五条の嫁   作:ただのコマチ

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どうも…

やっぱり原作と内容がほとんど変えられない…
朱莉ちゃんが主人公なのになんか目立ってない…
投稿間隔開きすぎ…

ァァァァ…


星漿体護衛任務 肆

 

 

「七海、滞在1日延ばすって!なにかあったのかな?」

「……(−_−#)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ…」

『聞いたことはあれど…圧巻だな』

午後、お昼ご飯の後で美ら海水族館に来ました。

大水槽?の中でおっきなジンベイザメさんが泳いでます。海の中にはあんなにおっきな魚がいるんですね…

「そっか、朱莉もカグツチも水族館は初めてか」

「はい…すごいですね」

今日の沖縄観光は初めてがいっぱいでした。

黒井さんとカヤックに乗って、たくさんのアジサイの中を歩いて、

天内さんと黒井さんは傑さんがしっかり護衛してくれています。私が着いてきた意味は…あ、カグさんでしょうか……

「…私って、着いてきて良かったんですかね…」

「良かったんじゃね。楽しかっただろ?」

それは…そうですけど……私は役に立ててません。

最初にQの人が襲ってきたときも、黒井さんと攫われちゃったときも……全部、任せっきりで…私は…

 

「…なにも…できていませんから…」

 

 

「…そんなことねぇよ」

「ワプッ」

 

突然悟さんに頭をグシャグシャと撫でられる。

いつもと違ってちょっと優しくないけど…いつもより優しい声で。

 

「たしかに失敗したり、何もできなかったりしてもさ…朱莉が居てくれるだけで嬉しいんだよ」

「…ありがとうございます」

 

 

『…娘は先にその染まりやすい顔をどうにかせねばな』

「っ!?カグさっ…!」

「カグツチ、お前もちょっとは慰めてやれよ」

『それは貴様の仕事だ。我の出る幕ではなかろう』

「…私はカグさんに慰めてもらっても嬉しいですよ?」

『…そうか…はぁ

「今なんで溜息ついたんですか!?」

『気にすることではないぞ娘よ。ほれ、エイが来たぞ』

「お、ほんとだ」

「カグさん!?」

 

 

 

「…落ち込んでるかと思ったが、大丈夫そうじゃな」

「ああ…朱莉も弱いわけじゃないんだけどね」

「理子様も朱莉さんが心配だったんですね」

「…別にいいじゃろ…」

 

 

___________________________

 

 

 

 護衛3日目 15:00

 都立呪術高専 筵山麓

 

 

「みんな、お疲れ様。高専の結界内だ」

「…これで一安心じゃな」

「ですね」

本州に戻って、なんとかむしろ山?まで来れました。私も頑張って残穢を燃やしましたし、カグさんの言った通りに足跡とかも消しましたし…大丈夫ですよね。

…悟さんに、みんなに何もなくてよかったです。

 

「悟…ほんとうにお疲れ。カグツチさんも、ありがとうございました」

「……ハー、2度とごめんだ。ガキのお守りは」

「あ?」

「悟さん、そんなこと言わなくても」

 

 ぐ さ り

 

 

 

「……………ぇ…?」

「…ッ……がっ…」

 

悟さんのお腹に刀が、

血が出て、

後ろの人は誰で、

どこから、

結界の中なのに、

なんで、

悟さんを、

 

 

 

 

なんで

 

なんで

 

 

 

 

 

「…あんた……どっかで会ったか?」

「気にすんな、俺も苦手だ…男の名前覚えんのは」

 

 

 

___________________________

 

 

 

 side.五条悟

 

「悟ッ!」

 

傑の呪霊が呪詛師を飲み込んだ。

まさか、結界内で後ろからなんてな…

「…問題ない。術式は間に合わなかったけど、内蔵は避けたし、刃も引かせなかったし…もう大丈夫だ」

「…そうか」

「それより、天内優先!……あいつの相手は俺がする。傑たちは、先に天元様のところに行ってくれ」

「…油断するなよ……行きましょう」

「はい!」

 

「…ったく、誰に言ってんだよ……?」

 

朱莉が服の裾を引っ張っていた。

朱莉の身体は震え、涙を溢しそうな顔はすっかり青ざめていた。

…悟さん……傷は…

 

ああ、心配してくれてるのか。

あの時はこんなことになるなんて思ってなかったよな…

朱莉が元気になって、傑と硝子とも仲良くなって、呪霊も祓えるようになって…俺のことを好きでいてくれて…

…そんな朱莉を心配させちまった。

俺は何やってんだよ。

 

「大丈夫。さっきも言ったろ?……落ち着けよ」

「…ほんとですか…?」

「大丈夫だって、ほら」

「……なら、大丈夫…です」

朱莉は自分の頬をペチペチと叩いて気を引き締める。うん、かわいい。

「カグさん、反転術式を…」

『……その余裕はなさそうだな』

 

 

呪詛師を飲み込んだ筈の傑の呪霊に眼を向ければ、呪霊の内側から刃が覗く。

次の瞬間、呪霊は輪切りになっていた。

 

…さっきの刀とは違う呪具。

それに、首の呪霊はどっから湧いた?

…得体が知れねえな、クソ…

 

けど、朱莉を狙わなかった。

俺なら対呪力性能MAXの朱莉を真っ先に狙う。無下限で普通物理が通らない俺より確実、それが計算され尽くした不意打ちでもだ。

なら、奴俺たちの情報を知らないか…もしくは知った上で俺の方が厄介だと判断したか…

 

「…星漿体がいねぇな…できればお前は、さっきので仕留めたかったんだが……鈍ったかな」

「天内の懸賞金はもう取り下げられたぞ、マヌケ」

「俺が取り下げたんだよ、痩せ我慢。お前みたいに隙がない奴には、緩急つけて偽のゴールをいくつか作ってやるんだ。万星教のやつら、沖縄行った時は笑ったけどな」

 

…つまり、ずっとこいつに踊らされてたってわけか……カグツチいなかったらヤバかったな。

 

「周りの術師がひとりも死ななかったのはクソだったが、懸賞金の時間制限がなければ…お前は最後まで、術式解かなかったと思うぜ…?」

 

「あっ、そ!」

 

呪力に指向性を持たせて解放する。

ただ、相手が速い。速すぎる。

なにかおかしいと思ったら…コイツ、呪力がまったくない。天与呪縛のフィジカルギフテッド。

 

なら…まだ使わねえ(・・・・)

これではっきりしたけど、アイツ気づいてないらしいからな。

 

『…娘、借りるぞ』

「はい……五条悟、我も加勢しよう』

「…朱莉にゃ安全なとこに居てほしいんだけど?」

『たわけ、娘では奴から逃げようと追い付かれる。ならば我が代わった方がよい』

「……無茶させんなよ」

『ああ…とはいえ奴ほど動ける訳でもない。娘の身体を守る程度だ』

「…充分だ、それなら思いっきりいける」

 

カグツチの強さを疑うわけじゃねぇ。

ただ、相手が相手だ。カグツチの術式が本体に対しては意味をなさない。

呪具の術式を消す…もしくはあの呪霊自体を燃やせば呪具に関しては弱体化する。

つってもフィジカルギフテッドなら意味がねぇ…!

 

 

奴が不意に消えた。

…違う、見えない速さで跳び回ってやがる。

ったく、どうしてこうも高専には足場()がたくさんあるんだか…六眼は術式使う時以外は切っとくか…

 

 

「つっこんでくんなら、楽勝、だな!」

 

短刀、さっきとはまた違う呪具を構えて突進する相手を停めて吹き飛ばす。

どうやら意地でも俺を先に潰したいらしい。それならやりやすくて助かる。

 

建物にぶつかる様に飛ばした…ちょっとでも効いてたら嬉しいんだけど…

 

 

『なぜ、天逆鉾が』

「…カグさん?」

『…娘、あの呪具は危険だ。あの術式を燃やさねば、最悪……』

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 side.夏油傑

 

かなり古いデザインのエレベーターで、高専の地下に降りていく。薨星宮本殿…天元様が隠遁するそこまで、理子ちゃんとの会話はない。あれだけ元気に、そして気丈に振る舞っていても、同化の間際ともなれば静かになってしまうのも頷ける。

一緒に黒井さんが来てくれて本当に良かった。今までも黒井さんは理子ちゃんのそばにずっといてくれた。できることはなくとも、理子ちゃんにとって安心できることに違いはないだろう。

 

エレベーターが止まり扉が開く。

ガラガラと音を立てる扉に、今更ながら寂しさを感じてしまう。いつものエレベーター…あの機械的な無機質さと静かさでも同じことを思っただろうが。

 

「理子様…私はここまでです」

 

高専生である私や星漿体である理子ちゃんと違って、黒井さんはただの一般人。地下まで入ることはできても本殿まで行くことは許されない。

 

残酷ではあるけれど、こんな殺風景な場所が2人の別れの場所になってしまう。

 

「理子様……どうか…どうか…!」

「…黒井……大好きだよ…ずっと、これからもずっと」

「…私も…私も大好きです」

 

嗚咽を漏らし抱き合う2人を見て、“呪術界というもの”を痛感する。私や悟は任務で何度も人の死を、人との別れを経験している。今見ているのも、そんな別れのひとつに過ぎない。

 

…過ぎないんだ。

 

 

 

 

 

黒井さんと別れ、理子ちゃんとふたりで歩を進める。先程と同様に会話はなく、ローファーの足音だけが響く。そして、たどり着いた。

「…ここが」

「ああ…天元様の膝下、国内主要結界の起点…『薨星宮』本殿」

 

…そして理子ちゃんが、これから天元様として時を過ごす場所。

 

「……」

 

理子ちゃんは、今になってやっと、自我が消えることが怖くなったのだろう。

 

 

 

「…理子ちゃん、君には選択肢がふたつある」

 

「…ぇ?」

 

 

 

「このまま階段を降りて、門を潜ってあの大樹の根元まで行って、天元様との同化を待つ………それか、引き返して黒井さんと一緒に家に帰ろう」

 

 

「…それって…」

 

「ああ…担任からこの任務を聞かされた時、あの人は同化を“抹消”と言った。あれは、それだけ罪の意識を持てということだ。うちの担任は脳筋の癖によく周りくどいことをする…」

 

たしかに、先生の言う通りだ。

今私たちがやっていることは、まだ若い少女に……昨日まで一緒に遊んで笑っていた普通の女の子(理子ちゃん)に、“自ら進んで死ぬ時を待て”と言うようなものだ。

…カグツチさんもそう思っているんだろうか。

 

「君と会う前に、話し合いは済んでる」

 

◆◇◆◇◆

 

 

「…星漿体さんが同化を嫌がったら…なんて、決まってます!」

「そんときは、同化ナシ!」

「同化ナシです!」

「…ははっ、いいのかい?天元様と戦うことになるかもしれないよ」

「…はっ、ビビってんの?…大丈夫、なんとかなるって」

「…」

 

「…なんたって、こっちには対呪術最強の朱莉とカグツチがいるんだぜ?」

「私ですか!?」

「たしかに。その時は頼んだよ、朱莉」

「うぇえ…?」

 

 

◆◇◆◇◆

 

「私たちは強い(・・)んだ、戦う術を持たない2人(理子ちゃんと黒井さん)を守るくらいわけないさ……理子ちゃんがどんな選択をしようと、君の未来は私たちが補償する」

 

 

「…私は………っ……」

 

 

理子ちゃんの目に涙が浮かぶ。

その涙は、自分の生きてきた理由を取り消されたから…ではないだろう。

 

 

「…もっと、みんなと一緒にいたい…もっとみんなと、色んなところに行って…っ、色んなものを見て……もっと…!」

 

 

私も、理子ちゃんには黒井さんと一緒にもっとたくさんの思い出を作ってほしいと思っている。

 

朱莉とも仲良くなっているし、定期的に朱莉と遊ぶのもいいかもしれない。

今回は沖縄だったけど、次は北海道なんかでどうだろう。冬は寒いだろうけど、その分楽しさもある。

悟と朱莉、今度は硝子も、七海も灰原もいっしょに。

 

 

 

上層部供(糞供)は怒るだろう。

その程度のことは構わないさ。

 

 

…少なくとも私には、今目の前で大粒の涙を流す少女を、この3日間で深く関わった少女を…

 

理子ちゃんを殺すことはできない。

 

 

 

「帰ろう、理子ちゃん」

 

 

 

そう言って手を差し出す。

 

「…うん!」

 

理子ちゃんが私の手を取る。

柔らかくて温かい、守るべきものの手だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…そういえば、あの男はどうやってここに来れた?

あの男は間違いなく高専の人間じゃない。

ならどうやって結界を潜り抜けたか…

 

結界の無効化…否。

高専の結界は強固、尚且つ天元様のいる筵山。

そもそも破ればこちら側がわからない筈がない。

 

転移の術式…否。

高専の結界内に侵入者が入れば同様に通達が入る。これもわかるはずだ。それに、使った時点で悟とカグツチさんの呪力探知に引っ掛かる。

 

ふと、いつしかカグツチさんから聞いた話を思い出した。

 

 

⌛︎✴︎⌛︎✴︎⌛︎

 

「やっぱり、朱莉が燃やすとよく燃えるね」

「えへへ」

「…思ったんですが……カグツチさん、もし人の呪力を全て燃やしたらどうなるんです?」

「たしかに…どうなっちゃうんですか?」

『我にもそのような経験はない……憶測ではあるが、二択だな』

「…二択?」

『呪力とは負のエネルギー、自覚出来ぬ者が多いとはいえ当たり前に備わっているものだ……それがなくなれば、最悪死ぬ可能性があるな』

「ヒエッ…」

「なかなか極端ですね…もうひとつは?」

 

『…呪力のない人間、後天的な天与呪縛が完成する……まあ、呪力がないということに適応出来ればの話だがな』

 

「ほぇー…」

 

⌛︎✴︎⌛︎✴︎⌛︎

 

 

 

もし…あの男に呪力が無いとしたら?

それ故に呪力による探知を潜り抜けるとしたら?

 

 

 

「…まずい」

 

 

 

あの男は、悟と朱莉の天敵だ

 

 

 




 

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