日本VS日本   作:もちうさ

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遂に「神聖なる自由」が日本国へ刃を突きつけます。
今日もできる限り投稿していきますので、よろしくお願いします。






第19話「日本国へ向けた刃と未来の戦闘艦」

 

 

 イージス艦のクルーらにより救出されたフリゲートのクルー達は通された部屋の中にいた。

 

 そこへ…

 コンコンコンコン…

 

川瀬「失礼します。」

 

 川瀬が入ってきた。

 

川瀬「艦長の代理で来ましたイージス艦「けらま」所属の川瀬海軍大尉です。クルー全員を救出でき、大変喜ばしく思います。」

 

甲斐「汎用フリゲート「てるづき」艦長の甲斐海軍大佐だ。今回は貴君らに我々を救出してもらい非常に感謝している。敵艦に接触しながらも横付けし、クルーが助けに来たと聞いている。」

 

川瀬「それも皆の力のお陰です。1人も怪我が無くて本当によかった。それでですね…」

 

 と、ここで川瀬は当時の状況と敵艦の情報を甲斐から聞くことにした。

 

甲斐「…当時、我が艦はレーダーで敵艦を察知し水上戦闘を実施していた。」

 

甲斐「初めて見た敵艦は想像や以前聞いていたよりも大きく、最早戦艦のようにも見えた…」

 

甲斐「我が艦も戦闘を続け、僅かながら敵艦へ損傷を与えたが、VLSから発射されたミサイルや大型主砲が致命弾となり我々はダメージコントロールを行い、退艦した。」

 

 と、ここで川瀬は甲斐の口から出た" VLS " という言葉に引っかかりを覚えた。

 

川瀬「…VLS?」

 

甲斐「あぁ。アメリカや我が国の艦艇の如く、垂直に昇るミサイルの噴射煙が何本も見えたのだ。…それがどうかしたのか?」

 

川瀬「…あ、いえ… 我々が以前戦闘した際にはミサイルランチャーだった筈ですが… 確かに今の戦闘でも現に敵はVLSからミサイルを撃っている。もしかすれば、敵はVLSへと改修した可能性もあるな…」

 

 ーー確かに川瀬たちが以前に会敵した時の王国海軍艦艇はミサイルランチャーからミサイルを矢継ぎ早に撃ち込んできた筈。

 

 だが、先ほどまでの川瀬たちの戦闘と今の甲斐の言葉を聞くに連中はミサイルランチャーから此方の世界では当たり前の装備(VLS)へと改修したことになるーー

 

 川瀬は甲斐へ向けていた冷静な表情を変えず、そう考えることにしながらこう伝える。

 

川瀬「取り敢えず、皆さんを基地へ送ろうと思います。既にヘリコプターの準備もできておりますので。」

 

甲斐「それはありがたい。」

 

 取り敢えず彼等を近くの基地へ送らなければ。

 川瀬は既に「けらま」に艦載させていたヘリコプターやUS-2などを使い、近くを航行していた輸送艦を介して基地へ送り届けるよう指示していた。

 

 そして、その準備は既に終えておりーー

 

「ヘリコプターの準備ができました。」

 

甲斐「よし。全員行くぞ。」

 

 1分も待たないまま準備ができたので、ヘリコプターへ乗り込むべく部屋を出ていく甲斐たちを見送る川瀬は先程までの戦闘と甲斐から聞いた話を踏まえ、今後の戦闘について思慮していた。

 

 

…………………………

 

 

 その頃、神聖日本王国の離宮では…

 

ムネノリ「何? 人質を逃しただと?」

 

タツヤ「はっ、大型巡洋艦「ムネタカ・トモチカ」によりますと、敵艦が接触する形で強引に横付けし敵艦のクルーが侵入。大型巡洋艦のクルーが応戦したものの、人質を含めて取り逃したとのことです。」

 

タツヤ「敵艦が逃げようとしたので、5mmレールガンでの攻撃を行いましたが、敵も抵抗し、レールガンによる発砲を行おうとした際、敵艦によるミサイル攻撃で大破し、もう1基も砲撃で損傷したため急遽ミサイルによる攻撃を実施。しかし、それらも全て迎撃され、逃してしまったとのことです。」

 

 タツヤの報告を聞いていたムネノリは段々と怒りに満ちた表情へと変えていき…

 

ムネノリ「汚しやがって…」

 

 と、一言呟く。

 

タツヤ「…ムネノリ様?」

 

 ムネノリのあまりの表情の変化の激しさにタツヤがご機嫌を伺うと彼はタツヤへ向けて話し続ける。

 

ムネノリ「…分からんか? 今の我の心情を…」

 

ムネノリ「この我が神聖なる王国海軍の歴代国王の名を冠した艦に強引に横付けしたとは… 敵が如何に野蛮な連中であることを表しておる。これは即ち、この世界で名だたる我が神聖日本王国海軍を虚仮にし、愚弄したのも当然だ!」

 

 ムネノリは切歯扼腕の表情で、ワインの入ったグラスをテーブルへ叩きつけながら声を荒げる。

 

ムネノリ「これ程までに我々を愚弄し、蹂躙し続ける奴らに生きる資格はない。今こそ、我が神聖日本王国が誇る王国軍、そして我が神聖なる王国が建造した大型潜水巡洋艦と編成した「神聖なる艦隊」を差し向けて聖なる裁きを受けさせ、我等を愚弄し続けるとどんな末路を辿ることになるのか教えてやる…!」

 

ムネノリ「タツヤよ、直様王国軍へ大型潜水巡洋艦と艦隊の派遣を命じろ。」

 

タツヤ「ははっ、畏まりました。軍務補佐へも伝えておきましょう。」

 

 タツヤはムネノリへと礼をして、ラウンジから足早に出ていく。

 

ムネノリ「日本国め… この我が貴様らに神聖なる罰を… この我が神聖日本王国を蹂躙し続けた代償を払わせてやる…」

 

ムネノリ「こうなれば軍人だけでなく、平民共にもその聖なる罰を与えてやろうか… 如何に貴様らの軍人どもが野蛮な土人共だということを教えてやろう…」

 

 ムネノリは怒りの余り、国防軍のみならず日本国の国民にも危害を加えてやろうと企んでいた…

 

 

 その頃、タツヤはラウンジから離れた廊下で王国軍へ連絡をしていた。

 

参謀長「分かった。我が王国軍としても、我がムネオ派や神聖なる自由を引っ張るムネノリ様のご期待に応えようと思う。」

 

 参謀長はそう答え、王国海軍長官へ大型潜水巡洋艦と「神聖なる艦隊」の派遣を命じた。

 

 それも国王のセイジには一切伝えるな、という御触書も付いており、王国軍やムネオ派、神聖なる自由が自身らの矜持をかけて日本国への闘いを挑もうとしていた。

 

 

 

……………………

 

 

 

 その頃、セイジとナカサワは…

 

「王様。此方をご覧ください。これが我が王国海軍兵器産業廠が設計した次世代艦艇の設計概要と模型です。」

 

 セイジがハラダや王国軍には極秘で建造を命じた次世代の艦艇の設計概要と模型の視察のため、王国海軍兵器産業廠を訪れていた。

 

「…では、順に説明させていただきます。まず名称でございますが、此方が『次世代打撃巡洋艦』、隣の小型のものが『次世代打撃駆逐艦』となっております。隣の航空母艦と潜水航空巡洋艦は後で説明させていただきます。」

 

「王様の御要望通りまず排水量を現在より大幅に減少し、16000〜18000トンを目指します。全長は約200m、全幅約25m、吃水約7.9m。駆逐艦の方が全長約190m、全幅20m、吃水7.0mです。」

 

「次に戦闘システムですが、従来の戦闘システムを刷新し、レーダーシステムや戦闘システムを統合した新たな戦闘統合システム「スヴァリン統合戦闘システム」を搭載。其方の概要はまず、視程距離1800kmの艦載レーダー「KSR-1」と「KSR-1R」で目標を捕捉。それを戦闘司令室から発展した艦艇戦闘司令室「Ship's Combat Center」、通称「SCC」により戦闘情報を整理し、ミサイルを選定。前後150セルずつのVLSから発射します。」

 

「艦砲ではレールガンを2基艦載させます。レールガンは現在の150口径200mmを維持しますが、再設計を施した戦術レールガンを艦載します。そこへ新たに30mmの電磁ガトリング砲を艦載。打撃巡洋艦にも戦術レールガンを2基艦載させますが、余裕のある排水量と全長を活かして縦に並べます。」

 

セイジ「超電磁レールキャノンは?」

 

「レールキャノンは排水量と全長の関係で今回は廃止とさせていただきました。」

 

ナカサワ「レールガンでも十二分の攻撃力を有しておりますからね。」

 

セイジ「レールキャノンは戦艦時代の名残のようなものだからな。」

 

セイジ「ありがとう。では説明の続きを頼む。」

 

「…はい。近接戦闘の面ではTPLSを搭載し、30mm電磁対空機関砲「オーディン」で敵ミサイルを迎撃。それに加えて30連装の艦対空・艦対艦ミサイル発射システム「フレイ」でも攻撃が可能です。」

 

「対潜戦でも刷新し、対潜ミサイル「ネプチューン」と魚雷「ポセイドン」を搭載。魚雷を迎撃する魚雷も併せて搭載します。」

 

「電子戦では戦術電子妨害装置を搭載。凡ゆる敵ミサイルや魚雷、艦艇に威力を発揮します。」

 

「装甲では我が王国海軍兵器産業廠が研究開発を重ねた新たな素材で作られております。またステルス性も考慮し全ての船体や兵装にレーダー波を吸収する工夫も凝らしております。」

 

「…以上が打撃巡洋艦と打撃駆逐艦の説明でございますが、何かご質問は?」

 

セイジ「設計から就役までどれくらいかかる?」

 

「既に設計に取り込んでおりますので、就役までは概ね3年と考えております。」

 

ナカサワ「何隻くらい建造する予定ですか?」

 

「まずはネームシップの2隻を建造し、その次にそれぞれ5隻を建造いたします。」

 

「新たに海軍兵器産業廠の建造ドックを王国軍やムネオ派には極秘で王国全土に建てましたので、ご安心を。」

 

セイジ「分かった。王国軍の予算を減らしたとはいえ、これまでに素晴らしい艦艇を設計できる其方らには非常に感謝している。このまま開発と建造を進めてこの王国を新たな時代へと進めていこうではないか。」

 

「はっ!王様のこのお言葉、恩に着せます。これからも我が王国海軍兵器産業廠一同、国王に忠誠を誓い、共に仕事を進めて参ります!」

 

セイジ「ありがとう。では、次の空母と潜水艦の説明を頼む。」

 

「はい。まず、こちらの空母でございますが…」

 

 王国海軍兵器産業廠の設計スタッフは空母と潜水艦の説明をする。

 

 航空母艦は排水量100000トン、全長約300m、全幅約110m、吃水約9.5m。

飛行甲板はアングルド・デッキを採用し、4基の電磁カタパルトを搭載。

 

 着艦時のアレスティングワイヤーも電磁式を採用し、効率よく着艦を行うことが可能になるという。

 

 艦載機はKFA-10とKFA-10SMをそれぞれ30機、戦術ヘリコプター「ヘラクレス」を20機艦載可能。

 

 レーダーや戦闘統合システムは打撃巡洋艦や打撃駆逐艦と共通し、艦隊&個艦防空の面でもVLSや対空機関砲の搭載など、非常に手厚い仕様になっている。

 

 潜水航空巡洋艦は満水排水量最大約700000トン、全長約410m、全幅約115m、吃水約8.2m。

 

 潜水艦としての特徴はステルス性を考慮して船殻材にチタンを多用するなどし、最大潜航700mを目標にしているという。

 

 空母としての航空戦力はKFA-10とKFA-10SM、そして無人戦闘機のKFU-11をそれぞれ10機格納可能。

 

 電磁カタパルトにより、1分間に90機の射出が可能になった他、艦載機とのデータリンクによって、よりスマートに戦闘を行うことが可能になった。

 

 巡洋艦としての水上打撃能力はトリマラン式の船体の左右弦に戦術レールガンを1基ずつ艦載。

 

 また、艦首にももう1基艦載し、盤石な艦砲射撃が可能になった他、試験運用の面でカタパルトがある艦首がせりあがり展開する180口径700mmレールキャノンを搭載。

 

 レールキャノンのコアを保護するように装甲が厚くなっており、砲弾自体にもレーダーやシーカーを搭載することで、超遠距離からのアウトレンジ攻撃が可能になった。

 

 VLSも50セルが4基搭載され、対空&対艦&対潜と柔軟に任務を行えるようになり、対空機関砲も8基搭載。

 

 何も先にネームシップを建造し、年に2隻のペースで建造していくという。

 

 最終的には打撃巡洋艦は大型巡洋艦を、打撃駆逐艦は大型フリゲートを、航空母艦は「ムネオ・トモチカ級大型航空母艦」を入れ替えていき、潜水航空巡洋艦はそれらを補完するものになる。

 

 設計スタッフから全ての説明を聞いては質問し、腑に落ちたセイジはこれらの艦艇が今後の王国を守るものになると確信していた…

 

 

 セイジとナカサワ、ムネオ派擁する王国軍と神聖なる自由……それぞれが極秘で事を進めていた神聖日本王国を混沌とした空気に包まれる状況にあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日…

 

 

 王国はいつもと変わらぬ朝を迎え、セイジは朝の日差しを浴びながら目を覚ます。

 

 コンコンコンコン…

 

ナカサワ「王様、王様。おはようございます。」

 

セイジ「…あぁ、ナカサワか。どうした?」

 

ナカサワ「王様、只今メイドがご朝食の準備をしておりますので、ダイニングでお待ちください。」

 

セイジ「ありがとう。では、余も向かおう。」

 

 セイジは部屋を出て王族が待っているダイニングへと向かう。

 

セイジ「皆、おはよう。」

 

財務補佐「王様、おはようございます。」

 

内務補佐「おはようございます。」

 

運輸補佐「おはようございます、王様。」

 

トモカ「あなた、おはよう。」

 

 補佐や王妃のトモカ、王子のセイタや王女のアヤネが挨拶し、朝食を待つ。

 

ナカサワ「王様。一つご報告がありまして…」

 

セイジ「どうした?」

 

ナカサワ「軍務補佐ですが、私用があると言って、今朝、王宮を出て行かれまして…」

 

ナカサワ「なんでも、親族へ顔を見せにいくと言われておりました…」

 

セイジ「そうか。補佐の中には王家の従兄弟や傍系の親族もいるから、普段からなかなか顔を出しには行き辛いからな。まあ、いいだろう。」

 

ナカサワ「そうでございますが… 私… なんと言いましょうか… 言葉にできない疑問が湧いておりまして…」

 

セイジ「…疑問? なんだそれは?」

 

ナカサワ「…あ、いえ… 私の杞憂でございます。王様はいつもと変わらず政を務めてください。」

 

 ナカサワが『杞憂』だと言っていたハラダの行動。

 それは正しくナカサワの不安が的中していた。

 

 ハラダは参謀長や王国軍ムネオ派、神聖なる自由のムネノリやタツヤと共に「神聖なる艦隊」と大型潜水巡洋艦の出撃式へと参加していたのだ。

 

 周囲を鉄条網や鉄壁が覆い、その上から超高解像度の監視カメラや暗視カメラ、サーモグラフィーカメラが睨みを利かす東京湾基地では出撃式が幕を開けていた。

王国軍の演奏隊による豪勢な演奏の中、神聖日本王国国歌が歌われ、参謀長や軍務補佐、神聖なる艦隊の艦隊司令官が壇上に立ち、日本国への怨讐や対決姿勢を顕にしていた。

 

 そして、神聖なる艦隊のクルーらがそれぞれの艦艇に乗り込み、参謀長の命令により大型潜水巡洋艦と神聖なる艦隊は東京湾基地を出港。

 

タツヤ「結果が楽しみですな、ムネノリ様。」

 

ムネノリ「フッ… これが我が王国軍の総力を上げた結晶だ。我が聖なる神聖日本王国を蹂躙し続けた日本国の蛮族共に目の物見せてやろう…」

 

 ムネノリは出港していく艦隊や潜水艦を見届けるとタツヤが開けたコーチドアから車内へ乗り込み、ロールスロイスは東京湾基地を出て行った…

 

 

 

 





日本国へ刃を突き付けた「神聖なる自由」と次世代艦艇開発を指示したセイジ…
王国のカオスっぷりが伺えます…


如何でしたか?
今回も楽しんでいただけたでしょうか?

遂に日本国へ大型潜水巡洋艦と神聖なる艦隊を差し向けた「神聖なる自由」。
そしてその出撃式に軍務補佐のハラダが出席してたという…
ここでもハラダが暗躍してることがよくわかります。

ちなみに「神聖なる自由」そのものは国王セイジも把握してるものの、その組織実態についてはなかなか掴めてない設定にしてます。

その他、セイジが建造を指示した次世代艦艇は此方の世界でいうイージス艦やNATO諸国のPAAMSとNAAWS搭載艦に酷似してたり、航空母艦はアメリカ海軍の原子力空母を、潜水航空巡洋艦はエースコンバット7に出てくる「アリコーン」をベースにしてます。

長文失礼しましたが、次回もお楽しみに。

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