帝国の旗を掲げよ   作:ドイツ軍ファルマート大陸軍集団

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影の戦争・後編

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悪所地下水道

 

「ひどい匂いだな…」

 

「まぁ、この地下水道は廃棄されてから結構の年数が経っていますからね…汚物や社会不適合者…この悪臭を放つ要素はいくらでもあります」

 

「我々騎士団国と、ドイツがこの大陸の主導権を握った暁には、全てを燃やして、綺麗になりますよ」

 

数百年前、この帝都の大建設時代に作られ、悪所が今の様に貧民街となった際に放棄され、浮浪者とマンホールチルドレンの溜まり場となっていたこの地下水道にて、ギルフォハーSS中佐率いる武装親衛隊第500SS降下猟兵大隊の本隊、そして国家憲兵隊の特殊部隊…通称アインザッツイェーガーと呼ばれる組織に属する、所謂コマンド兵達が、ここにひっそりと住んでいた人達を殺した上で、この鼻が曲がる様な悪臭に耐えつつ、作戦開始のその時を、今か今かと待ち侘びていた。

 

すると

 

「隊長、司令部より作戦開始が宣告されました」

 

SSの通信兵が、ギルフォハーSS中佐にそう報告すると、中佐は静かに、そして冷徹な口調でそう言と、口元を黒いマスクで覆い、ワルサーMP短機関銃にマガジンを挿入した。

 

その頃

 

「何かあったら、すぐに言えよ」

 

「はいよ、そっちも気をつけるんだよカイルさん」

 

カイル達、アモールゥ一家の戦闘要員、すなわち武闘派達の半分は、シマの見回りをしていた。

 

このご時世だし、何より今日の会合の事を考えれば、そちらに警備を固めた方が良いのではとの意見もあったが、我が身可愛さにシマの守りをおざなりにすわけにはいかない、むしろシマへの直接攻撃を行い、一家への信頼を削ると言う戦法に出てくるとも限らないという、親分の決断により、武闘派を二つに分け、一つは本部の警護、もう一つはシマの見回りにさいた。

 

「どうしたカイル…何やら浮かない顔だが?」

 

「ワナードの兄貴…いえ…」

 

すると、カイルにとっての兄貴分であり、剣の達人として知られる殺し屋、ワナードが不安そうにしているカイルにそう聞いた。

 

それに対してカイルは、自分の兄貴分に心配をかけてはいけないと思い、少しでも気丈に振る舞おうとした。

 

だが

 

「オヤジが、心配なのか?」

 

ワナードには、カイルの心の中が見透かされていた様であった。

 

「…はい」

 

カイルは、帝国の侵攻を受け、今は併合され、帝国領となっているロサの街出身である。

 

親も兄弟も皆殺され、流れ流れ着いたこの悪所にて、アモールゥに拾われ、それ以来組織とオヤジに対する忠誠心は人一倍であった。

 

その為、そんな敬愛するオヤジに万が一があればと、心配になっており、その心配が顔に出ていた。

 

すると

 

「心配するな、俺達がこうしてシマの見回りをしている今も、兄貴達が、オヤジを守ってくれている」

 

ワナードは、相変わらずのクールな表情ながらも、心配している様子のカイルにそう言った。

 

アモールゥ一家には、今カイルと共にいるワナード同様、一家の親分であるアモールゥの気骨に惚れた多くの強者が多くあり、自分達がこうして、縄張りを偵察している時も、しっかりと守ってくれている。

 

「俺は、アイツら…そして兄貴達の事を信頼している。だから…」

 

安心していられる、ワナードがそう言おうとしたその時。

 

「避けろ!」

 

「なっ!!」

 

突然ワナードはカイルを思いっきり左側に突き飛ばすと、右横に飛んだ。

 

それと同時に

 

「「「ぎゃああ!!!」」」

 

さっきまで自分達がいた場所、そして後ろにいた舎弟達の頭上、正面から銃弾の雨が降り注いだ。

 

「兄貴!」

 

「来るな、カイル!」

 

ワナードがカイルにそう言ったその時、今度は彼らの頭上に手榴弾が放り込まれた。

 

「なん…」

 

カイルがそう言ったその時、鼓膜を破裂させる程の爆発音と爆発の炎がこの通りの一角を包み込んだ。

 

不幸中の幸いか、ワナードやカイル達が襲われた場所は、悪所の中でほぼ廃墟しかない地域であった為、浮浪者などを除けば、一家の人間以外に犠牲者はなかったものの

 

「なんだ!?」

 

「なんなの、今の音は?」

 

先ほどの銃撃や爆発音に、周辺の人々は夜中にも関わらず何事かと外に出て、音がした方を向いた。

 

しかし

 

「何!?」

 

「別の所でも!?」

 

ワナードやカイルが襲われた場所だけでなく他の場所、さらにはアモールゥ一家の屋敷など、一家の縄張りの各地で、銃撃音や爆発音などが、同時多発的に起こった。

 

そんな状況に周辺の住民達は恐怖心から、すぐさま戸や窓を閉め、関わりたくないと言わんばかりに、家やあるいは下水道や地下などに篭った。

 

その頃

 

アモールゥ一家の屋敷

 

「Los! Los! Los! 」

 

アモールゥ一家のシマを巡回する構成員達が襲撃されている頃、屋敷でも、武装親衛隊、国家憲兵隊の特殊部隊による攻撃が始まっていた。

 

「カチコミか!!」

 

「生きて返すな!!根性見せろ!!」

 

アモールゥ一家の構成員達は、そう啖呵を切りつつ、果敢に立ち向かっていったが、正面入り口からパンツァーファウストや、戦後圧力で枢軸国加盟国となったスェーデンと共同開発したカールグスタフ無反動砲による一斉攻撃と、屋敷の真下からの突入口確保の為の爆破と、元傭兵や兵士達が大勢いるアモールゥ一家においても、今まで見たこともない攻撃や戦い方で攻めてくる、武装親衛隊や国家憲兵隊の特殊隊の攻撃に混乱の渦に叩き込まれた。

 

「兄貴!」

 

「クソ!!なんなんだあいつら!!」

 

アモールゥ一家は、決して弱いわけではない。

 

その証拠に、武装親衛隊や国家憲兵隊側にも、犠牲者は出ているし、一対一の素手の戦いなら、精鋭である武装親衛隊の兵士であっても勝てはしない。

 

だが、技術力と軍隊としての組織力、この二つの要因で、アモールゥ一家の構成員達は、次々と射殺、あるいは手榴弾による攻撃で爆殺され、ほぼ一方的な戦いであった。

 

「奴らを通すな!!ぐぁああ!!!」

 

「アモールゥ一家を舐めるんじゃぐぁあああ!!!」

 

剣や槍で斬り掛かる兄貴も、弓矢や横流しで手に入れたボウガンで対抗する若衆も、次々と鋼鉄の軍団が持つワルサーMPやStg-44から放たれる鉛の嵐によって蹂躙され。

 

「全滅です」

 

「よし、前進だ!」

 

「Los!Los!」

 

勇敢に散っていった彼ら日影者の極道者達の死体を、親衛隊や国家憲兵隊は鉄のブーツで踏みつけ前進し、その後も屋敷内には、まるで行進曲を口ずさむように、彼らが進む場所では銃撃や爆発音が響き渡っていた。

 

一方

 

「中尉、各部隊共に目標の抹殺は完了、後は本隊が目標の完全制圧をするだけとなっているみたいです」

 

「そうか、こちらもやったか?」

 

今回の作戦では見回りの為、アモールゥ一家の縄張りに散ったアモールゥ一家の構成員達を始末し、同時に一家の本部に強襲をかけ、一気に制圧すると言うのが、ざっくりとした親衛隊や国家憲兵隊の特殊部隊の作戦であった。

 

そして今の所、シマの見回りの為に出ていた構成員達の抹殺は完了し、アモールゥ一家の本部にも本隊が突入し始めている。

 

こちらも、目標であったアモールゥ一家の構成員の抹殺は完了したのか、爆発によって舞う爆煙の中を見つめながら、小隊指揮官である、アルブレヒトSS中尉はそう呟き、それと同時に、SS隊員数人が、恐る恐る銃を構えながら、爆煙の中を進んで行こうとした。

 

だがその時

 

「シャアアアーーー!!!!」

 

「なんだ!!うぁあ!!!」

 

「ギャアア!!」

 

突然煙の中から、シャムシールと言う剣を握り血だらけの姿になったワナードが、武装SSの兵士1人と国旗憲兵の兵士、計2人を切り捨て、空中に2人の首が舞った。

 

「中尉!」

 

「生きていたか、落ち着け、距離を取り、遠距離からの攻撃を仕掛けろ!」

 

だがそんな状況にあっても、アルブレヒトSS中尉は落ち着いた様子で命令を下し、中尉の命令を聞いた兵士達は、規律が取れた動きでワナードから距離を取り、銃撃を行った。

 

「はっ!!」

 

しかしワナードは、すぐさまその攻撃を避け、物陰に隠れた。

 

「カイル、大丈夫か?」

 

「えぇ…なんとか…」

 

物陰に隠れると、ワナードは同じく物陰に隠れ、血だらけになっていたカイルにそう聞いた。

 

銃撃に、手榴弾による爆破攻撃…

 

本来であれば死んでいてもおかしくない攻撃であったが、運が良かったのか、2人とも傷と血だらけではあるものの、なんとか動き、戦える程度の力は残っていた。

 

「しかし…奴ら一体…」

 

襲ってきたのだから、奴らが自分たちのシマを荒らす謎の組織である事は、一目瞭然ではあるもの、見た事ない武器に、見た事が無い身なり、そして見た事がない戦い方、何もかもが未知の存在であった。

 

しかし一方でワナードは、先ほどの統率が取れた動きや、先ほど襲われた時の見事な連携攻撃から、ある予想を立てていた。

 

「あの動き…裏社会の人間やゴロツキでは無い…奴ら軍隊だ」

 

「軍隊!?本当ですか?」

 

「あぁ…戦い方は今まで見た事が無いが、それでも俺もかつて軍にいたから分かる。軍には、軍の動きや匂いという物がある。奴らのは、まさにそれだ…」

 

「一体、何処の…」

 

まさか敵が軍隊である事にカイルは動揺しそう聞いた。

 

だがその一方でワナードは、軍隊相手では2人で逃げ切れるのは難しいと考えており、そして考えた結果。

 

「カイル、お前はアジトに戻って、オヤジを救え…」

 

ワナードは、そうカイルに命令した。

 

「救えって…ワナードの兄貴はどうするんですか!?」

 

いきなりの事で、動揺した様子でカイルはそう聞くと、ワナードは語った。

 

「俺はここに残って、奴らの足止めをする。この砂煙…俺が囮になれば、お前くらいは逃げ切れるはずだ…」

 

「ですが!」

 

やはりそれでも、尊敬する兄貴分をおいて行けない、俺もここで死に花を咲かせてやります、そうカイルが言おうとしたその時。

 

「さっさと行け!!これは命令だ!!」

 

大人でもビビりそうなほどの剣幕でそうカイルを怒鳴りつけ、それを聞いたカイルは。

 

「は、はい!!」

 

他に、何か思いや言葉を伝えたかった…しかし、ワナードの怒鳴り声、そして今回の事、あらゆる事が頭の中でぐっちゃになったカイルはそう言うと、まるで条件反射のように走り出し、ワナードの言う通りに、アモールゥ一家のアジトに戻って言った。

 

(兄貴!待っていてください!オヤジを助けたら、すぐに他の兄貴達を呼んで戻って来ます!!)

 

そう心の中で思うと、カイルは、ただひたすら、何も考えず、それこそ身体中の傷から血が出ても、構わず、ただ懸命に、悪所の中を突っ走り、自分達一家のアジトに向かって行った。

 

一方

 

「カイル…お前は生きろよ…」

 

ワナードは、そう静かに呟くと、再び剣を持ち。

 

「シャアアアー!!!!」

 

待ち構える、SSと国家憲兵隊に斬りかかって行った。

 

 

2日後

 

「なんだ…こりゃ…」

 

アモールゥ一家の下部団体である、ベッサーラ一家の頭であるベッサーラは、ヘルクスハイマー伯爵邸の一室にて、とある映像…アモールゥ一家の蜂の巣にされた死体の数々、燃えるアモールゥ一家のアジト、そして殲滅作戦後、残った残党を森に連れてゆき処刑する映像など、普通の人であれば吐き気を催すほどの映像であった。

 

そして映像を見終えた後

 

「おめでとう、アモールゥ一家のシマはすべて君の物…これで君も悪所の顔役の1人だな、ベッサーラ君」

 

悪所での工作活動の司令官である、アイヒスベルガーSS少佐が、ベッサーラの肩に手を置くと、ニヤリと笑いながらそう言った。

 

「俺が顔役…」

 

ただのチンピラ組織の頭だった自分が、一気に顔役…その事に、ベッサーラは少し興奮した様子でそう呟いた。

 

だが、そんなベッサーラに追い討ちをかけるように、今度はヴォルフSS大佐がこう言った。

 

「だが、君が悪所の顔役になる代わりに、我々にも少なからず犠牲が出た…わかっているな?」

 

「あっ、ああ…勿論だ。あんたらが、推し進めるドラッグ…だったか?このビジネスやその他、おたくらが持ち込んだ密輸品の上がりの六割をアンタらに払う。他にも、売春やその他一家が立ち上げる新規の事業に関する上がりも、三割はおたくらの取り分として分ける。分かってるさ…」

 

「分かっているなら良い…」

 

ヴォルフSS大佐の、冷徹な様子で述べた言葉を聞いたベッサーラは、脂汗をかきながらそう述べると、その態度にヴォルフSS大佐は愛も変わらずの無表情でそう述べた。

 

「そんじゃあ、俺はそろそろ…顔役になって、やる事が多いもんでね」

 

そして蛇に睨まれた蛙のような気持ちを味わっていたベッサーラは、この地獄のような場所から、早く離れたい思いからそう言うと、そそくさと屋敷を出て行こうとした。

 

すると

 

「ベッサーラ…」

 

「な、なんだ!?」

 

そんなベッサーラをヴォルフSS大佐は引き留めると、こう一言だけ言った。

 

「裏切るなよ…」

 

「あっ、あぁ…」

 

その言葉にベッサーラはそう一言だけ言うと、そそくさと、逃げるように部屋からで行った。

 

「ベッサーラ…信用出来ますかね?」

 

これからは、SSと国家憲兵隊が主導する裏ビジネスは、ベッサーラ一味をフロントとして展開して行く。

 

その為、そんなSSと国家憲兵隊の工作を隠すベールとなる、ベッサーラ一味を信用できるのかと、国家憲兵のラフト中佐は首を傾げながらそう言った。

 

「信用なんて、必要では無い」

 

するとヴォルフSS大佐は、手に持っている紅茶をスプーンでかき混ぜながらそう言うと、その紅茶を一口飲むと、こう言った。

 

「中佐、覚えておくと良い。この世で人を動かすには、その人物を従わざるをえない状況に追い込めば良い。そうすれば、信用や信頼など、大した問題では無い」

 

「はぁ…」

 

そう言うとヴォルフSS大佐は机に紅茶を置くと、徐に同じく、机にあったチェスのコマを掴むと、こう言った。

 

「まぁ、せっかく我々が苦労して作り上げた駒だ…せいぜい長く、駒として我々の利益になるよう動いてもらうとしよう」

 

 

その頃

 

地下室

 

「おじさんやめて!!お願い!!」

 

地下室の一室では、かつてメンゲレに拾われたフォックスピープルの少女が手術台に縛り付けられ、そしてその横では、手術着に着替えたメンゲレが、上機嫌にG線上のアリアのレコードをかけ、その曲を口ずさんでいた。

 

「さて、亜人と言われるモルモットの体には、一体どんな心理があるのか…」

 

そして、すべての準備を整えたメンゲレは、メスを手に取ると、麻酔もされず、涙目になっている、亜人の少女を見て、ニヤリと笑いながらそう言った。

 

そして

 

「イギャァアアアーーーー!!!!」

 

その後、彼女の悲鳴は、手術室の外にも漏れる程であった。

 

「はぁ…勘弁してくれ」

 

正直、亜人は人間と掛け離れた容姿をしている事もあり、虐殺や殲滅する側であるSSとしても、ユダヤ人を虐殺するよりかは、はるかに心の罪悪感という物を感じない人が多いと聞くが、クルトSS大尉は今の悲鳴を聞き、本当にそうなのかと疑問を感じられずにはいられなかった。

 

 




いかがでしたか?

所で、近いうちに原作GATEでの特別短編の様な作品を書こうかと思うのですが、もし読者の皆様が、こう言う話を見てみたいとかリクエストがあれば、気軽にコメント欄にて、お教えいただけると幸いです。

ちなみに今考えてる特別短編は

"ヒムラー長官のオカルト旅行日記"

"リィズ殿下、大日本帝国に行く"

この二つを考えております。
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