帝国の旗を掲げよ   作:ドイツ軍ファルマート大陸軍集団

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ファルマート進駐
進駐


 

 

1950年10月30日

 

ベルリン

 

ベルリンの市街地はこの日、多数の装甲車や兵士達で溢れかえっていた。

 

1950年7月30日に、ドイツと異世界の国家、ヴィザンツィア騎士団国が繋がってから、ちょうど3ヶ月のこの日、多くの物資の集積、補給計画の策定など準備を終え、いよいよドイツ軍は世界を超え、ファルマート大陸へと進駐する日が訪れ、手始めに送られるロンメル元帥指揮下のB軍集団麾下の第5装甲軍兵士達による、大規模な出兵式がベルリンで行われていた。

 

「我が精強なる、ドイツ軍兵士たちよ、いよいよ、我々が時空を超え旅立つその時がやって来た。

 

今や、鋼の意志と、団結を持った多くの兵士たちが、同胞である同盟国、ヴィザンツィア騎士団国と、我々の首都、我々の祖国を守らん為、時空を越え、我々が知り得ぬ、新たなる世界に旅立とうと、心をたぎらせて居るだろう。

 

諸君らドイツの兵士達は、我が祖国の誇りであり、民族の手本となる者たちである。

 

世界は違えど、その強さと、意志は、変わらぬ事を期待して居る。

 

諸君達に栄光あれ、ジーク・ハイル!!」

 

そしてヒトラーの演説の次は、今回派遣されるファルマート総軍を構成する軍集団の一つである、B軍集団司令官であり、先任の元帥でもある、ロンメル元帥の演説が行われた。

 

「兵士諸君、ファルマート大陸へと進駐する、B軍集団司令官のエルヴィン・ロンメルだ」

 

エルヴィン・ロンメル元帥…

 

第三帝国屈指の英雄であり、先の戦争において史上最年少の元帥号を得た名将の演説に、兵士達は誇りを胸に、気持ちが引き締まる思いを感じた。

 

「君たちも知っての通り、今回の進駐は、我が国と、新たなる盟友である、ヴィザンツィア騎士団国との合意によって行われる、平和的な軍事作戦である。しかし、だからと言って油断はするな!門の向こうの異世界は、我々の常識が通用しない出来事が数多く存在して居ると考えられる。しかし、我々勇敢なるドイツ軍の兵士達は、多くの困難を前にしても怯まず進み続ける固い意志をがあると、私は確信して居る。君たち兵士達の、健闘に期待する!」

 

「総員進軍準備!進め!」

 

「「「ウァアアアアアーーー!!!!」」」

 

「ハンス!頑張ってこいよ!!」

 

「カール、体に気をつけてね!」

 

そして、歩兵連隊の連隊長の命令と共に、軍楽隊がプロイセン導入行進曲、そして続いてドイツ軍歌であるムシデンを演奏し、その演奏、そして見送りの慣習達の大合唱の中、部隊旗を持った旗手達の行進、そして武装した歩兵部隊が、一糸乱れぬ行進で、ウンターデンリンデン通りを行進し、門へと向かって進軍して行った。

 

その道中、大通りで兵士達を見送る人々は、ただムシデンの合唱をするだけでなく、国旗を振りながら歓声をあげ、あるいはこの行軍の中にいる息子達に向かって、見送りの言葉をかけていた。

 

「それでは総統閣下、行って参ります」

 

「行ってまいります」

 

「武運を期待して居る、ロンメル元帥、モーデル元帥」

 

そして歩兵部隊の後に続くように、まずはロンメル元帥とB軍集団参謀総長のハンス・シュパイデル大将を乗せた乗用車、第5装甲軍司令官レオ・ガイヤー・フォン・シュヴェッペンブルク大将を乗せた乗用車、A軍集団司令官であるモーデル元帥と参謀長のハンス・クレープス歩兵大将を乗せた車を先頭に、E-50やE-75、そして近代化された、パンターⅡやティーガーⅡで武装した装甲部隊や、機械化部隊が門へと進軍して行った。

 

もし、門の奥の国家と戦争状態であったのならば、最初に門の奥へ到達したと同時に戦闘開始もあり得る為、先に行くのは戦車であったろう。

 

しかし、今回は門の奥にある国である、ヴィザンツィア騎士団国との友好を結んだ上での進駐であり、その為、門への進軍は、軍事行動というより、パレードや式典の要素が強く反映されていた。

 

「向こうの世界には、ドラゴンとかがいるらしいぞ」

 

「じゃあ、北欧神話のような世界なんでしょうか?」

 

「なんにせよ、楽しみです」

 

そして門へと進む兵士達は、一応は自分達の身の安全が保障されて居る事もあり、皆一同に門の奥にある、自分たちが見た事がない異世界に、冒険心を踊らせていた。

 

ヴィザンツィア騎士団国

 

北部辺境領

 

「来た…」

 

門から数十メートル離れた場所で、麾下の中央軍、そして北部辺境領からかき集めた全ての兵士達、そして何より、中央軍総参謀長である、グナウゼナウ将軍改め、騎士軍元帥は、門の奥から聞こえる軍隊の足音を聞きそう呟いた。

 

するとその瞬間、アサルトライフフルや戦車で武装した鋼鉄の軍隊であるドイツ軍が、異世界の大陸、ファルマート大陸へと足を踏み入れた。

 

そしてしばらくしして、ドイツ軍第5装甲軍、そしてモーデル元帥指揮下のA軍集団に属する武装親衛隊の装甲師団の先遣隊が異世界に足を踏み入れた。

 

そして、ドイツ軍は門の真ん前に整列すると、ロンメル元帥、そしてモーデル元帥を乗せた車が、待機していたヴィザンツィア騎士団国の兵士たちへ向かって進んで行った。

 

そしてそれを見たグナウゼナウ元帥は、呼応する様に馬を走らせ、将軍達を乗せた車へと向かっていった。

 

そして互いの軍と軍の間に生じた空白地のちょうど中心地で、ロンメル元帥とモーデル元帥、そしてグナウゼナウ元帥はそれぞれ車と馬から降り向かい合った。

 

そして

 

「ドイツ陸軍元帥、エルヴィン・ヨハネス・オイゲン・ロンメルです。ファルマート総軍全軍を代表して申し上げます。我々ドイツとヴィザンツィア騎士団国、双方の合意の元、我が軍は貴国の北部領、通称北部辺境領へと、本日ただいまを持って進駐いたします」

 

「ジークフリート・フォン・グナウゼナウです。ヴィザンツィア騎士団国総長、ラインハルト・フォン・コンスタンティヌスの名代として、ドイツ軍の進駐並びに、北部辺境領の一時的な領有権をここに認めます」

 

ロンメル元帥とグナウゼナウ元帥は、互いに敬礼し、事前に決められていた形式に則っとりそう互い述べた。

 

そして

 

「ロンメル元帥、そしてモーデル元帥、我々はあなた方ドイツ軍を歓迎いたします。ようこそ、我がヴィザンツィア騎士団国」

 

グナウゼナウ元帥は、微笑みそう言うと、手を差し出した。

 

「こちらこそ、殿下直々のお出迎え、感謝いたします」

 

そしてロンメル元帥はそう言うと、差し出された手を握り握手を交わしそう言った。

 

1950年10月30日

 

門の真後ろにある巨大な城塞に、鉤十字の旗が、ヨーロッパに君臨する帝国の旗が掲げられたこの日、ドイツ軍が地球世界で初めて、時空を越え、ファルマート大陸へと進駐を果たした日として、歴史に刻まれた。

 

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