帝国の旗を掲げよ 作:ドイツ軍ファルマート大陸軍集団
今まで、この世界線のドイツの主力ヘリコプターは、史実でのSA-316アルエットⅢをイロコイヘリと同程度の大きさに、大きくしたヘリコプターを使っていると言う設定でしたが、流石に無理があると思い、Fa-330プルーマと言う名前で、史実でのSA330を主力ヘリとして使っていると言う設定に変更しました。
帝都南南東門…通称悪所
犯罪と多民族の坩堝として、華やかな帝国の首都の中で、掃き溜めのような無法地帯とかしている地域である。
だが、そんな無法地帯であるが、無法の法が存在しており、そんな裏社会の掟と言うべきものを守、番人となっているのが、悪所を取りまとめる四人の顔役
ゴンゾーリ家
メデュサ家
パラマウンテ家
そして、アモールゥ家の四つの家が、この掃き溜めの様な裏世界を仕切っていた。
悪所・売春街
「カイルの兄貴、ご苦労様!」
「カイル兄さん、遊んで行きなよ」
「わりぃ、今日は予定が入っちまってるからな、また今度遊びに来る」
悪所の歓楽街を風を切って歩く、カイルと呼ばれた彼は、クソの掃き溜めと呼ばれるこの悪所にて、仁義と人情の元に裏社会を仕切る、アモールゥ一家の中堅の構成員である。
いつもは若い連中の教育と、シマの見回り、娼館や悪所の飲食店や個人店からのミカジメ料の徴収に明け暮れているが、今日はミカジメを納めている娼館から、相談事があると言われ、急いでいた。
とある娼館
「カイルさん」
「おう、ローザ」
自分達、アモールゥ一家の縄張りにある娼館に到着すると、ローザという名のフォックスピープル(狐の亜人)がカイルを出迎えた。
「で、相談事てのはなんだ?」
「…ついてきて」
ローザは神妙そうな顔付きでそういうと、カイルをある一室に案内した。
「これは…」
娼館の一室に連れてこられたカイルの目の前には、目は虚に口は半開き状態で、その様は生きてはいるが、魂はすでに死に絶えここには無い、そんな様子のキャットピープルがいた。
そんな姿にカイルは思わずギョッとしたが、同時にこの症状には身に覚えがあった。
「この症状…近頃悪所で広まってる、謎の薬か…」
「知ってるの、カイルさん?」
「あぁ、俺たちアモールゥ一家も危険視している、近頃悪所で広まってる、人を廃人にしちまう謎の薬の症状だな」
カイルが言った謎の薬とは、親衛隊情報部が持ち込み、密かに流通させている、コカインやアヘン、モルヒネ、メタンフェタミンなどの麻薬である。
これらの麻薬は、親衛隊の現地における活動資金、そして何より親衛隊の闇の資金源として、親衛隊に多くの富をもたらしている一方で、悪所を中心に麻薬中毒者を多く生み出し始めており、アモールゥ家も問題視し始めており、現在調査をしている所である。
「この子はね…私の妹分だったんだよ…こんな掃き溜めみたいな場所で、今まで必死に生きて来たのに…どうしてこんな事に…」
ローザは、完全に心が死んでいる妹分の変わり果てた姿を見て思わず悲しそうな顔をした。
すると
「どこの誰だかしらねぇが…俺たちのシマで…好き放題やってるツケは、取らせてもらわねぇとな…」
目の前で廃人にさせられた、自分達のシマの人、そしてローザの悲しそうな顔を見て、カイルの心は怒りに燃えた。
その頃
ヘルクスハイマー侯爵邸
地下司令室
「アモールゥ家の本拠は、悪所の中心地である、ここにあります」
「本当にど真ん中だな…犯罪都市の顔役なのだから、比較的治安が良い郊外に住んでいると思っていたが…」
「自らの縄張りを守る為に、縄張りの中心地に常に、堂々といると言うのが奴等の方針らしいですからね」
「そうか、なんとも無駄な信念だな…」
この帝都において暗躍する、ヴィザンツィア騎士団国の秘密特殊部隊を率いる、国家憲兵隊第9本部のラフト中佐の説明を、作戦を実行する第500SS降下猟兵大隊指揮官のギルホファーSS中佐と聞いていたヴォルフSS大佐は、アモールゥ一家の無駄に誇り高い方針に、思わず軽蔑するような様子でそう言った。
情報将校であり、何より親衛隊に所属する軍人であり、何よりリアリストでもあるヴォルフSS大佐にとって、自らの信念や誇りに従い、必要を超えて火中の中に身を置くなど、彼にとっては自殺行為と何も変わらない事であり、ほぼ無駄であると感じていた。
「だがそのつまらんプライドが、我々にとっては好気でもあるな…所で、監視の方はどうなっている?」
「問題ありません、我々の協力者である弱小の組織であるベッサーラ一味を始め、悪所で雇った手駒に監視を行わせています」
ヴォルフSS大佐の問いに、悪所での諜報作戦の作戦指揮官であるアイヒベルガーSS少佐はそう答えた。
アイヒベルガーSS少佐は、今回の作戦の為に、元々悪所での麻薬や武器など、ドイツやヴィザンツィア騎士団国から持ち込まれた製品の密売の為に、買収しておいたアモールゥ一家の末端組織である、金と利益にひれ伏す弱小のチンピラ集団である、ベッサーラ一味や密告屋、そして現地に潜んでいるSSの偵察隊などを操り、アモールゥ一家の動向を常に監視させていた。
「情報によりますと、4日後にアモールゥ一家は、我々に対抗する為、傘下組織を集め、大規模な会議を行う予定との事…」
「時間は?」
「真夜中だそうです」
「なるほど、丁度良いな…よし、その時間に襲撃をかける。襲撃の主力は第500SS降下猟兵大隊だが、生き残りが逃走する事も考え、逃げ道は完全に塞ぐ必要がある。ラフト中佐、周辺の下水道や裏道に配置する兵士をお借りしたい、よろしいか?」
「構いません、大佐殿」
「よし、方針は決まった。詳しい作戦だが…」
こうして、SS、そしてヴィザンツィア騎士団国国家憲兵隊の特殊部隊による、アモールゥ一家殲滅作戦が開始される事となり、その後も詳しい作戦内容の確認などが行われた。
その頃
「そうか、大佐殿は会議ですか」
「えぇ、申し訳ございませんヘルクスハイマー侯爵閣下」
この家の家主であり、親衛隊やヴィザンツィア騎士団国の諜報員の協力者であるヘルクスハイマー侯爵が、今後ドイツや騎士団国本国から届く支援物資の運搬方法や、そのルートに関する報告や相談をする為に、指揮官であるヴォルフSS大佐に面会を求めに来たが、生憎会議中であり、副官のクルトSS大尉は申し訳なさそうにそう言った。
「まぁ仕方あるまい、会議が終わったら少し時間をくれるよう、大佐には言っておいてくれ」
「かしこまりました」
そしてヘルクスハイマー侯爵も、そう言う事ならばと納得し、そうクルトSS大尉に言った。
その時であった
「待ってーおじさ〜ん!」
「待つにゃ〜」
「ははは、ほらみんな行くぞ〜ほれ!」
庭の方から、多くの子どもたちの楽しそうな声、そしてその中に混じり、ボール遊びに興じる、メンゲレ博士の声が聞こえた。
「楽しそうですなメンゲレ博士は…」
そしてその光景を見たヘルクスハイマー侯爵は、思わず軽蔑と蔑視の表情を向けてそう言った。
それもそのはず、現在庭を元気に走り回り、楽しそうにメンゲレ博士と共に遊ぶのは、キャットピープルに、フォックスピープル、ウォーリアバニーなど、いわゆる亜人の子供達であった。
この子達は、元々悪所などの奴隷市場で、愛玩奴隷として売られていた子達であり、メンゲレ博士の強い要望、そしてドイツ本国にいるカイザー・ヴィルヘルム人類学・人類遺伝学・優生学研究所所長である、オトマー・フライヘル・フォン・フェアシューアー教授や親衛隊・警察医学総監であるエルンスト=ロベルト・グラヴィッツSS大将から提供された資金により、奴隷市場からかき集められて来たのだ。
そしてそんな奴隷の亜人の子供達は、自分達を大切にしてくれているメンゲレ博士によく懐き、メンゲレ博士も亜人の子供達相手に楽しそうに触れ合うなど、微笑ましい関係を築けていたが、一方の純血主義者であるヘルクスハイマー侯爵にとっては、その光景は理解し難い光景であった。
「あの劣等種共の子供には勿体無いほどの餌と綺麗な服を与え、仲の良い関係を築く…博士は優秀だが、我々の思想を理解していないのではないですかな?」
思わず、ヘルクスハイマー侯爵はそう文句を言った
だが、一方のクルトSS大尉は…
「まぁ、良いでは無いですか…」
そう一言だけ呟くと、クルトSS大尉は、まるで家畜小屋に繋がれ、食肉に加工されるだけの運命を待つ家畜を見るような、哀れみに満ちた目で、外で遊ぶ亜人の子供達を見た。
ヨーゼフ・メンゲレ博士…
親衛隊の医師であり、人類学者として有名な人物であるが、その本来の顔…特に、彼が勤務していたアウシュビッツ強制収容所で、ユダヤ人の子供を相手に行っていた悍ましい人体実験の数々の所業を、情報将校として上程度に認知しているクルトSS大尉は、正に死の天使と言うあだ名に相応しい、彼によって導かれる唯一無二の運命をこれから辿る事になるであろう、亜人の子供達には、SSの将校でありながらも、同情を禁じ得なかった。
4日後
アモールゥ家アジト
「オヤジ、本当に今回の会合、やるつもりですか?」
今日は、アモールゥ一家の傘下組織の代表を集めての会合が行われようとしていた。
しかしカイルは、謎の組織が暗躍しているこの状況で会合など、危険ではないかとそう考え、ボスであるアモールゥ本人にそう聞いた。
すると
「カイルよお前の言いたい事は分かる…確かに、今俺たちのシマで異常事態が起こっていて、会合が危険だと言うのは分かっておるよ」
「なら!」
「カイル!」
そこまで分かっているならやめてくれ、そうアモールゥにカイルは言おうとしたが、アモールゥは、その言葉を阻み、逆にどんなチンピラも逃げ出しそうなほどの覇気を感じる目をカイルに向け、カイルはまるで蛇に睨まれたカエルの様な様子となった。
だが次の瞬間
「オメェは、優しいやつだ」
アモールゥは、優しそうにそういうと、優しくカイルの肩に手を置いた。
「俺の身を案じてくれるってのは、ありがてぇよ。だけどなカイル、こういう時だが…いや、こういう時だからこそ、親分てのは、ドーンと構えて、いつもと変わんねぇ、て事をシマの連中やうちの野郎共にしめさにゃならんのよ」
「オヤジ…」
(そうだったな…どんな事が起きても動じず、ズッシリと構える…そんな親父に、おれは憧れたんだわな)
カイルはそう心の中で思うと、不思議とこんな状況にも関わらず、笑みが溢れた。
「分かりました、そういう事ならオヤジの事は、死んでも守ります」
「おう、頼んだぞ」
それから2時間後
ヘルクスハイマー邸地下室
「そろそろか…」
薄暗い司令官執務室り腕を組んでいたヴォルフ大佐は、壁にかかっている時計を見てそう呟いた。
すると突如無線電話の音が、部屋の中を包んだ。
「はい…はい分かりました大佐にお伝えいたします」
そして電話相手からの内容を確認したクルトSS大尉はそう言うと、受話器を手で塞ぎ
「各小隊、配置についた様です」
そうヴォルフ大佐に報告した。
その報告を聞いたヴォルフ大佐は表情を変えずこう命令をした。
「良いだろう、作戦を開始せよ…」
「jawohl、作戦開始せよとの事です。はい、ハイル・ヒトラー!」