二次創作PSO2NGS~寝過ぎ家の日常~(。-ω-)zzz   作:寝過ぎナイト

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エアリオ編その6

PM16:00

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

 

雷が大気を切り裂き、暴風が荒れ狂う

最悪な悪天候に見舞われながらナイトは吹き飛ばされた己の体を起こしてバイタルを確認した。

『機体ダメージ70%、ヘッドプロテクター破損、バイオフェイススキン一部裂傷、自在槍破損及び連結武装パルチザン使用不能、ブースター破損使用不能』

最悪な状況ね…とナイトは切り裂かれた頬を指でなぞりながら呟いた。

「キュキュ!?キューキューッッ!!」

ラッピィは慌てた様子でこちらに向かって駆け出したその際手に持っていた食べかけのエアルアッポゥを放り投げてしまった。

「キュ~!!キュ~!!」

早く逃げようよっ!と言わんとばかりにナイトの髪を嘴に咥えてぐいぐいと引っ張ろうとするが…

そんな状況にも関わらずナイトはケラケラと笑いながらラッピィの頬を指でつつく。

「大丈夫ですよ?こういう状況慣れてますから…

まぁ大丈夫じゃないですけどね…」

事態は最悪な状況であることには変わらない

自身の得物は使えず逃げようにもジェットパックは使用済み…

通りがかりのアークスに救援を求めようにもこんな僻地まで足を運ぶ者など滅多に居ない。おまけに先程の激突で発信器はお釈迦…まさに八方塞がりである

 

 

PM16:30

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

さてっとナイトはゆっくりと立ち上がるとよろよろと先程から此方を睨み付けているサンダバンシーの元に歩み始め再び相対した。

「すみませんね…随分待たせてしまって…」

 

ナイトは頬に貼り付いた髪を指で払うと拳を握りしめ構えた…

「さぁっ!R2と行きましょうかっ!!!」

「gyaooooooooon!!!!!!!!」

サンダバンシーは気にすることなく漸く立ち上がったナイトを狩るために牙を剥き雄叫びを上げた。

 

しかし、現実という物はどうしようもないほど残酷な物である…いくら虚勢を張ろうと自身の何倍を超えるであろう体重を持ち合わせている物を相手にするには戦うための武器が必要なのだ!

サンダバンシーにはそれが全てあったのだ!

爪が折れれば牙をっ!牙が折れれば尾をっ!

尾が千切れれば咆哮をっ!まさに全身が凶器っ!!

過酷な生存競争を生き残るために

必然的に備えた身を守る術っ!

そのお陰で群れの長へと成り上がり数多の狩りを成就させてきたのだ!!

そこには必然性しかあるまい

でなければ生き残れないっ!!

 

それに比べてナイトはどうだ…

命令もなければ自らの意思で戦うこともなく、

半端な思想で己すらも守れない!!

その結果がこの様だっ!

己の得物を失い…逃げるための術も失い…

助けを求める術も潰えた…

残っているのは壊れ掛けた体とちっぽけな虚勢のみ…

こんな壊れ掛けた人形が明日を生きるれるのかだと?

否っ!否っ!!断じて否っ!!!

生き残れる筈がないっ!!!!!!

 

 

PM17:00

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

「ふっ!!!」

飛び掛かって前足でこちらを薙ぎ倒してくるサンダバンシーに対しナイトはスライディングする様に避けた。

サンダバンシーは回避されたと理解した瞬間、

着地と同時に勢いを殺さず前足を軸にし、

スライドターンを行い先程こちらを吹き飛ばしたブレスを吐き出す為に大きく息を吸い込んだ。

しかしその行動にナイトはニヤリとほくそ笑みんだ。

「同じ技は2度と喰らいませんよっ!!」

ナイトはブレスの予備動作を学習(ラーニング)していた為ポーチからボール状の物体を掴むとサンダバンシーの頭上に投げ付けた。ボールはサンダバンシーの頭上で突如破裂すると緑色の粉塵がサンダバンシーを包み込んだ。

 

突然の光景にサンダバンシーは一瞬戸惑ってしまい反応が遅れてしまった。

瞬間絶叫が響き渡る

突如として眼球と鼻孔と口内に激痛が走る

涙が止めどなく溢れ、鼻孔が潰れそうな程痛く、

喉が痺れる…

あぁ…この痛みは覚えている…

幼い時母に食べてはならぬ草があるということを教えられ、教えを守らずにそれを口にしてしまい恐ろしい事になってしまったトラウマを…

堪らずサンダバンシーは顔を地面に擦り付けて痛みを紛らわそうとした。

遠巻きにナイトはニヤリとしながら言った

「あれは生物であれば堪らないでしょうね」

 

 

 

数10年前

中央エアリオ~ハルファナ平原東~

「お~?ナイト姉ぇ?

それは拾い食いしちゃめ~だよ?」

エアルアッポゥの木にぶら下がっているギャザ子は両手で❌をした。

「いやいやっ!?

ギャザ子ちゃんじゃないんですからしませんよ!?」

「お~?それもそっか~」

「しかし、すっごい清涼感のあるハーブですねぇ」

ナイトは摘み取ったハーブを手にしかめっ面でしげしげと観察した。

エアリオに自生しているハーブは摘み取った後軽く水に晒して乾燥させてから使うのが一般的である。臭みの強い肉や魚介類を使う際のみ生のハーブと一緒に漬け込む事で臭み取りに使われる。それ以外は未だ生のハーブは使われていない。何せ強烈な清涼感と痺れるほどの辛味があるからだ。

料理人の間でも"生のハーブは犬も食わない"と言う諺も生まれるほどある。

「だからもぐもぐっそのままじゃもぐもぐっ食べれなごっくん!」

「流石詳しいですねぇ~食べた事とあったり?」

そう聞くとギャザ子は渋い顔をして答えた。

「そ、そんなこと…ない…⤵️」

「あ~(食べたんですね」

ギャザ子の何とも言えない表情に思わず苦笑いした。

「でもまぁ"獣避け"には最適だね

厄介な"鼻と眼を潰せる"から

手元にハーブを用意して置くのも手だね」

ほらっとギャザ子は腰のポーチからボールを取り出した

「これは?」

透明なボールの中に丸い緑の球体が包まれていた

「獣避け用強力催涙カプセルってやつ

遠くにいる獣は寄ってこないし

近くにいる獣はころりと気絶するよ」

「はぁ~えっぐぃですねぇそれ(引き」

「ね~人の知恵は怖いもんだ~(かぷり」

「ってギャザ子ちゃんっ!?

納品する手配のエアルアッポゥ!

食べちゃ駄目ですってばっ!?」

隙あればつまみ食いする妹を叱りナイトは頭を抱えた

「むぅ…バレちったナイト姉ぇも食べよ?(´-ω-`)」

「はぁもういいです…頂きます(ー_ー;)」

 

 

 

 

 

PM17:20

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

「ga!?gamwtpwkpwdjad!!!!?????」

ハーブの強烈な清涼感と辛味が眼球と鼻孔と口内を駆け巡りあまりの激痛にのたうち回っているサンダバンシーに対して上から見下ろすナイト

その様子は完全に食物連鎖の上位の如く

または狩人と哀れな獣の関係の様…

今まさにナイトは狩られるべく獲物から

狩人の側に立っているのだ。

サンダバンシーは雨で溜まった水溜まりに飛び込んで体にかかった粉を落とそうとしたがナイトはその光景を見てケラケラと笑いながら言った。

「おや?水溜まりで洗い流そうとしてます?

それは構いませんが…それでは逆効果ですよ?」

 

そう"水に触れる"と辛味が際立つのだ…

 

瞬間絶叫と共に全身を痙攣させた口から泡を吹き出したサンダバンシーがそこに横たわっていた…

ナイトは意識が朦朧としかけているサンダバンシーに向かって告げた。

「私は任務以外で命は奪いませんし…奪うつもりもありません…よって貴方の流儀には乗りませんのであしからず」

その光景を見てラッピィは思わず言った

「キュ⤵️(嘘やろ…いやエグいて…」

当然の反応である

 

「さて、逃げましょうか!」

「キュキュ!(早く逃げよ~」

ラッピィはナイトに抱えられながらよろよろとアルト・ラニ高原を下山していった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PM19:30

北エアリオ~アルト・ラニ高原~

あれから意識を取り戻したサンダバンシーは

あの"酷く痛い物"を投げ付けたナイトに対し怒り狂った

何て卑怯なやつなんだ!!!

己と真っ向から立ち向かった相手は火の鼓動(心臓)が止まるまで戦っていたというのに…

何故っ!何故だっ!!

己では真っ向に戦うに値しないとでもいうのか…

己がせっかく認めた相手がこんな卑劣な戦いを行ったという事実に憤慨した。

許せん…必ず、必ず喰らってやる

ふとっ足元に懐かしき甘く蕩けるような香りが漂っていた…

これは?と見てみるが見た目は知らない果実しかし香りは知っている…

まさか…サンダバンシーは思った

己を呼んだのはこれなのか?

舌で果実を口に放り込むと懐かしい香りと弾けるような甘い果汁が止めどなく溢れるではないか…

胃袋に果汁が流れると共に全身の痛みと死の不安が消えていくようだ。そして久しぶり満たされた感覚に満ち今日はゆっくりと眠りにつけそうだと思った。

今日は見逃してやる…

次は無いぞ人間よ…

サンダバンシーは己の巣穴に帰ると体を丸め寝息立てた

今夜は良き夢が見れそうだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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