』

 

『2隻とも被害を受けたが、戦闘は可能だ。』

 

司令部『了解した。』

 

『司令官。敵艦隊は主力艦が5隻、補給艦が3隻の小さな艦隊です。航空攻撃でなら朝飯前かと。』

 

司令官『そうだな… この漆黒の艦隊の十八番の一つである航空攻撃を行う。KFA-10とKFU-11の発艦を急げ。』

 

『了解!』

 

 漆黒の艦隊の司令部の命令により、「シュント・ナカサワ」と「ムネオ・トモチカ」から第5世代戦闘機「KFA-10」と無人戦闘機「KFU-11」が発艦。

 

『敵艦を発見次第、攻撃せよ。』

 

『了解。』

 

CIC「1000km前方から敵機が接近中。」

 

井上「数は… 8機だ。SM-6の射程圏内に入った段階で発射するが。」

 

川瀬「いや、SM-6はいい。まだ引き金を引くには早い。」

 

 計8機ーー1個中隊のKFA-10とKFU-11の編隊は「おおなみ」の水上打撃群と近づく。

 

『敵艦隊、こちらの動きになんの動きもなし。』

 

『今のうちに矢を放つぞ。』

 

井上「おい、戦闘機が来るぞ。」

 

川瀬「まだだ。敵をおびき寄せる。」

 

『敵艦隊まで残り300km。』

 

『一斉に矢を放て。』

 

 パイロットがKA-Aの発射ボタンに手を添える。

 その最中…

 

川瀬「奴らを撹乱させるぞ。妨害電波を出せ。」

 

井上「了解。」

 

 水上打撃群は強烈な妨害電波を発した。

 

『矢を放て… って、な、なんだこれは!?』

 

「な、何っ…!? れ、レーダー反応が消えた!?』

 

『敵の妨害電波だ! クソッ、これじゃ何も見えん!』

 

『司令部、敵の妨害電波だ。さっきからレーダーが反応を示さない。』

 

 水上打撃群の妨害電波でレーダーとディスプレイの表示が不安定になる戦闘機隊。

 

 と…!?

 

 

 

 






遂に水上戦ですよ…‼️

如何でしたか?
およそ2週間ぶりの投稿となりましたが、楽しんでいただけたでしょうか?
皆さんをお待たせした分、この後もたっぷりと投稿しますので次回もお楽しみに。
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