帝国の旗を掲げよ 作:ドイツ軍ファルマート大陸軍集団
ファルマート大陸
それは、門の先にある異世界に存在する巨大大陸であり、大陸のほぼ全てを支配する帝国と呼ばれる巨大な国家と、その他の諸王国と呼ばれる帝国から独立した中小国、または蛮族と帝国が呼ぶ、亜人などが住む未開拓の土地などが広がる大陸である。
そしてそれらの国々や勢力が跋扈する大陸において、帝国に次ぐ国力をもつ国こそ、このヴィザンツィア騎士団国である。
現帝国の王朝から別れた、分家のコンスタンティヌス家が収める国家であり、帝国の皇室とは親戚関係であるが、今から995年前、帝国が誕生した時に、時の皇帝と、初代騎士団国総長が、政治思想の違いにより袂を分ち、西方に建国された国家である。
公式的には帝国の属国、あるいは地方王国とされているが、事実上完全に帝国政府のコントロールを外れており、長い年月の間、独自路線を貫き、密かに帝国の現王朝の打倒と、帝位の奪還と称した、簒奪を虎視眈々と狙い準備を行っている軍事国家である。
そしてそんなファルマート大陸、ひいては、その大部分を支配する帝国にとって、獅子身中の虫とも言えるこの国の南部、この世界に住む多くの人たちが聖地と呼んでいる土地である、アルヌスと近い場所にある、山の麓に広がる土地において、謎の門が出現。
すぐさま、騎士団国指導者である、ラインハルト・フォン・コンスタンティヌスの命令の元、国内にいる優秀な魔導士の力でこの門を維持する魔法装置を設置後、騎士団国においては最精鋭の騎士団総長直轄の常備軍として名高い中央騎士団、その中でも特にエリートとされている部隊、第10親衛騎士団エクェストリスと指揮官でありラインハルトの妹である、リィズ・フォン・コンスタンティヌスが調査の名目で派遣、そして今日門を潜り、その先の世界へと遠征を行う事となった。
「しかし面倒な物ですな、陛下のご命令とは言え、例の門をわざわざ維持する魔法装置を取り付けた上に、門の先に知的生命体がいれば、穏便に我が騎士団国に従属するよう、無理なら相互不干渉を確約させるなど…」
「そんな事をせず、我が騎士団の全戦力で攻めて、力尽くで屈服させてしまえば良いような気がします。図体ばかりでかい、弱兵ばかりの帝国軍ならともかく、我が騎士団国は常備軍も国民も、訓練が行き渡り、練度も士気も高い精鋭、その方が早い気がしますな」
騎士団を構成する三つの部隊の内、二つを指揮する老齢な騎士と、若い女性の騎士
いかにも歴戦の猛者、と言う雰囲気を醸し出す騎士団国の猛将、ヴァルター・フォン・ミュッケンベルガー
リィズの幼少期からの幼馴染であり、騎士団国の名門軍人家であるビッテンフェルト侯爵家の娘である、アンネリーゼ・フォン・ビッテンフェルト
二人とも、武闘派に属する勇者であり、自国の軍隊に対して誇りと自信を持つ二人は、騎士団国政府から下された、慎重な命令に、思わずそう言った。
すると
「仕方が無いですよ、犠牲を出さず門の向こうの勢力と接触せよとの、陛下の命令だもの」
「そうそう、私達にとって倒さなければならない敵は、今も昔も、あの帝国政府…この門の先にどんな世界が待っているかは分からないけど、悲願である帝国の打倒を成していないのに、別世界を攻めるなんて、考えられないよ」
二人の過激な意見に対して、騎士団長付き主席副官である、ミア・ボーゼンフェルト、そしてこのエクェストリス親衛騎士団を率いる張本人である、リィズの二人は諌めるようにそう言った。
「はぁ」
「まぁ、殿下がそうおっしゃるなら、将官には異論はございません」
二人ともリィズの言葉をきき、そう言ったが、一方で根っからの武人である二人は、少し残念そうな顔をした。
するとその姿を見たリィズは、少し笑みを浮かべ。
「神の仕業かどうかはわかないけど、門の向こうの世界に住人がいたら、まずは穏便に関係を築こう。制服するなら、帝国を倒した後にゆっくりやればいいさ。その時は、二人の力が、必ず必要になる」
二人を鼓舞するかのようにそう言い、そして自らの主人のその言葉を聞き、二人は気を引き締めた。
そして
「さて、それじゃあ行こうか。門の奥にいる、蛮族達に挨拶をしにゆこう!!」
「「「おおおーーっ!!!」」」
リィズは剣を高らかに上げそう叫ぶと、続くように兵士は雄叫びを上げ、そしてエクェストリス騎士軍団は、意気揚々と門の中へと突入していった。
それから1時間後
「まさか…門の奥がこのような世界になっていたなんて…」
意気揚々と門の中へ入って行ったあの時の様子はどこへやら、門の奥に広がっていた巨大都市
1448年に、ブランデンブルク辺境伯がこの土地を首都に定めてから、約500年の長い歴史の中で発展し、今ではヨーロッパにまたがる巨大な独裁国家の首都でありヨーロッパの首都となっている歴史ある大都市である、ベルリンの街を前に、リィズとミア、そして先ほどまでは門の先の世界へ攻め込んでしまおうとまで言っていたアンネリーゼとヴァルターすらも完全に、戦意など吹き飛ばされ、目の前に広がる街並みに圧倒されていた。
無論、他の騎士団の面々も、門の奥に広がっていたベルリンの街、そして目の前に展開するドイツ兵士達に驚愕していた。
(なんなのこの街は…我が騎士団国の首都…いや、帝国の帝都すらも超えている…)
アンネリーゼは、目の前に広がるベルリンの街並みに驚愕し
(あれは…間違いない、形は多少違えど、我が国の最新兵器、銃では無いか)
ヴァルターは、ドイツ兵や親衛隊がもつ装備である銃を見てそう心の中で思っていた。
ヴィザンツィア騎士団国は、帝国の現政権の淘汰を最終目標にしているが、国力や人口、全てにおいて、未だ帝国に追いつけずにいる。
そこで、帝国との戦力差を軍隊の質の向上と、兵器で補おうと、兵器開発に関する研究に力を入れており、そして今から1年前に、マスケット銃の開発に成功していた。
現在は、騎士団国の最精鋭部隊である中央軍に集中的に配備されようとしていた為、ヴァルターは、ドイツ軍の兵装である銃を理解出来、そしてそれと同時に、未だ配備が間に合っていない自国の秘密兵器を、こんなにも多くの兵士達が装備している事に、ドイツ軍の技術的強さ、そして武人だからこそわかる、ドイツ軍やSSの練度の高さを感じ取り、内心恐怖を感じていた。
一方でリィズは、それらの事にも驚いていたが、一番驚いたのが大通りに掲げられているナチスのシンボル、鉤十字の旗であった。
(あれは…聖戦の印、我が騎士団国の国旗にも記される、人類団結の印…)
デザインは多少違うが、ナチス・ドイツの国旗に描かれている鉤十字は、彼らヴィザンツィア騎士団国の国旗にもあしらわれており、強さ、解放、真実の世界、人類、この四つの存在を救済する、聖戦の印とされている。
その為、自分達のシンボルの一つと同じ印がこの世界で持つ食われている、その事に驚愕、そしてどこか親近感を覚えさせ、その結果彼らドイツ軍やSSに対する戦意を失わせていた。
すると
『あっ、大佐どちらに!?』
バリケードの向こう側からそんな声がすると、バリケードから一人の男、自分達の世界では見慣れないデザインの軍服?を着た男がこちらに近づいて来た。
「どうしますか、殿下?」
「仕掛けますか?」
ヴァルター、アンネリーゼの二人は、指示を請おうとそうリィズに聞いた。
だが
「いや、ここは当初の予定通り穏便に話をしてみよう」
リィズはそう言うと馬から降り、向かってくる軍服の男である、オスカー・ヴォルフSS大佐へ向かって歩み始めた。
それから1時間後
総統宮殿
「異世界からの使者…」
「はい、全くもって信じ難いことではありますが、事実です」
詳しい報告書を読みながら、そう呟いたヒトラーに、ヒムラーがそう述べた。
するとヒトラーは、少し天井を見上げたのち、何を思ったのか部屋に飾られてある地球儀を眺めながら、ぽつりぽつりと語り始めた。
「祖国とドイツ民族を国際ユダヤとボリシェビキから救済する為の闘争、そしてドイツの威厳と栄光を取り戻す先の戦い…様々な困難と試練、そして予想にもつかない障害や奇跡、闘争を通じて私は、さまざまなものを見て、そして常に未来への展望を思い描いていたが…まさか、この様なことが起こるとはな…」
ヒトラーの脳裏に映ったのは、自分達ナチスが権力獲得までに歩んで来た闘争。
今は亡き、あるいは決別した数多の同志達と共に力を合わせ戦い抜いた闘争
そして、権力掌握後に、国際ユダヤのヨーロッパからの追放と、浄化、ボシェビキの粉砕を志し始めた先の戦争。
多くの困難と試練の日々を思い出し、そして今新たなる歴史の歯車を回すであろう、出来事を目の前になんとも言えない気分になっていた。
「全くもって、その通りであります。ですが総統閣下、我々に乗り越えられなかった試練はありません、今回の試練も、必ずや我が祖国を率い、我々は総統はと共に乗り越えられると、信じております」
「ありがとう、ゲッベルス君」
そして、そんなヒトラーの心情を察したゲッベルスはそうヒトラーに述べた。
そして意を決したヒトラーは、一人の男を向いた。
「リッベントロップ、ヴォルフ上級大将」
「はい」
「はい!」
ドイツ外務省大臣であるヨアヒム・フォン・リッベントロップ
そして先の独ソ戦における停戦交渉をまとめた立役者である、SS全国指導者個人幕僚部長官カール・ヴォルフSS上級大将
この二人の名前を呼んだ。
「率直に聞く、彼ら異世界からの来客達は、何を求めている?」
そして、そう二人に聞いた。
「どうやら彼らは、我が国との国交樹立…それを考えている様です」
それに対して、リッベントロップはそう答えた。
「成程、良いだろう、ひとまず彼らと話し合ってみよう。今はどこにいる?」
「対応が正式に決まるまでは、ホテル アドロン ケンピンスキーに案内し、丁重にもてなす様、取り計らいました」
「そうか、ならばヴォルフ上級大将」
「はい」
「総統権限で、君をSS幕僚本部長官の職をそのままに、外務省次官に任命する。君の交渉力を持って、リッベントロップと共に、彼ら使節団を通じ、異世界の国と国交を結べるよう取り計らいたまえ」
「はっ必ずや」
そしてヒトラーは、ヴォルフSS上級大将に命令を伝え、さらにはこの場で外務省次官に任命した。
そして、この場にいるナチスの幹部達を見渡しこう宣言した。
「諸君、我々は今、過去例にない新たなる時代を、歴史が変わる分岐点に立たされている。
だが!様々な試練を乗り越え、そして勝利して来た、アーリア人達!そのアーリア人達の未来を牽引する我々は、この試練も乗り越え、新たなる時代を切り開けると確信している!!
最善を尽くし、そして我が帝国と、我が民族の為に働き、そして栄光を手に入れらることを期待する!ジーク・ハイル!」
「「「ハイル・ヒトラー!!!」」」
そしてヒトラーの演説を聞いた、彼ら幹部達も、みな決意を新たに、一斉にナチス式敬礼と共にヒトラーを、自らの指導者を称えた。
その頃
ホテル・アドロン・ケンピンスキー
ベルリンのランドマーク、ブランデンブルク凱旋門のすぐそばに建てられた、最高級ホテル。
現在は、異世界からの使者であり、ベルリンにとどまり、ドイツとヴィザンツィア騎士団国との国交樹立に向けた事前交渉を担う、エクェストリス団長のリィズと、アンネリーゼ、ミアの3人が滞在している為、ホテルの内外には、武装SSが駐留し、守りを固めていた。
そして、その指揮を任されている、オスカー大佐は、ホテルに設けられているレストランに居座り、お茶を飲みながら、報告書を読んでいた。
すると
「大佐、スレイプニル旅団のミュラー大佐がお越しです」
「ミュラー…あぁ、例の空中騎兵の指揮官だな…通せ」
先ほど、ベルリン上空に展開し、空から門を警戒していたヘリコプター部隊を指揮していた、ミュラー大佐が、ドイツ空軍の礼服を身につけ現れた。
「忙しいところ、すまない」
「忙しいのはお互い様ではないですかな?」
ミュラー大佐とオスカーSS大佐は、それぞれ国軍式とナチス式敬礼をし挨拶をすると、ミュラー大佐は一通の命令書を、オスカーSS大佐に渡した。
「ゲーリング元帥らなびに、カイテル元帥からの命令書だ。我々降下猟兵も、彼女達、異世界の使節団達の警護を命じられた」
「なるほど…」
命令書を見たオスカーSS大佐は、今回の事態に対して、自分達国防軍の有用性を示し、武装SSに対する牽制を、少しでも行おうとしている、命令書を発行した本人達である、カイテル元帥とゲーリング国家元帥のそんな邪な思いを、命令書を見て感じた。
「まぁ良い、だが我々の任務の邪魔だけはするなよ」
「我々はそのつもりだ」
だが、どんな思いがあろうが、正式な命令書がある以上従うまで、何より最悪何かアクシデントがあった場合は、全部彼ら空軍に責任をなすりつける、程の良いスケープゴートにしてしまおうと、オスカーSS大佐は考え、彼ら空軍に対して釘を刺しつつも、彼らの任務を邪魔しない事を確約した。
「何か、お持ちいたしましょうか?」
すると、レストランのウェイターが気を利かせて、ミュラー大佐にそう聞いた。
すると
「なら、白ワインを一杯いただきたい」
ミュラー大佐は、異世界からの使者などと、現実離れした出来事に対する、脳内のキャパオーバーとでも言うべき感覚を、少し酒を飲んで和らげたいと感じ、白ワインを一杯、もらう事にした。
「どうだ?」
「どうだ…とは?」
「例の使者達のことだ。貴官ら親衛隊の事だ、情報は色々と…少なくとも、今の我々軍よりかは持っているのではないか?出来ることなら、我々国防軍にも教えていただきたい」
すると、ミュラー大佐は持って来てもらった白ワインを少し飲むと、情報収集を兼ねて徐にそうオスカーSS大佐に聞いた。
オスカーSS大佐は国家保安本部、情報を得る為なら、盗聴や拷問まで、ありとあらゆる方法で情報を得ようとする、ならば何か知っているのではないかと思いそう聞いた。
だが
「仮に知っていたとしても、情報開示は、私の権限ではできないし、するつもりもない。親衛隊は、命令がない限り情報を別組織の軍人に話すことはしない」
「そうか」
SSの情報機関に属しているだけあって、オスカーSS大佐はそう言い、何も話さなかった。
ミュラー大佐は、SSのあいも変わらない秘密主義を痛感しながらも、最初からあまり期待はしていないのか、そう一言だけ述べると引き下がった。
「では、例の異世界…門の向こう側の世界のことを、貴官はどう思っている?」
「どうとは?」
「興味があるのかないのか…もちろん親衛隊としてではない、個人的なだ…」
「勿論興味がある…あの門の向こうには、未開拓の土地や資源などがあるだろう。その資源を利用できれば、我が祖国ドイツの繁栄、そして総統と我が民族の悲願である、宿敵ソ連への最終戦争勝利が、より確実になるだろう」
「…そうか」
(さすがSSの指揮…根っからの、ナチズムの信奉者だな…)
ミュラー大佐は、心の中でそう思い、そして彼に関しては警戒するべき人物であると認識した。
その頃
「この、シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテとか言うお菓子、少しお酒の風味がするけど、美味しい…」
「私は、このアイスとか言う氷菓子…程よく冷えていて美味しい〜」
「貴重な砂糖をこれほどふんだんに使うお菓子とは…」
ホテルのスイートルームでは、ドイツ政府との会談準備が整うまでの間、そして今日から4泊5日、ベルリン視察と銘打って滞在する、アンネリーゼ、リィズ、ミアの、騎士団国の調査隊幹部改、使節団の三人が、備え付けのバスルームで体を清めた後、ホテルのルームサービスで持って来てもらった、スイーツを堪能していた。
「こんなに美味しいスイーツが出るんなら、ヴァルターも残ればよかったのにね」
「まぁ、彼の方は武闘派ではありますが、基本真面目ですからね」
ちなみに、もう一人の調査隊の指揮官である、ヴァルター・フォン・グレゴールは、ベルリン市内へ引き連れて来た、騎士団の他の戦力を引き連れ、一足先にベルリンを去り、騎士団国本国へと戻っていた。
最初は、交渉団としてベルリンに残る事もリィズは提案したが、当のヴァルターは、ベルリンの街を見てみたい気はするが、国交交渉前の国に、仮にも騎士団国の軍隊がいるのはよろしく無い為、ベルリンからの撤退と、リィズの兄である騎士団国総長ラインハルト・フォン・コンスタンティヌスに、門の先の世界の事を報告しに行くと述べ、エクェストリスを引き連れ、門へと引き返してしまっていた。
「しかし…門の先が、まさか我々の理解すらも越えるほどの大国の首都だったとは…」
「これほどの文化力…そしてここに来る前に遭遇した兵士達全てに銃が配備されていた事…」
「彼らの動きからも、高い規律性が感じられた…それに兵士達と一緒にいた鉄の獣と鉄のワイバーン…戦車とヘリコプターだったかな?あの様な強力な兵器を、練度の高い兵隊が使っている…おそらく、この国は軍隊も物凄く強いだろうね」
少しではあったものの、ベルリンの街並みや兵器、兵士達の行動から見て取れる練度の高さなど、限られた情報からこの国は、とてつもなく強い、いわゆる列強に分類される、軍事大国であると、三人は結論付けた。
そしてそれと同時に、もしこの国に攻め込んでいたら…
その後の展開を考えると、背筋が氷った。
「戦わなくて、本当に良かった…」
「えぇ、全くです」
「戦争状態に突入し、あの軍隊を相手にしていたらと考えるだけで、目眩がします」
そして同じことをイメージしてしまったリィズ、ミア、アンネリーゼは、思わずそう言った。
「だけど、物は考え様だよ。今回の交渉は、あくまで国交樹立に関すること…だけど、この先の交渉次第で、この国の兵器やインフラなどを輸出してもらえる様にすれば、私達の国はさらに発展する」
「そして、帝国に対する最後の聖戦に勝利できる…」
「その通り…」
最後の聖戦…その言葉を口にしたミアは、決意と憎しみに満ちた様子であった。
ミアは、3年前に故郷を帝国に滅ぼされた後、奴隷とされてしまっていた。
その後帝国を脱走し、騎士団国へと亡命、途中リィズに救われ軍隊に志願し、彼女と共に多くの戦場を戦い抜き、やがて名誉貴族の称号である騎士の階級を得るまでに出世した。
だが、帝国の元で受けた悔しさと屈辱からくる憎しみの炎は、今でも消えておらず、いつもはアンネリーゼとグレゴールと言う過激な二人の軍人達に比べて、常識的な事を言う抑えの様な役割を行う人物だが、事帝国に対しては、この二人を超えるほどの過激な姿勢をとる人物である。
その為、リィズの言うヴィザンツィア騎士団国の強化と、その先に必ずある帝国の滅亡と、騎士団国の栄光の未来は、必ず実現させたいと考えていた。
「まぁ、何はともあれ、まずは交渉次第…」
そして、そんな怒りの心中を察したリィズは、真剣な顔つきで彼女の肩に手を置くとそう言った。