二次創作PSO2NGS~寝過ぎ家の日常~(。-ω-)zzz 作:寝過ぎナイト
はいっ!大遅刻☆
すみませんでした!!!!!!!!!!!!!!
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そこそこの年齢を重ねていると人間だれしも恐らく何度か遭遇するいわゆる修羅場?という危機的状況を経験おありでしょうか?
お恥ずかしながら俺も何度か経験済みでありまして、特に俺は人に対して慰めるという行為が非常に苦手であります。
相手が自分に対し負い目を感じてしまい、もう今までのような関係でいられなくなってしまったらもう最悪です。
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PM22:00
中央エアリオ~ハルファナ平原西~
整備士は傷ついた頬や背中の痛みに耐えつつ消えかけた残り火に薪を焼べ、
あぐらをかきつつこれから如何するか一人思案していた。
「(まさかジャンクレイダーと勘違いしていたとは...」
「(まぁ、このぐらいの怪我ならなんてことないか」
おそるおそるケガをした頬を指先でちょんちょんと触るとすっかり血も固まり
燻っていた残り火が徐々に燃え上がり暗く肌寒かった洞窟に暖かな光が辺りを照らす。
顔を上げると向かいにすすり泣き塞ぎ込んだ相棒の姿が見える
髪は乱れ指先は乾いた血に濡れ引き攣った嗚咽が聞える、
その姿はあまりにも痛々しい
どう言葉をかけてよいものなのか、整備士は顔を上げたり伏せたりしながら悩んだ
「(おいおいおい...ナイトめっちゃ泣いてるんだけどっ!?どうするよっ!?
もぉぉぉぉぉ慰めるとかいう気の利いた行為苦手なんだよぅっ!!!!!」
すっかり燃え尽き炭になった木を手慰みに薪で崩しながら整備士はため息をついた。
「まぁ、何だ...お互い無事だったし良かったんじゃ、無いですかね...」
ようやく絞り出した言葉を投げかけるが。
「.........良く、無いです」
「あ、そ、そっか...ははっ」
即座に切り捨てられてがくりと項垂れる整備士。
会話終了!僅か5秒!早いっ!
相棒の取り付く島もない態度に意気消沈していると、ナイトは悲哀に歪む顔を上げてと掠れた声で一言った。
「こんなはずじゃなかったのに...」
そういうと再び塞ぎ込んでしまった。
その様子にどうしたもんかと頭を掻いた。
手慰みにしていた薪を焚火に放り込むと整備士はゆっくりと語りかけた。
「そういえば、前にも似たようなことあったっけ...」
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~数年前~
セントラルシティ 整備工場第1作業所
あの頃の俺はまだまだ駆け出しの見習い整備士だった。
手先が不器用に加えて慣れない仕事でついつい居眠りし過ぎて
周りからは寝過ぎて笑われていたっけ
アークスになり損なって路頭を迷いながら必死に辿り着いた整備士の腕も並以下で半端者の俺
笑われても当然かと、まぁそんな俺でも人生の転機が来たんだ。
その日も汗だくになりながら必死に作業していると親方が突然怒鳴り声を上げてたんだ。
その声で同僚たちは遠巻きで様子を見ていた。
俺は驚いて思わず工具を足に落としちまった。
副工場長で親方の奥さんは親方に呆れて声をかけていた。
「父ちゃんどうしたの?社員さんビックリしてるわよ?」
「父ちゃんじゃねぇ!親方だ!」
「はいはい、親方いったい何があったの?」
親方はまだ怒りが収まらないのかプルプル震えながら話し始めた。
それは技術研の依頼であった。
その内容はというと生きている人体の生体フォトンコアを未調整のキャストに移植し、
無人機として遠隔操作で戦わせるようにするための被験者の依頼だったそうだ。
毎年死亡、重負傷による前線離脱者のアークス増加傾向に伴い、
新たなアークスの補充の為フォトン適性が基準値以下の非戦闘員のアークス化と前線離脱した負傷兵の前線復帰を狙ったプロジェクトらしい
「そんなうまい話があるわけねぇだろうがよっ!それにこれは人として種族として一線を越えちまってるっ!」
親方は吐き捨てるようにそう言った。
今だから言えるが確かに狂っているようなプロジェクトだったかもな。
でもこの頃の俺はアークスになれるという事実にしか耳に入ってこなかった。
「まったく、こんなふざけた依頼は却下だ却下っ!おめぇら!仕事に戻れ!!」
親方の怒声に蜘蛛の子を散らすように俺たちは作業に戻った。
それからはいつも通りの日だった。
すっかり日も暮れて仕事が終わり続々と同僚達が退勤していく様子を見ながら
俺は黙々と荷物の搬入作業をしていた。
雑用係はもう慣れている。
「はぁ、これで終わりっと...」
首尾よく荷物を運び終えた俺は伝票を打ち込むために事務所に向かった。
薄暗い事務所には誰もおらず静まり返っていた。
俺は備え付けの端末から伝票を打ち込んだ。
ようやく今日の仕事が終わった俺は端末を落とそうとした時、
ふと今日の出来事を思い出していた。
「そういえばあの依頼メッセージまだあるかな...」
メッセージボックスにアクセスしたがご丁寧にメッセージ欄から削除されていた...
「まぁ、そうだよなぁ...でも、親方の事だから、あぁやっぱりあった」
データゴミ箱から漁ると完全消去されていない件の依頼メッセージがあった。
俺は即座に自分の端末に依頼メッセージを送った。
用事も終えて立ち上がろうとした時、ぱっと明かりが灯された。
「何してんだ寝過ぎ、薄暗くして明かりくらい付けろよ」
今一番会いたくない、よりにもよって親方だった。
俺は冷や汗をかいた。
「あ、ははっお疲れ様です親方(なんてタイミングだよ」
「ん?まだ仕事か?」
端末を覗き込もうとした親方に俺は慌てて伝票を見せて事情を話した。
「も、もう少ししたら終わりますんで!」
「そうか、俺はもう上がるから鍵頼むぞ?」
親方は上着を羽織ると事務所を出て行った。
俺は深いため息をついて椅子にもたれ掛かった。
「はぁ、どっと疲れた...俺ももう帰ろう」
ふらふらした足取りで更衣室に向かうと作業着を無造作に脱ぎ捨てクリーニング籠に放り込んだ。
ロッカーの鏡を見るとくたびれた自分の顔が写り思わず自嘲した。
「疲れた顔してんなぁ俺...」
工場の戸締りをして思わず伸びをした。
「あぁ~疲れた!今日も頑張った!おなか減った!!」
セントラルシティ カフェ
馴染みのカフェを訪れると丁度繁盛してる時間であったがカウンターが空いていたので何とか席を確保することが出来た。
俺はメニューを見ずに決まった軽食を頼んだ。
・合成穀物から作られたブレッドにモォベルのスライスチーズを乗せたトースト
・スパイスハーブが効いたパットのグリル
・エアリオフルーツミックスオレ
これが俺のお決まりのメニューである
料理が届く間に俺は端末に送信したメッセージを確認した。
簡潔に説明すると
1、親方から聞いた内容
2、1の為の被験者の提供および謝礼金等々
3、詳しい日程
「へ~謝礼金10万メセタかぁ...新しい端末に買い替えようかな」
思わぬ臨時収入のチャンスに俺はわくわくしながら当日の事を考えた。
「でも当日、仕事なんだよなぁ...休むか?...ん~む」
「は~いお待ちどうさまです~」
どうにか仕事を休むための理由を考えていると注文した料理が運ばれてきた。
「まずは、食うか食ってから考えよ」
俺は両手を合わせ言った。
「いただきます」
備え付けの使い捨てお絞りで手を拭いて熱々のトーストに手を伸ばす。
トーストを半分に千切るとチーズがトロリと伸びる。
チーズが落ちないように器用に口に運ぶ。
ザクザクと歯切りが良いトーストの食感とチーズの塩味の効いたまろやかな味わいに思わずうんうんと頷いてしまう。
半分ほど食べたトーストにジャムを塗る。
ここのカフェはトーストを頼むと無料で日替わりジャムが付いてくるのだ。
「今日はピッチかいいねぇ」
エアルピッチのジャムはさっぱりとしたコクと甘味が特徴的な味わいだ。
先ほどのチーズトーストにさっぱりとした口当たりが追いかけてくる。
これならいくらでも食べれそうだ。
口が幸せになってきたところでカップに注がれた乳白色のドリンクを手に取る。
ドリンクには南国を思わせる薄紅色の花びらが添えてある。
「んぐんぐっ、ふぃ~今日はバナンかツイてるな」
エアリオフルーツミックスオレは朝獲りしたモォベルから絞ったミルクと日替わりで変わるエアリオ産フルーツをミックスしたドリンクである
深いコクのある新鮮なミルクとバナンの程よい酸味がマッチして素晴らしい味わいだ。
「さてさて、お楽しみのメインだ」
厚く切られた皮付きのパットの切り身にたっぷりと塗られた香草やスパイス香りに思わず喉が鳴る。
ナイフを身に押し当てるとわずかな手応えと共にすんなりと切り分けられた。
切った断面からは肉汁と火の通った白い肉が見える。
「あぐ、あふあふっ」
皮付きのパットの肉は皮の塩味とさっぱりとした肉身とブレンドされた香草スパイスが合わさり思わず天を仰いだ。
「あぁ、旨いなぁ」
その様子に周りからくすくすと笑う声が聞こえる。
美味しいのだから仕方ない。
残りのグリルをトーストに挟んで食べる。
行儀の悪いがこれが一番おいしいと思うのだ。
残しておいたドリンクでトーストを流し込んだ俺は両手を合わせて言った。
「ごちそうさまでした」
料金を支払い空を眺めながら俺は岐路に着いた。
色々考えるつもりだったがお腹が満たされ考えが定まらない故に仕方ない。
セントラルシティ 集合居住地裏
「ただいまっと...」
自宅に着いた俺は集合居住地の玄関、ではなく裏手にある掘っ建て小屋に入った。
身寄りのなかった俺は居住地に住めるほどの経済力が無いのでここに住んでいる。
元々は物置小屋だったんだが使われなくなっていた所を当時の大家さんのご厚意で格安の家賃で住まわせて貰っているのだ。
ちなみに家賃月2万メセタ
パイプベッドと小型冷蔵庫、衣装ケースといった生活最低限の物しか置いてない。
備え付きの照明を付けて俺は冷蔵庫から水を取り出し一口呷る。
「はぁ、流石にねむぃ...もうねよ」
灯りを小さくすると薄暗い部屋になった。
ハンガーに服をかけ、下着のままベッドに倒れこむ。
空腹を満たされ程よい疲労感と共に俺は泥のように寝た。
「あっ、もしもしおはようございます。はい実は体調不良で今日休ませてください。はい現場1の○○です」
翌朝俺はあれこれ考えた末、職場に体調不良を訴え2~3日休むことにした。
「おはようございます~あら、寝過ぎ君?あらそう、分かったわゆっくり休んでね?」
幸い、俺の仕事事情を知っている上司や同僚達には不審に思われず休暇を頂けた。
嘘をついてるようで心苦しかったが仕方ない。
「さて準備は出来た、後はやるだけだ」
俺はハンガーから服を取り出し帽子を被る。
ウエストポーチに財布や端末、水筒を入れて小屋から出た。
「うわぁ、いい天気だなぁ」
外は雲一つのない快晴の青空だ。
吹き抜ける風は素晴らしく心地よい、散歩して昼寝するにはもってこいな日和である。
「よし、行くか!」
俺は両手で自分の顔を叩くと街頭に飛び出した。
セントラルシティ 先端技術研究所
技術研に着くと綺麗なお姉さんの受付嬢に待合室へ案内され、女性慣れしていない俺はどぎまぎしつつ後を着いていった。
待合室は小窓が4つほどありそこからは植えられた木々や花々が見える。
一面白い部屋には長テーブルとパイプ椅子が数個ある。
そこに2人の男女が座っていた。
どうやら俺以外にも被験者がいるようだ。
片耳を欠け顔に大きな火傷跡がある体格のいいデューマンの男、よく見れば右足は義足を付けている
車椅子に座っている小柄のニューマンの少女、よく見れば両目に包帯が巻かれている。
「では、お時間が来ましたら担当の職員が呼びに来ますのでこちらのナンバープレートを携帯してください。」
受付のお姉さんは一人ひとりに数字が書かれた青く薄い板を渡していった。
「お水や簡単な軽食もありますのでお好きに召し上がってください」
丁寧にお辞儀をして受付のお姉さんは待合室を出て行ってしまった。
待機している間沈黙が小部屋を包む。
じっと見ているのも失礼と感じ俺は手ごろな椅子に腰を下ろした。
俺は手持ち無沙汰に端末を用もなく見たり弄ったりしていると少女が透き通るような声で話しかけてきた。
「あの...貴方もどこか欠けているのですか?」
少女の問いに俺は上手く答えられなかった。
「え~と...その、欠けてる?」
俺が答えあぐねていると今まで沈黙していた男性が声を上げた。
「坊主無理に答えなくてもいい...レーナあまり人を困らせるんじゃない」
「ガルドさん...私別に困らせてるつもりはないです!」
少女はむっとしたような声色でガルドに返答した。
ガルドと呼ばれた男は立ち上がると小部屋の小窓を開き懐から煙草を取り出し一服するとこちらに振り返り答えた。
「ここに集まったという事は皆それぞれ事情があって来た...だろう?」
男の返答に少女はうんうんと頷いた。
「俺は見ての通り負傷兵でな、10年前に前線を離脱して後輩達のサポートに回っていたんだが、後輩達に先立たれてしまってな人手不足を解消するため上層部から復帰する様に指令が下ってここに来たわけさ。」
ここまで話すとガルドは紫煙の息を小窓の外に吐き出した。
「むっ!ガルドさん!ここ禁煙ですよ!」
レーナは眉をへの字に曲げてぷりぷり怒っていた。
「大丈夫だ、煙は外に出してるしお前に煙が行かないように気を遣ってるぞ」
「もー!そういう問題じゃないです!」
ガルドはレーナをあしらう様に一服を続けていた。
俺は端末をポケットにしまうと用意してあったパック入りのゼリーを一つ手に取るとおもむろに口を付けた。
ビニールのような臭いとかすかに柑橘系の味がする。
あまりの異様な味と臭いに俺は自前の水筒の水で口の中をゆすぐ様に飲んだ。
俺の様子にガルドさんは笑っていた。
「まずいだろそれ」
「え、えぇまぁ...」
「軍用食の一種で栄養は取れるがまずくてな人気ないんだよそれ」
「え、何か食べてるんですか?私も私も!」
「「やめたほうがいい」」
ゼリーをせがむレーナを俺とガルドさんは制した。
それからしばらくしていると研究者の1人が入室してきた。
「NO.1レーナ様お時間です。」
レーナは待ってましたと言わんばかりに明るい声を上げ研究者に車椅子を押されて待合室から退出した。
「あの子、目が見えないんじゃなかったのか?」
俺はその様子にどうも不思議に思った。
そんな俺の声に気がついたのかガルドさんはこちらを振り向き答えた。
「坊主、レーナが気になるか?」
「え、えぇまぁ...」
「あんまり気持ちのいい話じゃないけどな」
ガルドは吸殻を携帯灰皿に収めるとゆっくりと話し始めた。
「あの子は、レーナは俺の親友の忘れ形見でな...」
今回紹介した食材の詳細は公式Wikiで閲覧できますので気になった方は是非是非見て行ってくださいな!