時系列的にはVol.2 一章〜Vol.3 一章の間くらい
「カット!カメラさんちょっと見せて…………問題ないね。それではこれにて
「「お疲れさまでした~!!」」
スタジオでは新作短編映画「ブルーアーカイブ」の撮影を終えたところだった。現在のキヴォトスでは空前の映画ブームが巻き起こっており、連日新しい映画の完成披露試写会がニュースを騒がせている。そこで、シャーレも広報活動の一環として「いままでにシャーレが行ってきた活動を短編映画としてまとめる」ことで、より身近に感じて貰おうと『先生』が監督したのである。
そもそも、キヴォトスに住む大多数の生徒はシャーレを「連邦生徒会のなんか良くわからないけど活躍してる凄い組織」としか認識していない。多少興味がある人であれば「連邦生徒会直属の特別な組織」と知っているが、その活躍はあまり知られていない。そのため、具体的に何が凄いのかと聞かれても分からず、一様にして首をかしげるといった状態が続いていた。
これに困るのはシャーレである。様々な学園都市の自治区出身者から構成される連邦生徒会の議員たちは、その交遊関係の大部分を元の自治区に依存している。つまりキヴォトス学園都市内での十分な理解が得られていないと、巡り巡ってシャーレの予算が削られることに繋がるのである。
最初は予算について楽観視していた先生も、ミレニアムサイエンススクールのセミナーで会計担当の『早瀬ユウカ』に指摘されてからはそうもいかなくなってしまった。何せ、シャーレの予算の増減はそのまま先生の懐に入る額に直結している。予算の減額は先生の生命線を削ることになる。
先生は、シャーレに所属する生徒たちへアイスを奢ったり、ご飯を奢ったり、スイーツを奢ったり………なんていうことを繰り返して、毎月懐が素寒貧になっている。買う予定だった限定フィギュアを泣く泣く諦めるということも何度もあった。このまま予算が削られ、生徒に大盤振る舞いを続けていては、またコッペパン生活になることは想像に難くない。 ただでさえ不健康生活でギリギリなのにも関わらず、栄養不足となれば倒れるのは必須。生徒に心配をかけないためにも、どうにかしなければならなかった。
ただ、「生徒に奢るのを辞めます」とはならなかった。先生は生徒に頼りにされてこそであると考えていたし、生徒にいい顔をしたい大人であった。そこで、あくまでシャーレの活動を円滑に進めるためのアイデアとして様々な意見を募ることを考えついた。結果として先生が選んだのが「シャーレの活躍を知って貰うために映画を作り、給料の増額を目指す」ということだったのである。なお他の意見としては「先生を攻略する恋愛シミュレーションゲームを作ろう!次のミレニアムプライス大賞間違いなしだよ!」「先生によるASMRなんてどうでしょうか?最近盗聴、いえ録音が捗っていなくて」などがある。少々、いやかなり個性的な意見が飛び出したが、先生はそのことごとくを採用しなかった。先生にもプライベートがある。流石にすべてを赤裸々にするわけには行かなかった。
映画も、全てがノンフィクションというわけでもなかった。『黒服』との対決や実在企業の『カイザーコーポレーション』などは近しいパロディ存在に置き換え、物語として違和感のない程度には修正されている。また脚本を生徒に任せたのもあり、かなり先生が美化された存在になっており、先生は「美化されすぎでは」と思っていた。
そうして出来上がった短編映画「ブルーアーカイブ」は、異例の大ヒットを記録。歴代興行収入ランキングに名を連ねることとなり、その盛り上がりを危惧した連邦生徒会から少なくない小言を貰うことになってしまった。ただ、先生は満面の笑みで説教されていたという。
書き終わって気づいたけどミレニアムって動かしやすい生徒多いね。
ぶつ切りになってるから後で書き直すかも。