日本VS日本   作:もちうさ

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お待たせしました!!
今日から第2章がスタートします。


〜第2章〜セイジの危機と男たちの暗躍
第13話「新時代の王国と新たなバディ」


 

 

 日本国国防海軍と神聖日本王国海軍との戦闘から早2年。

 

 「漆黒の艦隊」との戦闘後、国防省は陸海空全ての装備の改修や退役を進め、新たに艦艇の建造または調達も予定よりも前倒しで進めるようになった。

 

 とりわけ海軍では、更にイージス艦による排他的経済水域への哨戒任務を増やし、これまでになかった新たな艦種である「イージス戦略ミサイル駆逐艦」の建造と臨時で編成されていた水上打撃群の正式配備と水上艦部隊の増加、陸軍や空軍との共同演習や駐留しているアメリカ軍との訓練も更に増やした。

 

「またあの時のように国籍不明の艦隊が来ないとも限らない。また、我が国を取り巻く情勢も刻一刻と変化している。そのためには我が海軍も気を引き締め、有事に備えなければならない。…もう実弾が飛び交うのはこりごりだからな。」

 

「ええ、首相が既に海軍所属の全艦艇の改修や退役、新たに『イージス戦略ミサイル駆逐艦』の建造を指示しておりますので、一刻の遅れもなく計画を進め、より一層の抑止力を上げていこうと思います。」

 

 横須賀にある日本国国防海軍作戦本部では海軍のトップである海軍作戦部長とその幹部が話し合っていた…

 

 

 

 その頃…

 並行世界の2020年代、神聖日本王国。

 

 政治や軍事の中枢でありそして王家、トモチカ家の住居でもある王宮では…

 

 清々しい朝、小鳥たちのさえずりが聞こえるダイニングで、第151代目の王様であるセイジ・トモチカは最側近のシュント・ナカサワ、彼らを支える補佐たちを始め、王族たちと一緒に朝食を食べていた。

 

セイジ「…ん? 今朝の朝食はなんだか塩気が…」

 

ナカサワ「王様? どうかなされましたか?」

 

セイジ「…ああ、すまない。この… 今食べてる朝食なんだが… 何となく塩気が…」

 

ナカサワ「…それでございましたか。実は先代のムネタカ様が塩気の濃いものを好まれていたとのことで…」

 

セイジ「あぁ… そういえば、先代がいた頃の食事は何となく塩っぱかった気がするな… もしかしたら、それで舌が慣れていたのかもしれない…」

 

ナカサワ「はい。シェフがムネタカ様のお口に合うよう作られていましたし、ムネタカ様自身もそれを食すよう他の皆に求めていましたので…」

 

……………

 

 先代の国王である「ムネタカ・トモチカ」は父親であり先先代でもある「ムネオ・トモチカ」から王位を継承し、王国をムネオが在位中、夢見ていた偉大なる強国へと歩を進めていたが、王国諜報局が『並行世界』なるものを発見し、その世界にも神聖日本王国と同じ国土を持つ国家があるのが判明するや否や、『世界が2つあろうが、必要な日本はこの聖なる神聖日本王国だけだ。』と言い出し、『時空を捻じ曲げ並行世界とその日本を終焉させる』という壮大な計画のために日本国の排他的経済水域内に『時空歪曲装置』を設置し、王国海軍艦艇を次々に派遣。

 

 そこにたまたま居合わせたイージス艦「よこすか」を撃沈せしめ、最後まで抵抗を続けた「おおすみ」にも戦闘不可になるまでのダメージを負わせたものの、就役前の最新鋭イージス艦「おおなみ」を中心に臨時編成された「水上打撃群」が時空歪曲装置の破壊へ向かうのが分かり「漆黒の艦隊」を派遣したものの、水上打撃群の戦闘能力と並外れた射撃能力を前に壊滅。

 

 漆黒の艦隊を失ったことにより、ムネタカの影響力の低下と共に向かい風が吹き始め、また長年の圧政に対して退位や失脚を求める市民たちのデモが激化。

 

 王国警察や特殊警察を配備し、デモを鎮めようとした他、王国憲兵隊による厳重な警備の中、神聖日本王国建国2700周年パーティーを強行開催した。

 

 それにより激化の一途を辿っていたデモは沈静化しつつあったが、ある日、王宮の大広間で乱闘騒ぎが起こり、その最中に王宮防衛兵のPPK-20が暴発しムネタカの足を負傷。

 

 それにより退位を余儀なくされ、復帰を目指したがムネオ派以外の補佐や王族全員からの猛反対により復帰を断念。

 新たに王位を継承したセイジにより正式に退位を認められ、今に至る。

 

………………

 

セイジ「…思えば今までたくさんの出来事が起こっていたな… だが、これからは自分が王位を継承したからには、この王国を安定させ、更なる発展と安寧を続けていかなければならない。ナカサワ、これからも俺と共にこの王国を引っ張っていこう。」

 

ナカサワ「ははっ、この最側近であるナカサワ。これからも王様とこの王国に忠誠を誓い、共に神聖日本王国を引っ張って参ります。」

 

 

……………………

 

 

 その頃、トモチカ王家が所有する、とある別荘地に建つ一軒の豪勢な離宮。

 どこかの名家の豪邸かと勘違いしそうなくらい大規模な離宮のラウンジにいた1人の男。

 

?「ふむ… 今日もこの赤ワインは芳醇な香りを引き立てている…」

 

?「ムネノリ様。おはようございます。今日もお日柄も良く、平和な良き日になりますぞ。」

 

?「タツヤか。ああ、今朝の目覚めも非常に心地よかったぞ。」

 

 ムネノリと呼ばれた男はそう答える。

 

ムネノリ「この聖天のようになるべく、我が『神聖なる自由』も活動を続けていかなければならない。」

 

タツヤ「誠でございます。先代のムネタカ様が退位をせざるを得なかった時、今こそ我々ムネオ派が再びこの神聖なる王国を取り戻し、ムネオ派の源流であるムネオ様が夢見ていた偉大で聖なる強国へと導いていこうと。」

 

ムネノリ「そうだ。今のセイジに変わってからは今日のような日差しを浴びれていないからな。王国もすっかり変わり、かつての威勢を感じられないまでに成り下がってしまった。」

 

タツヤ「だが、それに終止符を打つのは我が『神聖なる自由』と?」

 

ムネノリ「その通りだ。我が神聖なる自由が再びこの神聖日本王国を世界の王たる威厳を持ち、偉大で聖なる強国へと導いていくのだ。フッフッフッ… アーハッハッハッハッハッ‼︎ …セイジよ、覚悟していろ。我々が神聖なる王国を裏切った貴様を必ずや抹消してやる…」

 

 ムネノリはワインの入ったグラスを揺らしながら、セイジへの復讐の念を誓っていた…

 

……………………

 

 

 その頃、並行世界の日本国。

 排他的経済水域を航行する一隻のイージス艦。

 

 「おおすみ級イージス駆逐艦」の3番艦である「けらま」は波を切り裂きながら周辺海域に不審な艦艇がいないか巡廻していた。

 

CIC「レーダーに敵影なし。」

 

 「けらま」が航行しているのは、以前神聖日本王国の艦艇が現れた地点である。

 

 日本国国防海軍はそれの監視のために何隻かの艦艇を巡回させており、「けらま」もその中の一隻として任務を遂行していた。

 艦橋にいた川瀬海軍大尉は双眼鏡を覗きながら敵影がいないか見回す。

 

?「…了解。艦長からそのまま航行を続けよ、だとよ。」

 

 CICにいた艦長と電話をしていた1人の海軍大尉が川瀬へ伝える。

 

川瀬「了解。薗田、この艦の燃料は足りるか?」

 

薗田「まだ補給艦を呼ぶほど減ってはない。横須賀を出て1週間だからな。」

 

 川瀬の隣にいた男ーー川瀬や佐世保へと転属となった田中、イージス艦「おおなみ」のCICへ属している井上と同期の薗田海軍大尉はそう答える。

 

薗田「にしても、最近は頻繁にここに行くようになったな。今回で3回目だぞ。」

 

川瀬「海軍作戦本部からの命令だからな。それにうちの基地がこの海域へ行くのに近いというのもある。」

 

川瀬「…またあの国籍不明の艦艇が現れる恐れもあるから国防海軍としても、やらざるを得ないのもある。」

 

薗田「あぁ、お前たちが言ってたアレか。写真を見せてもらったけど、とてもじゃないが現代の艦艇とは比べものにならないくらい巨大な艦だったし、お前と田中はそれの当事者でもあるからな。」

 

川瀬「まあな。佐世保からも何隻かが来てるらしい。あの戦艦紛いの敵艦が来ないように、な。」

 

 と、川瀬は一枚の写真を薗田へ見せる。

 それは以前、最初に神聖日本王国の艦艇と会敵した時の写真だった。

 

 そこには大型巡洋艦と大型フリゲートが写っており、対峙した2隻のイージス艦へ牙を剥こうとしている様子も写し出されていた。

 

薗田「これを最初に見た時、正に自分の目を疑ったよ。第2次世界大戦時のアメリカ海軍の大型巡洋艦とかロシア海軍の重航空巡洋艦のようなサイズ感だと思ったよ。」

 

川瀬「それが彼奴らにとっては当たり前の排水量だからな。それに加えて戦艦を彷彿とさせる艦砲射撃能力にアーセナルシップを思わせるミサイル運用能力、そして20隻はくだらない大艦隊を保有するという。…我が国とは戦闘教義が180度違う。」

 

薗田「それで大規模艦隊を相手に全部沈めたんだろ?敵国のお偉いさんも渋い顔しただろうぜ。」

 

川瀬「艦橋よりCIC。艦橋からは敵影は確認していない。周辺に敵影はあるか?」

 

CIC「こちらCIC。レーダーにも反応なし。」

 

川瀬「了解。…少し移動するか。」

 

 川瀬の指示で「けらま」は別の方位へと向かった。

 

……………………

 

 

 その頃、神聖日本王国の王宮内にある王国軍の中枢である神聖日本王国軍総司令部では…

 

海軍長官「漆黒の艦隊が敵機動艦隊に壊滅して早2年… 時間の経過は思ってたより早いのだな…」

 

 王国海軍のトップである王国海軍長官は部屋の中で1人、黄昏ていた。

 

 当初、漆黒の艦隊が国防海軍の水上打撃群を相手に戦い、全艦撃沈されたという事実は王国軍にとっては余りにも衝撃的であり、当時の国王「ムネタカ・トモチカ」から再編成を命じられるも、8隻あった空母は漆黒の艦隊が保有する2隻が沈められて6隻に減り、他にも多数の艦艇も海の藻屑と化したため、王国海軍が保有する艦艇の1/3が減ってしまい、王国全土の軍港に配備されている艦艇をかき集めて編成しようにも無理があるのは日の目を見るよりも明らかだった。

 

 だが、ムネタカが失脚した後に王位を継承したセイジが漆黒の艦隊を廃止し、小規模と中規模の空母機動艦隊をそれぞれ2個ずつ編成せよと命令が来た時は海軍長官自身、救われた気分になった。

 

王国海軍長官「セイジ様のおかげで我が王国海軍は救われた。これからも王様へ忠誠を誓い、この神聖なる王国を護っていこうと思う…」

 

 王国海軍長官は部屋の中から見える中庭を見ながらセイジへの忠誠を誓っていた。

 

 

 





第2章スタート!!
皆さん、本当にお待たせしてすみませんでした(滝汗)

今回の第2章からは田中に替わる川瀬の新たなバディである「薗田海軍大尉」が登場します。
そして、セイジが王位を継承しようやく平和と安定を取り戻した神聖日本王国の実権を再び奪おうとする「神聖なる自由」という謎の組織も登場します。

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