今回で第2章ラストです。
と、同時に男は警備兵に勢いよく突進されたことで身体ごと吹っ飛ばされ、警備兵諸共地面へと倒れる。
突然の銃声に会場の空気は騒然とし、ゲストたちは恐怖や不安の声と共に一気に動揺が走る。
警備兵「…皆様!! 落ち着いてください!! 只今、銃による発砲がございましたが、警備兵により制圧しましたので、警備兵の指示に従い可及的速やかに会場から避難してください!!」
ゲスト達は警備兵の指示に従い、会場から離れていく。
海外の政府要人や王族、貴族へも英語でアナウンスがされて専属の警護や兵士らと共に避難していった。
その頃、銃声が止み、身を伏せていたセイジとナカサワは辺りを見回す。
セイジ「…っ!? い、今のは、何だったんだ…」
ナカサワ「…お、王様!! 王様!! ご無事ですか!! お怪我はありませんか!?」
セイジ「あぁ… 俺は無事だ… 彼が身体を挺して守ってくれたからな…」
ナカサワ「な、なんと…!!」
セイジを銃弾から守ったのは、1人の警備兵ーー男がCz75を発砲する前から追っていたカツヤだった。
カツヤ「痛って… 王様… ご無事でございますか?」
セイジ「俺は大丈夫だ! そ、其方は…自分の身体を挺してまで…」
カツヤ「大丈夫でございます… この下に防弾チョッキを付けておりますので… しかし、この銃弾は特大サイズのもの… なかなか、痛いものでございます…」
カツヤ「予てより、あの男を追っていたのです。あの人間は我が王宮警備兵にはいない…」
カツヤが指を指した先にいたのは警備兵により制圧された聖罰人だった。
警備兵2「お前何者だ!! 何故国王へ銃口を向けたのだ!!」
?「クソッ… 貴様らのような邪魔者がいなければ…」
その様子を見たセイジは…
セイジ「何と… 彼は一体何者なんだ…」
カツヤ「恐らくは王様への怨讐を誓い、命を狙っていた過激派やテロリストの可能性が…」
セイジ「過激派… テロリスト… ま、まさか…」
トモカ「…あ、あなた!! あなた!!」
アヤネ「お父さん、大丈夫!? 怪我はない?」
警備兵により護られ、セイジの身を案じた家族が駆け寄ってきた。
セイジ「…あぁ、大丈夫だ。ナカサワや警備兵がいち早く気づいてくれたからな。彼等の働きがなければ今頃俺は…」
セイジ「それより皆は大丈夫か? 銃の発砲音や戦闘とは一切関係のない平和な環境で過ごしているから、心身共にショックがあると思うが…」
トモカ「…いいえ、私たちは大丈夫。それよりもあなたのことが気になって…本当に無事でよかった…」
男は警備兵により拘束され、その後到着した王国特殊警察により身柄を渡された。
タツヤ「ムネノリ様。彼が王国特殊警察に連れて行かれてしまいました… セイジへ聖罰を処する作戦は頓挫です…」
ムネノリ「クソッ… 一連の計画は失敗か… だが、貴様を王位から追放し、我が王位を継承することは必ずや成功させてやる… 全ては我が父上と兄のため… そして、ムネオ派や我等が神聖なる自由のため… 父上、兄上、見ていてください… この王国はこのムネノリが必ずや正常な道へと引き戻し、聖なる強国へと歩を進めてみせます…」
タツヤ「ムネノリ様、そろそろ離宮へ戻らねばなりません。」
ムネノリ「そうだな。では、離宮へ戻ろう…」
ムネノリはタツヤと共にその場を去った…
………………………
その頃、並行世界の日本国。
首都の東京にある首相官邸では…
コンコンコンコン…
補佐官「失礼します。」
首相がいた執務室へ首相補佐官が入ってきた。
補佐官「首相。国防省と国防海軍からの報告書をお待ちしました。」
補佐官は首相のテーブルの上へ数十枚に亘る書類を複数枚ずつ並べる。
首相「…これが、今回あったとされる一連の戦闘の資料か…」
首相は書類を一枚ずつ見ていく。
そこには、横須賀基地所属のイージス艦「けらま」が国籍不明の艦艇と会敵し戦闘を行ったこと、そして汎用フリゲートのクルーが敵艦艇に人質にとられ、「けらま」が救出に向かったこと。
そして、大型の潜水艦と艦隊を相手に複数の海軍艦艇が戦闘を行い、全艦撃沈したこと… などが書かれてあった。
首相「戦略イージス艦「はるな」は就役したての艦じゃないか。それがここまで戦果を上げるとはな… イージス艦「けらま」も単艦でよくぞここまで頑張ってくれたものだ。」
首相「それに自分が正式配備を命じた第1水上打撃群も大きな戦果を…」
補佐官「以前の大規模艦隊に続き2度目の戦果を得ましたね。」
首相「…それよりも重大事項はこれだ。潜水艦が巨大主砲を用いて我が国首都、東京を焦土化しようとしていた… と書かれてある。つまり、気づかない間に我々は命を狙われていたことになる。これは国家安全保障の面では実に重大な懸案である。」
首相は大きな写真が写っていた1枚の書類を見ながら話す。
そこには、神聖なる自由所属の大型潜水巡洋艦が超電磁レールキャノンの砲身を東京へ向けて砲撃しようとする姿と、第1水上打撃群の艦艇から見た大型潜水巡洋艦の姿が写っていた。
首相「潜水艦でありながら巡洋艦のような打撃能力をも持つ… このような艦艇は我が国やアメリカ、そして他のどの国にもない特殊なものだ。第1水上打撃群が迎撃に成功したとあるが、彼等の活躍が無ければ我々は既に…」
補佐官「…ええ。元々は刻一刻と変化する情勢に合わせて建造されましたが、それが敵艦にも充分通用したという点では大変評価できるのでは?」
首相「そうだな。…加えて敵艦が東京を焦土化しようと画策していたのは紛れもない事実だ。それが今回失敗したとするならば、次はその報復として大規模な攻撃を仕掛けてくる恐れもある。…よし、これより国家安全保障会議を開催する。全ての閣僚と今回の戦闘に参加した国防海軍のクルーらを呼んでくれ。」
補佐官「分かりました!」
補佐官は首相へ礼をすると足早に執務室を後にする。
首相「…何がなんでも我が国と国民を護らなければ…」
時の首相「大和田和真」はスーツの襟を正して執務室を後にし、国家安全保障会議が開かれる国家安全保障局へと向かった。
…………………………
その頃、横須賀基地では…
川瀬は第2ブリーフィングルームの外にある廊下で地元である佐世保基地へと転属していた田中と久しぶりに電話をしていた。
川瀬「…そっちはどうだ?」
田中「いつも通り仕事してるよ。うちの基地でもイージス艦「けらま」や第1水上打撃群… あと、あの新しいイージス艦… あぁ… 「はるな」ってのが、国籍不明の艦艇を相手に沈めたって話題になってるよ。」
田中「あとは新たにイージス艦「させぼ」や複数のイージス艦で編成される「第2水上打撃群」編成の話も出てきて…しばらくは休みはなさそうだな。」
川瀬「その分たっぷりボーナスでも弾んでくれりゃ、仕事になるんだがな。」
田中「なんだよ、あの戦闘の後も仕事してるってのか?」
川瀬「少しは休ませてくれって基地司令部にお伺いを立てたんだが、今はもうちょっと頑張ってくれって言われてな。」
田中との電話を楽しむ川瀬。
そこへ…
薗田「よぉ、電話中失礼するぞ。」
川瀬「…ちょっと失礼する。薗田、どうした?」
薗田「基地司令部からの通達だ。首相が国家安全保障会議を開催するに当たって、今回の戦闘に参加した俺たちも全員参加してくれってさ。」
川瀬「首相官邸か… 分かった。」
薗田「田中、電話中失礼したな。うちの所は、いつもこんな感じで毎日てんこ盛りさ。」
田中「それはどこの基地も一緒だろ。首相が待ってるんだから早く行ってやれ。」
川瀬「あぁ、田中。久しぶりに声が聞けて楽しかったぞ。それじゃ、またな。」
川瀬はグラファイトのiPhone13 ProMaxでかけていた電話を切ると青迷彩の作業着のポケットへと入れて…
川瀬「さてと、首相官邸へ向かうか。」
薗田「あぁ。」
2人は「けらま」の他のクルーや第1水上打撃群と戦略イージス艦「はるな」のクルーらと共に用意されたクルマに乗り込み、首相官邸へと向かった…
今回で第2章は終了し、いよいよ最終章(早っww)の第3章が始まります。
皆さん、第1章に続き第2章も読んでいただきありがとうございました。
第3章は現在鋭意執筆中なので、いつ投稿できるか分かりませんが…
目処が経ち次第、順次投稿していきますのでしばらくお待ちくださいm(__)m