二次創作PSO2NGS~寝過ぎ家の日常~(。-ω-)zzz   作:寝過ぎナイト

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今回はガルドさんの回想回になります!
あんまり進んでないですw
気にするな!(自問自答


エアリオ編その11

セントラルシティ  先端技術研究所 待合室

 

「え?忘れ、形見?」

ガルドが発した言葉に俺は言葉を失った。

「あぁ、そうだ」

ガルドは太く荒れた指で顎をひと撫ですると事の経緯を話し始めた。

「坊主さっき俺が任務中の怪我で前線を離脱したのは覚えてるな?」

「え、えぇまぁ」

俺は先刻ガルドさんがここに来た理由を思い出した。

そうだ、彼は任務中怪我をして後輩に前線を任せ、自身は後方支援に回っていたと言っていた。

「そ、その後輩って...」

俺はそこまで口にすると

「あぁ、ザック...レーナの父親だ」

 

 

中央エアリオ マグナス麓周辺PM13:30 

もう数十年前の話だ 。

当時の俺は前線にてドールズ共を殲滅することに躍起になっていた。

元々俺は素行が悪く、チンピラあがりの不良でな

周りの奴らに文句を言われることのなくムカつくやつをぶちのめす為にアークスになったんだ。

幸い俺は初陣にもかかわらず大した怪我もなく戦果を上げていたんだ。

 

気分が良かった。

 

ドールズ共をぶちのめす度に街では俺を毛嫌いしてる奴らも掌を返す如く俺を褒めたたえていた。

それに戦果を上げるほど俺の部下は徐々に増えていった。

そしていつの間にか部隊の隊長まで上り詰めたんだ。

まさに華々しい黄金期だった。

 

しかし、あの日起こった大規模のエアリオ防衛戦線が俺の全てを変えたんだ。

 

「大規模防衛戦線...?」

俺はその単語にピンと来ないでいるとガルドさんは笑っていた。

「ははっ、まぁその時はまだ坊主が生まれてないかもしくは赤ん坊の頃の出来事だろうからな」

「かなり大規模の戦闘でな、セントラル専属のアークスだけでなくエアリオタウンのガロアも参加していたんだ」

「あのガロアさんもっ!?」

いきなり有名なアークスが出てきて俺は思わず声を上げた。

先の大型ドールズの襲撃によって現在行方不明になっているエアリオタウンの筆頭ガロア

西エアリオ海岸を拠点とし海から侵略するドールズ達を抑えていた精鋭たちが募るエアリオタウン

しかし、現在は見るも無残な廃墟と化している。

 

「ガロアや他精鋭アークス達はネクスエアリオとドンパチやっている陰で俺の部隊は残存勢力の露払いが主な任務だった...そう大したことのない楽な任務の筈だった...」

そこまで話すとガルドさんは懐から鈍い銀色の平たいボトルを取り出し蓋を開けると一口呷った。

はぁ、と熱い息を吐きだすガルド。

「悪いな坊主シラフで話すにはちとしんどい話だからな」

ガルドさんはすまなそうにウインクした。

 

あの時のドールズ達はいつもの無秩序の動きではなく妙に理性的に動いていてな。

歴戦の名のあるアークス達と人為的に分離されていた状況で、指揮系統が十分に統率されていなくて新米や中堅といったアークス達は、孤立し囲まれことごとく殺られていったんだ。

凄惨な戦場だった...

あまりの光景に半狂乱になった新米は背中から刺し貫かれ、

助けに向かった仲間も頭を吹き飛ばされ、

衛生兵は千切れかけた仲間の手足をくっつけようと狂ったように叫んでいた。

無論俺の部隊も例外ではなかった。

俺は単身一人で戦うのは危険だと悟って出来るだけ部下と固まって行動していたんだ。

 

「おい!手前らっ!死にたくねぇなら絶対に離れんなよ!」

「「了解です!隊長!!」」

 

あの片腕のドールズと対峙するまでは...

 

「なんだ?あいつ体が急にブレて...」

陽動兵のヘンリーは瞬く間に首を刎ねられた。

陽気でお調子者で妙にウマが合う奴だった...

 

「ヘンリー!?くそくそくそ!!なんなんだてめっ....」

砲撃手のベケッドはすれ違い様に腰から寸断され胴体が生き別れとなった...

まじめで融通が効かなかったが、うまい酒を一緒に飲み明かした仲だった...

 

「ベケッド!隊長!退きゃ...」

参謀のキュリーは脳天から串刺しにされた...

チンピラ同然の俺に臆さず真っすぐ向き合ってくれたいい女だった...

「ヘンリー!ベケッド!キュリー!テメェこの野郎ふざけやがって!!!!」

 

激昂する俺に片腕の奴は構えもせずにこちらを見ていた。

「相手にする気もないってか?ムカつく野郎だ!!!」

俺はフォトンをソードに込めると片腕の奴に飛び掛かり振り下ろした。

「あ、え...」

渾身の力を込めた刀身は受け流された。

「シィィイイッッ!!!!!!!!!!!!」

カチ上げるように振り上げる、だが後ろに飛びのき斬撃を放たれる。

「かはっ!?」

俺は咄嗟にソードを盾にするがあまりの衝撃に吹き飛ばされる。

受け身が十分に取れなかったせいか視界が暗く歪む。

片腕のドールズは異形の刃をしまいゆっくりと近づいてくる。

「(駄目だ...マジで強ぇ...殺されるちまう...」

肩が震え、呼吸が止まる...絶望的な恐怖が体を支配する

 

「っけんな...」

仲間の無残な死に悲しみが怒りに変わる。

「まだまだぁっ!!!!!」

俺は腰のホルスターからハンドガンを取り出し奴目掛けて発砲しながら突撃した。

片腕のドールズは避けることもなく受け止める、

しかし硬質な皮膚に弾丸は弾かれるように逸れていく。

やがて弾丸が尽きた俺はサバイバルナイフで肉薄するが、

やつの伸縮する腕に顔を掴まれ地面に叩きつけられた。

「が、は、ァ”ァ”ァ”ァ”」

ガルドは力尽きかける前の虫の様に藻掻き苦しんでいた。

そして片腕のドールズはガルドを見下ろすようにこちら一瞥すると

何時の間に手にしていたのだろうか、ガルドのソードをうつ伏せに倒れているガルドの右足目掛けて突き刺し地面に磔にした。

「ぐあぁあぁあああああああああああっ!!」

片腕の奴は激痛に悲鳴を上げる俺に興味を無くしたのかその場を去っていきやがった。

 

「くそ、くそおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

ガルドの叫び声に反応したのか、

ドールズの先兵がこちらに気が付きガルドを囲み弄ぶ様に滅多打ちにした。

 

「くそ、ぐぁっ!?てめっ!?がっ!?まてっ!?死っ!?」

ドールズに嬲られ焼かれズタボロされてあまりの苦痛と恐怖で俺はついに意識を手放した。

もういっそ一思い殺してくれとその時は本気で思ったよ。

 

 

セントラルシティ メディカルセンター 集会フロア

 

目を覚ますとメディカルセンターの集会フロアに寝かされていた。

重症患者が後を絶たず病室に空きが足りないらしく、まるで魚市の様に患者が鮨詰めにされていた。

戦場に漂う死臭にも似た異様な臭いと薬品の臭いが混じって混沌としていた。

 

意識が戻ったことを近くにいた職員が気が付くとこちらに向かって怒鳴り声のように話しかけてきた

「目が覚めましたか!所属と名前は言えますか!」

「だ、第...6、小隊...ガルド、少尉...だ」

俺はまだ麻酔が切れていないのかたどたどしく答えた。

「ガルド少尉ですね!今先生を呼びます!」

職員は携帯端末を操作するとホログラムを投影した。

 

「ガルド少尉、ご無事でなによりです」

そこには映っていたのは赤い眼鏡をかけた若い女医だった。

いつもだったら気の利いた口説き文句でも漏らしていたが流石に今はその気にもならない

「御託は、いっいぃ、俺は、どうなった?まだ戦え、るか?」

女医はこちらを見つめ、覚悟を決めたように答えた。

「頭部全体に中度の火傷、右耳の欠損、

特に重度破損により壊死した右足の切除により前線復帰は絶望的ですガルド少尉」

「そ、うか、そうだよ、なぁ、そう、なっちまったよなぁ...」

女医の返答に俺は分かっていた様に答えた。

「ガルド少尉右足の感覚はありますか?」

「いいや、だが、痛覚はある...」

「幻肢痛ですね。少尉の脳は失った右足がまだあると勘違いしている状況です。

義足をこちらで用意しますのでリハビリを受けていただきます」

「そうか、世話になる...」

俺はもうこれ以上聞くのをやめて再び眠りに着いた。

そこからは医者の案内で3年程リハビリを受け、何とか日常生活を送れる程度には回復した。

しかし、失った片耳と右足、顔に残った火傷痕は元に戻ることが無かった。

 

 

 

「具合はどうガルド?」

女医の問いに俺は軽い口調で返した。

「アンタとデートするぐらいは回復したぜ」

「その調子なら平気そうね」

何故か彼女は3年付きっきりでリハビリを付き合ってくれた。

お互いの胸の内を明かし合い、酒を飲み明かし、時には男女の夜も共にした

「世話になったなマリベル、俺には勿体ない位程いい女だったぜ」

俺は彼女の手を握り感謝を伝えた。

彼女は俺の言葉に頷き俺の頬に手を添えるとそっと口づけした。

「きっとこのお尻が恋しくなるわよ?死なないでねガルド...」

お互いそういい放つとそれ以上話すことなくガルドとマリベルはお互いの居場所に戻るのであった。

 

俺は右足の義足を引きずるように上層部に向かったんだ。

これからの処遇を決めるために。

 

まぁ結論から言って俺は上層部によって戦力外通告として前線から外された。

そして新たに後方支援の任務に従事するよう辞令が下った。

当たり前だわな、部下を全員殉職させ自身も前線復帰絶望的...

上も無駄飯喰らいは要らんという事だろうな。

戦闘任務は一切無い、物資の運搬、配給その他諸々...

とてもアークスの仕事とは思えないものばかりだった。

華々しく輝いていた黄金期が過ぎ去り、後に残ったのは諸行無常だ。

 

それからは毎日毎日、無気力に仕事をこなし酒で気を紛らわせては酔いつぶれる毎日を送っていた。

その日もつまらない任務を片付け安酒のボトルを片手に広場のベンチに腰掛けた。

夜の間はここには誰も来やしない。

独りになるには良いところなんだぜ。

アッポウの蒸留酒を一口呷る甘い香りと濃厚な味わいが口に広がり強烈な強い熱が喉を通る。

頭に霞がかかったようにふんわりしてくる。

 

「こんなところで独りで晩酌ですか?まったくいい御身分ですね?」

酔いに任せてベンチに横になろうとした時、鋭い声を掛けられた。

俺は構わずベンチに横になりながら声がしたほうにムッとして答える。

 

「別にいいだろ、俺はもう前線をから降ろされたんだほっとけよ”ザック”」

 

ザックと呼ばれた青年はこちらに近づくとまだ中身が残っているボトルを取り上げた。

俺は堪らず起き上がり声を荒げた

「おいっ!安酒といえど俺の酒だぞ!返せ!」

俺の声に反応せず青年は呆れて答えた

「まったく、いくら自暴自棄になってるとはいえこんな安酒でみっともない」

俺はふんっと鼻息を鳴らすとボトルを引っ手繰った。

「ほっとけ、いいんだよ俺にはお似合いなんだよ...」

俺はザックに吐き捨てるように言い放った。

ザックはため息を吐くと俺の隣に腰を下ろし静かに話した。

 

「ガルドさん...いえ、隊長」

「違う、俺はもう隊長じゃない」

 

俺の返答を無視する様にザックは続けた。

「奴を、片腕のドールズの討伐に協力してもらいませんか?」

「なにっ,,,!?」

俺の脳裏にあの時の記憶が巡る

俺を地の底に落とした忌々しい奴

片腕のドールズ

ザックは俺の反応を見て答えた。

「気になりますか?」

「別に...」

すっかり酔っぱらっていた頭が急速に冷えていく

「3年前突如起こった大規模防衛戦線にて”多数の特1型脅威個体”ドールズの襲来により現役アークスが大勢失われてしまいました。」

知っている...俺は足を失い、部下を失った...何もかも失った,,,

「ガルドさんが遭遇した片腕のドールズ思わしき個体...

調査中のアークスによって現在北エアリオにて目撃情報がありました」

 

ザックは携帯通信端末を操作し俺に見せた

「そして、セントラル上層部は奴を“特2型脅威個体”片腕の剣客ブジンと名称しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




~TIPS~
・特1型脅威個体は1体で都市に甚大な被害が及ぶ恐れがある生物全般を指す
 緊急クエストのボスエネミーと想像して下さい

・アッポウのリキュール・・・1本1000メセタ
熟れたアッポウの身を豪快に漬け込んだリキュール
甘く濃厚な香りが堪らない、安くて労働者の友である
まぁ、おいしく呑めればそれでいいのだ

参考元ネタ、ベレンツェンアップルバーボン(ドイツ産)
バーボンなので甘すぎなくて美味しいです(*‘ω‘ *)b!



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