帝国の旗を掲げよ 作:ドイツ軍ファルマート大陸軍集団
ドイツ第三帝国の首都ベルリンはこの日、雲一つない快晴であった。
そして青空の元太陽の光が優しく照らす中、フォルクスハレの目の前に広がる、ベルリン南駅へと続く幅120メートル、ソ連の赤の広場に匹敵する幅と、それを超える長さのメインストリートのフォルクスハレから見て左側にはすでにこの日の為にドイツ各地から集まって来た国防軍やSS、そしてイタリアを中心とする友好国の儀仗部隊が整列
そして歩道には、この栄光の日を祝う祭典を一目見ようとドイツ各地から集まって来た、多くのドイツ国民達が大勢集まり、パレードが始まるその時を待っていた。
すると、ベルリン市内全域にいよいよ軍事パレードが開始される合図であるサイレンが鳴り響いた。
そしてそのサイレンを聞いた観衆たちの声が消え、サイレン以外の音が聞こえなくなると同時にサイレンは止み
『Achtung !Präsentiert das - Gewehr!』
放送でそう号令がかかると、兵士達は今一度姿勢を正し、そして捧げ銃の号令と同時に、銃を垂直に捧げた。
すると、それと同時に軍楽隊によるプロイセン巡閲行進曲と同時に、フォルクスハレより、ヒトラーを乗せたオープンカーが、SSのバイク部隊の警護の元、巡閲の為フォルクスハレより出発
「「「うぁああああーーー!!!」」」
「「「ジーク・ハイル!ジーク・ハイル!ジーク・ハイル!」」」
「「「ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!」」」
市民達の歓声と、ドイツ軍とヒトラーを称える声の渦の中、ヒトラーは、不動の直立で整列する兵士達に、ナチス式、またはプロイセン式敬礼を送り、そしてUターンし、大通りのちょうど真ん中の位置に建てられている、重要人物達による軍事パレードの観覧と、ヒトラーの演説の為に設けられた、シュペーアがニュルンベルクのツェッペリンフェルト同様、ペルガモンの大祭壇をモチーフにデザインした、パレード観覧場へと到着した。
そしてヒトラーが車から降りると同時に曲が止み、ゲーリング国家元帥を筆頭に、国防軍総長のカイテル元帥、陸軍総司令官のマンシュタイン元帥、空軍参謀長のアルベルト・ケッセルリンク元帥、海軍総司令官のデーニッツ元帥、そして武装親衛隊作戦本部長のパウル・ハウサーSS元帥の六人が、ヒトラーの前に立ち、それぞれ敬礼をし。
「総統閣下、戦勝8周年をお祝いすると同時に、我がドイツ、そしてその同盟国たる大欧州帝国条約機構軍による、部隊の編成が完了した事をご報告いたします」
そして、この六人の中で一番階級が高い、ゲーリング国家元帥によるパレード参加の部隊編成が完了し、いつでもパレードを行う事が出来る旨の報告をヒトラーに述べた。
「うむ、ご苦労であった」
「ハイル・ヒトラー!!」
そしてヒトラーのその言葉を聞いた、ゲーリング国家元帥は、ナチス式敬礼をした。
そして、ゲーリング国家元帥の先導の元、ムッソリーニ、フランコ、そして今回初めての参加である、ラインハルトらヴィザンツィア騎士団国の首脳陣達や、他のナチスや軍、SSの高官達が座る、観覧席へと赴いた。
「ムッソリーニ統帥、今年も来てくださり感謝します」
「こちらこそ、今年もこの日を迎えられた事を嬉しく思いますヒトラー総統」
「ヒトラー総統、戦勝8周年おめでとうございます」
「ありがとう、フランコ将軍」
そしてヒトラーは、イタリア帝国統帥のムッソリーニ、スペイン相当のフランコ将軍、ドイツが主導する大欧州帝国条約機構の中核を占める大国である、イタリア、スペインの2ケ国の指導者と挨拶と声を交わした。
そして続いて
「ヒトラー総統、本日はこの世界の人間ではないにもかかわらず、この様な盛大な催しに招待してくださり感謝いたします」
「そう固くならないでいただきたい陛下、これからは我々と貴国は同盟国となるのですから」
今回の式典には、無論初参加であるヴィザンツィア騎士団国の総長であるラインハルトとそう言葉を交わした。
その後は、事実上ドイツの手下のような国である、ルーマニアやハンガリーなどの、東欧の小国の指導者達、そしてゲルト・フォン・ルントシュテット元帥など、あの大戦を戦い今は引退した高級将校達と軽く言葉を交わすと、ヒトラーは壇上へと上がった。
「「「うぁあああああーーーーーー!!!!!」」」
8年前、一次大戦での敗戦、そして先の戦争を乗り越え、ドイツが覇権国家としての地位を不動の物とした記念すべきこの日
この日を祝うために集まった群衆の歓喜の声は収まらず、この場所だけでなく、ベルリンの街全てを包み込むような、そんな歓声であり、未だその歓声は止みそうにはなかった。
しかし、ヒトラーは歓声を送る人々を見渡し、歓声が鳴り止むその時を、ただじっと待った。
そして
「「「…………」」」
鳥の囀りや風の音などの、自然の発する音以外が全て消え去り、大通り、いやベルリンは完全に沈黙に包まれ、そして少し間をおくと、ヒトラーは静かに息を吸い。
「我が党の同志諸君、忠勇なる親衛隊諸君、我が同盟国の兵士諸君、我がドイツ国防軍の勇者諸君…そして、ドイツ国民諸君!
あの栄光の日から8年…また、この日がやって来た!
我がドイツの栄光の日が…我がゲルマン民族の力を世界示した日が…そして!我がドイツが勝者として、覇者として世界に君臨したこの日が!!
1942年のこの日、我々は先の一次大戦での屈辱を乗り越え!国際ユダヤの謀略を乗り越え!そして、国際ユダヤの手先たる英仏と、ボリシェビキとの戦いに勝利し!ヨーロッパに!世界に!我々ドイツとその同盟国の強さと、我がドイツの力を世界に示した!!」
「「「うぁあああああーーー!!!!」」」
「しかし諸君、忘れてはならない!我々の戦いは、未だ道半ばである事を!我々の闘争はまだ終わっていないと!我々には、未だに多くの敵が存在している…だがしかし、これだけは、諸君等には知って貰いたい、誰も我々を倒すことはできないと!我々は誰にも屈しはしないと、世界は、我々と我が軍、そして我が民族を決して裁くことはできないと!!」
「「「わぁああああああーーーーー!!!!!!」」」
「「「ハイル・ヒトラー!!ハイル・ヒトラー!!ハイル・ヒトラー!!ハイル・ヒトラー!!!」」」
(なんと言う国だ…国民が、兵士が、皆一致団結し、ヒトラー総統に心酔している…)
ヒトラーの巧みな演説、そしてその演説を聞き、自らの優等生を噛み締めながら、ヒトラーに心酔する国民、全てが熱狂的であり、全てが狂気的である、そんな空気をラインハルトは感じ、そして圧倒されていた。
自分の率いる騎士団国も、国内の団結力と統制力は、帝国をはじめとした他国をも圧倒するほどであると自負してはいるが、それでも直感的にドイツには敵わないのでは無いか、そんな気分をラインハルトは味わっており、同時にそんな国を作り出した、目の前で他国の指導者である自分すらも、彼に忠誠を誓いたくなるほどの、巧みな演説をする一人の男、ドイツ第三帝国総統アドルフ・ヒトラーを、同盟相手として頼もしく思うと同時に、少しだけラインハルトは彼に、なんとも言えぬ恐怖心を感じた。
(兄様…やはりヒトラー総統に圧倒されているのですね…)
そしてその横に座るリィズは、ヒトラーの演説に圧倒されている兄の心中を察し、そう心の中で思った。
「そしてもう一つ、今日我々と共にこの歴史的日を祝う祭典に、新たなる同胞が加わった!世界は違いながら、我々と同じ思想、同じ価値観、そして同じ民族である国家、ヴィザンツィア騎士団国の諸君、そしてその最高指導者である、ラインハルト・フォン・コンスタンティス陛下である!!」
「「「うぁあああああーーー!!!!」」」
ヒトラーの紹介と共に溢れんばかりの歓声と拍手が迎える中、ラインハルトは席を立ち、ヒトラー総統へ促される様に、ヒトラーが立つ壇上の横へと立ち、軽く民衆の歓声に応える様に右手を挙げた。
「偉大なるアーリアの民達よ、同じ志を持つ同胞たちと共にさらに前進せよ!我々の栄光を、我々の最後の勝利を掴むその時まで!同胞と、党と、軍と、そして私と共に!千年帝国が完成するその日まで!!!!ジーク・ハイル!!」
「「「ハイル・ヒトラー!」」」
「「「「ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!ハイル・ヒトラー!」」」」
ヒトラーの演説に歓喜した民衆と、兵士達のその声と共に演説は終わり、次はいよいよドイツ国歌の演奏が始まった。
"ドイツの歌"
ドイツよ、ドイツよ、すべてのものの上にあれ
Deutschland, Deutschland über alles,
世界のすべてのものの上にあれ
Über alles in der Welt,
護るも、攻めるも
Wenn es stets zu Schutz und Trutze
兄弟の様な団結があるならば Brüderlich zusammenhält.
マース川から、メーメル川まで
Von der Maas bis an die Memel,
エチュ川からベルト海峡まで
Von der Etsch bis an den Belt.
ドイツよ、ドイツよ、すべてのものの上にあれ
Deutschland, Deutschland über alles,
世界のすべてのものの上にあれ Über alles in der Welt!
ドイツよ、ドイツよ、すべてのものの上にあれ
Deutschland, Deutschland über alles,
世界のすべてのものの上にあれ Über alles in der Welt!
演奏が始まると、国民は自発的に自分達の国歌を斉唱し、その一方で、砲兵隊による祝砲の音が鳴り響いた。
(これがドイツの国歌か…)
(聴いた事ない曲のはずなのに、何故か懐かしい様な、そんな曲だな…)
ラインハルトとリィズ、曲調が自国の国歌と同じラインの護りならばともかく、ドイツ国歌の旋律と曲調が酷似した曲は、当然ファルマート大陸と騎士団国には存在しない。
しかし、同じ文化、同じ言語と、ドイツと多くの共通点を有している故か、聞いたことが無いはずのドイツ国歌に関して、なんとなくシンパシーを感じており、それは他の騎士団国の面々も同じであった。
そしてそうこうしているうちに国歌演奏は終わった。
「あれ、今国歌の演奏は終わったはずでは…」
しかしすぐに、今度は親衛隊の軍楽隊が、何やら演奏を始めようとし、それを見たリィズは国歌の演奏は終わったはずなのに何故と、疑問に思った。
すると
「あぁ、次は第二国歌の演奏ですよ」
そばに座っていた、カール・ヴォルフSS上級大将がそう説明した。
「第二国歌?」
「えぇ、我が国にはヒトラー総統の政権が誕生して以来、もう一つ国歌がありましてね…我がドイツ、そしてナチスの同志達の歌である“旗を高く掲げよ“です」
そしてそうこう、ヴォルフSS上級大将が説明した瞬間、ファンファーレが鳴り響き、かつて悪逆なるアカの犬との戦いで倒れたナチス党員、ホルスト・ヴェッセルが作曲した、ナチスの聖歌とも言うべき曲、"旗を高く掲げよ“の演奏が始まった。
旗を高く掲げよ
1.
旗を掲げよ
Die Fahne hoch!
隊列は、固く結ばれた
Die Reihen fest geschlossen!
突撃隊は雄々しく行進する
SA marschiert Mit ruhig festem Schritt
赤色戦線に殺された戦友達
Kam'raden, die Rotfront und Reaktion erschossen,
その魂は、我々と共にあり
Marschier'n im Geist In unser'n Reihen mit
赤色戦線に殺された戦友達
Kam'raden, die Rotfront und Reaktion erschossen,
その魂は、我々と共にあり
Marschier'n im Geist In unser'n Reihen mit
2.
道を開けよ
Die Straße frei
褐色の軍勢が征く
Den braunen Bataillonen
突撃隊に道を開けよ
Die Straße frei Dem Sturmabteilungsmann!
希望に満ちた顔で鉤十字の旗を見る
Es schau'n aufs Hakenkreuz voll Hoffnung schon Millionen
自由とパンの時代が始まる
Der Tag für Freiheit Und für Brot bricht an
希望に満ちた顔で鉤十字の旗を見る
Es schau'n aufs Hakenkreuz voll Hoffnung schon Millionen
自由とパンの時代が始まる
Der Tag für Freiheit Und für Brot bricht an
3.
決戦の
Zum letzten Mal
突撃ラッパが鳴る
Wird Sturmalarm geblasen!
我ら皆、戦いの備えは万全である
Zum Kampfe steh’n Wir alle schon bereit!
やがてヒトラーの旗は、国中にはためく
Schon flattern Hitlerfahnen über allen Straßen
隷属の時代は、もう少しで終わりだ
Die Knechtschaft dauert
Nur noch kurze Zeit!
やがてヒトラーの旗は、国中にはためく
Schon flattern Hitlerfahnen über allen Straßen
隷属の時代は、もう少しで終わりだ
Die Knechtschaft dauert
Nur noch kurze Zeit!
4.
旗を掲げよ
Die Fahne hoch!
隊列は、固く結ばれた
Die Reihen fest geschlossen!
突撃隊は雄々しく行進する
SA marschiert Mit ruhig festem Schritt
赤色戦線に殺された戦友達
Kam'raden, die Rotfront und Reaktion erschossen,
その魂は、我々と共にあり
Marschier'n im Geist In unser'n Reihen mit
赤色戦線に殺された戦友達
Kam'raden, die Rotfront und Reaktion erschossen,
その魂は、我々と共にあり
Marschier'n im Geist In unser'n Reihen mit
先ほどの重厚で歴史がある国歌とは違い、軍歌の様に闘争本能が掻き立てられる様な曲が、演奏された。
そしてドイツの歌、旗を高く掲げよの二曲の演奏が終わると、いよいよ軍事パレードが開始された。
まずは、バーテンヴァイラー行進曲、ケーニヒスグレーツ行進曲、ホーエンフリート行進曲、ヨルク行進曲など、プロイセン時代やドイツ帝国時代から愛されて来た、多くの行進曲と共に、親衛隊や国防軍の儀仗部隊、そしてStG-44、StG-50、ワルサーMPで武装した国防軍の陸軍兵士や武装親衛隊員、ドイツ降下猟兵達の一糸乱れぬ行進
そして続いては、ナチ党の旗を持って行進するヒトラーユーゲントやドイツ女子同盟、スコップを銃の様に背負い行進するドイツ労働戦線などの、ドイツの非武装系組織による行進
そして続いては、黒い襟章や、ベルサリエリ行進曲と共に行進するイタリア軍や、その他スペイン軍、そのほか大欧州帝国条約機構加盟国の兵士達の行進が行われた。
歩兵の行進の次は、いよいよ戦車や自走砲などの、機械兵器の車列が大通りを進む番となった。
ドイツ軍の行進曲としても親しまれている、パンツァーリートと共に、先の大戦時に活躍し、今は記念品としてパレードに参加するだけとなっているII号戦車やIII号戦車、Ⅳ号戦車などの一線から引いた戦車の車列が進んだ。
そしてその後からは、105㎜砲を主砲とするE-50、128㎜砲を主砲とするE-75重戦車など、ドイツ軍の新型戦車
そして上記の主砲に換装され近代化された、パンター戦車やティーガー2重戦車、ヤークトパンター
E-75対空戦車クロコダイル、ケーリアン対空戦車などの対空戦車と、移動レーダーシステムの車列
ドイツ軍において廃止された突撃砲の後釜として作られた歩兵戦闘車、ラング歩兵戦闘車、マルダー歩兵戦闘車の車列
そしていまだに現役の歩兵輸送車として使われるSd Kfz251、その発展型として作られたSd Kfz408などの、装甲兵員輸送車の車列
パンツァーヴェルファー などの多連装ロケット砲の車列
もはや数えるのもキリがないほどの、多くのドイツ軍の代名詞、或は最新の機械兵器の車列が、大通りを進んで行った。
「なんと言う…凄まじい光景だ…」
「これほどまでの多くの鋼鉄の兵器を保有しているとは…」
「兵器もそうだが、その前の歩兵達の一糸乱れぬ行進…あれだけで、この国の兵士の練度が感じ取れる」
騎士軍総司令官のフォン・クラウゼビッツ将軍、騎士軍騎兵総監のビッテンフェルト将軍、そして中央軍総参謀長のグナウゼナウ将軍は、ドイツ軍の兵士の行進、兵器の車列から感じ取られた、この国の高い軍事力と、並外れた練度を感じ思わずそう呟いた。
「もし我が国があの時…門の先の事を考えず、この国と戦争になっていたら…考えただけでも恐ろしい…」
「はい…」
そして一方で、ヴァルターやアンネリーゼなど、あの日、ドイツとヴィザンツィア騎士団が、一つの門を介して繋がったあの日…
もしあの日、自国が話し合いではなく、有無を言わずに武力による戦いと征服を選んでいたら今頃どうなっていたか…それを改めて考え、そしてその結末を創造した二人は、思わず悪寒が走った。
すると
「うん、あれはなんだ?」
対空ミサイルや対地ミサイルを搭載した車列の後に続く、V2ミサイルをさらに洗練し、巨大化した様なミサイルを運搬する大型トラックの車列を見て、ミーミルはそう疑問を感じ述べた。
すると
「あれは弾道ミサイルV4です」
疑問に思っていたミーミルに、ハイドリヒがそう教えた。
「弾道ミサイル?なんですかそれは?」
「我が国で開発された核兵器…言うなれば、一撃で大都市を吹き飛ばせるほどの強力な武器を、空のさらに上にある空間、宇宙に飛ばし、そして宇宙から目標の都市へと狙い、着弾させる、そう言う武器です、ロケットとも呼ばれてますね」
「空の上!?それは面白い」
話を聞いたミーミルは目を輝かせながら、戦争が始まれば、世界に終末をもたらす兵器の車列を、まるで子供の様や様子でじっと見つめた。
そして、ロケットの車列が通り過ぎると、今度は上空に、ドイツ空軍のスレイプニル旅団、そして戦後に装甲部隊からヘリコプター師団へと転換した、ヘルマン・ゲーリング空中騎兵師団の保有する汎用ヘリコプターFa-330、輸送ヘリコプターであるFa-321(史実でのSA 321)などのヘリコプターによる、鉤十字の編隊飛行
ドイツ空軍の主力戦闘機であるMe-335ドラッヘン、ドイツ軍が開発したステルス戦闘機Ho-229の改良型、Me-1109地上攻撃機などの、ドイツ空軍の航空隊がベルリン上空を飛行して行った。
更には、戦後ドイツ軍がソ連相手に勝ちきれなかったのは、補給線が貧弱であったからだと言う分析結果のもと開発された、戦略輸送Do 31(史実のDo 31を通常翼にし、An-124 ルスラーンに匹敵するほどの巨大機にした機体)、そしてドイツ軍の主力爆撃機であるJu-EF132の編隊が上空を飛行した。
「圧巻の光景だな、ゲーリング君」
「恐れ入ります総統閣下、もはや我が国は旧連合国相手に、技術と質においては大きく引き離し、今ならばアメリカ相手であっても、対等な戦いができると言っても過言ではありません」
「うむ、そうだな…このパレードを見るたびに、私自身もそう感じるよ」
陸と空の、圧巻とも言うべきパレードに、ヒトラー自身も自国の実力に酔いしれている様であった。
「すごい…」
「あぁ…確かにな」
そして、リィズとラインハルトの二人も、パレードを見て思わず圧倒されていたが、しかし一方でラインハルトにはある不安があった。
(これほどの戦力を有するドイツ軍がいまだに仮想敵国としている国…確かソ連であったな、一体その国はどれ程の戦力を有しているのか…)
これ程の戦力を有しているドイツが今だに危険視する謎の大国であるソ連、そのソ連の実力をラインハルトは思わず考えさせれられていた。
その頃
ソヴィエト連邦
首都:モスクワ
「同志赤軍兵諸君、我々は先の戦いに…ファシストから我が母なる祖国と、モスクワ、そして社会主義の灯火を守戦い、大祖国戦争に勝利し、多くの国土を、多くの人民を、首都を、そして社会主義をも守り抜いた!しかし忘れてはならない!我々の敵はまだ生きている事を!忘れてはならない、西ウクライナ、西ベラルーシの同胞達がファシストに囚われている事を!!母なる祖国、母なるロシアを守り抜く、その為に我々は、同志スターリンの領導の元!これかも我々は進んでゆかなくてはならない!!社会主義と祖国にУра!」
「「「Ураааааааа! Ураааааааа! Ураааааааа!」」」
ドイツで軍事パレードが行われているこの日、ソ連でもゲオルギー・ジューコフ元帥の演説、そしてソ連国歌である祖国は我らのためにの演奏から始まった、"ファシストの魔の手から多くの人民と社会主義の灯火を守る聖戦に勝利した"事を祝い、書記長であるスターリンや党幹部が見守る中、モスクワの赤の広場にて大規模な軍事パレードが行われていた。
パレード、祖国の守りに、我らは人民の軍などのソ連の代表的な行進曲と共に行進する、AK-47で武装したソ連赤軍の兵士達
勝利の行進曲、モスクワの祝砲、戦車兵行進曲、モスクワ防衛軍の歌、親衛迫撃砲兵行進曲、スターリンの砲兵行進曲と共に進む、T-34、IS-2、IS-3などの大戦期から今に至るまで使用されている戦車、そして新型戦車であるT-54、T-10、BM-13 カチューシャ、BM-14多連装ロケット、BTR-50兵員輸送車、そしてその他榴弾砲の車列
S-25対空ロケット、今回のパレードに初登場したS-75
そして、空ではソ連軍の新型主力戦闘機であるMiG-21、戦略爆撃機Tu-95の編隊が飛行が行われた。
(大粛正、そして大祖国戦争から、ここまで我が軍を拡大させる事が出来た…しかし…)
ジューコフ元帥は、パレードを見てそう心の中でつぶやいた。
戦後、ドイツ軍との再戦に向けて、ソ連では兵器開発、そして他国への諜報に力を入れ、その甲斐あって、ドイツと比べれば少し遅れを取ってはいるものの、強力な兵器を多く開発する事に成功し、一年前には原子爆弾の開発に成功するなど、まさにドイツとの最終戦争に向けて着々と準備が進んでいた。
(兵器技術は今一つだが、それを差し引いても余りある力を、我が国は持っている…だが気がかりなのは、やはり例の門…あの門が、この冷戦にどんなパワーバランスの変化を引き起こすことやら…)
イワン・コーネフ元帥やアレクサンドル・ヴァシレフスキー元帥らと、大きく変わるであろう冷戦におけるパワーバランスの変化に関して、ジューコフ元帥は日々研究を行い、そしていくつかの分析結果も出してはいるものの、本当の意味で先が見える訳もなく、この先どうなるのかと、徐に感じていた。
(もっとも、最悪の場合が起こったとしても…私は、軍人としてなすべき事を、ファシストの軍隊を殲滅すると言う義務を果たすまでだ)
だがそれでも、軍人としてやるべき事をやる時が来れば全力を出す、パレードの最後に演奏された、ソビエト陸軍の歌の演奏を聴いたジューコフ元帥は、そう決意していた。
航空機
Me-335ドラッヘン
速度:マッハ2
航続距離:3,250 km
ドイツの、戦闘機メーカー最大手である、メッサーシュミット社が開発したジェット戦闘機。
来るべきソ連との戦いを見据えて、離陸距離の短縮と、道路からも離陸可能とするなどの機能が盛り込まれている機体である。
元ネタは、スウェーデンの戦闘機であるサーブ35ドラケンと紺碧の艦隊に登場する、後世ドイツで運用されていたドラッヘンを元ネタとしている。
因みに、サーブ35がドイツ軍の機体として登場している理由としては、メッサーシュミット社は戦後、ドイツのハインケル社、フランスのダッソー社、そしてスウェーデンのサーブ社など、イタリアを除くヨーロッパの航空機開発を行う企業がほとんど買収し独占しており、ドイツのジェットエンジンの技術と、各国の航空会社の設計者達の頭脳やアイディア、そしてドイツ軍の場所を極力選ばずに離陸が可能なジェット機を必要としていると言う軍の方針から、この機体が生まれた。
Me-1109
速度:700km/h
航続距離:2500km
ドイツ軍で開発された近接支援攻撃機であり、史実ではP.1109として、計画だけ存在した機体である。
本機の開発には独ソ戦で活躍した、ハンス・ウルリッヒ・ルーデル空軍大佐が開発顧問として、雇われ、彼の助言により高い攻撃能力と防御力を兼ね備えた機体として完成し、現在その性能は史実でのサンダーボルト攻撃機に匹敵する物である。
Ju-EF132
全長:53.4 m
航続距離:14000km
史実でも、計画だけではあるが存在した、ドイツ空軍のジェット戦略爆撃機。
この世界では1942年に戦争が終わり、安定した情勢で、ドイツ軍の高い技術力の結集により作られた為、53.4 mの史実のアメリカ軍のB-52に匹敵する性能を持つ、ルフトバッフェの空飛ぶ戦艦ともいうべき、史実で計画された機体より高性能な重爆撃機となっている。
現在は数百機が、ドイツ空軍に実戦配備され、来る対ソ戦に向けポーランド総督府と、オストプロイセンのケーニヒスベルク空軍基地に集中配備され、ソ連領内を核や絨毯爆撃によって、灰にする日を待ち侘びている。
Do 31
全長: 68.96m
ペイロード: 150,000kg
戦後ドイツ空軍で運用されている戦略輸送機であり、ドルニエ社とギガントを開発したメッサーシュミット社の共同で開発された輸送機。
これ程の、時代を遥かに先取りした様な巨大な輸送機が開発された背景は、戦後ゲーリングら空軍首脳陣が、戦中にドイツ軍がソ連のゲリラ作戦により、鉄道を含めた陸の補給網が破壊され、そのおかげでソ連相手に勝ちきれなかった事から、次の戦いでは大量の物資を空から空輸する、空中戦略輸送構想を立てた事である。
そのデザインは、戦後の西ドイツで開発された垂直離陸機であるDo-31輸送機を通常翼機にし、巨大化させた、そんな機体である。
ちなみに余談だが、当初の計画では各航空艦隊に200機ずつ配備す手筈であったが、流石にこれ程の化物の様な機体をそんなに生産する事は困難である為、最高100機生産し、空軍司令部直轄の戦略輸送隊として運用する事となった。
Fa-321
全長:23m
最高速度:249 km/h
航続距離:1,254 km
兵員:27名
ドイツ空軍で採用されている輸送ヘリコプターであり、全体的にフランスのSA 321 シュペルフルロンとアメリカのシコルスキー S-61Rの様な性能を持つ機体となっており、主にドイツ空軍のヘリコプター部隊であるスレイプニル旅団やそれより大規模な、ヘルマン・ゲーリング空中騎兵師団に配備されている。
陸軍
E-75重戦車
主砲:55口径128mm砲
最高速度:40km/h
ティーガーⅢと名付けられた、現在ドイツ陸軍の主力重戦車であり、1946年にアルベルト・シュペーアの指導の元行われた、部品共通化による生産力増強と、性能安定化と整備性強化を目指した、E型戦車開発計画により開発された重戦車であり、整備性が悪かったティーガーⅡの後任として、ドイツ陸軍の主力戦車戦車となっており、ドイツ陸軍が有する重戦車の30%は、この戦車が占めている。
ドイツ陸軍はソ連軍を最大の仮想敵国としている為、その性能はソ連の重戦車IS-3 やT-10を倒せるだけの性能を有している。
E-50中戦車
主砲:52口径105mm砲
最高速度:60km/h
パンターⅢと名付けられたドイツ陸軍の主力中戦車。
1946年にアルベルト・シュペーアの指導の元行われた、部品共通化による生産力増強と、性能安定化と整備性強化を目指した、E型戦車開発計画により開発された中戦車であり、その性能は、後の主力戦車に匹敵する物である。
現在のドイツ陸軍が保有する全中戦車の40%〜50%は、この戦車が占めている。
マルダー歩兵戦闘車
最高速度:66km/h
戦後に廃止された突撃砲の後釜として登場した、ドイツ軍の歩兵戦闘車の一つ。
名前こそマルダーだが、対戦車ミサイルが搭載されておらず、その代わりに無誘導のパンツァーファウストが代わりに搭載されているなど、史実のマルダーより少し劣化した性能となっており、イメージとしては1950年代〜1960年代初期から中盤くらいの技術で、無理やりマルダーを作った、とでも言うべき性能である。
Sd Kfz408
最高速度:86km/h
輸送人数:10人
ドイツ軍の代名詞の一つである、Sd.Kfz.251兵員輸送車の発展型として開発された兵員輸送車であり、史実でのオランダ軍のYP-408装甲兵員輸送車そのもの(全体的なデザインがSd.Kfz.251に似ていたため、ドイツ軍の兵員輸送車として登場させました)
因みに余談ではありますが、ソ連軍は対空ミサイルなどの戦術ミサイルは、カチューシャなどの技術があった事や、アメリカやイギリスからスパイを通じて手に入れた技術がある為、ある程度は進んでいますが、宇宙ロケットに関する技術だけは、完全にドイツと比べて遅れており、その為現在は高高度侵入機や、高速機による核攻撃を核戦略として進めており、現在はそれに関連する技術力を高めているが、一方でコンスタンチン・ツィオルコフスキーやセルゲイ・コリョフの監修の元、史実より開発スピードは落ちているが、少しずつ大型ロケットの開発は進めている。
と言う事で、1950年代とは思えないほどに強大な軍事力を有するドイツ軍とソ連軍の軍事パレードでした。
次回からはいよいよ、ドイツ軍がファルマート大陸へと進駐するお話を書いてゆこうと思います。