二次創作PSO2NGS~寝過ぎ家の日常~(。-ω-)zzz   作:寝過ぎナイト

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当分の間は毎週日曜日更新とさせてもらいます
無理なく続けるのが一番ですので(ノ´∀`*)タハー



エアリオ編その5

PM14:00

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

「………ん~」

時刻はお昼過ぎ、木陰から心地よい木漏れ日が射し込み生物であれば堪らず安らかな微睡みに堕ちるであろう。

「うん?………ん~?」

目的鉱石資源である"フォトンクォーツ"は主に岸壁周辺で目撃されている情報があることを思い出したナイトはその一帯を虱潰しするが不思議と見当たらない…

 

おかしい…訝しげに頭を傾げると…

「キュッ?」

ナイトのすぐ後ろに着いて来ているラッピィが不思議そうに此方を見上げた。

「何でも無いですよ?…って言っても伝わりませんよね。」

ラッピィの眉間を指の腹で撫でながらナイトは微笑んだ。

気持ち良さそうに目を細めるラッピィは一声鳴いた。

そんな時…「ぐぎゅるる~」とお腹が鳴る音が聞こえた。

あぁっ…とようやくラッピィの様子を察したナイトはエアルアッポゥが実る木に近付くと器用に果実にアンカーを撃ち込み実をそのままもぎ取ってしまった。

「キュッ!キュキュ♪」

待ってましたっ!とラッピィは歓喜の声を上げて跳び跳ねた。

「キュキュ!キュー!!」

はやくちょうだいっ!と言わんばかりにナイトに詰め寄るラッピィ。しかしナイトはまだ駄目と手で遮った。

「キュ…(´・ω・`)」

あからさまの落胆にナイトは苦笑いすると簡易キャンプ用品から鉄串を取り出すと実を串刺しにしてバーナーで実を炙り始めた。するとエアルアッポゥの赤い表皮が小豆色へと変色していった。

「ん~っと、そろそろですねぇ」

頃合いかと思い実からバーナーを放し、まだ熱を帯びている皮をゆっくりと剥き始めた。

「あちちっ!確かギャザ子ちゃんに教わったんでしたっけ…懐かしいですね…」

 

 

~数年前~

「お~つまりエアルアッポゥは地方によって実の特性が違っていて、また調理法も違うんだよ…お~?もういいかな?さっ焼けたよ!」

ギャザ子は串に刺したこちらに手渡しながら答えた。

「良い香りですねぇ…このまま食べるのですか?」

「お~?確かに甘い香りがして美味しそうだけど皮は食用じゃないから剥かなきゃ食べられないよ?」

「何と…それはまた」

甘く蕩けるような甘美な香りなのに残念…

そんなナイトの様子を見てギャザ子は続けて言った。

「まぁ食用じゃないけど香料に使われたりしてるからまんまゴミでは無いけどね」

ギャザ子は手慣れた手付きでエアルアッポゥの皮を剥くと真っ赤に染まった手のひらサイズのボール状の果肉を取り出した。余分な皮を剥がされた実は深紅に染まる宝石のように輝いていた。

「はぁ綺麗ですねぇ~それにしても過食部はずいぶん小振りなんですねぇ…σ(^_^;)」

実をまじまじと眺めたナイトは不思議そうに呟いた。

そんなナイトを尻目にギャザ子はあ~んっと赤い果実を口に放り込むと目を瞑りながらんむんむっと咀嚼し始めた。

「原生生物はこんな食べ方は知らないんでしょうねぇ…」

ごくんっとギャザ子は果実を嚥下すると答えた。

「げふっ…それが火を知った人の知恵…果肉は小振りだけどその分栄養も豊富。熱を加えると柔らかくて美味しいから知っておいて損はない」

「覚えときますよ」

そう言い放しナイトは果肉を口に放り込むんだ。

プリプリとした柔らかな食感とグミのような確かな弾力に驚き、果肉を噛み締めると甘い果汁が口いっぱいに広がり蕩けるような甘い香りが鼻孔を突き抜け何とも言えない高揚感が襲ってくるようだった。

想像を越えた味にナイトは思わずうっとりと表情を弛ませてしまう。

「ちなみに雌の個体は雄を誘い込むために皮ごと食べる。皮にはフェロモン物質が蓄積してて熟すとさらに香りが強くなる…

熱帯時期に入ると実が熟すからその時期に此処に来ると繁殖期と重なってあっちこっちから甘い香りと盛ってる鳴き声が聴こえるよ…」

炙って剥いた皮を手早くマグに回収させつつギャザ子は答えた。

「はぁ~なるほど…さしずめハニートラップ!ってやつですねぇ(。-∀-)b」

「上手いっ!でも一つだけ忠告…

"炙り終わった皮は必ず冷める前にマグに回収させてね?"

でないと皮に蓄積されたフェロモンが放出されて雄の個体が寄って来ちゃうから……」

 

 

 

PM14:30

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

「よ~しこんな所ですね…良く待てましたね♪」

皮を剥き終わった果肉はあの日見た深紅に染まった宝石

の様だった。

「キュキュ!キュッ!キュキュッッーー!!」

待ちに待ったエアルアッポゥに我慢の限界であったラッピィはナイトの手から串を引ったくると実を口啄み始めた。

「キュキュ!キュ~♪」

予想を越えた旨さにラッピィは目を細めながら歓喜に小躍りしている様子を見て妹のギャザ子の様だとナイトは堪らず微笑んだ。仕事で此処まで来る羽目になってしまったがなんかかんや良い物を見れたとナイトは満足げな表情だった。

さて、片付けるかと立ち上がった時、突如獣の怒声が響き渡り、辺りに雷撃が放たれる。

"雷を纏うものサンダバンサー"だっ!!

本来はアルト・ラニ高原よりも標高が高い山地に身を潜めている筈なのだが…

ここで、ナイトは己の失態を察した…

妹の大事な忠告を思い出したのだ…

"炙った皮は冷める前に処分しなくてはならない"

「あぁ…そうでしたエアルアッポゥの皮は熱すると強烈なフェロモンを分泌されて冷めるとフェロモンが拡散してしまい雄の個体が誘い込むまれてしまうんでしたね…」

「あ~あ」と頭を掻きながらナイトは腰に備えた自在槍をを引き抜き構えた。

 

「キュッ!?!?!?Σ(Д゚;/)/」

ラッピィは驚きその場に縫い付けられたように身動きが取れないでいた。

「私の責任ですし責任は取りますとも…

バトルスキルリロード"ウォークライ"っ!!」

ナイトは獣の如く咆哮をサンダバンサーに浴びせ挑発した。

「Gaa!?gyxaaaaanaaa!!!!!!!!」

サンダバンサーは始めはこそは怯んでいたが挑発されたことを察し怒りの咆哮を上げた。

「それでいい…さぁっ、こっちですよっ!」

 

PM15:05

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

ナイトは高原中央に鎮座する墜落物に陣取り待ち構えたサンダバンサーの飛び掛かりを寸でのところで回避し自在槍を振り回し牽制する。

狙いは前足!まずはその機動力を奪う!!

しかし素早い身のこなしで距離を空けられ決定打が与えられない。

「やれやれ…これは簡単にはいきませんね」

ナイトは再度自在槍を握り直し駆け出した

 

PM15:30

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

「貰ったっ!」

サンダバンサーの飛び掛かりに対し当て身を使いアンカーを前足に撃ち込み蹴り抉る。

しかし、相手も負けじと長い尾を鞭のようにしならせてこちらの動きを阻害してくる。

「この動きやはり老練個体ですか…厄介な」

「Gaxxxaaannnnn!!!!!」

 

サンダバンサーは雷を纏い

円盤状の光波を放った後に突進した。

ナイトは光波を自在槍で受け流し、

身を屈み突進を避けたっ!!

しかしその動きを予測していたのかサンダバンサーは振り向き様に大きく顎を開けて暴雷風を吐き出した。

避けられないと悟ったナイトは咄嗟に自在槍を地面に刺し衝撃に備えた。瞬間凄まじい衝撃と雷撃がナイトを襲う。吹き飛ばされないように撃ち込んだアンカーは意味を成さず、背後の墜落物に激突した。

ナイトは精気の抜けた人形の如く地面に無造作に打ち付けられた…

 

視界暗転

 

 

 

 

PM15:55

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

サンダバンサーは己の体が思うように動く事とそんな己と真っ向から立ち向かう(ナイト)に歓喜していた。

 

 

いつからであったか…

己の体から命が抜けて行くことを感じていったのは…

いつからだったか…

己の妻や子供が己の元を去ってしまったのは…

 

いや…分かる…分かるとも…

己はもう…終わり逝く定め(死に逝く定め)なのだと…

であれば…当然の帰結…誰しもが必ず来るであろう定め

それが己の順番が廻ってきたということ…

 

その日も相変わらず命の抜け落ちる体を引き摺りながら無様に自分よりも下等な獣の食べ残しを貪っていると…

鼻孔をくすぐる…甘美な蜜のような香りがしたのだ…

思い出す…己がまだ若く未熟な獣であった頃に出会った

美しい毛並みの()を…

自分よりも遥かに大きく立派な牙を持つ極上の()

 

己はあれを獲るために爪を伸ばし、牙を研ぎ、獲物を喰らい縄張りの長へと登り詰めたのだ…

 

そうだ…己はまだ終わり逝くもの(死にかけ)ではない熱の鼓動(心臓)はまだ止まっていないっっ!!!

 

ならばどうする?

決まっている…

喰らうのだ極上の()をっ!!!!

走れっ!己は雌に求められているのだっ!!!!

己は歓喜し!年甲斐もなく息巻いていたが、そこにいたのは己を求める極上の()ではなく人間だったのだ。

 

失意と落胆が己を蝕むが、

それと同時に己を焼き尽くす程の激情が己を叱咤させるのだ。己を侮辱したこの人間が口惜しく堪らなかったのだ。

 

だがどうだっ!この人間は!群れることもなくただ独りで己に向かってくるではないか!さらには老いたとはいえ己の牙を掻い潜って来るではないか!何と剛毅かっ何と猛々しいことかっ!

楽しいっ!楽しいっ!!!楽しいっっ!!!!!!

 

 

先程から己を蝕んでいた終わり()の香りが薄くなってきたのを感じた。己は終わりを待つ悠久の地獄を味合わずに済むのだ…

 

命を掛けた狩りの成就こそが己の全てであるのだっ!!

さぁっ!立てっ!強き人間よっ!!!

お前の火の鼓動(心臓)はまだ止まっていないはずだっ!

爪を伸ばしっ!牙を出せっ!!!

そしてお前を狩り…

己の生涯最期の狩りを成就するっ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

一匹の老いた獣はその瞳をギラ付かせ

雷雨吹き荒れる天に向かって吠えた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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