連続投稿です。
遂に国防海軍フリゲートのクルーが人質にされてしまいます。
あと今回は日本国側と神聖日本王国側の台詞が混在するところがありますので、その箇所だけ日本国側は「」、神聖日本王国側は《》で分けてる他、台詞と文章の間隔も調整してます。
その頃、大型フリゲートを撃沈せしめたイージス艦「けらま」は…
薗田「まずは一隻。仕留めたな。」
川瀬「あぁ、単艦では初の戦果だ。そのまま任務を遂行するぞ。」
単艦では初の戦果を得て、更なる戦闘を見据える川瀬と薗田。
…その頃、CICでは奇妙なことが起きていた。
「これは… 敵艦か?」
「方位220に味方艦の反応が… き、消えた?」
レーダースクリーンに映っていたのは突如表れた謎の反応と、反応が途絶えた味方艦だった。
「方位220を航行中の味方艦のレーダー反応が途絶えました。」
「どういうことだ… 今日は波は穏やかだから、少なくとも事故ではないはず…」
艦長「だとすれば… 敵との戦闘に巻き込まれた恐れもある。」
艦橋とCICを往復し、その時はCICにいた艦長は艦橋にいた川瀬と薗田へ伝える。
薗田「近くを航行していたのは確か… 汎用フリゲートだったはず…」
川瀬「もしかすると、戦闘に巻き込まれた可能性もある… レーダー出力を上げて捜索へ向かおう。」
川瀬はCICへ捜索へ向かうよう要請しようとしたその時…
CICの通信管制に謎の周波数と共にノイズの乗った通信が聞こえてきた。
CIC「…これは… どこからの通信だ?無線の周波数を変えます。」
CICのクルーが無線の周波数を変えると、多少のノイズと共に聞こえてきたのは…
《…こちら聖なる神聖日本王国大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」だ。貴様らのクルーを全員人質に取った… 我が神聖なる神聖日本王国に恥辱と屈辱を与え、蹂躙する貴様らに聖なる裁きを受けさせてやる…》
《2時間時間をやる。その間に我々に降伏するか裁きを受けるか選ぶがいい…》
大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」から人質を取り、降伏するか海の藻屑となるかを選択するよう迫る通信だった。
艦橋で通信を聞いた川瀬と薗田は…
薗田「何… 人質だと?」
川瀬「遂に強硬手段に出たか。ならばこちらとしても、それに相応する手段でやらせてもらおう。」
薗田「一体何をするんだ?」
川瀬「既に案はある。俺に任せろ。」
川瀬「CIC、周辺の海域に敵艦の反応はあるか?」
CIC「方位220、100km先に敵艦が一隻で航行中。それ以外に反応はありません。」
川瀬「…了解。薗田。敵艦へは何時間かかる?」
薗田「大丈夫だ。十分2時間以内に間に合う。」
川瀬「…よし。艦橋からCIC並びに全クルーへ。これより人質の救出へ向かう。取舵一杯、方位220へ。」
川瀬は味方艦を人質にした大型巡洋艦へ向かうべく、「けらま」を向かわせた。
その頃、味方艦を人質にした大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」では…
人質にされたクルーらは一つの部屋へ入れられ、周りを大型巡洋艦のクルーがサブマシンガンを手に厳重に監視していた。
《貴様らを抹殺するまで残り115分…》
《出来れば貴様らの家族の目の前で最期を迎えてもらおうと思ったが…》
《ま、我々が聖なる裁きを与えるまで精々生前の記憶でも呼び覚ましておくがいい…》
両手両足を厳重に縛り付け、椅子に座らせた国防海軍フリゲートのクルーらを大型巡洋艦のクルーは彼らを横目に不敵な薄気味悪い笑みを浮かべていた…
その頃、人質を助けるべく、大型巡洋艦へと向かっていたイージス艦では…
薗田「人質を助けるのには… 実弾の使用許可を得なければ…」
川瀬「既に艦長から実弾の使用許可が出ている。」
薗田「流石だな。相変わらず仕事が早い。」
川瀬「出来れば我々も実弾を使いたくはない。流れ弾や味方撃ちの恐れもあるから訓練弾や空砲弾でもよかったのだが…」
川瀬「我々の味方に手をかける連中にはそれ相応の手段で取った方が得策だと思ったんだ…」
薗田「意外と仲間思いだな、お前。」
川瀬「当然だ。国籍不明のクルーに人質にされ、まんまと殺されてしまった日にゃ、家族に対してどの面下げて謝ればいいんだ。」
薗田「それで人質を救出後、敵艦をまるごと無力化する… だな。」
川瀬「あぁ。それまで一切の兵装の使用を禁止する。」
薗田「使っていいのは自動小銃だけ、か。」
大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」へと向かうイージス艦「けらま」の艦橋で川瀬と薗田は大型巡洋艦がいるであろう、大海原の彼方を見つめていた…
………………………
CIC「敵艦まで、残り80km。」
薗田「…ん、なんか戦艦っぽいのが見えてきたが、もしかしてあれか?」
川瀬「そうだ。あれがお目当ての敵艦だ。」
艦橋にいた2人が覗いていた電子双眼鏡から見えた一隻の軍艦ーーイージス艦「けらま」は確実に大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」へと近づいている。
その異変は大型巡洋艦の戦闘司令室でも…
《…これは… 敵艦一隻が方位020より接近中!》
艦長「水上戦闘始め! 総員戦闘位置に付け!」
「ムネタカ・トモチカ」の艦内に戦闘配置に付くよう知らせるブザーが鳴り響く。
それは人質にされていたフリゲートのクルーらも聞いていた。
「こ、この音はっ…!」
「戦闘配置に付くよう知らせるブザーではないか? …ということは…」
「味方艦が近づいているのか…?」
確実に味方艦が近づいていることを察したクルー全員は一つの希望を抱いていた。
ーー仲間が助けに向かってくれているのかもしれないと。
その頃、「けらま」は…
川瀬「最大速力を維持し敵艦へ横付けする。」
薗田「水上でのドリフトなら俺に任せろよ。敵艦にビタ付けしてやるからな。」
イージス艦での最大速力である時速30kt(56km)で向かっていた。
大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」は…
艦長「フッ… エサに釣られてまんまと一隻で来たな…この我が艦が神聖日本王国の揺るぎない強さを… そして、聖なる裁きを与え海の魚礁にしてやる…」
「艦長! レールガンと超電磁レールキャノン、並びにVLSの各セルの発砲と発射準備が完了しました!」
艦長「よし!」
副長「艦長。無駄弾にはなりますがレールガンとレールキャノン、大量のミサイルによる飽和攻撃をしてみては?」
副長「この我が神聖日本王国が誇る王国海軍の聖なる裁きを与えるのには容易いことかと。」
艦長「…それも考えておこう。」
艦橋にいた艦長と副長はまだ見ぬイージス艦へ裁断を下すそうと心中を燃やしていた。
だが、そんな艦橋とは裏腹に戦闘司令室では…
《敵艦。未だに攻撃の予兆無し。》
《こちらへと進路を取り接近しております。》
《奴らめ… 一体何をする気だ…》
戦闘司令室ではこちらへと近づいているイージス艦の目的を見つけられぬまま、ピリッとした空気が漂っていた。
大型巡洋艦へと近づくイージス艦は…
CIC「敵艦まで、残り50km…」
大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」へ最大速力で接近し始めてから1時間あまり。艦橋に備え付けられている壁掛け時計が正確にその刻を刻む。
そして…
CIC「敵艦まで残り、30km。」
薗田「見えてきた。」
川瀬「目がいいな。」
戦闘機パイロットとしての経験を持つ薗田は裸眼で敵艦を確認。
川瀬「こちら艦橋の川瀬。全クルーへ告ぐ。」
川瀬「…これより人質の救出作戦を実施する。」
川瀬の指示にクルーらは自動小銃の準備に取り掛かり、ボディアーマーや盾といった身体に身につける物の準備も始めた。
一方、敵イージス艦の目的が分からず混沌としていた大型巡洋艦の戦闘司令室では…
《敵艦から攻撃の予兆がありません…!》
《敵艦が異常接近中!》
《ヤツらは何をするつもりなのだ!?》
ーー奴等は一向に攻撃の気配が見られない。
いや、攻撃はおろか通告の一つすらも無く、ただただストーカーの如く近づいてくると言うのは恐怖でしかない上に、一体何の目的の為に最大船速であろう速度で向かっているのかーー
その目的を知ろうなんて、謂わば雲を掴むようなもの。
それに一切何の攻撃も加えたり、加えようともせずに無防備に接近してくるということ自体、沈めてくれと言っているようなもの。
それならさっさとミサイルを撃ち込んだり、自慢のレールガンや超電磁レールキャノンによる艦砲射撃で沈めた方が手っ取り早い。
だがーー
戦闘司令室のクルーはその目的不明な
戦闘司令室の彼等はイージス艦から "タダ者ではない" 何かを感じ取っていたのだ。
だが、艦橋はそんなイージス艦へ裁断を下そうと意気揚々。
ーーもちろん裁断を下そうとか、聖なる裁きを受けさせると言いながらも、ただただ並行世界の
そんな敵艦を海の藻屑と化してやろうと意気揚々な艦橋と。
その敵艦の目的を掴めぬまま恐怖し、混沌としている戦闘司令室。
排水量35000トンという超弩級ーー彼等にとっては当たり前の排水量であるがーーの大型巡洋艦の艦内ではそれほどの温度差があったのだ。
通常なら艦橋への通信で艦長へ是非を聞こうとするもの。
だが、既に戦闘司令室にはその余裕すらなく、艦長と副長以下の士官がいる艦橋も、そんな戦闘司令室の状況なぞ知る由もなかった。
ーーもちろん捕らえている人質を救いに向かってるなんてことも。
そんな状況にある大型巡洋艦へ刻一刻と近づいていくイージス艦はーー
CIC「敵艦まで、残り5km…」
川瀬「面舵一杯。敵艦へ横付けしろ。」
あと5kmという距離まで接近し、川瀬の指示で右旋回。
そして…
CIC「敵艦まであと、50m…」
薗田「おい、接触するぞ。本当にいいのか?」
ソナーの警告音が鳴る中、「けらま」はそのまま大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」へと接触する形で横付けにした。
薗田「おい、見ろよ。こっちがフリゲートに見えるくらい図体が大きいぞ。梯子が無いと乗り移れないんじゃないか?」
川瀬「ああ、とりあえず数カ所に梯子をかけて奇襲するか。」
「梯子を持ってこい!」
「けらま」のクルーは数カ所に梯子をかけて…
川瀬「よし、行け! 行け!」
川瀬の指示で、H&K HK416A5やH&K HK417A2などで武装したクルー達が大型巡洋艦へと乗り移る。
《な、何だ!? 何が起きた!?》
《て、敵だ!》
素早く梯子を駆け上り、イージス艦から乗り移ってきたクルーらに大型巡洋艦の艦内は一斉に慌ただしくなり、大型巡洋艦のクルーは神聖日本王国軍規格として採用した5.56mmと7.62mmという偶然イージス艦のクルーらと同じNATO弾を使用するロシア製のAK-19とAK-308で応戦。
《いたぞ!敵だ!》
《聖なる艦に傷を付けた不浄な不届者どもだ! 容赦無く撃ち殺せ!》
大型巡洋艦のクルーは急襲してきたイージス艦のクルーを見つけるや否や、あからさまな殺意と共に銃口を向け、容赦無くアサルトライフルを発砲。
「撃ってきた! 10時方向!」
「撃て! 撃て!」
それに対してイージス艦のクルーらは冷静に、かつABCと複数のグループに分かれて行動を開始。
《クソッ! 1人やられた!》
《軍医を呼べ! 奴らをこれ以上中へ入らせるな!》
だが、世界でも屈指の射撃精度を誇る国防海軍のクルーらを甲板で食い止めることは出来ず…
《敵が入ってきました!》
《撃て! 入れないようにバリケードも置け!》
大型巡洋艦のクルーは応戦しつつ、これ以上入れないように厳重にバリケードも設置。
「これは… バリケードで包囲しています。」
「どこから敵が撃ってくるか分からない… っつ!」
「バリケードからの銃撃です!」
「奴め、バリケードを盾にして応戦してるな…」
「バリケードから敵を引き剥がすぞ。」
Aグループの1人がバリケードを背に発煙弾や閃光弾を投げ込むと…
発煙弾は真っ白い煙を出し、一面ホワイトアウト状態になりつつ閃光弾が眩い光と共に爆発。
「よし、今だ! 突撃せよ!」
「行け! バリケードを踏み潰せ!」
大型巡洋艦のクルーらが怯んだ隙を見て、一つのバリケードを突破したクルーらは更に先へと進んでいく。
《奴らを部屋へ入らせるな! 何としてでも殲滅せよ!》
大型巡洋艦の艦内は市街地での近接戦闘の銃撃戦の様用を呈し、NATO弾である5.56×45mm弾と7.62×51mm弾が双方を飛び交う。
艦長「こちら、大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」艦長だ。クルーの皆へ告ぐ。絶対に人質を死守せよ。繰り返す、1人たりとも人質を逃すな。」
艦長「我が神聖なる神聖日本王国の揺るぎない強さを不浄な不届者共へ見せつけるのだ。」
艦内のスピーカーから人質を死守するよう艦長の声が響く。
「けらま」のクルーは全チームとも確実に人質が捕らわれている部屋へと近づく。
中でも威力を発揮していたのは、最近国防軍へ配備され始めてきたH&K社製の「M27 IAR」だ。
次世代の分隊支援火器として開発されたM27は一見すれば重機関銃には見えないが、これまでの銃火器とは一線を画す射撃能力は大型巡洋艦のクルーらには確実に効いていた。
《なんだあの機関銃は!?》
《敵はバケモノ機関銃を持っているぞ! 注意しろ!》
イージス艦のクルーらは場所に応じて自動小銃とサイドアーマーであり国防海軍の制式拳銃であるSIG SAUER社製の「P320」で応戦。
《拳銃も使ってやがるだと!?》
《畜生、すばしっこく動きやがって… 駆除するこっちの身にもなれってんだ…》
《こっちの殺虫剤は切れないのか?》
《弾はいくらでもある。神聖日本王国の為に奴らに裁断を下すのだ。》
その頃、イージス艦のクルーの内のBグループは、行く前を立ち塞がる大型巡洋艦の複数のクルーを制圧し続け、やがて人質が囚われている部屋へと辿り着いた。
「ここだ。」
「辺りは既に制圧している。俺の合図で部屋へ突入するぞ。」
「よし、では先に俺を含む5人が入る。後の5人は逃げ口の確保のため、周囲を警戒しろ。」
そして…
「…よし。入るぞ。」
5人のクルーが入り、部屋を監視していた大型巡洋艦のクルーらと銃撃戦を交わす。
人質に捕らわれていたフリゲートのクルーらは自分らと同じ青迷彩の作業服を着たイージス艦のクルーが来たことに喜びを感じ…
甲斐「なんと… 本当に助けが来たとは…」
フリゲートの艦長である甲斐は自分たちを助けに来た「けらま」のクルーを見て、安堵の溜息をする。
監視していた敵艦のクルーを制圧し、縛っていたロープを解いたBグループはフリゲートのクルーらと共に部屋を出た。
「…こちら、Bグループの長瀬。人質を発見し解放した。」
長瀬海軍少尉が他のグループへ人質救出を伝える。
長瀬「艦長は俺が守る。君たちは他のクルーらを護衛せよ。」
「了解。」
長瀬「よし。他グループと合流し脱出するぞ。」
その頃、大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」の艦橋では…
艦長「…何だと!? 人質を逃しただと?」
副長「はっ。大型巡洋艦のクルーらを配置し警備に当たっていましたが、阻止できずに逃してしまったとのことです。」
副長「既に十数人が負傷し手当てを受けている他、艦内の設備にも損傷が確認されました。」
艦長「奴らはまだ艦内にいるのか?」
副長「…今は追撃してるところです。」
艦長「何としてでも奴らを逃すな。このまま逃がせば聖なる神聖日本王国に顔向けできん。」
副長「ははっ。」
その頃、フリゲートのクルーを救出し脱出しようとしていた「けらま」のクルーたち。
そこへーー
《いたぞ!》
《ここで食い止めろ! 絶対にこの艦から逃すな!》
《全員道連れにしてやれ!》
怒号と共に大型巡洋艦のクルーが追いかけてきた。
《我が神聖日本王国の守護神たる初代国王のお怒りをぶつけてやれ!》
大型巡洋艦のクルーらはAK-19やAK-308を発砲。
しかし、「けらま」のクルーらは盾で弾を防ぎ、冷静に大型巡洋艦のクルーへと銃撃。
長瀬「此奴ら、本当に射撃訓練を積んでいるのか?」
応戦する長瀬海軍少尉は敵の射撃精度が此方と比べて甘いことに気づき、疑問を抱く。
長瀬「よし、後ろは俺たちが抑えているから1人ずつ下ろしていけ。」
30人のイージス艦のクルーのうち、10人がフリゲートのクルーを1人ずつ「けらま」へと下ろしていく。
と、ここで長瀬は大型巡洋艦のクルーの後ろに小型のバッテリー(レールガン用の小型補助ハイドロジェンバッテリー)が設置しているのを見つけ…
ーーフッと微かに笑みを浮かべる。
「全員下ろし終えました!」
長瀬「よし。次は自分たちだ。」
長瀬「法山、先に下りろ。」
法山「すまない。後を頼む。」
長瀬の指示を聞いた法山海軍少尉が先に梯子を降りていく。
町田「弾が切れました。」
中城「先に下りろ。彼等のことは頼んだぞ。」
町田「了解。」
弾切れになったAグループの町田海軍准尉は中城海軍中尉に促され、イージス艦へと戻る。
確実に大型巡洋艦のクルーを制圧し続けるイージス艦のクルーたち。
だが…
長瀬「まだ来るのか。この艦には一体何人乗せてんだ。」
アメリカ海軍の原子力空母並みのクルーを擁する大型巡洋艦は艦橋や戦闘司令室以外のクルーを次々と送ってくる。
しかし…
長瀬「何人送ろうが怪我させるだけだぞ。」
実戦さながらの演習を重ねている長瀬たちは冷静に自動小銃のトリガーを引き続ける。
やがて、大型巡洋艦のクルーは数が少なくなり…
その間にイージス艦のクルーは9割が脱出。
残るは長瀬と豊前海軍少尉の2人だけになった。
長瀬「豊前、2人で最後まで敵を抑えるぞ。」
豊前「ああ。」
長瀬と同期の豊前海軍少尉は2人で敵を抑え続け…
《敵が2人に減ったぞ!》
《諦めなかった我々へ神が与えてくださった幸運だ!》
《数は我々の方が勝っている! そのまま征伐せよ! 撃ち殺せ!》
と…
長瀬「…我々はこれで帰らせてもらおう。」
長瀬はずっと狙っていたレールガン用の小型補助ハイドロジェンバッテリーへHK416の下に装着されていたグレネードランチャー「M320」から擲弾を発射。
大型のガスボンベ程の小型補助バッテリーはその場で激しく爆発し、近くにいた大型巡洋艦のクルーを巻き添えにした。
《…な、なんだ!》
《レールガン用の小型補助バッテリーが爆発しました!》
《負傷者数人!》
混乱しているその隙を見て長瀬と豊前は梯子を降りて、イージス艦へと戻る。
薗田「了解。川瀬、人質とうちのクルーが全員戻ったとよ。」
川瀬「分かった。よし、さっさと逃げるぞ。」
「梯子を外せ!」
全てのクルーを救出したあと、「けらま」は最大速力で大型巡洋艦から離れていく。
《負傷者多数! 医務室へ連れて行け!》
《クソッ… 不浄な敵弾を浴びさせやがって… この仇は必ずや返してやる…》
大型巡洋艦では負傷したクルーらの看護で手一杯になっていた。
副長「艦長。負傷したクルーを全員医務室へ入れられました。」
艦長「分かった。敵に逃げられる前に神聖なる我が神のお怒りをぶつけてやろう。」
戦闘司令室では…
《逃してたまるものか。5mmレールガンで攻撃してやれ!》
《了解。》
「ムネタカ・トモチカ」の甲板に装備されている5mmレールガンが「おおすみ」へと向く。
CIC「敵艦から攻撃の予兆あり。」
川瀬「こっちも応戦だ。25mmで撃て。」
「了解。」
「けらま」も、甲板に装備されているMk38 25mm機関砲で応戦。
CICからオペレーターによる遠隔射撃を行い、甲板からもクルーらによるM2やGAU-19による射撃を行う。
大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」は25mm機関砲へと狙いを付け…
CIC「敵艦の副砲、25mm機関砲を狙っています。」
川瀬「ファランクスで対処せよ。」
「けらま」の艦首と艦尾に鎮座するファランクスが5mmレールガンへと射撃。
一瞬の射撃で5mmレールガンに損傷を与えた。
《5mmレールガンが損傷!》
《何!?》
その間に「けらま」は5mmレールガンの射程距離から十分離れた位置まで離脱。
《クソッ… 敵を逃した!》
《レールガンで艦諸共葬ってやれ。歴代国王の名を冠した聖なる大型巡洋艦へと傷を付けた罰を与えてやるのだ。》
「ムネタカ・トモチカ」はレールガンの砲身を「おおすみ」へと向けた。
CIC「これはっ… 敵艦に砲撃の兆候あり!」
川瀬「ドデカい一発をお見舞いする気だ。
ならばこっちも艦砲射撃だ。」
CIC「目標、敵駆逐艦。」
「主砲弾装填よし。射撃用意よし。」
Mk45 Mod4 5インチ砲は「ムネタカ・トモチカ」へと砲身を向けて…
「主砲、撃ち方始め!」
5インチの砲身からHVPが放たれる。
川瀬「ついでに対艦ミサイルを発射しろ。」
その間に大型巡洋艦はイージス艦へとレールガンの砲身を向け…
《主砲、撃て!》
艦長がレールガン発砲を命じた刹那…
「けらま」から発射された国産の対艦ミサイル「SSM-1B」が命中。
《主砲に直撃! 大破!》
更にMk45 Mod4 5インチ砲が放ったHVPは、「ムネタカ・トモチカ」のレールガンへと命中。
《レールガンが損傷!》
《何…!? 敵もレールガンを撃ったというのか!?》
《いや、敵艦からの反応はありません。》
《こうなれば、ミサイルによる飽和攻撃だ。全てのVLSを開放しろ。》
大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」のVLSの蓋が開き…
《KA-A、全弾発射せよ!》
《撃て!》
前後合わせて300セルある内の50セルからKA-Aが発射された。
CIC「敵艦からミサイル接近中! 迎撃行動に移ります。」
イージス武器システムは自動で最適なミサイルを選択し、CICの操作によりSM-2を発射。
SM-2は狙いを逃さずにKA-Aを全弾迎撃。
「神の盾」との異名を持つレーダーを擁するイージス艦の底力を見せつけた。
CIC「敵ミサイルの全弾迎撃を確認。」
川瀬「…了解。にしても、ランチャーかと思えばVLSか…」
イージス艦に逃げられた大型巡洋艦は…
副長「全てのレールガンが損傷。KA-Aも全弾迎撃されました。」
副長「敵を制圧しようとしたクルーも9割が負傷… 我等の手で聖罰を与える作戦は失敗です…」
艦長「クソッ… 逃してしまったか…」
艦長は離れていくイージス艦を悔やんだ目つきで睨んでいた…
見事に人質救出成功‼️イェーイ
如何でしたか?
今回も楽しんでいただけたでしょうか?
軍人とは言え国防海軍のクルーを人質にするとは「神聖なる自由」が如何に残忍性に富んだ組織なのかが分かると思います。
そして、次回は人質を逃してしまい、「超激おこプンプン丸(死語)」になったムネノリが日本国への恩讐を顕にし、建造を命じていた「大型潜水巡洋艦」と編成した「神聖なる艦隊」を差し向けます。