あまりに有慈悲なハニトラを   作:かりん2022

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抱き加減が気持ちいい(脳死二回目)

「並行世界の傑だと!?」

「ええ、おそらくスカウトが遅れた世界線です」

「……だとしても、未来の知識はあまり与えずに戻すのが妥当だろう。傑も」

「僕は未来を変える気まんまんですけどね」

「悟」

「わかってます。既にずれが生じている以上、傑達の過去にアクションを加えても未来は変わるはずがない。それでも……傑が道を踏み外すキッカケは取り除いておきたい」

 

 話し合いが続く間、学生達は食堂で食事をしていた。

 

「「「「「「パンダ! パンダ! パンダ!」」」」」」

「ふおおおおおおおおっ」

 

 基、パンダに群がっていた。

 

「笹食べる、笹?」

「中の人いるの?」

 

 きゃっきゃと話していると、乙骨が問う。

 

「あなた達も見えるんですか?」

「何が?」

「呪霊」

「呪霊って何?」

「もしかして、夏油が言ってた化け物? 俺見えるぜー!」

「お、俺も見えるかな。母さんが死んで、見えるようになった」

「私が一番経験あるかな。何せ5歳の時から見えてるしね」

「あきみもー! 最近見えるようになった!」

「そうなんですね」

 

 見えるのは夏油、吉国、清水 高城の四人のようだ。

 

「術式とかあるんですか? 例えば棘くんだったら、呪言とか」

「術式? よくわからねーけど、燃やせる!」

「ちょっと力強くなるよー!」

「ポチがいます」

「ぽちでち!」

「「「おおー」」」

「私はね」

「呪霊操術だろ。呪霊を操る力」

 

 真希が言い捨てる。

 

「10年前に術式で100人以上殺した犯罪者」

「え……」

「そんな……」

「それはねーよ!」

 

 吉国が即座に否定する。

 

「あるんだよ」

「ねーよ! 夏油の能力治癒じゃん! もうノスフェラトゥじゃなくてキャリアじゃん!」

「そうだよ、真希ちゃん酷い! 夏油くんは立派に抱擁セラピー出来るんだよ! 深谷先生直伝なんだから!」

「吉国、清水さん……。いいんだ。その、こっちの私は立派なノスフェラトゥになれたって事かな? やっぱり親は佐藤さんかな。それとも土屋先生? 禪院先生? 園部先生は嫌だなぁ」

「待って多分話通じてない。ノスフェラトゥって何?」

 

 乙骨の言葉に、夏油は長髪をなぜか見せびらかした。

 

「私、金髪似合うかなぁ? 結構手入れ頑張ってるつもりなんだよね」

「何、傑。髪染めんの? やめときなよ、似合わないよ」

 

 五条先生がその時やってきて、さりげなく子供達を引き離す。

 

「それで、なんだっけ? ノスフェラトゥとか抱擁セラピーとか、聞こえてきたけど」

「お前の術式は呪霊操術だろ。何が治癒だよ、嘘つき」

「嘘ではないよ。両方私の力だ。試してみるかい?」

 

 夏油は手を広げた。抱擁待ちである。真希にさせるわけにはいかないと、乙骨が前に出るのを、後ろから五条が抱きしめる。

 一瞬動揺した夏油だが、ストンと五条に体重を預けてその腕をギュッと抱きしめる。

 ……硬い男の体を抱きしめているにも関わらず、五条を凄まじい満足感が襲った。

 やばいほど満たされる。

 

「んー? と、特に何にもならないよ?」

 

 それでもその感触に身を任せたら人としてやばい気がして、強がってみる。

 

「そんなことねーよ。ちゃんと傷癒えるし。怪我してみろよ」

 

 言われて、ちょっとだけ傷を付けてみる。癒えた。

 

「……反転術式?」

「回してない。いや、確かに。でも呪力は感じない。呪力じゃない。なんだこれすごく気持ちいいし」

 

 思わずぎゅうぎゅうと抱きしめる。心地いい。

 

「ちょっとタダじゃないんでお試し期間終わり! 終わり!」

 

 吉国はゲシゲシと蹴ってきて、僕の手から傑を引っ張り上げたのだった。

 名残惜しい。

 

「明日、調べてみようか。今日はもう遅いしね」

 

 

 そうして、朝。

 

 彼らはあっけらかんといった。

 

 俺ら、夜しか特殊能力出ないから。

 

 

 随分とピーキーな力だなぁ!?

 

 

DARK EDGEをご存知ですか?

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