日本VS日本   作:もちうさ

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随分とお待たせしてしまいました(大汗)
今回で日本国国防海軍VS神聖なる自由の戦闘回ラストです。






第23話「彼等の野望が潰える時」

 

 

 大型潜水巡洋艦は…

 

副長「これだけ敵艦からの攻撃に晒されているのにまだ我が艦は沈まない…」

 

艦隊「そうだ。それこそ神聖日本王国の技術力の高さ、そして、我がムネオ派やムネノリ様擁する神聖なる自由が誇る大型潜水巡洋艦そのものなのだ。」

 

《こちら戦闘司令室。艦長、極超音速徹甲炸裂焼夷爆薬弾ではありませんが、同じ特殊広域打撃制圧弾である特殊徹甲炸裂弾ならあります。》

 

艦長「…よし。装填次第、直様砲撃を再開しろ。」

 

《了解。》

 

 大型潜水巡洋艦の超電磁レールキャノンに特殊徹甲炸裂弾が装填されて…

 

《装填完了!》

 

副長「目標、敵艦隊。小型艦艇。」

 

艦長「…よし!」

 

《ハイドロジェンバッテリーへの電力供給… 50%… 80%… 90%…100%…》

 

《電力供給完了!》

 

艦長「…敵艦隊、小型艦艇へ砲身を向けよ!」

 

 冷却と電力供給を終えた超電磁レールキャノンは第1水上打撃群の多目的フリゲート「くまの」へと狙いを定めた。

 

CIC「敵巨大潜水艦。多目的フリゲート「くまの」への砲撃の兆候あり!」

 

久保田「…艦長よりCICへ。敵巨大潜水艦の巨大主砲のコアへ砲撃せよ。」

 

井上「了解。味方艦への攻撃を企図する動きは封じ込めます。」

 

 イージス艦「おおなみ」は大型潜水巡洋艦の超電磁レールキャノンのコアへと砲身を向けて…

 

艦長「主砲、撃ち方始め!」

 

 5インチ電磁レールガンは大型潜水巡洋艦の超電磁レールキャノンへと火を噴いた。

 

 

 

 その頃…

 

 

副長「我が艦が聖なる裁きを下し、葬ってやる!」

 

艦長「超電磁レールキャノン、放て!」

 

 艦長の命令で戦闘司令室にいたクルーが超電磁レールキャノンの引き金を引こうとした刹那…

 

 

 

 大型潜水巡洋艦をこれまでになく激しい衝撃が襲いかかった。

 

 

 

副長「…な、な、何なんだ!」

 

艦長「戦闘司令室! 今の衝撃は何だ!」

 

《エラーエラー!! 超電磁レールキャノン、やられました!》

 

艦長「何…!?」

 

 イージス艦「おおなみ」が放ったHVPは見事に大型潜水巡洋艦の超電磁レールキャノンのコアへと命中。

 コアを撃ち抜かれた大型潜水巡洋艦は今まで溜め続けた電力が逃げ場を求めて、一斉にレールキャノン付近から爆発。

 

副長「艦長! この衝撃は… 艦体が破断します!」

 

艦長「日本国め… この神聖なる神聖日本王国を愚弄し、蹂躙した代償を… 我等が誇る大型潜水巡洋艦を… ムネノリ様の願いを踏み捻ったこの仇を… 必ずや返してやる!!」

 

 艦長が呻き声を上げながら副長やクルーらと共にけたたましく警報音が鳴り響く艦内で最期を迎える中、大型潜水巡洋艦「トモノリ・トモチカ」は再度、超電磁レールキャノンから衝撃波を伴いながら激しく大爆発を起こして艦体が破断し轟沈。

 

井上「敵巨大潜水艦の撃沈を確認。レーダー反応が途絶えました。」

 

 CICからの井上の報告が上がると、第1水上打撃群の全クルーは喜びと共にそっと胸を撫で下ろす。

 

井上「…まずは1隻。仕留めましたね。」

 

久保田「あぁ、あの敵巨大潜水艦はかなり危険なものだったからな。我々が食い止めなければ、今頃東京は焼け野原になっていただろう…」

 

瀬川「こちらイージス巡洋艦艦長の瀬川だ。久保田海軍大佐、もう一つの敵艦隊も壊滅間際です。」

 

久保田「ああ、まだ仕事は終わっていない。再び我が第1水上打撃群は2隻のイージス艦への攻撃支援を実施する。」

 

瀬川「了解。」

 

 その頃、生き残っていた3隻のうち、大型フリゲートが沈んだ神聖なる艦隊は…

 

艦隊司令官「大型潜水巡洋艦が沈んだ…」

 

副長「左様でございます。敵による超電磁レールキャノンへの致命弾により王国へ帰れることもなく、そのまま日本国の深海へと…」

 

《こうなれば、自分たちだけでも生きて母なる王国へ撤退した方が…》

 

《何を言っている!? 我々の任務はムネノリ様のご期待やご要望に添えるまで。敵艦を壊滅し、奴等の首都を焦土化するのが本来の我等の任務だったはずだ!》

 

《しかし、現に我が神聖なる艦隊は2隻だけ…! 味方の大型潜水巡洋艦は深海へと身を沈んだ…! このままではムネオ派やムネノリ様擁する神聖なる自由の名誉にも傷がつく!》

 

 大型潜水巡洋艦が沈んだことで本来の任務を果たすことが不可能になったことで、そのまま戦闘するか白旗を立てて撤退するか、神聖なる艦隊では真っ二つに意見が分かれ、膠着していた。

 

副長「艦隊司令官… 貴殿のご意見を賜りたい… 私はそれに従うおつもりです…」

 

 副長が艦隊司令官へと向くと…

 

艦隊司令官「…私の使命は神聖なる神聖日本王国のため… そして、ムネオ派やムネノリ様擁する神聖なる自由のために敵艦を殲滅し、敵国の首都、東京を焦土化する。それが我々に与えられた任務だが、同時に貴君らを無事に神聖なる王国へ帰すのも私に与えられた使命なのだ…」

 

副長「艦隊司令官…」

 

 大型航空巡洋艦の艦橋では、国防海軍へ向けていた矛を収めて撤退する雰囲気になり…

 

艦隊司令官「…聞こえるか。こちら神聖なる艦隊司令部艦隊司令官。現時刻をもって、敵艦への攻撃を中止し撤退する。」

 

 艦隊司令官が生き残った艦艇へ通信を送る。

 

艦隊司令官「よし、撤退だ。軍艦旗を下ろして白旗を掲げろ。」

 

 艦隊司令官の命令で艦橋へ掲げられていた軍艦旗を下ろして白旗を上げるよう命令した刹那…

 

《命令なんてクソ喰らえ! 我等がムネノリ様の願いを叶えるのだ!》

 

 大型巡洋艦「ハヤト・トモチカ」の一部のクルーが艦隊司令官の命令に叛き、イージス艦への攻撃を再開。

 

艦隊司令官「おい! やめろ!」

 

 艦隊司令官が大型巡洋艦へ大声で無線機のマイクへ戦闘中止を訴えるも…

 イージス艦「けらま」と「はるな」から発射されたトマホーク Block5aの致命弾を受けてあえなく撃沈。

 

 そして…

 

川瀬「旗艦と思しき艦も危険な存在だ。また応援を呼ばれる恐れもある。」

 

薗田「また日本国へ刃を突きつけるかもしれないしな。」

 

川瀬「日本国国民を護るのが俺たちの任務であり使命だ。最後まで攻撃を続行するぞ。」

 

 川瀬は艦橋から冷静に、しかし冷徹な目つきで大型航空巡洋艦を見つめる。

 

CIC「目標、敵艦隊旗艦。」

 

「目標の座標を確認。」 

 

「SM-6、撃て!」

 

 イージス艦「けらま」からSM-6が発射。

 SM-6が大型航空巡洋艦へ飛翔する中、艦橋にいた艦隊司令官は…

 

艦隊司令官「神聖なる王国よ… ムネノリ様よ… そして、我が家族よ… 申し訳なかった… この不甲斐ない私を… どうか… 許してくれ…」

 

 艦隊司令官が艦橋で祈りや懺悔をする中、SM-6は大型航空巡洋艦へと着弾。

 致命弾は左舷の艦載機エレベーターを通過し、内部で爆発したSM-6だった。

 そしてそのまま何機かのKFA-10や燃料、弾薬を誘爆させ、激しく大爆発。

 

 大型航空巡洋艦は衝撃波を伴いながら激しく大爆発し他の艦が沈んだ排他的経済水域の海中へと沈んでいった…

 

CIC「敵巨大潜水艦並びに敵艦隊の全艦の撃沈を確認。レーダー反応も途絶えました。」

 

 CICからの報告が川瀬や薗田のいた艦橋や、他のイージス艦へと上がると全ての作戦に当たったクルー達から自身らを讃えるかのように歓喜と拍手喝采に包まれた。

 

薗田「敵艦撃沈だ。川瀬、お疲れさん。」

 

川瀬「薗田もありがとな。初めてバディを組んだが中々の頭脳明晰ぶりだったぞ。」

 

薗田「なぁに、空軍仕込みの勘が冴え渡ったのさ。川瀬もなかなかのキレっぷりだったぞ。」

 

 2人は艦橋で肩を組み合って笑顔を見せる。

 

 

 「けらま」と共に初の戦果を得たイージス戦略ミサイル駆逐艦「はるな」では…

 

隅田「作戦終了。艦長、お疲れ様でした。」

 

大嶋「隅田君もお疲れ様であった。今日は本艦が就役して初の戦果を得た、貴重な瞬間を貴君らと共に見届けられたことを誇りに思う。」

 

隅田「敵巨大潜水艦による東京への砲撃も阻止できましたしね。」

 

大嶋「あれは本当に肝を冷やした。改めて次世代のイージス艦を建造してくれたことを…第1水上打撃群を編成してくれたことへ感謝を伝えたい…」

 

 

 

 第1水上打撃群は…

 

井上「皆、お疲れ。」

 

「お疲れ様でした。」

 

「今回の任務はかなりハードでしたね。」

 

井上「今回は変に動悸がしたな。今も全然落ち着かないし。早く陸へ帰りたいよ。」

 

久保田「イージス艦「おおなみ」艦長、久保田より編成艦の全クルーへ。…皆、今回の任務達成おめでとう。」

 

 久保田から第1水上打撃群を編成する全ての艦のクルーへ任務達成を讃える通信が入ると、再び艦内が拍手喝采に包まれた。

 

川瀬「…さてと、そのまま生きて帰るか。」

 

川瀬「こちら、イージス艦「けらま」の川瀬だ。今回の作戦に参加した全艦艇へ、現時刻をもって敵巨大潜水艦と敵艦隊に対する特殊作戦の成功と完了を伝える。これより横須賀へ帰港する。」

 

 川瀬により特殊作戦任務達成と完了が宣言され、全艦艇はそのまま母港の横須賀へと帰港して行った…

 

 

 

 

 

 ムネオ派が大主流である王国軍、そして神聖なる自由が建造した大型潜水巡洋艦「トモノリ・トモチカ」と神聖なる艦隊が日本国国防海軍との戦闘により、排他的経済水域の深海へと沈んでいった…

 

 

 その報告は神聖日本王国、とりわけ王国軍や神聖なる自由にとっては余りにも衝撃的なものであり、ムネオ派や神聖なる自由の間では動揺が走っていた。

 

 ーーもちろん、離宮で報告を聞いたムネノリも…

 

タツヤ「ムネノリ様。ご報告がございます。」

 

ムネノリ「タツヤか。我に報告とは… フッ、アレのことか。」

 

タツヤ「左様でございます。ムネオ派とムネノリ様擁する神聖なる自由が派遣した大型潜水巡洋艦と神聖なる艦隊の戦闘結果をお伝えに参りました。」

 

ムネノリ「ふむ… ならば聞かせてもらおう。」

 

 ムネノリはワインの入ったグラスを回しながら余裕そうな表情で「フン」と高らかに笑う。

 

 それは即ち、我が建造を命じた大型潜水巡洋艦と神聖なる艦隊は日本国の小舟共を壊滅し、忌々しい日本国の首都、東京を焼け野原にして蛮族共に聖なる裁きを与えたのも当然だと言いたげなものだった。

 

 しかし、タツヤの報告はそれらとは180度違うものだった。

 

タツヤ「ご報告でございますが… わ、我が王国軍と神聖なる自由が派遣した大型潜水巡洋艦「トモノリ・トモチカ」と大型航空巡洋艦を旗艦とする神聖なる艦隊は… て、敵との戦闘の結果…全艦、海の藻屑と相成りました…」

 

 タツヤが言葉を詰まらせながら報告すると、ムネノリは先程の表情を凍らせ、驚愕した。

 

ムネノリ「…な、何!? 我が大型潜水巡洋艦と神聖なる艦隊が沈んだだと!?」

 

タツヤ「…左様でございます。既に軍務補佐や王国軍にも報告済みであり、現在王国軍で被害状況を調査中でございます。」

 

ムネノリ「…な、ならば… 日本国の首都、東京を焦土化する作戦は?」

 

タツヤ「申し訳ありません。その作戦も敵艦隊に阻まれて失敗に終わりました。」

 

ムネノリ「何故だ…? 何故失敗に終わった!!」

 

タツヤ「ははっ、戦闘記録によりますと大型潜水巡洋艦が超電磁レールキャノンを東京へと発砲しようとした瞬間、敵艦の応援部隊により損傷。安全装置が作動し発砲が出来なくなりました。」

 

ムネノリ「……」

 

タツヤ「安全装置が解除され、再度東京への砲撃を再開しましたが、敵艦隊が砲弾を迎撃。最後の砲弾を敵艦隊目掛けて発砲しましたが、それらも迎撃された、とのことです。」

 

ムネノリ「タツヤよ… 報告を聞いてる我は夢でも見ているのか?」

 

タツヤ「夢ではござません。現実に起こったことでございます。」

 

ムネノリ「それで敵艦や敵艦隊に我等の潜水艦や艦隊を愚弄され、蹂躙されて沈められたというのか?」

 

タツヤ「詳細なデータはございますが、概ねムネノリ様のご理解で間違いございません。」

 

ムネノリ「タツヤよ、お前は今回の結果を聞いて一つ気付かんのか?」

 

タツヤ「…一つ、でございますと?」

 

ムネノリ「我が建造を命じた大型潜水巡洋艦と神聖なる艦隊の壊滅、そして日本国の首都、東京を焼け野原にし軍人共や平民共に聖罰を処するという我の願い…それを邪魔され、奴等に愚弄された挙句に蹂躙されたのだ。それは即ち、ムネオ派や我等が神聖なる自由の自尊心に傷を付けたのも当然だ!」

 

ムネノリ「クッ… おのれ… 我が神聖なる自由が総力を上げて建造した大型潜水巡洋艦と神聖なる艦隊を海の藻屑と化しやがって…」

 

 ムネノリは切歯扼腕の表情を見せて…

 

ムネノリ「日本国め… このまま勝ったつもりでいられると思うなよ… この我等に対する愚弄と蹂躙は、必ずや聖なる裁きとして下してやる!!」

 

ムネノリ「勝つのは我等が神聖なる神聖日本王国なのだ!不浄な蛮族共に負けてたまるかぁぁ!!」

 

 ムネノリは大声を荒げてワインの入ったグラスを強化ガラス製のテーブルへと叩きつけた。

 

 

 

………………………

 

 

 

その頃、とある別荘では…

 

?「ん…こ、ここは…」

 

ナカサワ「おや、目が覚めたようですね。」

 

?「あ、貴方は… 最側近殿…」

 

?「わ、私は… 今、どこにいるのだ… 私はムネオ派やムネノリ様擁する神聖なる自由により、日本国へ出撃し…」

 

ナカサワ「今貴方がいらっしゃるのは神聖日本王国のとある別荘でございます。東京湾基地から1隻の非常用戦闘艇が見えたので、哨戒艦を出して救出に当たらせたのです。」

 

?「私を… 助けてくれたのか?」

 

ナカサワ「左様でございます。貴方のお名前は… 確か… 「コウタ・ミサキ」殿でお間違いありませんか?」

 

ミサキ「そうだ… 私はムネオ派であり、ムネノリ様擁する神聖なる自由の「コウタ・ミサキ」だ。」

 

ーーそう。別荘へ搬送され、ベッドで寝かせられていたのは日本国国防海軍により沈められた「神聖なる艦隊」の艦隊司令官「コウタ・ミサキ」である。

 

ミサキ「あの時、私は… 敵艦からのミサイル攻撃を受けてしばらく経った後、艦隊司令部の皆と共に非常用戦闘艇があるドックへと向かった… 既に沈みゆく艦の中、何とか戦闘艇へ乗り込み、艦から脱出した…」

 

ミサキ「…!? ほ、他の者たちは?」

 

ナカサワ「ご安心ください。他の艦隊幹部の皆様も別の別荘へ搬送しております。しかし、皆様が生きて帰ってきたことが彼等に知れ渡ると大変なことになります故、しばらく海軍から離れ、此方で生活した方がいいのではないかと…」

 

ミサキ「そうだな… 最側近殿のお言葉に甘えて、そうさせてもらおう。」

 

ミサキ「聞いてくれ… 自分は今はムネオ派、そしてムネノリ様擁する神聖なる自由の身であるが、彼等がこの王国を掌握するのは不可能に近いと考えている。世界に誇る偉大で聖なる強国を作ること。それが彼等の目的なのだが、彼等にはそれを成し得るのに非常に大切な一つのピースが足りないのだ… それを見つけられない限り、権力を握り強国への歩を進めていくのは危険だ…」

 

ナカサワ「そうでございましたか…畏まりました。王様へもそうお伝えしておきましょう。」

 

 コウタは自身や艦隊幹部の命が助かったことに安堵の溜息をつき、そして自身が所属していたムネオ派並びにムネノリ率いる神聖なる自由が神聖日本王国を掌握するのは危険だと悟り、そこからの脱却を志していた…

 

 

 





大型潜水巡洋艦と神聖なる艦隊、ムネノリの野望と共に日本国の深海へと沈む…


如何でしたか?
今回も投稿もかなりお待たせしてしまい、本当にすみませんでした…

さて、今回で神聖なる自由の潜水艦と艦隊が沈むんだことで、完全に頭にきているムネノリは今後どう動くのか…

次回もお楽しみに。

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