え、もう戦闘回終わり?
井上「敵艦2隻、沈黙。」
川瀬「よし。他の艦へもSM-6を発射。」
続いて2発ずつのSM-6を「ムネタカ・トモチカ」へ、「やまと」は「シュント・トモチカ」へと発射。
川瀬「よし、全艦加速だ。敵に近づき囲んでやれ。」
久保田「おおなみから全艦へ。敵艦隊を包囲するぞ。」
田中「加速する。」
田中がレバーを前へ倒し、「おおなみ」を加速。
艦隊司令官『クッ… な、何故だ… 何故レールキャノンのコアを狙えるというのだ…? 敵はどんな曲芸を使ったというのだ…?』
司令部『司令官、敵の艦隊が接近中です!』
まさか誰にも出来まいと思っていた超電磁レールキャノンへのコアを撃ち抜かれるという全くもって想定外の事態に漆黒の艦隊の司令は後手に回り始め、大型巡洋艦はそれの二の舞を恐れて、超電磁レールキャノンを撃てずじまいになっていた。
漆黒の艦隊は水上打撃群ら国防海軍の射撃精度の余りの高さに恐れを抱き始め…
『クッ… もしや我らは『神』と争っているのではないのか…』
『正気に戻れ! 我々が戦っている相手は人間だ!
手数は我々の方が圧倒している! 我が国王のご期待に応え、王国海軍の揺るぎない強さを奴らへ見せつけるのだ!』
しかし、水上打撃群は彼らが恐れを抱く時間さえも与えず…
『前方からミサイル接近中!』
『クッ… 誰か迎撃してくれ…!』
『クソッ… ここまでか…』
「ムネタカ・トモチカ」と「シュント・トモチカ」に2発ずつのSM-6が命中し、激しく爆発。
CIC「敵艦2隻への着弾を確認。敵艦のレーダー反応が途絶えました。」
井上「2隻片付けた。だが、敵はまだわんさかいるぞ。」
川瀬「あぁ。」
『大型巡洋艦が2隻撃沈!』
『クソッ… ヤツら狙ってたな…』
『敵の艦隊が接近中!』
『接近戦に持ち込む気だな。こちらも応戦するぞ。』
強力なハイブリッドシステムで漆黒の艦隊へと近づく「おおなみ」が率いる水上打撃群。
井上「そろそろ大物を仕留めるか。」
川瀬「そうだな。ありったけを撃ち込め。」
「おおなみ」と「やまと」はMk41 VLSからSM-6を「シュント・ナカサワ」へと発射。
「あさかぜ」と「はやぶさ」も3隻の大型巡洋艦へとSM-6を発射。
SM-6が「シュント・ナカサワ」へと立て続けに命中。飛行甲板は破壊され、戦闘機の離着陸が不可能になり、炎と黒煙を上げる。
『こちらシュント・ナカサワ。敵の攻撃で飛行甲板が壊滅!戦闘機と無人機の離着陸が不能になった! 誰か援護を!』
『こちらムネタカ・トモチカ。援護しようとも出来ない…!』
「やまと」のMk41 VLSによりSM-6が発射され、誰も迎撃されることもなく、「シュント・ナカサワ」へと容赦なく着弾。そのまま艦載機を落としながら沈み始めた。
『シュント・ナカサワが沈みます!』
『なっ…我が偉大なる王国海軍の空母が…』
そして、「おおなみ」も「ムネタカ・トモチカ」へ容赦ないミサイル攻撃を続け、「ムネタカ・トモチカ」は壊滅的なダメージを負った。
『クッ…そんな… 世界最強の大型巡洋艦が並行世界の艦艇に負けるなんて…』
「ムネタカ・トモチカ」も戦線から離脱し、炎上しながら沈んでいった。
『シュント・ナカサワと大型巡洋艦3隻が撃沈!』
『艦隊の6割が沈没、または戦闘不可になりました!このままでは艦隊が壊滅しかねません。』
『これ以上の攻撃は困難です!』
『艦隊司令官、ご決断を。』
艦隊司令官『大丈夫だ… それを見越して大型巡洋艦2隻と大型フリゲート、潜水艦を温存させている… それにこの司令塔を沈められなければ応援はいくらでも呼べる…それにしても意外だ… こちらは多大な損害を出しているというのに、向こうはまだ1隻も沈んでいないとは… 一体どういうことだ…』
漆黒の艦隊の司令部可能を持つ旗艦「ムネオ・トモチカ」の艦橋では今起きていることに唖然とする漆黒の艦隊の司令官と幹部が呆然としていた。
艦隊司令官『温存させている大型巡洋艦と大型フリゲート、潜水艦を招集する。流石の敵も弾薬がそろそろ底をつくだろう。そこを攻撃するのだ。』
艦隊司令官『攻撃の第1目標は敵艦隊の補給艦。
どれだけ周りに鉄壁を置いていようと、護り続けるのは不可能であろう。』
司令部『了解。』
艦隊司令官の命で大型巡洋艦と5隻の大型フリゲート、2隻の潜水艦を招集。
CIC「レーダーに反応。大型艦艇6隻、潜水艦2隻。」
井上「次が現れたか。ヤツら、温存させていたんだな。」
川瀬「あぁ。だが、いずれにせよ、沈めることに変わりは無い。」
と、国防空軍の百里基地から離陸したステルス戦闘機、F-35Aが2機の半個小隊で駆けつけた。
川瀬「こちらイージス艦「おおなみ」。味方機、応答せよ。」
パイロット「こちら第55戦術戦闘飛行隊。攻撃目標をどうぞ。」
川瀬「攻撃目標は航空母艦と大型艦艇。今CICから目標をデータリンクで送る。」
パイロット「了解。目標確認。巡航ミサイルを発射します。」
F-35Aは腹のウエポンベイを開き、2発ずつの巡航ミサイル、JSMを発射。
「おおなみ」は電磁レールガンを連射。
『こちらハヤト・トモチカ! 敵からの砲撃で被害が出ている!』
『こちら、司令部。まだ味方は多い。敵の動きを封じ込めるのだ。』
と、そこに…!?
『巡航ミサイルが4発接近中!』
『よ、4発だと!?』
『クソッ…対して速くないのに…なぜ迎撃に間に合わない!』
『迎撃可能高度からかなり低いです!』
艦隊司令官『クッ…総員、衝撃に備えろ!』
漆黒の艦隊の艦艇の艦橋に警報ブザーが鳴り響く中、1発が「ムネオ・トモチカ」の艦橋と大型巡洋艦「セイジ・トモチカ」のレールガンと「ハヤト・トモチカ」の艦橋と甲板に命中。
『クッ… 沈むぞ…!』
『排水ができない!』
「ハヤト・トモチカ」は爆発し、沈んだ。
「ムネオ・トモチカ」の艦橋では艦隊司令官を含め、数人の艦隊幹部が爆風で吹っ飛んだ。
艦隊司令官『クッ… 巡航ミサイルだと…』
『ハヤト・トモチカからの通信が途絶えました!』
『艦隊司令官。お怪我が…!?』
艦隊司令官『何ともない。こんなのかすり傷だ。』
『艦橋にいては危険です。下の司令室へ避難しましょう!』
艦隊司令官は幹部に連れられ、艦橋から降りていった。
水上打撃群は立て続けに対艦ミサイルを発射。
さらに「おおなみ」は電磁レールガン、「やまと」は5インチ砲で艦隊へと発砲。
「ムネオ・トモチカ」と「セイジ・トモチカ」と「ムネチカ・トモチカ」を含む航空母艦と大型巡洋艦と大型フリゲート、潜水艦は超電磁レールキャノンやレールガン、KA-A、大口径TPLSで応戦するも、川瀬の機転を利かした水上打撃群の猛攻を抑えることは出来ず…
艦隊司令官『そんな… 王様ご自慢の世界最強の漆黒の艦隊が同じ2020年代とはいえ古き技を引きずる艦隊に負けるとは… 王様、申し訳ございませんでした… 王様のご期待に添えられなかったこのわたくしを、どうかお許しください…』
最後まで残った「ムネオ・トモチカ」と「セイジ・トモチカ」は「おおなみ」と「やまと」が発射したトマホークがトドメの一撃となり、爆発しながら沈んでいった。
井上「艦隊撃破。だが、レーダーとソナーにはまだ反応がある。」
川瀬「まだ気をぬくな… 何隻か温存させている恐れがある。」
敵の増援を鑑み、しばらく航行を続ける水上打撃群。
井上「レーダーやソナーにも反応なし。次はどうするんだ?」
川瀬「あのタワーだ。」
久保田「弾薬を補給するぞ。」
「おおなみ」と「やまと」、「あさかぜ」と「はやぶさ」はそれぞれの補給艦から弾薬を補給。
そして、時空歪曲装置へとターゲットを定め集中砲火を浴びせる。
レールガンと5インチ砲、SM-2による洋上攻撃とF-35によるミサイル、機関砲の攻撃に対し、周りを囲むパルスレーザー砲やミサイルランチャーが応戦するも、時空歪曲装置は接続限界を迎える前に爆発、機能を停止した。
と、同時に東京湾基地に設置され、接続限界を迎えようとしていた時空歪曲装置も突如、接続を停止。
日本国と神聖日本王国との水上戦闘は日本国側が圧勝する形で幕を閉じたのであった…
…………………
王宮では…
今、起きていることを受け入れられなく、私情が困惑したままでいたナカサワは報告をするため、王様の執務室へと入った。
ナカサワ「王様…」
トモチカ「ナカサワ。戦闘の結果はどうだ。」
トモチカは露骨に顔をニヤつかせていた。
我が王国が世界に誇る世界最強の漆黒の艦隊なら、例え並行世界の古い技を引きずる艦隊など、簡単に撃破し、守り抜いた時空歪曲装置は接続限界を迎え、議院内閣制の日本を並行世界諸共葬ったのも当然だ、とも言いたげな表情をしている。
しかし、ナカサワの表情は暗く、そしてこう言った。
ナカサワ「お、王様… 申し訳ございません… 我が、漆黒の艦隊は敵の前で壊滅でございます…」
それを聞いたトモチカは今までニヤつかせていた顔を一瞬で凍らせ…
トモチカ「な、なに…!? 我が王国の漆黒の艦隊が負けただと…!?」
ナカサワ「は、はい… 左様でございます…」
トモチカ「じ、時空歪曲装置はどうなった!?」
ナカサワ「申し訳ございません… それも壊滅でございます… 東京湾基地に設置した装置も接続を停止しました…」
トモチカ「な、何故だ… 何故負けた!?」
ナカサワ「はい… それらについては現在調査中ではございますが、今現在判明していることで言いますと… 敵は機関砲や中射程から長射程のターボジェットエンジンのミサイル、砲弾を撃つ大砲という古の火器と、電磁砲、所謂レールガンやレーザー砲という想定外の兵器をもって、我が艦隊を沈めたということです…」
トモチカ「そ、そんな… 火器で… 電磁砲、つまりレールガンを持っていたとは一体どういうことだ… 同じ2020年代でありながらそういう超兵器を持っていたとは余は聞いていないぞ…! ならば、その技術力では我が王国が遥かに凌駕している筈… しかし、そのような豆鉄砲で沈められるなど、漆黒の艦隊には何が足りなかったと言うんだ!? 超電磁レールキャノンに大口径パルスレーザー砲、KA-AやKOAMも最新の装備ではないのか!?」
ナカサワ「はい… しかし、超電磁レールキャノンのコアを破壊され、大型巡洋艦を撃沈されたとの報告も入っております。その前にもレールキャノンから発煙し、停止させようとした瞬間、爆発したとの報告も上がっております… 恐らく、敵がそれらにレーザーを照射し、発煙した瞬間を狙ってコアを攻撃したものだと思われます…」
トモチカ「クッ… レールキャノンのコアを撃ち抜かれたというのか!?奴らはどんな化け物なんだ!」
ナカサワ「左様でございます。敵の射撃精度は我が王国の想定を遥かに凌駕しておりました。それらに加え、応援で来た敵戦闘機からの攻撃も受けました。」
トモチカ「建国以来、王国が王国たらしめる漆黒の艦隊を沈めた艦隊とは…一体どのようなものなのだ!?」
ナカサワ「こちらでございます…」
ナカサワは「おおなみ」と「やまと」や「けらま」、「あさかぜ」と「はやぶさ」、補給艦といった国防海軍の艦艇を捉えた写真をトモチカに見せた。
それを見たトモチカは驚愕する。
トモチカ「なんだこれは!? 我が艦隊に比べれば幾分にも小さい船ではないか!? このような小さい艦隊に我が漆黒の艦隊は歯が立たなかったのか!?」
ナカサワ「こちらが推定11000トン級と12000トン級、8870トン級にこちら2隻が4800トン級とのことです。後ろに見えるのは補給艦ではないかと。」
トモチカ「クッ… このような小舟で我が王国が誇る漆黒の艦隊を沈めるとは… なかなかやるではないか…」
ナカサワ「そしてこちらが応援で来た敵戦闘機です。我が空軍の戦闘機とは一回り小さい、とのことです。」
トモチカ「……………」
ナカサワ「も、申し訳ございませんでした! 歴代国王が誇りに思ってきた漆黒の艦隊が歴代国王と王様のご期待に最大限応えることができず、このような結果を招いてしまった責任は、どのような形でも取らせていただきます!」
トモチカ「ならば、今でも遅くははい。再度漆黒の艦隊を編成し、この小さい艦隊を沈めてやる! この神聖日本王国は正なるたった一つだけの国であることを知らしめてやるのだ!」
トモチカは声を荒げて写真をビリビリに破いた。
それを部屋の外から聞いていた皇太子は…
セイジ「漆黒の艦隊が負けた… 変な予感はしていたが… 一体どうやって撃破したと言うんだ…?」
皇太子はそれだけを言い残し、サッと離れていった。
漆黒の艦隊、日本国の深海へと沈む…
如何でしたか?
今回も楽しんでいただけたでしょうか?
意外とアッサリ戦闘回が終わってしまいましたね…ww
続きは漆黒の艦隊を失い、混沌とする王国のお話を投稿しますのでお楽しみに。